連載資金調達の週報

押さえておきたい資金調達ニュース──農家と飲食店をつなぐプラットフォームやオフィス向け無人コンビニなど【2019年1月28日〜2019年2月3日】

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資金調達が活況となり、日々のニュースが溢れている。全てを追いきれない読者のために、FastGrowでは週次で国内外スタートアップの資金調達ニュースを紹介。今週は日本から4社をピックアップした。

2019年1月28日〜2019年2月3日分

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  • TEXT BY NAGISA UMENO
  • EDIT BY TOMOAKI SHOJI
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プラネット・テーブル:農家と飲食店をつなぐ物流プラットフォーム

プラネットテーブル

資金調達概要

調達額
約6億円
調達先
大和証券グループ
大和フード&アグリ(DFA)
Spiral Ventures Japan

サービス概要

農産物の生産者と飲食店の直接取引を支援する流通プラットフォーム「SEND(センド)」を提供。流通コストを削減することで、生産者の所得向上を目指す。

同サービスは2015年8月のリリースから1年で登録飲食店は1000件、登録生産者数は3000件を突破。2018年8月には、これまでの10倍(約200平方メートル)となる物流拠点「GATE Meguro(ゲート メグロ)」新設した。検品から配送まで自前で行うことで、生産者から届いた作物を最短当日で飲食店に届けるという。

今後は、生産者向けの決済やファイナンス支援サービスの開発を進める予定だ。農業人口の減少が危惧されるなか、農業従事者を支える仕組みづくりに期待が高まる。

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600株式会社:クレカ決済のオフィス向け無人コンビニ「600」

「600(ろっぴゃく)」

資金調達概要

調達額
約1億円
調達先
朝日メディラボベンチャーズ
SMBCベンチャーキャピタル
AGキャピタル
アプリコットベンチャーズおよび非公開の個人

サービス概要

オフィス内で食料品や日用品を自動販売する「無人コンビニ」を展開。

購入するまでの流れは、次のようなステップとなっている。まず、手持ちのクレジットカードをスワイプして、無人コンビニの扉を開ける。その後、欲しい商品を取り出し扉を閉めると、各商品についているRFIDタグと本体が通信を行い、どの商品が取り出されたかを把握。選ばれた商品を検知後、決済が完了する仕組みとなっている。入荷を希望する商品があれば、LINEやSlackなどのツールを通じて、同社に要望を伝えることも可能という。

2018年6月に提供後、現在は20~50名ほどの中小企業や1000名規模の大企業まで導入が進んでいる。設置契約数は50箇所に拡大しており、累計の商品販売数は2万個を突破した。

2019年中に契約箇所を500箇所、累計商品販売個数を20万個にまで拡大させる計画。無人店舗のキャッシュレス決済では、Amazonがシアトルで開設した「amazon go」や中国の無人コンビニなどが注目を集める。日本でも新たな流通モデルは浸透するのだろうか。

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ヒュープロ:登録から内定まで最短1日。士業に特化した転職サービス

ヒュープロ

資金調達概要

調達額
6,000万円
調達先
XTech Ventures

サービス概要

税理士や行政書士などの「士業」に特化した転職 サービス「最速転職HUPRO」を運営。ITを活用し転職フローを効率化することで「即日で採用、内定できる転職サイト」を目指す。

同社では、求職者の年収や経歴などをもとにAIが転職候補先を自動で提案。キャリア相談や条件交渉のサポートなどをオンラインで実施することで、平均60日間必要としていた弁護士などの転職プロセスを、平均21日にまでに短縮した。

2018年4月にローンチし、1,600名を超えるユーザーと2,500社を超える企業が利用。エントリーから面接まで最短5時間、会員登録から内定まで最短1日という事例も出たという。

直近では、よりスピーディーな転職活動の実現に向けて「職務経歴書のカンタン作成機能」のリリースや「内定通知書・内定承諾書のクラウド化」の開発を予定している。

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GIFMAGAZINE:日本最大級のGIFプラットフォーム

GIFMAGAZINE

資金調達概要

調達額
3億円
調達先
デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム
SMBCベンチャーキャピタル
みずほキャピタル

サービス概要

GIFプラットフォーム「GIFMAGAZINE」を運営。2013年にサービス開始し、現在はユーザーの投稿から企業が発信する公式動画など、200万点を超えるGIFが集まるという。

今回の資金調達を受け、LINEなどのコミュニケーション領域でのGIFコンテンツ配信サービスへの投資と新サービスの開発を進める。ミッションである「世に新たなポップカルチャーを生み出す」の実現に向け、動きを加速させる方針だ。

GIFはSNSやチャットとも相性が良く、アメリカや中国などではGIFを使ったコミュニケーションが広く普及しているという。日本国内でもGIFのさらなる活用が期待される。

今週は計4社の調達状況を紹介した。今後も、FastGrowは週次で調達状況を発信していく。

こちらの記事は2019年02月06日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

梅野 なぎさ

編集

庄司 智昭

ライター・編集者。東京にこだわらない働き方を支援するシビレと、編集デザインファームのinquireに所属。2015年アイティメディアに入社し、2年間製造業関連のWebメディアで編集記者を務めた。ローカルやテクノロジー関連の取材に関心があります。

デスクチェック

長谷川 賢人

1986年生まれ、東京都武蔵野市出身。日本大学芸術学部文芸学科卒。 「ライフハッカー[日本版]」副編集長、「北欧、暮らしの道具店」を経て、2016年よりフリーランスに転向。 ライター/エディターとして、執筆、編集、企画、メディア運営、モデレーター、音声配信など活動中。

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