連載資金調達の週報

自殺未遂の窮地から、“遊び”で起業へ。
プレイライフが約1.15億円──押さえておきたい資金調達ニュース

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資金調達が活況となり、日々のニュースが溢れている。

全てを追いきれない読者のために、 FastGrowでは週次で国内外スタートアップの資金調達ニュースを紹介。

今週も日本から4社をピックアップした。

2020年5月25日〜2020年5月31日分 過去の週報はこちら

  • TEXT BY KEISUKE KOSAKAI
  • EDIT BY KAZUYUKI KOYAMA
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プレイライフ:遊びを世の中に普及させる

プレイライフ株式会社

資金調達概要

調達額
約1.15億円
調達先
環境エネルギー投資
みずほキャピタル
静岡キャピタル
HRテック投資事業有限責任組合(無限責任組合員 アリストテレスパートナーズ)
ドーガンベータ
オプティマ・ベンチャーズ
他個人投資家

サービス概要

月間400万人が利用する遊びの実体験投稿メディア「PLAYLIFE」、遊びのサブスクリプションサービス「バヅクリ」など遊びを軸にした事業を展開する、プレイライフ

PLAYLIFEでは、デート、旅行/観光などの遊び情報を発信し、新たな場所や人との出会いのきっかけをユーザーに提供する。

バヅクリでは、さまざまな体験のプロである「部長」と呼ばれるユーザーが、毎月10回以上のオンライン参加型イベントを開催。月額2800円で体験し放題のサブスクリプション型サービスで提供している。バヅクリは法人向けサービスのリリースも計画中という。

プレイライフは、”遊びのスタートアップ”と謳っているが、その背景にはCEO 佐藤太一氏の原体験がある。

9年ほど前、コンサルティングファームで月間520時間ものハードワークを経験し、自殺未遂にまで追い詰められた佐藤氏は、自身の人生を振り返ったとき、“遊び”が何よりも思い出に残っていることに気づく。そこから遊びの思い出を共有できるサービスを作れないかと考え同社を創業している。詳細は、同氏のnoteをご覧いただきたい。

今回の資金調達により、主に法人向けバヅクリの開発とコンテンツ強化をおこなう予定だという。

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10X(テンエックス):ネットスーパーを簡単に開業できるツール

株式会社10X

資金調達概要

調達額
3億円
調達先
DCM Ventures
ANRI
個人投資家

サービス概要

献立提案・買い物アプリ「タベリー」、および、今回の調達とともに発表した開発不要でネットスーパーを立ち上げ可能なサービス「Stailer」を展開する、10X

Stailerでは、ネットスーパーの立ち上げ・運営を行う事業者に、必要なAPI・データベース、消費者向けのアプリ、分析ツールといったシステムをフルセットで提供。消費者向けのアプリでは、注文履歴やマイリストなどの機能に加え、自動で毎日の献立が提案されるサービスも提供する。

ネットスーパーをすでに運営中の事業者には、既存システムの改修等は不要で利便性の高いスマートフォンアプリを消費者に提供でき、ユーザー層の拡大や継続率の向上をサポートできる。

一方、新たにネットスーパーを展開する事業者には、既存の商品データをStailerと連携するだけで、ドライブスルー受け取り可能など柔軟な仕様に対応したネットスーパーの開業が可能だ。すでにスーパー大手のイトーヨーカドーがStailerを導入。アプリをリリースしている。

今回の資金調達により、小売事業者へのStailer導入を推進する予定だという。

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Crevo:相性が合う動画クリエイターとのマッチング

Crevo株式会社

資金調達概要

調達額
総額約2億円
調達先
株式会社VOYAGE VENTURES
山口キャピタル株式会社
きらぼしキャピタル株式会社
他3社

サービス概要

プロ動画クリエイターマッチングサービス「Crevo Jobs」、クリエイティブ制作を効率化するための制作管理ツール「Crevo Base」などを展開する、Crevo

Crevo Jobsでは、国内外の約7,000名の登録クリエイターが所属しており、低価格、高クオリティ、短納期などの要望に合わせて、最適なクリエイターを見つけることができる。

Crevo Baseでは、ファイル管理や関係者とのやり取りを一元化、修正指示が出しやすいUI、スケジュールやリソース管理など、制作工程で必要なすべての機能を備える。

また、日本最大級のストックミュージックサービス「Audiostock」を運営するクレオフーガと業務提携。Crevo Jobsにおける映像音源の無料提供サービスを開始した。

今回の資金調達により、Crevo Jobsの更なるプラットフォーム化とサービス開発の強化をおこなう予定だという。

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LayerX:ブロックチェーンで経済を透明化する

株式会社LayerX

資金調達概要

調達額
総額約30億円
調達先
ジャフコ
ANRI
YJキャピタル

サービス概要

ブロックチェーン技術等のテクノロジーを活用し、金融領域を始めたとする様々な産業の業務プロセスのデジタル化を推進する、LayerX

2018年8月1日の設立以来、ブロックチェーン技術を軸に事業を進め、2019年10月には日本初でEthereum Foundation Grants Programの対象企業に選定、世界的なブロックチェーン技術企業であるR3とも提携するなど、世界からも注目される企業だ。

2019年11月には株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループとの協業、2020年4月には三井物産株式会社と三井物産デジタル・アセットマネジメント株式会社を設立し、ブロックチェーンの実証実験のみならず社会実装を推進している。

CEO 福島良典氏は、ニュース・キュレーションサービス「Gunosy」を学生時代に手掛け、2017年には東証一部へ上場させた経験を持つ人物。Fastgrowでも度々取材させていただいている

2020年5月には、メルカリにて人事の立上げに従事し、その後の組織拡大を支えた石黒卓弥氏が執行役員に就任するなど組織体制も強化が進む。こちらもメルカリ時代にお話を伺った

今回の資金調達により、新たな商用化のための事業会社設立、事業・プロダクト開発、人材採用をおこなう予定だという。

こちらの記事は2020年06月03日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

小酒井 圭祐

国内スタートアップの資金調達ニュースをまとめていきます。トレンドの変遷を追っていくことに興味があります。趣味は筋トレとプログラミング。

編集者。大学卒業後、建築設計事務所、デザインコンサル会社の編集ディレクター / PMを経て、weavingを創業。デザイン領域の情報発信支援・メディア運営・コンサルティング・コンテンツ制作を通し、デザインとビジネスの距離を近づける編集に従事する。デザインビジネスマガジン「designing」編集長。inquire所属。

デスクチェック

長谷川 賢人

1986年生まれ、東京都武蔵野市出身。日本大学芸術学部文芸学科卒。 「ライフハッカー[日本版]」副編集長、「北欧、暮らしの道具店」を経て、2016年よりフリーランスに転向。 ライター/エディターとして、執筆、編集、企画、メディア運営、モデレーター、音声配信など活動中。

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