連載ベンチャー人事報

ユーザベースに新CMO。注目SalesTechにCSOとCROが連続ジョインなど──21年3~4月の注目人事情報

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ベンチャー・スタートアップの成長に影響する変数はさまざまあれど、最も重要なものは果たして何か。

それを「人」に見るのがFastGrowだ。月刊で「ベンチャー界隈の注目すべき人事情報」として、転職や異動、その他人事施策を取り上げていく。企業のスケールを推進するのは、起業家や事業家だけではない。対象は幅広く扱う。

第6回目となる今回、取り上げたのは、横手良太氏、紫垣拓也氏、石田正樹氏、直本亮氏、野島繁昭氏、酒居潤平氏、三浦孝文氏の計7名。

その他、4月は新卒のみなさんの入社も注目の人事情報だったと言える。FastGrowも新卒のみなさんの新しい門出を心から祝福する。

【人事報への掲載希望、著名人・実績ある方の入社・昇進情報をお持ちの方、情報提供はこちらから】

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「初面接の午後に仕事をし始めた男」がミラティブCTOに

スマホでも見られるゲーム実況配信サービス『Mirrativ』を展開するミラティブが新CTOの就任を発表した。『Mirrativ』は2021年2月に配信者数300万人を超え、配信者のSNSとして知られる。そんなミラティブに、「面接したその日の午後からミラティブで働き出した」という面白いストーリーを持つ横手良太氏が、ミラティブの共同創業者で前CTOの夏澄彦氏が退任後に空いていた席を埋める形で、新CTOに就任する。

CEO赤川準一氏もこのようにコメントしている。

前CTOの夏氏は新規プロダクトのリードエンジニアを担当している。新CTOの横手氏は、経営のなかでエンジニアの組織創りを担っていくことになる。ミラティブのエンジニアチームであり約20名であり、少数精鋭が創る次なる新規プロダクトが気になるところ。今後も注目したい。

横手良太
早稲田大大学院→Donuts→ミラティブCTO
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シンガポールのヘッジファンド前CIO紫垣氏、グラファーCFOへ

続いては、GovTechを扱うグラファーの新CFO就任のニュースだ。グラファーは法人向けに履歴事項全部証明書や代表者事項証明書、印鑑証明書を郵送やPDFで取得できるサービスを提供している。そんなグラファーが約12億円の資金調達と同時に、シンガポールのヘッジファンド・Lone Alpha Capital Management CIOだった紫垣拓也氏がCFOに就任したことを発表した。

就任した紫垣氏は、JPモルガン証券やゴールドマン・サックス証券の投資銀行部門を経験。その後、2017年以降は香港及びシンガポールにてヘッジファンド「Lone Alpha Capital Management」を運用していた。その後、2021年4月にグラファ―にCFOとして参画した。

行政デジタル化を手掛ける同社に30代CFOがジョインした今回のニュース。シリーズBの資金調達も実施し、今後成長が加速していくのは間違いないだろう。グラファーをもっと知りたいと思った方はこの記事が参考になる。

紫垣拓也
JPモルガン→ゴールドマンサックス→ヘッジファンド・Lone Alpha Capital Management CIO→グラファーCFO
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UPWARDにCSOとCROが連続ジョイン

ここでは、SalesTechとして営業組織の強化に強みを持つUPWARDに、3月と4月に連続でCSOとCROのジョインが決まったというニュースをお届け。

UPWARDは、国内初のクラウドCRMと位置情報を連携させたSaaS事業を展開しており、1カ月以内にボードメンバー2名が連続してジョインする大型補強を行ったことになる。CSOには、Salesforceでの最短昇進記録を持ち、Slack Japanでエンタープライズセールスの経験もある石田正樹氏。CROには、元リクルート営業部長を経験した直本亮氏が就任した。

2021年3月13日には、5.5億円の資金調達も達成しているUPWARD。大手の戦略創りを経験してきた2人がCSOとCROでジョインしたことで、どのように事業戦略が変わっていくのか注目したい。

石田正樹
Salesforce→Slack Japan→UPWARD CSO
直本亮
日本テレコム(現ソフトバンク)→リクルート→UPWARD CRO
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リースCHROに元スローガン野島氏

「個人の信用価値を最大化する」をミッションに掲げるCreditTechのスタートアップで、野島繁昭氏が新執行役員CHROに就任した。リースは、働き方や生活の変化による賃貸住宅の借りにくさを解消するサービスを展開し、不動産×金融の市場に挑戦している。

創業3年目であるフェーズで、CHROに就任した野島氏は、新卒で人材サービスのスローガンに9番目の社員として入社。インターン時に広告媒体の事業責任者を務めた後、入社後は京都支社の立ち上げの責任者やトップティアの学生向けの就活コミュニティ立ち上げなどを通して約10年間に渡り事業成長に貢献してきた。その後、フリーランスとして活動しながら、ミミクリデザイン(現・MIMIGURI)にて大小様々な企業の組織開発プロジェクトに携わっていた人物だ。

野島氏は、就任に当たってこうコメントしている。

私はこれから、一人ひとりの心に火がついてやりたいことにチャレンジしていく世の中を実現したいと思っています。リースの掲げる「個人の信用価値を最大化する」というミッションは、個人の価値を測るものさしの再定義です。私はこれを「本気のチャレンジが評価される世の中」に変えていける可能性を秘めているものと捉えており、ミッション実現にコミットしたいと思いこの度参画することを決めました。リースの成長とミッション実現に取り組んで参りますので、ご期待いただけますと幸いです。

リースのボードメンバーはCEO・COOに続いて、野島氏は三人目のCxOとしてジョインする。スタートアップの経営者としてCxOをどのタイミングで採用するかは悩みの種の一つだ。CFOやCHROを採用するタイミングについて悩む経営者も多いと聞く。その中で、野島氏は、組織開発の強化に舵をきったリースをどう支えていくのだろうか。

野島繁昭
スローガン→フリーランス→リース CHRO
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ユーザベース、SaaSのCMOに酒居氏

ソーシャル経済メディアの『NewsPicks』や経済情報サービスの『SPEEDA』などを提供しているユーザベースにも、新しくSaaS事業 執行役員CMOが誕生した。

就任したのは、酒居潤平氏。慶應義塾大学経済学部を卒業後、三菱東京UFJ銀行(現 三菱UFJ銀行)に入行。その後、起業、Sansanを経て、2017年にFORCASへ参画。マーケティングだけでなく、インサイドセールスのマネージャーやブランディングのマネージャーも担ってきた人物だ。

就任に際してこのようにコメントを残している。

また、FORCAS、INITIAL事業をユーザベースに統合した。そのため、INITIALでプロダクトマネジメント等を担当していた河野文弥氏がINITIAL事業担当の執行役員CPOになるなど事業統合によって、役員クラスが大きく変化した。酒居氏が就任コメントで「グループ全体での共通基盤をつくる挑戦も進めていきたいと思ってます。」と述べたように、事業間シナジーの強化を目指していくことになるだろう。

酒居潤平
三菱東京UFJ銀行(現 三菱UFJ銀行)→起業→Sansan→FORCAS→ユーザベースSaaS事業 執行役員CMO
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オイラ大地三浦孝文氏、経営企画部長に

最後にお届けするのは、オイシックス・ラ・大地の三浦孝文氏が人材企画室室長から経営企画部長に就任したニュースだ。オイラ大地は、有機・特別栽培農産物、添加物を極力使わない加工食品を個人に届けるサービスや、このサービスで培ったアセットを利用した法人向けサービスを展開している。

三浦氏は、今回の就任に際して、こうコメントしている。

採用等の経験豊富な三浦氏が、経営企画で発揮する手腕に注目したい。

三浦孝文
D2C→クックパッド→オイシックス・ラ・大地 HR本部人材企画室室長→同 経営企画本部経営企画部部長
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「人事の4月」はベンチャーCxOが他にも多く誕生

他にも多くのCxOが注目ベンチャーで誕生した2021年の4月。人事異動や転職の多い季節とあって、目立つ動きは多かった。

最後に、詳しく紹介できなかったものもいくつか掲載しよう。

元ZOZOテクノロジーズCTO今村雅幸氏が、BuySell Technologies取締役CTOに就任
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スマートキャンプ、代表取締役社長が会長に。CMOが社長に就任
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こちらの記事は2021年04月08日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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