連載ベンチャー人事報

タイミーCOOに元DeNA守安氏が。
世代を超えた経営タッグ誕生──21年10~11月の注目人事情報

関連タグ

ベンチャー・スタートアップの成長に影響する変数はさまざまあれど、最も重要なものは果たして何か。

それを「人」に見るのがFastGrowだ。月刊で「ベンチャー界隈の注目すべき人事情報」として、転職や異動、その他人事施策を取り上げていく。企業のスケールを推進するのは、起業家や事業家だけではない。対象は幅広く扱う。

「人」の流れをみることによって、皆さんに事業戦略だけでなくキャリアとしても、気づきを与えたい。

第13回となる今回、取り上げたのは、守安功氏、大前宏輔氏、中澤理香氏、齋藤敦氏の計4名。

人事報への掲載希望、著名人・実績ある方の入社・昇進情報をお持ちの方、情報提供はこちらから

  • TEXT BY HARUYUKI HIROSE
SECTION
/

元DeNA代表取締役社長の守安功氏が、タイミーの取締役COOに就任

2021年10月、スタートアップ業界に衝撃のニュースが舞い込んできた。元ディー・エヌ・エー(DeNA)代表取締役社長の守安功氏が、タイミーの取締役COOに就任したのだ。非常勤の社外取締役ではない、常勤だ。

これまで年齢の逆転した経営トップの組み合わせは、RIZAPやライフネット生命など数多く見られたが、インターネット産業における世代を超えた経営体制は初めてではないだろうか。1997年生まれの小川氏と、1973年生まれの守安氏。年齢もほぼ倍、二回り違う二人が肩を並べることになる。

もともとDeNAの南場智子会長に紹介してもらったDeNA創業メンバーだった渡辺雅之氏は、すでに社外取締役。こうした縁から、2021年3月頃に小川氏と守安氏は出会い、関係性がスタート。その場ですぐに「一緒に働いてほしい」と伝えたという。

「働くを通じて人生の可能性を広げるインフラをつくる」をミッションに掲げるタイミー。テクノロジー、戦略面の双方で守安氏のサポートを受け、よりよいサービスをつくりあげていく狙いだ。

守安氏のジョインに伴い、小川氏は「改めて経営者として成長を急がなければ」と語っている。

守安功氏
日本オラクル→ディー・エヌ・エー(DeNA)→同社代表取締役社長→タイミー取締役COO (2021年10月)
SECTION
/

躍進を続けるYOUTRUST、大前氏が執行役員CMOに就任

2021年8月にシリーズBの資金調達を行い、躍進を続けるYOUTRUST。同社執行役員CMOにこれまでマーケティング領域の責任者を務めていた大前宏輔氏が就任した。

大前氏は新卒でサイバーエージェントに入社し、その後はメルペイでマーケティグに従事していた人物。社会人10年目となるタイミングで、大学時代のサークルの後輩であり、YOUTRUSTでCOOを務める佐藤亮太氏からの誘いをきっけに、ジョインに至った。

YOUTRUSTに参画後は、読者の中でも見かけた方もおそらくいらっしゃるであろう「#すごい人はここにいる」企画を主導するなど、資金調達後の盛り上がりを仕掛けた。

今後はマーケティング領域のプロフェッショナルとして、最高のチームをつくることにコミットしていくという。毎日Twitter内外を賑わすYOUTRUST。今後の躍進にも期待が高まる。

大前宏輔氏
サイバーエージェント→メルペイ→YOUTRUST→同社執行役員CMO (2021年10月)
SECTION
/

10X、取締役CCO(Chief Communications Officer)に中澤氏が就任

「10xを創る」をミッションに、小売事業者が初期投資不要でECを開始できるネットスーパーのプラットフォーム『Stailer』を提供する10X。FastGrowでは2021年9月に10Xという組織のあり方と、『Stailer』が目指す未来について聞いた

同社は2021年10月、経営体制の強化を図るため、取締役CCO(Chief Communications Officer)として中澤氏が就任することを発表した。

中澤氏は同社に入社以降、広報や採用・人事、Diversity & Inclusionなどを推進。今後も10Xのミッション達成に向け、組織パフォーマンスの最大化や社内外のコミュニケーションをリードする役割として取締役に選任された。

就任に伴い中澤氏は、ミッション達成のためには「同質的なメンバーのみでなく、多様なバックグラウンドや価値観を持つ人材」を10Xに迎え入れ、それぞれが力を発揮できる組織・カルチャーを創ること、10Xの持つ価値観や目指す姿を広く伝え続けることが不可欠と抱負を語っている

今後も10X Valuesに基づいた「背中を合わせる」経営チームから目が離せない。

中澤理香氏
ミクシィ→Yelp Japan→メルカリ→10X→同社CCO (2021年10月)
SECTION
/

CaSy元CMOの斎藤氏が、日本版Instacartの事業拡大に挑む

クラウド家事代行サービス『CaSy』でCMOを務めた齋藤敦氏が、ダブルフロンティア執行役員CMOに就任した。

ダブルフロンティアが提供する『ツイディ』は日本版Instacartとも言われる、地域密着型お買い物代行サービスだ。ライフや文化堂といったスーパーから食料品などを直送する。

Instacartは、2020年10月に2億ドル(約210億円)を資金調達を発表し、ポストマネーでInstacartの価値は177億ドル(約1兆8,700億万円)、プレマネーでは175億ドル(約1兆8,500億万円)に及ぶと言われている。ダブルフロンティアのポテンシャルの高さを感じられる。

そこにジョインした齋藤氏はCHINTAIやインテリジェンス(現パーソルキャリア)にてマーケティング部門を統括。どちらも紙メディアからWEBメディアへの転換を推進し、WEBメディアのユーザー数、マッチング数(率)の向上に大きく寄与した人物だ。

その後、創業期のCaSyでシリーズAの資金調達に至るまでの事業立ち上げに取締役CMOも経験。ユーザー数、キャスト(お掃除をする人)数、マッチング数(率)を向上させている。成果を残している。

『ツイディ』の日本全国への事業拡大に向けて、経営者経験が豊富な齋藤氏をCMOに迎え、事業を加速させていく狙いだ。

齋藤敦氏
CHINTAI→システムエムズ 副社長→インテリジェンス→CaSy 取締役CMO→ダブルフロンティア 執行役員CMO (2021年10月)
SECTION
/

あなたの会社のキーパーソンを教えていただけませんか?

さて、今月は守安功氏、大前宏輔氏、中澤理香氏、齋藤敦氏をご紹介した。どの企業にも必ず成長を支えるキーパーソンがいるはず。あなたの会社のキーパーソン、ぜひFastGrowに紹介いただけませんか?

こちらのフォームより、ぜひ教えてください!

こちらの記事は2021年11月09日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

次の記事

記事を共有する
記事をいいねする

執筆

廣瀬 陽之

おすすめの関連記事

会員登録/ログインすると
以下の機能を利用することが可能です。

新規会員登録/ログイン