連載ベンチャー人事報

VC間の移籍、意味するものは?──22年2~3月の注目人事情報

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ベンチャー・スタートアップの成長に影響する変数はさまざまあれど、最も重要なものは果たして何か。

それを「人」に見るのがFastGrowだ。月刊で「ベンチャー界隈の注目すべき人事情報」として、転職や異動、その他人事施策を取り上げていく。企業のスケールを推進するのは、起業家や事業家だけではない。対象は幅広く扱う。

第17回目となる今回、取り上げたのは、湊雅之、橋本翔太、佐藤道明、佐野貴、羽田隆也の計5氏。

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SaaS特化キャピタリストと言えば?の一人、湊氏がVC移籍

SaaSスタートアップへの投資や支援といえば、One Clapital浅田慎二氏UB Ventures岩澤脩氏を思い浮かべるだろうか。いや、ほかにもALL STAR SAAS FUND前田ヒロ氏DNX Ventures倉林陽氏も同等かそれ以上に名前の上がるキャピタリストだと言われて、異論のある読者はいないはず。

さて、このうちの2つのVCの間で、驚愕の移籍劇があった。2022年2月17日、DNX VenturesでInvestment VPを務めていた湊雅之氏が、ALL STAR SAAS FUNDへのジョインを明らかにしたのだ。

湊氏はBASFやボストン コンサルティング グループ(BCG)に勤めたのち、ベンチャーキャピタリストに転身。STRIVESalesforce Ventures、そして前述のようにDNX Venturesで投資活動を行っていた。

日本国内で、これほどまでにVCを渡り歩いたキャピタリストの存在は珍しい。ちなみに、これまでに所属していたVCにおける投資先スタートアップとはこれまで通りの関係が続き、必要な支援はしていくという。

前田ヒロ氏とは数年前に意気投合し、情報交換やイベント登壇などで交流してきた。 同氏のPodcastでも、その関係性が赤裸々に語られている。

湊氏は2020年5月からSaaSニュースレターを毎週続け、2022年3月には計90回の更新を達成(noteでも購読可能)している。日本からさらに大きなSaaSスタートアップを輩出するべく、一層躍動していく姿を見るのが楽しみだ。と同時に、VC間の人材の流動性が高まっていくのも、スタートアップエコシステムの活性化につながる動きとして注目していきたい。

湊雅之氏
BASF→ボストン コンサルティング グループ(BCG)→STRIVE・Salesforce Ventures→DNX Ventures→ALL STAR SAAS FUND
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コミューン、Head of Japanを設置

企業とユーザーが融け合うカスタマーサクセスプラットフォーム「commmune(コミューン)」などを展開するコミューンは、海外進出を本格化する。2022年3月1日、共同創業者の橋本翔太氏が取締役CPOから取締役Head of Japanに就任し、代表取締役CEOである高田優哉氏が米国での事業立ち上げに専念すると発表した。

高田氏はこの発表に先駆け、2021年12月から英語で投稿するTwitterアカウントの運用も開始。DNX Venturesの大久保亮氏から、英語で応援のツイートが届いていた。

また、同時にCxOとして2人が新任となり、新たな経営体制が発足した。執行役員CROに岩熊勇斗氏が、執行役員CMO / SuccessHub事業責任者に杉山信弘氏が就任する。

日本のスタートアップによるアメリカ進出と言えば、メルカリが浮かぶ読者が多いだろう。続く企業はどこになるのか。高田氏の躍動が楽しみだ。

橋本翔太氏
Google Japan→Google米国本社→コミューンを共同創業・取締役CPO→取締役Head of Japan
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“ローカルベンチャー”に、CTO誕生

「ベンチャー企業」という言葉が日常的に使われ、「ローカルベンチャー」という言葉も一般名詞として浸透してきただろうか。この言葉を冠する書籍『ローカルベンチャー:地域にはビジネスの可能性があふれている』を著した牧大介氏による岡山県西粟倉村のベンチャー企業エーゼロが、CTO(Chief Technology Officer)兼CQO(Chief Question Officer)として佐藤道明氏を招へいしたと明らかにした。

佐藤氏は1966年生まれで電気通信大学卒業。リクルートで経営システム事業部、新規事業部を経て独立すると、ゴルフ場予約サービスを運営するメディオポートを創業し、2年で楽天に売却した。

その後は不動産会社向け業務支援CRMサービスを運営するレンターズのCTOとなり、ネクスト(現LIFULL)に売却すると、2005年にHanoi Advanced Lab(HAL)を設立し代表取締役に就任するなど、日本とベトナムに拠点を置き、シリアルアントレプレナーとして起業家支援の活動を行っている。

エーゼロ代表取締役牧氏によるインタビューで佐藤氏は、「エーゼロと西粟倉を通して、自分が見たい世界が現れてくるのではと思っています。それは、1人1人がそれぞれ目指す世界が明確に現れてきて、そこに向けて歩いてる姿が見てみたい世界。そういうのが見たいなって思い続けることをしようかと思います」と意気込みを語っている。

稀代のシリアルアントレプレナーが、岡山の地を次の挑戦の場に選んだ。CTOの力で、エーゼロがどのようにテクノロジーを活用していくのか、気になって仕方がない。

佐藤道明氏
リクルート→メディオポート→レンターズCTO→Hanoi Advanced Lab(HAL)→エーゼロCTO兼CQO
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コテンラジオが取締役2名を新任

起業家のファンも多いコテンラジオを運営するCOTENは、取締役が新たに2名就任したと発表した。「新事業をより強固に推進していくため」としている。新任となったのは、CGO(Chief Genius Officer)の佐野貴氏と、アドバイザーだった羽田隆也氏。

佐野氏は東海大学政治経済学部政治学科卒業後、IT系の上場企業に入社。フリマアプリ事業の責任者を務め、売却した後に独立。 2018年にリオンを設立し、経営者や芸能人を対象としたタレントマーケティング支援事業を創出してきた。2020年にCOTENに参画し、CGO(Chief Genius Officer)に就任。個々の才能に着目した組織・人材・新規事業開発に従事する。

羽田氏は早稲田大学理工学部経営システム工学科卒業後、大和証券SMBCに入社し、IPO業務に従事してきた。2012年にラクスルにジョインすると、事業開発、資金調達、CS部門の立ち上げ等を担当。2014年に大和証券に戻り再び IPO業務に従事し、2018年に独立。複数のベンチャー企業の経営に携わる中でCOTENには2021年よりアドバイザーとして参画していた。

事業立ち上げやIPOの知見を持つ2名が力を発揮することで、COTENがどのような戦略を実行していくのか。楽しみにしている起業家も少なくないだろう。

佐野貴氏
IT系上場企業→リオン創業→COTEN CGO→COTEN 取締役
羽田隆也氏
大和証券SMBC→ラクスル→大和証券→独立→COTEN 取締役

こちらの記事は2022年03月17日に公開しており、
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