連載ベンチャー人事報

【ベンチャー人事報Vol.18】
PKSHA創業者の山田氏、マネックスG取締役に──22年3~4月の注目人事情報

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ベンチャー・スタートアップの成長に影響する変数はさまざまあれど、最も重要なものは果たして何か。

それを「人」に見るのがFastGrowだ。月刊で「ベンチャー界隈の注目すべき人事情報」として、転職や異動、その他人事施策を取り上げていく。企業のスケールを推進するのは、起業家や事業家だけではない。対象は幅広く扱う。

第18回目となる今回、取り上げたのは、山田尚史、森暁彦、松原正和、長尾和、上村篤嗣の計5氏。

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PKSHA創業者の山田氏、マネックスG取締役に

Web3関連事業の存在感がさらに増していく中、クリプト事業を担うあの大企業でも注目の動きがみられた。コインチェックを抱えるマネックスグループが、執行役・テクノロジー担当役員として山田尚史氏を招聘する

山田氏と言えば、開成高校から東大松尾研で学び、あのPKSHA Technologyを共同創業した人物。知的財産の専門家(弁理士)という顔を持ちながら、取締役CTOとして創業5期目での東証マザーズ上場に貢献するなど、長く事業成長をけん引してきた。

2020年に取締役を退任、2021年6月からマネックスグループの社外取締役として活動していた。2022年6月の株主総会で、取締役にも就任する予定だ

同氏は2021年12月にstand.fmで配信されたメルペイVPoE木村秀夫氏のトーク番組で、「マネックスグループ社外取締役の仕事がめちゃくちゃ楽しい話」を披露している。聞いた記憶が残っている読者もいるだろうか。

「取締役の仕事がめちゃくちゃ楽しい」という話を披露してくれる日が待ち遠しい。意外と近いだろうか、それともかなり先の話になるだろうか。

山田 尚史氏
ソシデア知的財産事務所弁理士(現任)→AppReSearch(現PKSHA Technology)創業→代表取締役→取締役技術担当役員(CTO)→BEDORE取締役→マネックスグループ執行役・テクノロジー担当役員
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森暁彦氏、ついにリクルートHD執行役員

じわじわと増える投資ファンド出身のベンチャーCxO。その代表格とも言えるのが森暁彦氏だろう。

KPMGにおける監査部門国際部(現あずさ監査法人)から、ゴールドマン・サックス証券を経て、2015年からレノバの執行役員CFOに就任。エネチェンジやシナモンAIで社外取締役も務めてきた。

そして2022年4月、リクルートホールディングスの執行役員となることが発表された。

以前のFastGrowの取材で森氏は「ビジネスの商流を俯瞰し、経営におけるキーポイントを見つけるという、外資系コンサルティングファームや投資銀行で培えるスキルは、ベンチャー経営においても転用が可能です」と話していた。リクルートという巨大なベンチャー企業でどのような舵取りを見せてくれるのか、注目していきたい。

森 暁彦氏
KPMG(現あずさ監査法人)→ゴールドマン・サックス証券→レノバ執行役員CFO(エネチェンジやシナモンAIで社外取締役)→リクルートホールディングス執行役員
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DeNA、博報堂を経て起業後にリテイギ代表就任の松原氏は、注目の事業家人材

スタートアップの起業家やCxOに注目が集まりがちな昨今。だが、事業家・経営者という存在の中で、もっとスポットライトを浴びて当然な者たちが、実はたくさんいる。その一つが、“子会社社長”だ。

“子会社”という響きをあまり好まない人もいるだろう。買収(M&A)のことを「グループジョイン」と呼ぶ背景には、おそらくそういった向きもある。いずれにせよ、子会社あるいはグループ会社の存在は、事業の非連続成長のために欠かせないものとして、さらに存在感を高めていくのではないか。

前置きが長くなったが、FastGrowが今回特に注目したいのが、松原正和氏がリテイギ代表取締役社長に就任したというニュースだ。

リテイギとは、旧オプトデジタル。すなわちデジタルホールディングス(旧オプトホールディングス)グループの戦略子会社として、Vertical SaaSやBPOといったビジネスにより様々な産業に対して事業創造の支援を行っている。社名は「Re:定義」から来ており、「すべての産業を、ともに再定義する。」というミッションを掲げる。

この動きを改めて加速させるための人事が、松原氏の代表就任だ。グループ内での新規事業創出に加え、自ら起業した経験まで活かした経営を進めることで、デジタルホールディングスとしての産業変革事業をさらに深めていく。

デジタルホールディングスが持つ様々なアセット活用と、名だたる大企業らとの連携、そしてスタートアップシーンとの協創。松原氏が辣腕を振るうさまを見るのが楽しみだ。

松原 正和氏
電通国際情報サービス→ディー・エヌ・エー→博報堂→ヘルスケアスタートアップ創業→オプト(現デジタルホールディングス)→リテイギ取締役COO→RePharmacy代表取締役社長→ファーマシフト取締役副社長→リテイギ代表取締役社長
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スピークバディ社外取に長尾和氏

AI英会話アプリの急先鋒スタートアップ、スピークバディが大物経営者をチームに迎え入れる。伊藤忠商事で当時最年少でのイントレプレナーとなった長尾和氏が、社外取締役に就任したのだ。ガバナンス体制を強化し、企業成長を加速する。

長尾氏は伊藤忠商事社内での事業会社設立からのMBOを実現させるなど、大手商社に身を置きながら起業家としての実績を積み上げてきた。明和地所でも常務取締役執行役員を務めるなど、大手上場企業での経営経験が豊富だ。現在は共同創業したIKIGAIの代表取締役とシニアパートナーも務めている。

プレスリリースに掲載されたコメントによると、伊藤忠商事時代にビジネス英会話で悪戦苦闘した実体験が、キャリアにおいて印象深い出来事となっている。スピークバディの事業をスケールさせる中で、自身が抱える課題意識にも挑戦していくのだろうか。

長尾 和氏
伊藤忠商事→伊藤忠インターナショナル(米国現地法人)→伊藤忠商事→プロパティ・リスク・ソリューション(現デロイト トーマツ PRS)創業・代表取締役→明和地所常務取締役執行役員→IKIGAIの代表取締役(現任)→スピークバディ社外取締役
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hacomonoがビジネスサイドをどんどんテコ入れ

Twitterで存在感を放つ「BizOps構築屋」をご存知だろうか。11年間、ブレインパッドにて成果を積み重ね、情報やノウハウを発信してきた上村篤嗣氏が2022年4月、新天地を求めた。いま注目のSaaSスタートアップ、hacomonoに。

代表取締役の蓮田健一氏がたびたびFastGrowの記事で語ってくれているように、同社の強みはプロダクトにある。圧倒的な顧客理解と開発スピードは、あのALL STAR SAAS FUND湊雅之氏も舌を巻く(この話はこちらの記事で)ほどだ。

そんなプロダクトへの期待が、ウェルネス産業内で高まり続け、問い合わせが鳴りやまないという嬉しい悲鳴を上げている。時には「中期経営計画の相談に乗ってほしい」という相談が、顧客の大手企業から舞い込むという。そこで、これから重要になっていくのがビジネスサイドというわけだ。まさに、上村氏の腕の見せ所。

この1年で約30名から約100名にまで組織拡大を実現させた。これからBizDevやセールスといった職種の採用をさらに加速させる。事業成長と組織成長をいかにして両立させていくのか。蓮田氏の発信もすでに多いが、これからの上村氏の発信も楽しみだ。

上村 篤嗣氏
求人広告会社→ブレインパッド→hacomono

こちらの記事は2022年04月14日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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