新たなソニーが、SaaSから生まれる?──ハンズイフVC連携の理想像を、ALL STAR湊・hacomono蓮田の関係性に学ぶ

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インタビュイー
蓮田 健一

青山学院大学卒業(体育会サッカー部)。株式会社エイトレッドの製品開発マネージャとして、ワークフロー製品X-point、AgileWorksを生み出す。業界No.1プロダクトへ。2013年7月株式会社hacomono(旧社名まちいろ)創業。銀座カラー、クリスプサラダワークスなど、業界で話題となる店舗のデジタル化を推進。小さい頃から大学まで続けていたのはサッカー。現在の趣味はランニング・フィットネス・アウトドア。バンタンデザイン研究所キャリアカレッジ修了。

湊 雅之

東京工業大学工学部・同大学院卒(工学修士)。米カーネギーメロン大学経営大学院卒(経営学修士)ボストンコンサルティンググループにて国内大手企業の中期経営計画の策定やトランスフォーメーションの実行支援の戦略コンサルティング、独化学大手BASFにてエンタープライズ営業および新規事業開発に従事したのち、VCの世界へ。STRIVE(旧GREE Ventures)、Salesforce Ventures、DNX Venturesにて、日本のB2B/SaaSスタートアップ約40社へのVC投資および成長支援を担当。ロンドン在住。過去の投資実績は、ココペリ、コミューン、イエソド、エンペイ、カウリス、アガサ、Resily、MyReferなど。

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10年ほど前から、堅調に伸び続けているSaaS市場。国内SaaSスタートアップの資金調達総額も右肩上がりに推移。一時期は「SaaSといえば多額の資金調達」というイメージさえあったように感じられる。

しかし最近では、米国の利上げなどに伴う企業価値評価の縮減も懸念してか、VC側はそのSaaSの将来性をより慎重に審査するようになってきた。

一方で、スタートアップ側でもVCの見方が変わってきている。ただ「資金を得たい」と考えるだけではなく、経営戦略・事業戦略の検討をはじめ、採用や広報など、あらゆる場面で“活用する”という意識が高まってきているのだ。

そこで今回は、ウェルネス領域で注目されているバーティカルSaaS企業hacomonoの代表取締役・蓮田健一氏と、同社への出資を行っているALL STAR SAAS FUNDのパートナー・湊雅之氏を招き、対談を実施。

VC視点で見る「将来性のあるSaaS企業」や、スタートアップ目線で見る「これからのVCの存在価値」など、彼らが抱く理想を存分に語ってもらった。

  • TEXT BY TEPPEI EITO
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経営者として両立すべき「相反する性質」

数年前から、お互いにその存在を意識していたこの二人。意外にも、実際に対面したのは2021年暮れと最近のことだった。

なかなか会うことができないなぁと思っていました。投資家として悔しかったですね(笑)。

いざお会いして直接話をしてすぐに「絶対に上場はするだろう」と感じるくらい、完成度の高いCEOであり、経営者だなと。

蓮田ALL STAR SAAS FUNDへのジョインが発表になる少し前に、前田ヒロさんがうちのオフィスに連れてきてくれたんです。それはそれは、驚きました。

マサさん(蓮田氏は湊氏をそう呼んでいる)のメールマガジンはもちろん購読していて、海外のSaaSネタやPdM(プロダクトマネジャー)関連の話を勉強させてもらい、社内でもその内容はよくシェアしていたんです。

工藤(hacomono取締役CTO工藤真氏)とも、「マサさんがALL STARに来るなんて……」と興奮して話していました(笑)。

hacomonoがALL STAR SAAS FUNDから最初に出資を受けたのはシード期の2020年8月。BtoB SaaS専門の投資家として名高い前田ヒロ氏に魅入られ、2021年、2022年にも追加出資を受けている。

一方、ボストンコンサルティンググループ(BCG)を退職後、DNX Ventures、STRIVE、そしてSalesforce VenturesとVCを渡り歩いてきた湊氏がALL STAR SAAS FUNDにジョインしたのは2022年の2月。つい先日のことだ。

そんな経験豊富な湊氏は、蓮田氏のどういった部分について「完成度が高い」と感じたのだろうか?まずは率直にそう聞いてみると、「経営者として備えていくべき3つの性質」を高いレベルで兼ね備えていた、と語り始めた。

その3つの性質とは、「リーダーとしての剛と柔」、「虫の目と鳥の目」、そして「ユーザー志向とプロダクト志向」だ。

「リーダーとしての剛と柔」というのは、起業家としての熱い思いやビジョンを持ち、それを高い解像度で伝えられる能力と、経営者としての冷静な判断能力の両立を表しています。起業家で多いのは前者が強いパターン。ビジョンだけが先走ってしまって、いつしかエゴになり、独善的な未来創造に突き進んでしまう恐れがあるんです。

「虫の目と鳥の目」は、実際の現場で起きている微妙なニュアンスのニーズを汲み取ろうとする姿勢と、中長期的に産業をどう動かしていくかという視点の両立を表しています。SaaS起業家に多いのは虫の目タイプですかね。現場のお客様の課題を重視するあまり、過度なカスタマイズを行ったり、コンサルティングにまで踏み込んだりして、もはやSaaS企業かどうかもわからなくなっているケースが多々あります。

「ユーザー志向とプロダクト志向」は言葉の通りです。特に研究者などのバックグラウンドを持つ起業家はユーザー志向が相対的に弱く、プロダクトアウトになりやすいかもしれません。スタートアップでPdMの存在が重要になるのは、こうした理由からです。

起業家は、こうしたことを少しずつ学んで身に着けていくことで、経営者として大きくなっていきます。ケンさん(湊氏は、蓮田氏をこう呼んでいる)は、この早いフェーズですでに身に着けている。驚くべきことです。

蓮田「ユーザー志向とプロダクト志向」は、かなり前から重視しているので、こう言っていただけると嬉しいですね。

一方で短期視点と長期視点の両立というのは、最近になって私たちも強く意識するようになっているところですね。

マサさんのおっしゃるとおり、ともすればミクロな施策ばかりに偏ってしまうと思っています。なので最近は、会社のフェーズを「プロダクトの普及」「顧客の成長」「産業の成長」と明確に3つに分け、頭を切り替えて考えるようにしています。

プロダクト普及については「目先でしっかりBtoBのシェアを拡大し続ける」という目標に向かって突き進んでいます。顧客の成長については、「2030年という未来を見据え、必要な価値提供を逆算して事業やプロダクトを設計する」ことを考えています。

そして産業の成長について、見ているのは2050年の想定です。今の大人がどんな老後を過ごすのか、あるいは今の子どもがどんな壮年期を過ごすのかをイメージし、逆算して産業のあるべきを捉え、企業としての立ち位置を決めていこうとしています。

一見矛盾しているように見える2つの考え方をバランス良く両立させる。このことこそ、起業家が経営者として成長していくために必要な資質なのだろう。

Salesforce Ventures時代に海外の企業も多く見てきましたが、この点は成功する企業に共通する要素だと感じます。日本で成長を続けている著名SaaS企業でも、経営者さんたちはいずれもこうした資質を共通して持ち合わせていますよ。

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新規事業の検討は、利害一致のVCと

お互いを「マサさん(湊氏)」「ケンさん(蓮田氏)」と呼び合い、早くも強い信頼関係を築いているように見えるこの2人。これから大きな期待と刺激を、楽しみにしているところだ。

蓮田氏は「前提として、VCをいかに活用していくかを意識しています」と言って、話し始めた。

蓮田ALL STAR SAAS FUNDさんに改めて期待していることが、たくさんあります。

例えばマサさんからは、海外視点を社内に取り込んでいきたい。先日も全社会議にご参加いただき、米国のServiceTitanの事例について話していただいたんです(内容を振り返ったツイートがこちら)が、やっぱり僕が話すよりもものすごく詳しいですし、メンバー一人ひとりの反応も良いんですよね。鮮度が違うというか。

VCは、メディア的な機能や教育的な機能を果たしていくべきだと、私は思っているんです。日本におけるVCのポジションって独特で、最先端テクノロジーのハブにもなっているんですよね。なので、優れた技術や企業を社会に発信していくという役割も果たしたいなと。

蓮田あとは、戦略の部分についても大いに力をお借りしたいと思っています。

正直、数年先の未来までは、経営者ならある程度は見えるんです。プロダクト導入の予定なども既に決まっていますしね。ただそこから先の成長は「どれだけ大きな想像ができるか」にかかっていると思います。

目指しているのは、ソニーとかパナソニックとか、そういう日本を変えてきたような企業です。そのためにどのような経営をして、どのような組織をくみ上げていくべきかについて、自分の想像力だけじゃなくて、海外の事例も含めた広い視野を持つVCの方ともディスカッションをしていかないとな、と思っています。

湊氏がいる前で堂々と「VCを使い倒す」と話す蓮田氏。それに対して湊氏も、「自分たちが考えていることもまったく同じです」と嬉しそうに話してくれた。

まさにソニーやパナソニックのような規模にまで至るようなSaaS企業を、自分たちの世代がつくっていかなければならないと思っています。SaaSは日本企業の在り方を根本から変え、10年後に日本の社会をリードする、具体的には1兆円企業を複数社産み出せる一大ビジネスになるものですから。

そして、hacomonoは間違いなくそのような存在になれると信じています。そのために、私たちも支援を惜しむつもりはありません。上流の戦略だけでなく、足元を固めるようなところまで手広く支援していかないと意味がないな、と。なのでALL STAR SAAS FUNDでは、1人の担当者ができる範囲だけで支援するのではなく、チームを組んで“立体的な支援”をするようにしています。

ケンさんとのこうした取り組みを通して、自分自身をさらに成長させ続けないといけない、と気を引き締め直しているところです。

蓮田いま、新規事業の計画が具体的に10くらいあって、そのうち3つに着手しようと当たりをつけています。その攻め方をALL STAR SAAS FUNDさんとディスカッションしようとしているんです。

具体的には、国内外の市場リサーチなど、以前なら外部のコンサルティングファームに依頼するようなことを、マサさんたちにお願いしてみたいと考えています。

「新規事業の進め方」って、正解がない問いなので、違うバックボーンの人とディスカッションしていくのが良いはずです。そう考えると、VCは株主なので利害関係が一致していて、最もうまく一緒に進められる存在なんです。

これから、ただフィットネス領域でのシェアを伸ばしていくだけではない。産業の成長を担う大企業になるために、資金面だけではなく、より多面的なVCの活用を考えているのが蓮田氏である。そして、そんな蓮田氏と一緒に走り続けようと考えているのが湊氏なのだ。

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これからのマーケットを生き抜くために

ここまで、湊・蓮田両氏の具体的なやり取りに迫ってきた。だがこの2022年初頭はマクロな状況も気になるところ。SaaSスタートアップの成長において、その経営者の資質はもちろん重要だが、マーケットの状況も大いに影響してくる。アメリカの株式市場が調整局面を迎えており、日本においてもスタートアップの資金調達やIPOに影響があるのではないかという不安が出てきている。

こうしたマーケット状況において、hacomonoをはじめとしたスタートアップやキャピタリストはまさに考えを巡らせている。二人はどのように捉えているのだろうか。

株式市場の調整によってマルチプルが低くなってしまうと、バリエーションと呼ばれる企業価値評価が下がってしまうので、資金調達が難しくなってくるかと思います。調達金額を減らさなくてはいけない場面が増えてくるんじゃないでしょうか。

蓮田次のシリーズCとか、その先のIPOとかを考えたときに、マルチプルが渋くなるという事態には備えるべきだと考えています。今までがどんぶり勘定だったわけでは決してありませんが、これまで以上に厳しく管理していく必要がありそうですね。

ただ、マサさんがおっしゃったように、成長を鈍化させないというのが前提です。

そうですね、今後もSaaSスタートアップには「T2D3*」と言われるような急速な成長スピードが求められ続けるはずです。なので、これまで通りかそれ以上の売上成長を保ちながら、資金効率をいかに高めていけるか。これをやり切れた企業だけが生き残っていくのだと思います。

*……3倍成長(Triple)を2年連続で、2倍成長(Double)を3年連続で達成すること。スタートアップが目指すべき理想の成長像と言われる

湊氏が指摘する資金効率の重要性については、蓮田氏も感じているところだが、悲観しているわけではない。この機をチャンスと捉え、静かに仕掛けを増やし続けている。

蓮田こうした状況をチャンスにも変えていかないといけないと思っています。売上を拡大できているスタートアップでも、思ったような資金調達ができなければ、希望退職を募る企業も増えてくるかもしれない。

そういう状況になったときに、優秀な人材たちの次なる選択肢として挙がるようになりたい。単に生き残るだけでなく、企業としての魅力を高め続けて、しっかりと採用できるようにしておく必要がありますよね。

これからのマーケット状況を考えたときに重要になるのは「資金効率」。しかし、注意が必要なのは“中長期的に見た資金効率”こそが重要だということだ。

例えば、SaaSのブランディングやマーケティングにおいて今もなお圧倒的な影響力を持つマス広告。「投資を絞ろう」となれば真っ先に削られることの多いこの施策について、短期的な資金効率だけで判断し、選択肢から排除してしまうのはナンセンスだと二人は指摘する。

蓮田もちろん、マス広告は出費として小さくないので、使いかたとしてはもっと意識すべきものなのかなとは思うところですよね。これまで考えていなかったプランBとかプランCといった選択肢をきちんと検討しよう、という雰囲気は、社内で高まりました。

たしかにマス広告をやめれば、目先のキャッシュフローや利益は良くなるでしょう。ですがそもそもは、中長期的な成長のために必要なこととしてやっていたはずですよね?であれば、軽々しく削るのは間違いかもしれない。こういうことも考えるべき事柄のはずです。

蓮田市場がネガティブだからといって、社内もネガティブな考えかたが増えてしまうと、攻めがおろそかになってしまいます。そうならないように、トップダウンでコミットしないといけないなと気を引き締めていますね。

成長スピードを維持しつつ、中長期的な資金効率を意識することが、これからのスタートアップ経営には求められてくるのだ。

このテーマについて結論が出かかったところで、湊氏が最後にこう付け加えた。

とはいっても、マーケットの流れに踊らされてはいけません。「短期目線の投資家が、スタートアップ市場から撤退しただけ」と捉えることだってできるわけです。

そんなマーケット状況なんかより、プロダクトとユーザーに向き合うことのほうがよっぽど重要ですから。

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スケールするSaaSは、ほとんど「バーティカルかつホリゾンタル」

資金調達の難易度が上がってくると、調達できる企業とできない企業との差が生まれてくる。これからはこの差が顕在化してくるかもしれない。

SaaSを分類するひとつの分け方に「Vertical or Horizontal」というのがある。業界特化型のサービスを「バーティカル」と呼び、業界横断型のサービスを「ホリゾンタル」と呼んでいるのだ。2021年は、バーティカルSaaSの多額調達が目立った印象を持つ読者も少なくないだろう。

こうしたビジネスモデルの違いが、伸びるSaaSか否かという判断に影響しているのだろうか。そんな考え方を、湊氏は明確に否定する。

バーティカルかホリゾンタルかというのは山の登り方の違いであって、登っている山は同じだと思うんですよね。バーティカルでスタートしても、他業種に広げていくパターンはよくあります。一方のホリゾンタルSaaSでも、ユーザーペインが深くなってくると、バーティカルにせざるを得なくなってきます。

なので、そこの違いは正直あまり関係なくて。良いSaaSかどうかを、私たちはもっと本質的な部分で判断することが多いですね。サービスの方向性が日本のコンテクストに合っているかどうかとか、長期で持続的なアップセルが可能かどうかとか。

蓮田私たちはこれまで、バーティカルSaaSとして意識する場面が多かったです。でもベンチマークしている海外のSaaS企業は、バーティカルからホリゾンタルに移行していっています。

同様に、今後の展開としては店舗運営に必要なあらゆる機能を提供していこうとしていますから、ホリゾンタルっぽくなると言われれば、そうですねと答えますね。

hacomonoさんもそうですけど、クライアントの社内データだけでなく、クライアントのクライアントにも触れられるプロダクトというのは強いですよね。「System of Record(*1)」かつ「System of Engagement(*2)」というサービスを両立させる、ということです。この2つを押さえられると、クライアントの業務効率化(コストカット)だけではなく、売上アップの部分にまで関与できます。

お客様の“本当の成功”に寄り添い続けられるプロダクトになりますから、投資家から見てもかなり魅力的だと思いますね。

要は、「登り方」よりも「登る山」を見ているというわけです。

*1……社内の記録を残すための業務システム

*2……顧客接点の強化を担うシステム

採れるデータの種類がサービスの将来性に寄与するという観点は、蓮田氏が『hacomono』のサービスをはじめるときにも当たり前のように意識していたと振り返る。

蓮田SaaSプロダクトを始めるにあたって、「会員データ」と「決済データ」の両方を採ることを重視して領域を選定しました。

例えば飲食の領域だと、会員登録をしてくれるお客さんがそれほど多くないので、会員データを取り切れないんですよね。両方のデータを採ることができて、なおかつプレイヤーがまだいない領域という観点で探して、フィットネス領域でサービスをローンチしました。年齢や性別、さらに身長や体重までデータを登録してくれる可能性が高くあります。

また「決済データ」というのもかなり重要で、やっぱりお金のデータは価値が高い。会費はデジタルで自動決済のほうが、フィットネスジムなら助かりますよね。このように考えていくと、TAMの広がりという意味でもポテンシャルが高いと考えています。

間違いなくポテンシャルが高いですよね。私が以前からFinTech×SaaSが好きなのも、こんな理由からです(笑)。

投資家サイドでも経営者サイドでも、重要なのは「山の登り方」ではなく、「登る山のポテンシャル」という意見だった。そして「山の決め方」という観点でも、hacomonoの事業は、湊氏が考える理想像の一つでもあったわけだ。なるほど嬉しそうに語っていく湊氏の表情にも、改めて納得を感じる。

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愛とロマンとロジカルさ

日本のSaaSの未来について楽しそうに語り合う対談も、あっという間に終わりの時間が近づく。最後の話題として、湊氏にhacomonoの今後の課題を指摘してほしいと依頼してみた。

すると、「ケンさんの頭に全部あると思うので、あまり課題という感じはしないですが……」と前置きをした上で、カルチャーやビジョンが徐々に薄まっていく怖さについて話した。

会社組織がスケールしていくと、いかに強いカルチャーやビジョンを持っていたとしても、社員全体で見ると薄まっていくケースが多いんです。セールスフォース・ドットコムの創業者であるマーク・ベニオフも言っているんですが、これは本当に難しい問題なんですよね。

会社として、顧客にそして社会に対してどんな価値を提供していきたいのかという“意思”が薄れてくる。要するに、ただの物売りになっちゃうんです。そうならないためには、私がはじめて蓮田さんと会ったときに感じたような魅力を、社員全員が持ち続ける必要があります。

hacomonoさんの成長スピードが本当にすごいからこそ、ネガティブな変化に対しては一緒に立ち向かっていきたいですね。例えば、顧客が増えていくとCSが大変ですよね。また、今の超高速開発のままプロダクトが増えると、優先順位の調整がものすごく大変な時期が来る。それでもなんとかスピードを保ちながら組織をつくっていけるかどうかは、これからの課題であり、期待している部分でもあります。

この言葉を受け、蓮田氏が強調したのが「愛やロマン」だ。SaaS事業についての話ではなかなか聞かない言葉ではあるが、この日一番の笑顔で語り続ける。

蓮田SaaSの事業は比較的ロジカルにKPI管理ができるので、こちらばかり重視してしまう恐れがあると思います。でも、そうした左脳的な部分だけでなく、右脳的な部分の重要性も意識的に考えないといけないなと感じています。

そういう意味でも、やっぱりALL STARさんとタッグを組めているのは大きいですね。ALL STARさんの良いところは、人間的な愛とかを大事にしていることだと感じているんです。うちもそういう組織にしたい。そして一緒に、ビジネス成長とロマンを両立しながら大きな企業をつくり上げていくことができるんだ、ということを証明していきたい。

ここ最近はほとんどのリソースを組織づくりに投下している蓮田氏。その中で考えているっことは、事業のスケールだけではないのだ。「愛やロマンを大切にする組織となり、結果的に偉大な企業をつくり上げていくこと」を目指している。

蓮田企業規模が大きくなっても、「愛やロマン」といった右脳的な要素が薄れない組織であり続けたい。それでこそ、目指すべき姿に到達できると思います。

湊氏も「楽しかった」と笑顔を見せて幕を閉じたこの対談。この二人が、愛やロマンに基づいてどのような未来をかたちづくっていくのか。その裏側をこれからも定期的にのぞき見してみたい、そんな衝動に駆られる取材だった。

こちらの記事は2022年04月13日に公開しており、
記載されている情報が異なる場合がございます。

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執筆

栄藤 徹平

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