連載ベンチャー人事報

【ベンチャー人事報Vol.21】
メルカリ名村氏、LayerXジョインの衝撃──22年6〜7月の注目人事情報

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ベンチャー・スタートアップの成長に影響する変数はさまざまあれど、最も重要なものは果たして何か。

それを「人」に見るのがFastGrowだ。月刊で「ベンチャー界隈の注目すべき人事情報」として、転職や異動、その他人事施策を取り上げていく。企業のスケールを推進するのは、起業家や事業家だけではない。対象は幅広く扱う。

第21回目となる今回、取り上げたのは、名村卓、平田英己、毛利悠記、堀貴裕、湯浅エムレ秀和、福島智史、坂祐太郎、高原瑞紀、原トリの計9氏。

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メルカリ名村氏、LayerXジョインの衝撃

「すべての経済活動を、デジタル化する。」をミッションに、コーポレートDXを加速させるSaaSプロダクト群『バクラク』シリーズ*などを展開するLayerXが、名村卓氏が執行役員に就任したと発表した。名村氏はサイバーエージェントで多くのサービスを立ち上げ、メルカリおよびソウゾウでCTOを務めた。LayerXではイネーブルメント担当として「テクノロジーを活用した全社の生産性に責任を持つ」役割を担う。

*……『バクラク請求書』『バクラク申請』『バクラク経費精算』『バクラク電子帳簿保存

就任に際してのコメントでは、「テクノロジーの活用は多くの企業にとって未だに多くの壁があります。この壁を打ち崩すには、確かな技術とホスピタリティが必須だと考えています。LayerXが持つ行動指針とカルチャー、それを体現している組織に、その大きなポテンシャルがあると感じました。(中略)今までの経験を活かし、LayerXがより劇的な変化と成長を遂げるための土台を作っていきたいと思います」と抱負を述べる。

「ふとそろそろ何か人生の変化が起きる時期なんじゃないかと直感的に感じることがありました」と同社Podcastで代表取締役CTOの松本勇気氏らとともに語る名村氏。そして「確かに」と感じたのが、これまでtoCプロダクトばかりを開発してきたという点だ。「純粋にtoBSaaSに可能性を感じています。toCだと確かにお客さんが近くて、身近な人も使っていたりして、自分のインパクトの範囲が大きいと感じることもあったんですけど。一方でたくさんのお客さんになるとデータによって大多数をよしとする方に流れることもあって」とも話している。

実績は申し分ない名村氏が、toBプロダクトでどのような挑戦をしていくのか。LayerXの今後に大きく貢献することは間違いないだろう。

名村 卓氏
サイバーエージェント→メルカリ執行役員CTO→ソウゾウ取締役CTO→LayerX執行役員
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NHK、ベルガー、楽天経験の平田氏、hacomono取締役COOに

会員管理・予約・決済システム『hacomono』を提供するhacomonoは、COOの平田英己氏が取締役に就任したと発表した

平田氏はローランド・ベルガーにて、消費財を中心に戦略策定・企業再生などのプロジェクトに従事。その後ジョインした楽天では社長室に配属され、三木谷浩史氏直下でエンタテインメント事業の黒字化プロジェクトを推進した。当時を「マーケティング費の費用対効果や受注ごとの限界利益など赤字の原因を数値として見える化し、マイナスをなくすことに取り組みました。そうしたら、創業から10年ぐらい赤字であったところを1年で黒字化できた」と、難しい仕事についてさらりと振り返る(こちらのインタビューから引用)。

2022年4月にCOOとして、hacomonoに参画した。「まだ達成しているSaaS企業が少ない、T2D3の達成に向けて引き続き取り組んでいきます。現在の戦略と組織でも2つ目のDまでは達成できる手応えを感じていますが、3つ目のDを実現するにはかなりの力が必要になるはず」と抱負を述べる。

同社はこのタイミングで、日本のフィットネス参加率を3%から10%に推進する「PROJECT 3%→10%」の開始も発表。新たな事業フェーズに差し掛かった同社の動きが、更にせわしないものとなっていきそうだ。

平田 英己氏
日本放送協会→ローランド・ベルガー→楽天→hacomono取締役COO
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アルプ、執行役員に元ワークス毛利氏、元メドレー堀氏

サブスクリプションビジネスをはじめとするあらゆる継続収益ビジネスに特化した販売・請求管理SaaS『Scalebase』を展開するアルプは、執行役員CRO(Chief Revenue Officer、最高収益責任者)に毛利悠記氏、執行役員VP of Corporateに堀貴裕氏を選任したと発表した

毛利氏は、ワークスアプリケーションズでソフトウェアセールスに従事したのち、2019年に入社。ソフトウェア領域における強みを活かし、ビジネスサイド全般を牽引してきた。今後はCROとして、Scalebaseによる収益成長を加速させていく方針だ。

堀氏は公認会計士として、大手監査法人や上場企業での財務経理をはじめ、様々な規模の企業でコーポレート業務を幅広く経験。今後の事業成長全般を支えきるべく、コーポレート基盤や管理体制の強化を図っていく。

リリースによれば、Scalebaseの導入企業が累計で100社を超えたことから、さらなる事業グロースとコーポレート基盤の整備を狙う。毛利氏、堀氏の手腕が遺憾なく発揮される日は遠くないはずだ。

毛利 悠記氏
ワークスアプリケーションズ→アルプ執行役員CRO
堀 貴裕氏
大手監査法人→メドレー→アルプ執行役員VPoC
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エムレ氏らがパートナーに。GCPの投資加速か!?

ベンチャー・キャピタル事業を行うグロービス・キャピタル・パートナーズ(以下、GCP)は、 湯浅エムレ秀和氏、福島智史氏が新たに新たにパートナーに就任したと発表した。次世代産業の創造をいままで以上に強力に推進するべく、GCPとしても次世代の体制に移行する意図がある。

リリースによれば、GCPは7号ファンドを設立、過去最大となる500億円規模にて一次募集を完了した。7号ファンドは1社あたりの投資額が最大100億円といい、過去最大規模。日本の次世代産業創造の契機となりうる市場・テーマに取り組むユニコーン・デカコーン企業を創出していくことが狙いだ。

GCPは1996年設立の1号ファンド(5億4,000万円)に始まり、26年で運用総額累計1,600億円を超える。累計投資先社数は190社超となり、直近ではヤプリ、メドレー、メルカリなど、多数の有力上場企業を輩出している。1996年の創業から一貫して、市場の好況不況を問わず、資金(カネ)のみならず経営ノウハウ(チエ)・ネットワーク・人材(ヒト)などをスタートアップに供給するバリューアッド投資に徹してきた。

エムレ、福島両氏のパートナー就任で、さらなる投資加速なるか──。スタートアップ界が盛況する未来はすぐそこだ。

湯浅 エムレ秀和氏
オハイオ州立大学→デロイトトーマツコンサルティングおよびKPMGマネジメントコンサルティング→GCP、ハーバードビジネススクール(MBA)
福島 智史氏
東京大学→ドイツ証券株式会社→GCP
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ジャフコでは、叩き上げの坂、高原両氏がパートナー就任

同じくベンチャー投資を行うジャフコグループも、新しくパートナー2名が就任したと発表した。坂祐太郎氏と高原瑞紀氏だ。

坂氏は2012年に入社後、投資担当者としてマネーフォワードChatworkWACULなどに伴走してきた。2018年からはビジネスディベロップメント部に転じ、スタートアップの営業、管理体制から大企業ネットワークの活用の仕組みを構築した。

高原氏は2010年に入社し、中部支社(現西日本支社)を経て関西支社長を歴任。一貫して地方を拠点とした投資活動を続けている。担当した投資先ではユニフォームネクストワンダープラネットマイクロ波化学がIPO。ティアフォーオルツでは社外取締役も務める。地方から世界を狙うスタートアップを創出しようと、地域のエコシステム形成にも積極的に参画してきた。

ベンチャーから大企業まで知り尽くす坂氏と、地方発スタートアップを熟知した高原氏。異なる強みを持った両氏が、ジャフコに、いやスタートアップ界に新しい風を吹かせるだろう。

坂 祐太郎氏
ジャフコ
高原 瑞紀氏
同志社大学→ジャフコ
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カミナシCTOに、原トリ氏

工場や店舗のDXプラットフォーム『カミナシ』を提供するカミナシは、執行役員CTOに原トリ氏が就任したと発表した。なお、本名ではなくビジネスネーム。プレスリリースでの公式発表がこのかたちで出るのも珍しい。

原氏は、Amazon Web Services(AWS)をはじめ複数企業において開発運用から顧客支援まで幅広く経験してきた。ジョインから約3か月のスピード就任に見えるが、原氏のnoteによれば、もともと入社オファーはCTO候補の名目だった。

背景には『カミナシ』のスケールアップを加速させる狙いがある。2021年から現在に至るまでの1年強で、ユーザーが1日あたりに『カミナシ』で生み出す記録データは当時の10倍を超える量にまで成長し、開発当初のシステム設計や実装がそぐわないシーンが出てきていたのだ。

「まだクリアな青写真は描けていませんが、いつかカミナシを日本で有数の、世界に誇れるテックカンパニーにしたいという想いがあります」とnoteで抱負を述べる原氏。カミナシが化ける未来はそう遠くない。

原 トリ氏
ERPパッケージベンダー→AWS→カミナシ

こちらの記事は2022年07月08日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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