連載ベンチャー人事報

【ベンチャー人事報Vol.22】マネフォ初のCHRO、どんな人物?──22年7~8月の注目人事情報

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ベンチャー・スタートアップの成長に影響する変数はさまざまあれど、最も重要なものは果たして何か。

それを「人」に見るのがFastGrowだ。月刊で「ベンチャー界隈の注目すべき人事情報」として、転職や異動、その他人事施策を取り上げていく。企業のスケールを推進するのは、起業家や事業家だけではない。対象は幅広く扱う。

第22回目となる今回、取り上げたのは、武山慎吾、渡邊建、石原沙代子、齋藤匠、八重樫健、久森達郎、三上慎一の計7氏。

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BCG→ファストリ→マネフォという道を歩む武山氏

創業から丸10年の節目を迎えたマネーフォワードが、初めてCHRO(Chief Human Resource Officer)の役職を置いたことを明らかにした

『ユニクロ』『ジーユー(GU)』などのブランドを世界規模で展開するファーストリテイリングで人事部長を務めた武山慎吾氏が2022年5月に入社し、8月からCHROに就任することが発表されたのだ。

同氏は新卒入社した三菱商事で与信管理や債権回収を担当したのち、ボストン・コンサルティング・グループに転職して戦略コンサルティングを経験。2017年からファーストリテイリングにジョインし、翌2018年から人事部長を務めた。

就任発表に合わせて公開されたマネーフォワード採用公式noteの記事で、代表取締役社長 CEO辻庸介氏について「(ファーストリテイリングの)柳井社長と全く違うタイプの経営者で、それが妙に印象に残った」という武山氏の言葉や、新たな挑戦を決めた経緯について詳細に語られている。詳細はぜひ、記事で直接確認してほしい。

またこのnoteは、同社の新しい人事制度「MFグロースシステム2.0」についても詳細に触れている。人事に携わる読者は要チェックな内容だ。

さらに、武山氏が自らSNSで行う発信も学びの多いものとなりそうだ。スタートアップエコシステムにおけるナレッジシェアも、楽しみにしたい。

武山 慎吾氏
三菱商事→ボストン・コンサルティング・グループ→ファーストリテイリング→マネーフォワード
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ダンボールワンの社長に、ラクスル渡邊氏が就任。
想定以上のスピードで、PMIが次のステージへ

ラクスルの完全子会社ダンボールワンが、代表取締役社長の交代を発表した

退任したのは辻俊宏氏。従業員5人で平均年齢55歳だった1978年創業の地方企業・能登紙器時代の2005年にジョインし、デジタル化と事業ピボットによって新たな成長を実現して代表取締役に抜擢された人物だ。その後、ラクスルとの資金業務提携から、完全子会社化へと進み、この2022年8月の経営体制移行を成し遂げた。

完全子会社化までの道のりはこのFastGrowの記事、経営体制移行についてはBizZineの記事をぜひ熟読いただきたい。語られるのは、日本におけるスタートアップエコシステム発展に向けたラクスルの大きな挑戦の物語だ。詳細はぜひ、上記2記事で学んでみてほしい。

さて、本筋に戻ろう。ダンボールワンの経営を受け継ぐのは、ラクスルで執行役員印刷事業部長を務めた渡邊建氏。京都大学工学研究科を修了し、トヨタ自動車で製造エンジニアとして勤務したほか、テスラモーターズとの共同モデル開発などを担った。その後2017年にラクスルへ参画。印刷事業のグロースを推進してきた。

ラクスルのメイン事業において1→10.10→100を担った経験を活用するためにダンボールワンへ出向。そのまま経営チームを担うPMIの形を、想定よりも速いスピードで実現できたと、ラクスル取締役COOの福島広造氏は前述のBizZineの記事で語っている。

なお、辻氏はこれから投資家かつ連続起業家として、ラクスルとの濃い関係性も維持しながら活動していくとのこと。福島氏が常々語っている「B2B事業家マフィアを創りたい」という世界観も実感できる出来事になったとも言えるだろう。

渡邊 建氏
京大工学研究科→トヨタ自動車→ラクスル→ダンボールワン
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Ms.Engineerが、元ABCash CHRO石原氏と元CA/エキサイトの齋藤氏を招聘

ハイクラスの女性エンジニア養成サービスを展開するMs.Engineerが、取締役CHROに元ABCash Technologies CHRO石原沙代子氏、執行役員MoE(Mother of Engineer)に元サイバーエージェント技術人事本部長の齋藤匠氏を招聘したと発表した

取締役CHROの石原氏は、ベンチャー企業で人事キャリアを積み重ねてきた人物。サイバーエージェントでは人事本部エンジニア新卒採用を担当し、全国各地で数百名以上の応募者と接触。創業期にジョインして執行役員CHROも務めたABCash Technologies(旧bookee)では、組織規模の10倍拡大を実現するなどの成果を残してきた。

プレスリリースでは「諦めそうになる私を救ってくれたのは『リスキリング』でした。学び続け、自分をアップデートすることで必ず道は開けます。 『リスキルの力で世界を押し上げる』というMs.Engineerのビジョンを知った時、今後は自分がそういった環境を作っていく側に回りたいと感じました」と熱いコメントを残している。

一方、齋藤氏は以前からMother of Engineerという存在として、サイバーエージェントやCAM、エキサイトといったIT企業で開発組織を強化してきた人物だ(参考記事はこちら)。Ms.Engineerではブートキャンプ事業を統括するといい、「即戦力となる最新の技術を学べる高品質なプログラム提供」を実現するとリリースで紹介されている。

目指す世界観の実現に向け、格好の人物がジョインしたように感じられる。躍進が楽しみだ。
石原 沙代子氏
サイバーエージェント→ABCash Technologies執行役員CHRO→Ms.Engineer取締役CHRO
齋藤 匠氏
大手SI企業→サイバーエージェント→シーエー・モバイル(現CAM)→エキサイト→Ms.Engineer
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MicoworksがCOO、CTO、CPOの就任を発表

顧客体験のパーソナライズを実現するマーケティングSaaS『MicoCloud』を提供するMicoworksは、CxO制度を導入し、経営体制を刷新したと発表した

COOに就任した八重樫健氏は、アクセンチュアで経営戦略立案やM&A、新規事業立上を担当。その後、Supershipホールディングスの立ち上げに参画し、経営戦略の立案や事業推進、10社超のM&Aを推進し、経営戦略・マーケティング・人事領域を管掌する役員も歴任した。

CTOに就任した久森達郎氏は、ディー・エヌ・エーやフリークアウト、日本マイクロソフトでエンジニアとして勤務後、2020年3月に独立。2020年6月に内閣官房情報通信技術総合戦略室の政府CIO補佐官に就任し活動してきた。FastGrowのイベントにも登壇するので合わせてチェックしてほしい(詳細はこちら)。

そしてCPOとなった三上慎一氏は、アクセンチュアでのコンサルタント、クラウド会計freeeでのプロダクトマネージャーを経験してきた。

3人とも、Micoworksに入社したのは2022年。これからどのようなチームを組織していくのか、動きが楽しみだ。

なおこの発表に合わせて代表取締役CEOの山田修氏は、背景を詳細に説明するnoteを投稿。「これまでのMicoworksは、『経営チーム』という存在の定義が非常に曖昧でした。……(中略)……当時の実情を正確に表すならば『経営ボードに適した人の採用や教育が追いついていなかった』状態だったと感じています」と、赤裸々に課題を吐露している。これから組織拡大を検討するみなさんには、ぜひ合わせてチェックしてもらいたい。

八重樫 健氏
アクセンチュア→Supershipホールディングス→Micoworks
久森 達郎氏
ディー・エヌ・エー→フリークアウト→日本マイクロソフト→Micoworks
三上 慎一氏
アクセンチュア→freee→Micoworks

こちらの記事は2022年08月24日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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