INTERVIEW
多田 英起 田井 明日香
18-11-21-Wed
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VR業界は幻滅期でも、昨年比500%の急成長を続けるナーブ。
日本から世界を目指す

TEXT BY TOMOMI TAMURA
PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA

2016年、VR元年。

デバイスや体験できる施設の登場がきっかけとなり、
世の中から大きな期待を集めたVR市場。

しかし、その成長は予想よりも遅いとも言われている。

あれから2年、VR市場はどのような状況なのだろうか。

2015年に創業し、不動産領域やトラベル領域などビジネス向けVRソリューションを提供しながら急成長を続けている、
VRプラットフォーム・ナーブの代表、多田英起氏に業界動向とナーブの強さについて語っていただいた。

後半では、創業から今までの現場で感じる市場の変化について、田井明日香氏に伺った。

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VR業界は幻滅期。ナーブは一足早く回復期へ

VR元年と言われた2016年から2年が経ちました。成長が予想より遅いとも言われているVR市場全体の状況について教えてください。

多田ここ1〜2年で「VR」という言葉は一般化されてきましたが、業界としては、ガートナーのハイプ・サイクルでいう流行期から幻滅期に突入しているのではないでしょうか。ゲームやライブなどのエンタメ系サービスで盛り上がったものの、多くの企業で高い壁にぶつかっているのが現状だと思います。

その壁のひとつとして挙げられるのが、VRを使う“明らかな理由”を作れていないこと。私もナーブを2015年に設立する2年前、仮想空間でフィットネスを楽しむ「VRフィットネス」を開発したんですね。

ただ、利用した方にアンケートを取ったところ、「VRは楽しくて友達に紹介したいけれど、2回目以降は使わない」という衝撃の結果が出てしまったんです。想定した原因は、VRを装着するまどろっこしさと体験が一致せず、VRである必要性を感じられなかったこと。たぶん、現在のVR領域の企業に立ちはだかっている壁が、これと同じだと思います。

そこでナーブは、ビジネス課題を解決するためのソリューション開発に舵を切り、一足早く幻滅期から回復期に抜けました。今年度は昨年比500%の成長で伸びており、一気にV字回復も果たしています。

VRはまだまだ市場が小さいですが、これから大きく成長するはずです。幻滅期にある業界はあと1〜2年で立ち上がると予想していますが、そのためにはヒット作とデバイスの普及が必要になるでしょう。

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世界のVR市場を獲得するプラットフォーマーを目指す

ナーブが業界に先駆けて幻滅期を抜けたのは、なぜだとお考えですか?

多田会社が倒産しかけても何があっても諦めずに、本質的な価値を追い求めて投資し続けたからです。たとえば、不動産業界向けのVR内見の価値は、単にVRで内見できることではありません。

例えばメルカリだって、CtoCのオークションをスマホアプリで実現したから大ヒットした訳ではきっとないでしょう。「出品したら即売れる」といった世界観、コンセプトがヒットの秘訣だと思っています。

それと同じように、VR内見でどんな世界を作れるのか。不動産業界全体のどんな課題を解決したら、手放せなくなるほどの価値を生み出せるのか。これらを考え抜き、やるべきことを愚直に続けてきました。

デバイスに関しても装着時の考えられる課題はすべて潰して提供しています。たとえば、髪型やメイクは崩れず、メガネをかけている人もストレスなく使えて、片手で持てるほど軽く、視認性のいいものを開発。ヘッドバンドもないから装着に時間がかかることもありません。その結果、ここ1年くらいでVR内見は一気に拡大しました。

多田さんが諦めずに踏ん張った、その原動力は何でしょうか。

多田日本のエンジニアとして、世界に10年以上負け続けていることが悔しかったからですよ。

たとえば、ソニーがFeliCaを開発し始めたのは1988年で、そこからEdyやSuica、携帯電話などさまざまなモノに導入されてきましたが、iPhoneにFeliCaが搭載されたのは2016年のこと。おサイフケータイができたのが2004年なのでiPhoneが生まれる前から電子マネーの技術を日本は持っていたのに、ずっと採用されなかったんです。

QRコードも日本の技術が生み出したものですし、顔認証技術も日本の技術は高いでしょう。技術者も優秀で、新しいモノづくりに長けているのにも関わらず、世界では負けてしまう。ブロックチェーンも日本が進んでいたけれど、勝てませんでした。

そもそも、ここ10年、20年を振り返っても、本当に世界で戦えている企業は数えるほどしか生まれていませんよね。だからこそ私は、日本の高い技術力で世界と戦えるプラットフォームを実現させたい。

VRは世界にまだ成功事例がなく、日本の技術者が戦える領域です。日本にはUnityを使えるゲームエンジニアが多くいるので、Unityと相性の良いVR市場で躍進できるポテンシャルは高いはず。だからこそ、ナーブがプラットフォーマーとしてVR業界を牽引し、世界で「VRといえば日本」と言われる存在になりたいと考えています。

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世界のVR市場を取るタイムリミットは、あと3年

VR市場の今後の展望と、ナーブの目標についてお聞かせください。

多田VRはゲームなどのエンタメ系での活用をイメージしがちですが、ナーブが不動産や旅行業界にVRソリューションを提供しているように、あらゆる業界に浸透していくはずです。

そう考えると、2025年に11兆円市場と予想されているVR市場は、もっと大きな市場になる可能性の方が高いですし、プレイヤーは全然足りていません。

ナーブ自身も、VR内見の導入企業が5000店舗を超えましたが、まだまだここからです。アマゾンが経済圏をつくったように、ナーブもVRで経済圏を作れると信じています。

そのタイムリミットは、あと3年。アメリカでVRプラットフォームが成熟する前に、ナーブがアジアパシフィックの市場を取りに行く。価値あるソリューションを提供する、プラットフォーマーを目指します。社内では「VRでコトを売るアマゾンになるぞ」とよく話しているんです。

だからぜひ、VR市場で未来の新しい価値観を作り、世界に出て勝負したいと思う人は、ナーブの仲間になってくれたらうれしいです。飽和した業界ではなく、これからの業界を共に作りましょう。

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直近1〜2年で市場は大きく変化。その変化の中心にいる醍醐味【田井明日香】

創業メンバーである田井さんは、創業時から今まで、市場の変化をどのように感じていますか?

田井VRを体験した人が増えていることもあって、圧倒的に認知度が上がっていると思います。3年前は、「VRとは何か」から説明をしないといけなかったのが、今は説明しなくても興味を持って話を聞いてもらえるようになりました。これが、ここ1〜2年の大きな変化ですね。

ナーブは創業からの3年で、たくさんの失敗と試行錯誤を繰り返しながら、不動産業界にマッチしたVRソリューションを作り上げてきました。私たちにとってVRは、ビジネスや業界の課題を解決するための手段ですが、それを理解してもらって、使ってもらえるまでのハードルは高かったです。

現場でお客様と向き合う中で、VRにどのような可能性を感じますか?

田井私はトラベルユニットを立ち上げて、旅行業界やその周辺業界への導入を本格的に進めている最中なのですが、営業をしながら思うのは、VRは旅先での選択肢を広げる可能性があること。

たとえば、海外旅行で初めて行く国の場合でも、意外と少ない情報量で決めているケースがほとんどだと思うんですね。そんなときに、旅行先のホテルや周辺環境を事前に仮想体験できるのがVRの良さ。事前の仮想体験が生きるのは旅行に限ったことではないので、ここに可能性を感じています。

トラベルユニットでこれから取り組みたいのは、すでに導入いただいているHISさんやJTBさん、JALさん、ANAさんからの横展開です。たとえば、全国の市区町村が独自にVRコンテンツを作って町の魅力を伝えようとしているケースは多いのですが、コンテンツの出し先がなくて困っている現状があるんです。

Youtubeに載せてもほとんど再生回数がないそうなので、ナーブのプラットフォームに載せて、さまざまなところに配信できるよう、ネットワーク化を進めたいと考えています

新しい市場をつくる醍醐味は何でしょうか。

田井世の中が変化する中心にいられること。出来上がった市場ではないから大変なことも多いのですが、それ以上に達成感は大きいです。

自分たちが信じて作り続けてきたVRソリューションがお客様に受け入れられ、世の中に広まって行く様子を見ていると、世の中に貢献できている実感を得られますよ。

だから、新しいものや市場、未来を作っていくことに貪欲になれる人は、ぜひ仲間になってもらいたいと思っています。

各業界にマッチしたVRソリューションを作り上げるために、隠れた課題も含めて拾い上げ、試行錯誤しながらトライアンドエラーを繰り返す。

こうした、まだ世の中にないものを形にしていくこと・広めていくことを面白そうだと感じる人は、きっとワクワクする仕事ができると思います。市場を作っている今のタイミングでの参画は、きっと他では得られない貴重な体験となるはずです。

[文]田村 朋美
[撮影]藤田 慎一郎

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