【ベンチャーキーパーソン名鑑】PdM編 Vol.10:Unito 中野 創太氏
「あの会社の急成長は、なぜ実現できたのか?」その答えは、最前線で事業の課題と格闘し、成果を出し続けている「ベンチャーキーパーソン」の仕事術に隠されています。
本連載では、スタートアップやベンチャー企業が事業を伸ばす上で避けて通れない具体的な「業務の壁」を、彼ら/彼女たちがどう乗り越えてきたのかを徹底解剖。
日々の業務ですぐに役立つ実践的なノウハウ、困難な意思決定を支えた思考プロセス、そしてリアルな成功と失敗の事例、そこから得たノウハウを、ご本人たちの言葉で共有する。(掲載希望企業はこちらのフォームからご回答ください。)
彼ら/彼女たちの生きた経験は、あなた自身の課題解決のヒントとなり、スタートアップやベンチャーでの活躍、あるいはキャリアアップを加速させる具体的な「処方箋」となるはずだ。
株式会社Unitoにおける「PdM(プロダクトマネージャー)」の魅力とは?
以下、話者は中野さん
Unitoでは、住まいやホテルといった巨大産業の「間」の新しい体験を提案しており、既存の常識を再構築する機会が多い点が魅力です。またチェックインなど、オンラインの体験からオフラインでの感動につながっていくのは、リアルテックならではの面白さです。エンジニア・デザイナー・CSなど多様なスペシャリストと協働しながら、プロダクトを通じて社会構造そのものを更新できることに、大きなやりがいを感じています。
PdM(プロダクトマネージャー)の処方箋
処方箋 その1:パソコンを開かない時間
パソコンを開いたまま考えごとをすると、時間の流れが倍速で進むように感じています。課題が複数同時に発生した際、一つずつ順に解決していくと、最後のものに取りかかる頃には手遅れになることも少なくありません。私は常に机に白紙を置いておき、すぐに手書きでメモや思考の整理ができるようにしています(こちらの紙スタンドがオススメ)。
課題が乱立した時は、全ての課題の方向性をまず紙面上で解決してからパソコンを開くようにしています。デジタルから距離を置く時間を意識的に持つことが生産性につながります。
処方箋 その2:課題が見つかったら一番に「スコープ」を見直す
プロジェクトで課題が見つかったときは、まずスコープを見直すようにしています。テスト駆動開発の和田卓人さんのお話を伺ってから、PdMとして常に意識している考え方です。
プロジェクトを構成する要素のうち、「締切」「品質」「スコープ」「予算(開発人数)」のどれかを削らなければいけないとき、最初に調整すべきはスコープだと思っています。問題が起こりそうな予兆を感じたら、自分の役割と自覚して早い段階でスコープを見直すようにしています。
処方箋 その3:その場で決断を下す
PdMの仕事は「決めること」だと思っています。複数のメリット・デメリットがあり、51対49という難しい意思決定だとしても、そこに責任を持つ人が決めなければ進みません。
反対に、決定を先送りにすることは実は脳にとってはとても楽な行動で、気を抜くとすぐに延期してしまいます。打ち合わせ中に決めなければその後の仕事が雪だるま式に積み重なります。その場でスタンスを決められること、そのための準備をすることはとても大事なポイントだと思います。
PdM(プロダクトマネージャー)を学べるオススメコンテンツ
オススメ:「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか」
| 書籍情報 | |
|---|---|
| 著者 | 中島聡 |
| 出版社 | 文響社 |
| 出版日 | 2016/6/3 |
| Amazonリンク | ![]() |
新卒1年目の頃に読んで、今でもバイブルにしている本です。「最初の2割の時間で8割の完成度を作る」という考え方が、チームのスピードと成果を両立させる鍵になりました。また、経営メンバーや他部署と認識を合わせる際も、まずはビジュアルで共有できる形を用意し、早い段階で目線を揃えることを意識しています。
オススメその2:「【福島良典】事業責任者にもっとも必要な要素 / LayerX サマーインターン2024 講演(後編)」
家にいる時など、YouTubeからインプットをすることが増えてきました。最近で最も思考が言語化された動画がLayerX福島さんの事業責任者に求めるスキルについての動画です。特に、数十人の規模の時はまさにプロダクトこそが事業であり、PdMはシステム周りだけでなく、事業全体を見通すことが求められると考えています。「ユニットエコノミクスを合わせる」「非連続な成長を作る」の二つを常に意識する整理は、大変納得感がありました。
オススメその3:「カメラ」
以前「デザインに強くなりたい」と、令和トラベルの篠塚さんに相談した時に、「写真を学ぶと良い」とアドバイスをいただきカメラを持つようになりました。カメラを通じて、構図・色味・光のことを楽しみながら深められることはもちろん、自分のカメラフォルダを見ると、「自分は何が好きでどんな時にときめくのか?」という自分の中での感性の輪郭が明確になり、長期的にとても良い効果を生んでいるように感じます。
キーパーソン中野氏から皆さんへのメッセージ
Unitoのプロダクト開発は、オンライン上の体験がオフラインの感動へとつながる“リアルテック”の形そのものです。鍵の解錠、チェックイン、滞在体験──すべての接点をテクノロジーで再構築し、暮らしと旅のあいだにある新しい選択肢を社会に広げています。
会社の規模としても、業界の成長率としても、今が一番面白い時期だと感じます。新しい常識を一緒につくってくださるPdM・エンジニアの方、ぜひお話させてください!
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こちらの記事は2025年11月11日に公開しており、
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39記事 | 最終更新 2025.11.12おすすめの関連記事
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