COOは何を考えているのか?急成長スタートアップ3社のNo.2に聞いた【FastGrow Answers 第五弾】

執筆者
橋本 翔太
  • コミューン株式会社 共同創業者 / 代表取締役COO 

ストックホルム経済大学留学を経て、東京大学経済学部卒業。 卒業後Google Japanに入社し、マーケティング業務に従事した後、Google米国本社に転籍。広告製品の新規顧客ダイレクトマーケティングをリード。退職後帰国し、Dayone株式会社(現コミューン株式会社)を共同創業。趣味は、掃除と散歩。

清水 隆之
  • オーティファイ株式会社 取締役COO 

2011年4月にDeNAに新卒入社、エンジニアとして複数の海外向けソーシャルゲームの開発・運用を経験。スタートアップ、フリーランスを経て、2014年12月 FiNC Technologiesに最初の中途エンジニアとして入社。法人向けサービスの立ち上げを牽引し、のちにエンジニアリングマネージャー、プロダクトマネージャー、品質部門の責任者など開発現場における様々な経験を経て、2018年 執行役員 VP of Engineeringに就任。全社のプロダクト開発やエンジニアチームの組織変革・マネジメントに従事。2020年7月、オーティファイ株式会社の取締役COOに就任。

川島 諒一
  • 株式会社タイミー 取締役副社長 

1988年生まれ。上智大学卒業後、新⽣銀⾏でスタートアップ企業の支援を経験し、自ら起業。その後、デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリーでのM&Aアドバイザリー業務、アクセンチュアでの戦略コンサルティング業務に従事。並行してボランティアでスタートアップ企業の支援も行う。 アクセンチュアを退職後、タイミーと同様のサービスを独自に立ち上げるべく準備を進めていたが、競合視察の過程でタイミーと出会い、成長スピードと企業カルチャーに惹かれて参画。

事業やキャリアに「正解」はあるのか。きっと答えはNOだ。

それでも先人たちには確かに通ってきた道がある。圧倒的な思考と行動で、スタートアップを成長へと導いてきた。

そして私たち、FastGrowの仕事は、彼/彼女らの実践知を未来の事業家に届けること。

正解を教えることはできないが、不要な失敗を避け、正しい道筋を示すことはできるはず。そうすることで、偉大な事業家が生まれると信じている。

現役事業家が回答する新企画。事業の悩みは、事業家に聞こう──。

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今回は、先日行われたイベント「参謀「No.2」の存在意義とは?- 右腕に必要なマインドセット、スキルを紐解く -」に登壇した3名のNo.2に、質問をぶつけてみた。

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COO3名への共通質問

質問

ご自身のバイブルとなっているような、何度も読み返す書籍はありますか?

不格好経営」です。新卒では銀行に勤めてたのですが、当時は劣等感の塊みたいな感じでした(笑)。そんな当時の僕を変えてくれたのが、この本です。実際に、この本を読んでから銀行を退職し、起業していますしね。

川島 諒一氏の回答

ここ1年で何度も読み返しているのは、UB Ventures岩澤さんにお勧めしていただいた「なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか」です。組織づくり、もっと言うとメンバーとの細かいコミュニケーションにも活かせる本なのですが、私たちが目指している「発達指向型組織」をつくる上で非常に参考になります。

「発達指向型組織」についてはnoteにまとめているのですが、「発達」というのはスキルやキャリア的側面だけでなく、「ありたい自己」に近くことを意味しています。そして会社で働くことが、その「ありたい自己」に近くことになるという、いわば「両者の成長が連動している状態」が理想です。

橋本 翔太氏の回答

マネジメントや経営という観点だと、「良い戦略、悪い戦略」です。「抽象的に見えるが、より本質的なこと」をどのように見出すか、どのように正しいゴールを設定するかなど、正しい戦略の描き方を基礎として学べる一冊だと思います。

清水 隆之氏の回答
質問

プロダクト開発や事業づくりにおける「失敗」を教えてください。また、その経験から得られた学び、もしくは今だったらどう回避するかなども教えていただけると幸いです。

少し細かい話になってしまうのですが、代理店のフィー設定を間違えてしまったことがありました。本当はまだお話できないような失敗もたくさんしているのですが、それは時効になったらでお願いします(笑)。

僕らの事業モデルだと、「掲載求人数」も主要KPIのうちの一つになります。そのため、リクルートさんのように多くの代理店を活用する方が効率が良いのですが、当時フィーを安く設定しすぎて全然売ってくれないということが発生しました。代理店からすると、タイミーを売っても旨味が少ないので当然なのですが、当時はコストをなるべく掛けないようにしようと。

今だったら、有料でもいいので経験者や専門家にまず話を聞きます。サービス開発など不確実な要素が大きいところでは、小さく改善を繰り返すのは重要です。しかし逆に、「すでに答えが出ている領域」でわざわざ失敗と改善のサイクルを回す必要はありません。この「代理店の活用方法」は、まさに「すでに答えが出ている領域」なので、お金を払ってでも専門家の知恵を借りた方が結果的に良いと学びました。

川島 諒一氏の回答

今提供している「commmune」の前に、D2Cサプリメント事業をやっていました。結論、顧客やユーザーの抱える「負」からスタートせず、マーケット主導で事業をつくってしまったことが原因で失敗に終わりました。CEOの高田と私は当時アメリカにおり、ちょうどサプリD2Cが伸びはじめのタイミングだったこともあり、マーケット自体の成長曲線に合わせて、業界マップからギャップを見つけ出すというアプローチでプロダクトを考えていたんです。その結果、ユーザーがまったく見えていませんでした。

もちろんマーケットとユーザー、両方をバランス良く見ることが大事だと思います。ユーザーに関してはN=1の粒度で、しっかりとペインを深掘る。そしてこれはゼロイチの事業立ち上げの時だけでなく、プロダクト開発における機能追加なども同じです。今は「ロジカルに考えると、これが良さそう」と思っても、しっかりとユーザーを見ることを意識しています。

橋本 翔太氏の回答

もちろん事業と組織、両方の失敗はたくさんしてきました。どれもAutifyでの話ではないのですが、前者に関して言えば、例えば社内ツールをつくったものの、使われ続けなかったことですね。こちらから働きかければ使ってくれるのですが、結局形骸化してしまった。必要そうで、実際には必要とされてなかったんです、まさにBurning needsの見極めに失敗した典型です。社内ツールと言えど、一般的なプロダクトと同様にユーザー(社員)のBurning needsを解決できるかがやはり重要だと学んだ失敗でした。

組織に関しては、事業がうまくいかず組織の雰囲気が悪くなった時に、「ボトムアップに解決すること」にフォーカスしすぎたのは失敗でした。マネジメントの意義が本当に問われるのは、事業や組織がうまくいっていない時です。その際、ボトムアップとトップダウンのバランスを取って、問題の根本原因であるクリティカルなイシューにアプローチすることが本来はとても重要なはず。それなのに、ボトムアップなアプローチに焦点を当てすぎて、表面的な課題を解決することばかり意識してしまっていました。二者択一でなく、どちらも必要、大事なことはバランスで、マネジメントで本当に難しいのは実はボトムアップよりトップダウンの意思決定だと思います。このバランスを意識しながらトップダウンで決めるべきことから逃げずに向き合うことが大事だと学びました。

清水 隆之氏の回答
質問

自社プロダクトのミッション、バリューなどの定義は、どのようなメンバーでどのタイミングで決めましたか?

ミッションは「一人一人の時間を豊かに」というのを掲げていますが、これはもともと小川がつくったものから変更していません。逆に、バリューは今の役員が揃ってから役員陣で決めました。そもそもバリューは当時なかったので、ゼロからつくりましたね。「一番タイミーらしさを持っている社員」をピックアップし、その要素を抽出して決めました。

川島 諒一氏の回答

私たちはシリーズA前後と、比較的早いタイミングでVision、Mission、Valueを策定しました。だいぶ早いね、と言われることもありますが、組織づくりと事業づくりは鶏と卵だと思っており、良い組織が良い事業をつくると考えているので、経営陣を中心にこのタイミングで取り組みました。

背景とプロセスはCEOの高田のnoteに詳しいですが、策定にあたり、3つ意識していたことがあります。それは「行動規範になること」「会社の色が出る / スタンスがあること」「ことばとして口癖にできる / ネタにできる汎用性」です。この3つを意識していたこともあり、今では採用や評価をはじめ、すべての意思決定がVision、Mission、Valueに基づいています。

橋本 翔太氏の回答

ミッションは無理やりつくる必要はないと思いますが、ふわっとある状態で、ただ言語化できていないだけなら早くつくってしまった方がいいと思います。一方で、バリューはマネジメント上必要になってくるものです。組織がスケールしていき、10人を超えるようなタイミングで組織の文化をつくるために必要不可欠なものだと思います。

実際、僕がAutifyにジョインして最初に着手した仕事もバリューのアップデートでした。外から入った者がいきなりつくるのはなかなか大変でしたが(笑)。バリューをつくるにあたっては、チームメンバー全員でつくることを意識していましたね。まず初めにメンバーにしっかりとヒアリングをし、共通する思考や趣向がないか観察することを意識していました。そこで得られたキーワードと、今後の展望や必要条件を経営陣ですり合わせた上で、チームメンバー全員で具体的なアクションに落としていきました。3ヶ月ほどでつくり上げたので、結構スピーディに取り組んだと思います。

清水 隆之氏の回答
質問

プロダクトのコンセプト・サービス内容について、開発途中で「本当に受け入れられるのか」というサービスの根幹を疑う疑問などは、日頃ありますか?ある場合、開発を止めるべきかどうかの基準を設けておりますか?

短期的に必要そうに見えるだけで、長期的には開発する必要がないと途中で気づいてストップしたケースもあれば、良いと思って開発してみたものの、まったく反応が良くなかったのでクローズしたというのも、もちろん両方あります。

ただ基本的には、クライアントとユーザーとの対話を通じて決めます。リクエストされたものをそのまま実装することはないですが、ヒアリングで仮説を当ててみて、その反応を見ながらチューニングしています。

川島 諒一氏の回答

「不確実性」という意味だと、当然常にあると思っていますし、常に対処しています。不確実な中で、いかに見えていない部分を小さくするかがプロダクト開発であり、事業づくりです。お客様からのフィードバックや日常的な議論で、常に最小化しようと努力しています。

橋本 翔太氏の回答

代表である近澤のブログにもありますが、Autifyには「Solve burning needs - Burning needsを解決する」という強い文化があります。「顧客のBurning needs(本質的な課題)が見つからないうちはつくらない」「疑問があるならつくらない」というのは徹底していると思います。

実際、こちらのブログにもありますが、初期はプロダクトがない状態で顧客がお金を払うと言ってくれて初めてプロダクトをつくり始めるぐらいでしたから。ですので、サービスが本当に受け入れられるのか疑うくらいならつくらない方が良いと考えています。まずは、ヒアリングをたくさん行い、顧客のBurning needsを特定することが最も重要です。

清水 隆之氏の回答
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橋本 翔太氏への質問

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清水 隆之氏への質問

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川島 諒一氏への質問

こちらの記事は2020年11月11日に公開しており、
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