連載資金調達の週報
ミレニアル世代向け証券会社から、1200社導入のぷち社食サービスまで──押さえておきたい資金調達ニュース【〜8月4日】
資金調達が活況となり、日々のニュースが溢れている。
全てを追いきれない読者のために、FastGrowでは週次で国内外スタートアップの資金調達ニュースを紹介。
今週も日本から4社、海外から1社をピックアップした。
2018年7月30日〜2018年8月4日分
- TEXT BY MASUMI OSAKI
- EDIT BY TOMOAKI SHOJI
Finatext:手数料0円のコミュニティ型株取引アプリ

資金調達概要
調達額 |
---|
60億円 |
調達先 |
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KDDI |
ジャフコ |
ファンド |
サービス概要
コミュニティ型株取引アプリ「STREAM」のほか、リテール向けのモバイルサービスや投資関連のアルゴリズム、機関投資家向けのAI/ビッグデータ解析サービスなどを手がけるFintechスタートアップが「Finatext」だ。
子会社のスマートプラスを通じて運営するSTREAMは、投資初心者の参加ハードルを下げるべく従来型の委託手数料を撤廃。複数のニュースや適時開示情報、他ユーザーの投稿などから情報を取得し、スマホからサクッと取引できるのが特徴だ。
調達した資金をもとにプロダクトを強化し、5年以内にミレニアル世代向けNo.1の証券会社になることを目指している。
おかん:累計で約1200社導入のぷち社食サービス

資金調達概要
調達額 |
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約7億円 |
調達先 |
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グローバル・ブレイン(グローバル・ブレイン 6号投資事業有限責任組合 / 31VENTURES Global Innovation Fund 1号) |
楽天 |
YJキャピタル |
みずほキャピタル |
SMBCベンチャーキャピタル |
サービス概要
オフィスに冷蔵庫と専用ボックスを設置し、健康に配慮した惣菜などを常備することで、従業員が手軽に食事をとれるぷち社食サービス「オフィスおかん」を運営。
企業が月額利用料を負担する仕組みなっているため導入企業の従業員は、さばの味噌煮や玄米ごはんなどのメニューを1品100円で購入できるのが特徴だ。
従業員のロイヤリティや満足度の向上、人材定着促進や新規採用の促進などの施策としても導入が進み、2014年3月のリリース以降で累計1200社に活用されている。
soeasy : 動画とAIを使った組織の生産性向上サポートツール

資金調達概要
調達額 |
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1.1億円 |
調達先 |
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ジャパンベストレスキューシステム |
複数名の個人投資家 |
サービス概要
動画というフォーマットを活用して、個人が持つナレッジを共有し合えるサービスを展開する『soeasy』。
同社では個人向けと組織向けでそれぞれサービスを開発。個人向けの「soeasy」では掃除のコツや簡単料理方法を始め、各ユーザーが自分の持つ知恵を15秒間の動画にして共有できるプラットフォームだ。
組織向けの「soeasy buddy」は従来の社員研修や社内教育の生産性を高めるHR Techサービス。お手本となる接客や営業動画をスマホで撮影し、“動画マニュアル”のような形で共有する。そこに各社員が持つ知見を共有し合うことで、より現場に合ったマニュアルへとアップデートしていくのが特徴だ。
同サービスでは社員の貢献度をAIでスコアリングすることで、積極的にチームのために行動しやすくなるような仕組みも作っている。
ピースオブケイク:メディアプラットフォーム「note」や「cakes」

資金調達概要
調達額 |
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約4億円 |
調達先 |
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日本経済新聞社 |
日本ベンチャーキャピタル |
新潟ベンチャーキャピタル |
サービス概要
クリエイターメディアプラットフォーム「note」や2万本以上の記事を週150円で読めるコンテンツ配信プラットフォーム「cakes」を運営。
2014年にスタートしたnoteはクリエイターや起業家など多様な書き手が情報発信するプラットフォームへ成長し、ミレニアル世代を中心に月間600万人以上のユーザーを抱える。
日本経済新聞社(日経新聞)とは、業務提携も締結。noteクリエイターによるコンテンツを日経新聞が運営するメディアに展開したり、note上で日経新聞独自のサービス展開のほか、新サービスの共同開発などにも取り組む予定という。
3DLOOK(アメリカ): 2枚の写真だけで身体採寸できるアプリ

資金調達概要
調達額 |
---|
100万ドル |
調達先 |
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u.ventures |
500 Startups |
複数名の個人投資家 |
サービス概要
スマホで撮影した2枚の写真をアップロードするだけで、身体のサイズを測定するアプリ「3DLOOK」を運営。
国内でも、採寸スーツ「ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)」が登場したことによって、自宅にいながら気軽に身体のサイズを測れるサービスの注目度が増している。3DLOOKで必要なのは2枚の写真だけ。アプリを使って取得したデータを基にバーチャル試着をしたり、ブランドごとにどのサイズが自分に適しているのかを調べたりすることができる。
今週は計5社の調達状況を紹介した。今後も、FastGrowでは週次で調達状況を発信していく。
こちらの記事は2018年08月08日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
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執筆
大崎 真澄
編集
庄司 智昭
ライター・編集者。東京にこだわらない働き方を支援するシビレと、編集デザインファームのinquireに所属。2015年アイティメディアに入社し、2年間製造業関連のWebメディアで編集記者を務めた。ローカルやテクノロジー関連の取材に関心があります。
1986年生まれ、東京都武蔵野市出身。日本大学芸術学部文芸学科卒。 「ライフハッカー[日本版]」副編集長、「北欧、暮らしの道具店」を経て、2016年よりフリーランスに転向。 ライター/エディターとして、執筆、編集、企画、メディア運営、モデレーター、音声配信など活動中。
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