連載事業を創る者たち 一流のベンチャーパーソンは何から学んだのか

急成長プロダクトを牽引する者たち──SmartHR安達氏、dely奥原氏など、フォローしておきたいPdM 5選

「事業は人なり」経営の神様とも称される松下幸之助の言葉だ。事業を創るのも、会社を大きくするのも、そこには「人」がいる。そんな「人」に焦点を当て、次代を担うイノベーターたちをピックアップ。成長のエッセンスをお届けする。

今回は、PdM(Product Manager)の中でも、FastGrowが特に注目するキーマンを5名厳選してご紹介。

プロダクトに対して責任を持ち、成長させるために、「なんとかする力」が求められる同ポジション。人によってキャリアのバックグラウンドも様々であることから、なかなかその実態を掴みにくいのではないだろうか。

現在PdMとして急成長企業の第一線で活躍する、現役のPdMたちは、日々何を考え、どう行動しているのか?これらのナレッジを日々収集するために、ウォッチしておくべきキーパーソンと、彼らのマスターピースたちをお届けしていく。

  • TEXT BY HARUYUKI HIROSE
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安達 隆氏(SmartHR 執行役員 VP of Product)

安達氏から学ぶべき理由

  1. 起業を経て、0→1のプロダクト開発を経験。現在ではSmartHRでVPoPを務める
  2. SmartHRのプロダクト開発サイクルをまとめた記事は必見
  3. PM初心者に必要なスタンスを語った、『「上司に決断を委ねるな」PM1年目から大切にしたいマインドセット」』はジュニアPMにもおすすめ

安達隆氏はチームラボにて受託開発のディレクターを経験後、株式会社Socketを共同創業。

EC向けのマーケティングツール『Flipdesk』を開発し、サービス開始から1年でKDDIグループへ売却。0→1のプロダクト開発経験をもつ人物だ。

その後、フリーランス期間を経てメルカリに入社し、顧客対応や違反検知などの業務システム開発を担当。2019年4月にSmartHR入社し、現在はVPoPを務め、同社のプロダクト開発をリードしている。

SmartHRのプロダクト開発に関するナレッジを中心に、PdMに関わる様々な情報を日頃より発信しており、これからPdMを目指したい方、既にPdMとして活躍している方はウォッチしておくと自身の学びに繋がるだろう。

SmartHRが、どのような流れでプロダクトを作っているのかをまとめた「図説:SmartHRのプロダクト開発サイクル 2021 ver.」は、顧客から上がってきた要望をプロダクトに反映されるまでの詳細なプロセスを知ることができる図解記事だ。自社のプロダクト開発サイクルとはどのような違いがあるか、自分たちの開発にも反映できる部分はどこか、を考えながら読むと、とても参考になるのではないだろうか。

おすすめの1記事、安達氏のマスターピース

図説:SmartHRのプロダクト開発サイクル 2021 ver.

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奥原 拓也氏(dely PdM)

奥原氏から学ぶべき理由

  1. delyにてサーバーサイドエンジニア、PdMを歴任
  2. 世の中のPdMがシェアしている情報を集めた、PdM Treeを運営
  3. 自身がPdMになりたての時に、知りたかったことをまとめた「プロダクトマネージャー1年目の教科書」は、駆け出しPdM必読

続いて紹介するのは、delyでPdMを務める奥原拓也氏。奥原氏は大学から始めたプログラミングがきっかけとなり、在学中はRuby on Railsを主にした受託会社で約4年勤務。また、フットサルのマッチング&コミュニティサービス『ソーサル』の立ち上げを行った。

大学院へ進学したが、delyより誘いを受け、即日退学を決意し、ジョインすることとなる。同社にてクラシルのサーバーサイドのリードエンジニア、プロダクトマネージャーを歴任してきた。

自身が駆け出しPdMのとき、「こんな記事があったら良かったのに」と思えるような教科書を目指して執筆した「プロダクトマネージャー1年目の教科書」はPdMに必要なマインドセットから、PdMに必要なマインドセット、キャリア論などを包括的にまとめた傑作だ。

また、その続編とも言える「プロダクトマネージャー3年目の教科書」では、1年目から3年目で何が変わって何が変わっていないか、直近のプロダクトマネジメントを取り巻く環境の変化などについて言及されており、日々現場で意思決定を行う現役PdMの方々への学びに溢れる内容だ。

おすすめの1記事、奥原氏のマスターピース

プロダクトマネージャー1年目の教科書

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小城 久美子氏(Luup PdM)

小城氏から学ぶべき理由

  1. LuupにてPdMとしてプロダクトの成長を牽引
  2. PdMのバイブル的書籍、「プロダクトマネジメントのすべて」共著者
  3. 良いロードマップの書き方を指南した、「ロードマップに機能を書くべからず」は、全PdM一読しておきたいマスターピース

小城久美子氏はソフトウェアエンジニア出身のプロダクトマネージャー。ミクシィ、LINEでソフトウェアエンジニア、スクラムマスターとして従事したのち、BtoCプロダクトを中心にいくつかの新規事業にPdMとして携わる。そこでの学びを活かし、Tably社にてプロダクトマネジメント研修の講師、登壇などを実施。現在はLuupにてPdMを務め、プロダクトのUX改善を牽引している。

ロードマップでは、「数字」と「どの時期にどんな状態をつくるのか(アウトカム)」を示し、そのためのHowとなる機能については仮説検証を繰り返して作っていくのがよい、と主張する「ロードマップに機能を書くべからず」はPdMなら一読しておきたい。機能だけが書かれたロードマップを作成し、機能開発が遅延したり、差し込みタスクに溺れ、いつのまにかロードマップが陳腐化してしまう事態を防ぐことができるだろう。

「Runnnig Lean」の著者として知られるアッシュ・マウリャ氏が提唱するビジネスモデルを9つの要素に分けて考えるフレームワークである「リーンキャンバス」。新しいビジネスを企画する際によく使われるフレームワークだが、要点を押さえなければペラペラで意味のないモノとなってしまう。

価値のあるリーンキャンバスの作成方法についてまとめた、「肉厚なリーンキャンバスを書くには」は新規事業の立ち上げに携わる方や、プロダクトの全体像を整理したいPdMにもおすすめのnoteだ。

おすすめの1記事、小城氏のマスターピース

ロードマップに機能を書くべからず

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敷地 琢也氏(Ubie プロダクトオーナー兼エンジニア)

敷地氏から学ぶべき理由

  1. Ubieにてプロダクトオーナー兼エンジニアを務め、同社の成長を牽引
  2. エンジニアの強みを生かし、施策を推進した結果、リピーター数が2ヶ月半で5倍に
  3. 超高速でプロダクト改善を実現する方法について執筆した「毎週10個以上の施策を実現するための主体的開発チーム作り」は急成長プロダクトの舞台裏が垣間見られる

「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」というミッションを掲げ、2017年に創業したヘルステックスタートアップの「Ubie(ユビー)」。2019年からの2年間で社員数5倍以上と急成長を遂げ、エンジニア採用環境が厳しい昨今の状況に反し、経験豊富なエンジニアを続々と採用している。そんな注目を集めるスタートアップでプロダクトオーナーを務めるのが敷地琢也氏だ。

新卒ではリクルートに入社。当時から医療業界の非効率性に問題意識を感じていたという敷地氏。そのような背景からUbieに入社し、現在は『ユビーAI受診相談』のプロダクトオーナー兼エンジニアを務める。

エンジニア出身のPdMならではの強みを活かし、プロダクトを急成長させたプロセスをまとめた「エンジニアの僕が強みを活かして施策推進したら、異次元の角度で数字が伸びちゃった話」はPdMのみならず、エンジニアとして日々開発を行う方も学びに溢れる内容だ。ダッシュボードの作成や、既存のアセットを活かしたコスパの良い施策の立案など、自身が持つ強みの活かし方が得られるだろう。

また、プロダクトを高速で改善していくためにのTIPSをまとめた「毎週10個以上の施策を実現するための主体的開発チーム作り」にも目を通しておきたい。施策の出す量がボトルネックとなってしまい、開発スピードが遅くなってしまうことはPdMなら誰しも経験したことがあるだろう。それを防ぎ、高速でプロダクを成長させていくための具体的な知見が集約されている。チーム内の情報格差を埋めるには?、チーム全体で施策の量を増やすには?など、気になる疑問に事例を交えて応えている。

おすすめの1記事、敷地氏のマスターピース

エンジニアの僕が強みを活かして施策推進したら、異次元の角度で数字が伸びちゃった話

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田辺 めぐみ氏(Sparkjoy CEO)

田辺氏から学ぶべき理由

  1. DeNA、メルカリなどのメガベンチャーでPdMを歴任
  2. 効果的な仕様書の書き方をまとめた、noteは要件定義を日々行うPdM必読
  3. 自身のメガベンチャーでの経験をもとに執筆した「メルカリなどメガベンチャーにありがちなプロダクト開発の企画フローと成果物」は他社のプロダクト開発フローを参考にしたい、若手PdMなどにおすすめ

最後に紹介するのは、ディー・エヌ・エー(DeNA)、メルカリなどのメガベンチャーでPdMを歴任してきた田辺めぐみ氏。NTTデータでKDDI情報系システムを担当後、DeNAではプロダクト責任者としてMAU数をモバゲー内で1位にまで成長させた。

その後、メルカリのプロダクトマネジャーを経て、子会社のソウゾウに立ち上げメンバーとして参画。メルカリアッテのプロダクトオーナーを経験し、メルペイではオンライン決済事業、OMO事業の事業責任者を担当してきた。

現在は、株式会社Sparkjoyを設立し、フリーランスやPMギルドにて新規プロダクトやプロダクトグロースの支援に従事している。

自身のメガベンチャーでの経験や、スタートアップでの新規プロジェクトの立ち上げ経験をもとに、プロダクトの開発フローごとに必要なことを俯瞰的にまとめた「メルカリなどメガベンチャーにありがちなプロダクト開発の企画フローと成果物」は、サービスの立ち上げに従事している人や、事業家を目指す読者の方が、0→1の全体像を把握するのを助けてくれるだろう。

また、PdMであれば、日々仕様書を書くことが多いが、その中で他社の仕様書の書き方が気になったり、より良い仕様書の書き方について頭を悩ますことも少なくないはず。

そんな読者の方に手を差し伸べてくれるのが、仕様書の書き方についてまとめた「仕様書の参考例と、こんな内容を仕様書に最低書くといいというお話」。ネット上には意外と具体的で実践可能な仕様書のイメージは落ちていないのが現実だ。

これから仕様書を書くことになる駆け出しPdMはもちろん、自社の仕様書をアップデートさせてたい方にも参考になるnoteだ。

おすすめの1記事、田辺氏のマスターピース

仕様書の参考例と、こんな内容を仕様書に最低書くといいというお話

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おわりに

いかがだっただろうか?イノベーション・エコシステム発展のため、そしてベンチャーパーソンである皆さまに少しでも多く新しい学びをお届けするため、今後も「ベンチャーのプロフェッショナルから学ぶ」ことにフォーカスした情報を発信していく予定だ。

本稿でお届けした内容が、読者の皆さんの成長の一助となれば幸いである。

こちらの記事は2022年05月19日に公開しており、
記載されている情報が異なる場合がございます。

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執筆

廣瀬 陽之

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