連載事業を創る者たち 一流のベンチャーパーソンは何から学んだのか

BizDevの要諦は彼らから学べ──BCG Digital Ventures小野氏、10X赤木氏など、フォローしておきたいBizDev 4選

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「事業は人なり」経営の神様とも称される松下幸之助の言葉だ。事業を創るのも、会社を大きくするのも、そこには「人」がいる。そんな「人」に焦点を当て、次代を担うイノベーターたちをピックアップ。成長のエッセンスをお届けする。

今回は、BizDev(Business Development)の中でも、FastGrowが特に注目するキーマンを4名厳選してご紹介。

外部のステークホルダーと連携し、事業を拡大していく役割を担うBizDev。最近では注目されることも増えてきている同ポジションだが、必要なスキルや先人たちの知識を体系的に学ぶ環境が整備されているとは言い難い。

現在、急成長企業の第一線で活躍する、現役のBizDevたちは、日々何を考え、どう行動しているのか?これらのナレッジを日々収集するために、ウォッチしておくべきキーパーソンと、彼らのマスターピースたちをお届けしていく。

  • TEXT BY HARUYUKI HIROSE
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小野 直人氏(BCG Digital Ventures パートナー&ディレクター)

小野氏から学ぶべき理由

  1. BCGのデジタルビジネス開発組織BCG Digital Venturesのパートナー&ディレクターを務める
  2. メルカリでは事業開発の責任者として、プロダクトと事業の成長を牽引

最初に紹介するのは小野直人氏。NTT docomoに新卒入社し、海外携帯キャリアとのアライアンスなどを手がけた後、Amazon JapanにてPdMとして学生向けPrimeサービスPrime Studentの立ち上げなどに携わった。

その後、創業期のメルカリに入社し、事業開発の責任者として外部パートナー企業との提携や協業プロジェクトを管掌。物流サービスであるメルカリ便シリーズや、後にメルペイへと発展していく決済系サービスなどを手掛けた。

現在はBCG Digital Venturesにて、大企業との新規事業の創造に取り組んでいる。

小野氏と10X代表の矢本氏が、スタートアップにおけるBizDev人材の要件や育成方法などについて言語化し、収録されたPodcastは、BizDevキャリアに関心のある方なら必聴の一本だ。

また、まだまだしっかりと理解されているとはいい難いBizDevの役割などについても発信されており、事業家を目指す方はウォッチしておくと日々学びが得られるだろう。

おすすめの1記事、小野氏のマスターピース

「最大のメリットは、カオスの中での意思決定」 メルカリ・小野氏が、創業期スタートアップで得たマインドセット

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赤木 努氏(10X BizDev)

赤木氏から学ぶべき理由

  1. 10X一人目のBizDevとして、同社のBizDev組織の立ち上げを担う
  2. 10XのBizDev組織の全貌について語った記事は、これからBizDevキャリアを歩みたい方必見
  3. 世にまだ適切に理解されていないBizDevの役割とそのおもしろさをまとめたnoteも事業家を目指すなら読んでおきたい

続いて紹介するのは、10XでBizDevを務める赤木努氏。新卒で三菱商事に入社した赤木氏は自動車事業本部にて、海外向け自動車輸出や事業投資先への出向を経験。帰国後はモビリティ分野における新規事業開発、海外M&Aを担当。

その後、イトーヨーカドーやライフといった大手小売チェーンの成長を牽引するECプラットフォーム『Stailer』を運営する10Xに入社し、一人目のBizDevメンバーとして、組織を牽引してきた人物だ。

10XのBizDevとして、パートナーとの向き合い方やBizDevのミッションについて語った『「終わりなき旅」と書いて「10XのBizDev」と読む!──三菱商事、マッキンゼー出身の若手BizDevが明かすStailer導入のプロジェクト全貌と、商社&コンサル出身者が活躍できる理由』はこれからBizDevとしてのキャリアを歩む読者の必読の内容だ。

「○社導入」や「受注額○円」といった、数値目標を追っていないのが10XのBizDevと一般的なセールスとの違いの一つです。短期的な数値指標を追っているのではなく、中長期な視点でパートナーの成功へコミットするというところに目標を持っています。

もう一つは、パートナーに対してサービスを提供するという意識ではなく、パートナーの事業成功のために伴走しているという関わり方そのものにあります。『Stailer』のビジネスモデルは従量課金制、つまりStailer経由の総売上高に応じて報酬をいただくという手法を取っています。これが意味することは、パートナーの事業が成功しないことには我々も成功できないということなんです。

セールスとの役割の違いについて、まだまだ理解されていBizDev。そもそもBizDevは何をするのか?について応え、また、そのポジションの魅力について語った「事業開発(BizDev)は何が面白い?」も一読しておきたい。事業開発という仕事とその面白さについて理解を深められるだろう。

おすすめの1記事、赤木氏のマスターピース

「終わりなき旅」と書いて「10XのBizDev」と読む!──三菱商事、マッキンゼー出身の若手BizDevが明かすStailer導入のプロジェクト全貌と、商社&コンサル出身者が活躍できる理由

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楠 勇真氏(ラクスル BizDev)

楠氏から学ぶべき理由

  1. 新卒で入社したラクスルにて最年少でマネージャーに昇格
  2. 新規事業『ノバセル』のBizDevを担当し、お客様のテレビCMを通じたマーケティング戦略をサポート
  3. 最速で結果を出すための視点について語った内容は、新卒必見の内容

熱意ある新卒なら、誰しも入社後圧倒的な速度で成長し、成果を出していきたいと願うものだろう。ノバセルのBizDevを務める楠勇真氏は、実際に新卒で入社後、最速で結果を出してきた人物だ。

東京大学経済学部卒業後、ラクスルに新卒で入社。広告領域の新規事業「ノバセル」に配属され、入社当初からストラテジックプランナーとして約40社のお客様のテレビCMを通じたマーケティング戦略をサポートしてきた。

並行して、メディア業務や効果分析業務も行い、ワンストップでお客様の事業成長をサポート。その後、効果分析SaaSの導入支援や分析レポーティングなどを担当し、現在はラクスル 史上最年少マネージャーとして、SaaSのBizDevを担当する楠氏。

若手ホープにも見える楠氏は、なぜ圧倒的な速度で成果を出し続けているのだろうか。その一つの要因として、同氏は自分で決めるという覚悟が重要だと説く。

また、自身が最速で結果を出せた方法について語った「ラクスル最年少マネージャーが見つけた、最速で結果を出す3つの視点」は新卒をはじめ、これから事業家としてのキャリアを歩むビジネスパーソン必見の内容だ。

BizDevとして成果を出すために重要な、「視座の上げ方」や、「他人の脳を積極的に借りる」などのナレッジがちりばめられている。

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“若手コンサル”は勝負の先送り?次代を担う事業家は新卒からリングに上がる──ラクスル楠氏・XTech廣川氏ら若手ホープのキャリア観

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佐々木 真氏(フリーランス)

佐々木氏から学ぶべき理由

  1. リクルートやメタップスなどで事業開発を歴任
  2. 株式会社SmartMeeting創業者&CEOとして、0→1を経験
  3. 自身の経験をもとに執筆した「SaaSスタートアップ企業を経営をしていて大失敗した10のことを振り返ってみる」はこれから0→1にトライしたい人におすすめの一本

最後に紹介するのは、リクルート、メタップスなどでBizDevを経験してきた佐々木真氏。 リクルートではスタディサプリの事業開発を経験し、BizDevとしてのキャリアをスタート。メタップスでタイムバンクの事業開発を経験後、会議改善クラウド『SmartMeeting』を立ち上げ、0→1も経験してきた人物だ。

自身のこれまでのPdM、事業開発経験をもとに、日々業務に直接役立つノウハウを発信する佐々木氏。発信をフォローしておくことで、自身の成長を加速することができるだろう。

SmartMeeting創業者としての知見をまとめた「SaaSスタートアップ企業を経営をしていて大失敗した10のことを振り返ってみる」も一読していきたい魂心のnoteだ。

「成功に再現性はあまりないけれど、失敗はものすごく再現性が高い」と語る佐々木氏。 自身がSaaSスタートアップを立ち上げる中で失敗した事例を惜しみなく公開し、あとに続く者たちが同じ過ちを繰り返さないように注意を促している。

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おわりに

いかがだっただろうか?イノベーション・エコシステム発展のため、そしてベンチャーパーソンである皆さまに少しでも多く新しい学びをお届けするため、今後も「ベンチャーのプロフェッショナルから学ぶ」ことにフォーカスした情報を発信していく予定だ。

本稿でお届けした内容が、読者の皆さんの成長の一助となれば幸いである。

こちらの記事は2022年05月16日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

廣瀬 陽之

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