"若手コンサル"は勝負の先送り?次代を担う事業家は新卒からリングに上がる──ラクスル楠氏・XTech廣川氏ら若手ホープのキャリア観

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インタビュイー
廣川 航
  • M&A BASE 株式会社 代表取締役 

2019年慶應義塾大学商学部卒業。 大学在学中からスタートアップやベンチャーキャピタル、ヘッジファンドなどでリサーチ業務に従事。 2018年7月にXTechに入社、2019年2月にM&ABASEを設立し、取締役を経て2021年代表取締役に就任。2020年11月にTech Growth Capitalを設立。 ツイッターでは約3.5万のフォロワーを抱える。

楠 勇真
  • ラクスル株式会社 ノバセル事業本部 ノバセルアナリティクス事業部 ノバセルアナリティクスG マネージャー 

東京大学経済学部卒業後、2020年4月にラクスル 株式会社に新卒で入社。広告領域の新規事業「ノバセル」に配属され、入社当初からストラテジックプランナーとして約40社のお客様のテレビCMを通じたマーケティング戦略をサポート。並行して、メディア業務や効果分析業務も行い、ワンストップでお客様の事業成長をサポートする。その後、効果分析SaaSの導入支援や分析レポーティングなどを担当し、現在はラクスル 史上最年少マネージャーとして、SaaSのBizDevを担当する。

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一般的に、ハイキャリアを志向する学生や20代ビジネスパーソンの企業選びにおいては、"世の中に与えるインパクトの大きさ"、"裁量あるポジション"、"優秀なメンバーに囲まれた組織"、"魅力的な報酬制度"などを条件とする特徴があるが、それが果たして自身のキャリアのゴールに沿っているのか、正しく考えたことはあるだろうか?

「現在活躍しているビジネスパーソンの出身が◯◯だから」「先々経営者を目指すなら◯◯が登竜門」などと、なんとなく世間で言われているイメージをもとに判断してはいないだろうか?

こうした思い込みによって、本来の目的とはズレた方向にキャリアを歩んでしまう若者も少なくない。たとえば、「将来は起業して経営者になりたい。そのためには経営を間近に感じることができる仕事が良いだろう。ならばコンサルティングファームだ」と。

これを「ズレた思い込みである」とすることに反発を抱いた方こそ、今回の記事を読んでいただきたい。

一口にハイキャリアといっても、コンサルのようにクライアントの事業サポートを通じて高い価値を発揮する人がいる一方で、経営者・事業家として非連続な事業成長を生み出すことで価値を発揮できる人も存在する。

今回は、主に後者の経営者・事業家キャリアを志向しつつも、20代で前者のコンサルキャリアを歩もうとしている方、すでに歩んでいる方々に向けて、一家言を持つ2名の若手スタートアップパーソンに対談を依頼した。彼らの事業に向き合う当事者意識と、そこで味わう苦悩ぶりに触れることで、キャリアを考えるきっかけになれば幸いだ。

  • TEXT BY MAAYA OCHIAI
  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
  • EDIT BY TAKUYA OHAMA
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コンサルはプロジェクト毎だが、事業運営には終わりなし。
だからこそ苦しく、楽しい

XTechグループ会社 M&A BASE株式会社 代表取締役 廣川 航氏

廣川企業として業績を伸ばし続けなければいけない、経営者として常に成長し続けなければいけないと考えているので、『このままだと、やばいな…』という危機感が常にあります。

冒頭からリアル過ぎる心情を吐露したのは、XTechの廣川 航氏だ。廣川氏は現在、XTechのグループ会社であるM&A BASEの代表取締役を務めている。

きついですよね。僕は日々の危機感と、事業の未来に対しての危機感の両方をもっています。

このように語るラクスルの楠 勇真氏は、運用型テレビCMを扱う「ノバセル」事業部で、SaaSプロダクト事業でCSグループの責任者を務めている。楠氏は自身がきついと感じる理由を、「自分がバリューを発揮しないと事業が止まる」という感覚と表した。

ラクスル株式会社 ノバセル事業本部 ノバセルアナリティクス事業部 ノバセルアナリティクスG マネージャー 楠 勇真氏

2人に共通するのは、経営や事業に対する圧倒的な当事者意識である。廣川氏は大学在学中の2018年からXTechに参画。楠氏は2020年卒のラクスル新卒社員だ。彼らはなぜ、ここまでの意識を持って働けているのだろうか。

廣川氏は、コンサルと事業会社の違いをこのように言う。

廣川コンサルは基本的にプロジェクト単位で仕事をするという認識ですが、事業は撤退をしない限り終わりがありません。常に生かし、伸ばし続けなければならない。マネジメントする範囲もプロジェクトだけではなく、顧客、株主、従業員、そして自分自身と全網羅しなければならない。

西條(XTech代表取締役CEO・西條 晋一氏)が言う当たり前のこと=会社を伸ばし続けることを、実際に実行していくのは大変です。

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年次やポジションは関係ない。
事業の”サイズ感”こそが強い当事者意識を生み出す

「”3年後のノバセルはこうなっているんじゃないか”といった自分なりの事業観は常に持っています」と語る楠氏は、事業を自分事として捉えられる理由をこう考える。

”事業価値を意識できる企業や事業のサイズ感”、というものがあるのではないでしょうか。たとえば自分が事業規模が巨大すぎる大手企業に所属していたら、事業価値を自分がつくっている感覚を持つことは難しいだろうと思います。その点ラクスルは、任される範囲や裁量といった面で、自分にとって事業価値を意識しやすい環境でした。

楠氏は新卒入社後、その年に正式リリースされた新規事業であるノバセル事業部に配属され、営業やマーケティング戦略に携わり、その分析や提案まで責任範囲を広げてきた。2年目の現在はSaaS型の効果分析ツール「ノバセルアナリティクス」のCSグループの責任者を任されている。こうしたラクスルならではのポジションの拡張性と裁量の大きさが、強い当事者意識を醸成していると自認しているようだ。

だが、ベンチャー/スタートアップの環境が当事者意識を高める理由は、事業規模だけではないかもしれない。廣川氏は、「比較対象」に着目した。

廣川企業価値や事業価値を高めることは、起業家や経営者であれば誰もが考えていることです。私の周りには起業家や経営者が多いので、必然的にそういう人たちの影響を受けます。

私は働く上で、クライアントのコンサル業務ではなく、自分で事業を立ち上げて推進していく仕事をやっていきたいと思っているので、常に経営者としての知見に触れられる環境を意識して選んで、働いています。なので、誰を比較対象、誰を目標とするかによって、意識するポイントが変わるだけだと思います。

将来自分がどこに行きたいのか?というビジョンがあるからこそ、すでにその道の先にいる人を比較対象とし、刺激を受けることで当事者意識も自然と高まるということなのだろう。大学時代から複数のスタートアップやVC、ヘッジファンドなどでインターンを行なっていた廣川氏らしい見解だ。

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漫然と日々を過ごすな!
キャリアは所属コミュニティで決まる

前段では2人から、事業への強い当事者意識が醸成される要件を伺ったものの、そもそも、学生や若手社会人は彼らの言うような環境を見つけ、選ぶことがそう簡単にできるのだろうか。ここからは、彼らが学生時代いかにして今のキャリアを選ぶきっかけを得たのか伺ってみようと思う。

廣川私は中学から大学まで内部進学で、中学高校は銀行や証券、生保、大手メーカーなどを志向している友人が周りに多かったです。

しかし、大学に進学する直前に出場したビジネスコンテストでベンチャーキャピタルの方とお会いし、それをきっかけに所属するコミュニティが一気に変わりました。知り合いにスタートアップ志向の方や、投資銀行やコンサルの方も増えました。なので、どのコミュニティに属しているかで、自身のキャリアの方向性も変わってくるのだと思います。

僕も同じ感覚です。大学の同じクラスの友人がスタートアップでインターンをしていたのをきっかけに、自分もスタートアップでインターンを始め、そこからベンチャーやスタートアップ界隈の人との付き合いが増えました。一方で、同じゼミの友人は日銀に行ったり、官僚になったり、大企業に行ったりとさまざまでした。特別どこかのコミュニティだけに属するといったことはせず、色んな考えを持つ人と関わるようにはしていましたね。

それでも、ベンチャー/スタートアップに関心を持つことと、実際に飛び込むことは別の話だ。楠氏は、コンサルティング企業へのインターンも経験したうえで、キャリアの方向性を決めていったという。

戦略コンサルティングファームでもインターンをしましたが、コンサルは動かす事業のサイズ感は大きいものの、『自分で事業をグリップしている感覚』を求める人にとっては、より適した環境があるのかなと感じ、就活を始めて早々にスタートアップへと関心が移りました。アプリ制作やWebメディアといったいくつかのスタートアップでインターンをする中で、自分でプロダクトを作ったり、事業を進めたりすることの面白さを感じていったんです。

廣川当時の私は、あまりコンサルに興味を惹かれませんでした。最近は、自分の事業であるM&Aのアドバイザリーやファンドの運営においてPM(プロジェクトマネジャー)のスキルは重要であると感じているので、コンサルで培われるPMのスキルそのものには関心があります。

ただ、『ベンチャーだから』『スタートアップだから』という軸で企業選びをしたわけではありません。自分の未来像として『事業創造』と『事業投資』の両面で活躍していきたかったので、その両方を経験できる環境を選びました。西條率いるXTechグループには、”他社ではキャリアを重ねた人に与えられるような大きな機会を、新卒一年目から得られるかもしれない!”という期待もありました

新卒でも早いタイミングで事業を動かす機会を得られるという意味では、ラクスルも同様だ。楠氏がロールモデルとして惹かれたのは同社新卒1期生であり、現在同社と資本業務提携関係にある、ダンボールワンCOOの木下治紀氏だ。

僕がお会いしたときに木下さんは3年目で、すでに事業部長(10名のチームを率いて約20億の売上(年率成長160%程))をされていました。マザーズ(当時)のベンチャーで、これだけの裁量を任されている新卒3年目ってなかなかいないだろうなと思い、そのスピード感で仕事ができる環境に惹かれてラクスルに入りました。

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どれだけ優れた組織にいようとも、
意志なき行動はバリュー0

それぞれの期待を胸に入社した2人は、想像通りの活躍の実感を得ているのだろうか。入社前後での変化を聞くと、「想像以上だった」と口をそろえる。

廣川思った以上に仕事の幅が広いなと感じています。100だと思っていた仕事量はいざやってみると150ぐらいあって、自分が入社前にやりたいと思っていた以上のことができています。実際に、35歳でできればいいと思っていたことが25歳で既に実現できてしまっています。

1年やってみて、想像していたよりも早くいろいろなチャンスが広がっている感覚があります。最初は自分に自信がなかったのですが、事業における意思決定を『自分で決める』という姿勢に振り切ってからは一気にチャンスが広がってきたなと思います。

「自信がなかった」と語る楠氏は入社当初、無意識に受け身の姿勢になってしまっていたという。だが、ある時からマインドを切り替えることができたようだ。

最初のうちは、業界の知識も経験もない自分より周りに聞いた方が良いと思って、逐一上司や先輩にお伺いを立てていました。クライアントに言われたことを社内に報告して、社内で言われたことをそのままクライアントにお伝えするという形になってしまっていて。そのときに上司である田部(ラクスル取締役CMO・ノバセル事業本部長、田部正樹氏)に『自分で意見を持たない、自分で決められない伝書鳩だと意味ないですよ』とアドバイスをいただきました。

本当にその通りだなと反省し、ある時いつもの様にお伺いを立てず、自分の意見を直接クライアントにぶつけてみたら、その提案を認めて受け入れていただけたんです。そしてその結果、そのまま案件も受注することができました。その時気づいたんです。『上司もクライアントも”正解”を持っているように見えていたけれど、必ずしも明確な“正解”を持っているわけではなく、みな自分の明確な意思で判断しているんだ』と。

正解のない中で誰かに答えを求めようとしていては、非連続な成長も拡大もない。失敗してでも自分で仮説を立て、意思決定をして推進する姿勢が重要なのだ。そしてそれを後押しする環境がラクスルにはあるようだ。

ハイキャリアを歩んできた人ほど「頭が悪いと思われたくない」「恥をかきたくない」といった心理が働き、チャレンジをしなくなってしまう傾向がある。だからこそ、プライドを捨ててリミッターを外せた人が発揮する価値は非常に高くなる。成長を求める人ほど、こういったマインドに切り替えるべきではないだろうか。

会社選びにおいても、周囲からの賞賛や体裁を気にしてキャリアを選ぶのではなく、目指すべきゴールを自ら決め、そこに向かうために最適なキャリアを選択していく。こうしたマインドが重要なのだろう。そのなかで、将来経営者・事業家を志向する身なのであれば、XTechやラクスルのように新卒から”主体的な意思決定”を求められるベンチャー/スタートアップを推奨したい。

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経営者として働く、
経営陣と共に働くことで引き上げられる視座

その他、ベンチャー/スタートアップで働く魅力の1つとして、経営陣と近い位置で働けるという点が挙げられる。

福島(ラクスル取締役COO、福島広造氏)や田部の仕事を間近で見ることで、自然と視座が引き上げられていると感じます。

例えば、ラクスルでは短期の結果と長期の結果をトレードオフにする思考を良しとしません。田部は、日々の売上に強くこだわる一方で、長期的に業界を変えていくという視点も常に持っており、その間を終始反復しながら事業を経営しているんです。その背中を間近で見られて、自分にも求められるというのは厳しくも贅沢な環境なのだと思います。

一方、経営者として事業を展開する廣川氏は、「結果こそが自身の価値証明」と考えるようになったと真剣な眼差しで語る。

廣川学生時代からいろいろな企業をリサーチしてきたのですが、今改めて同じ決算資料を見ても、その数字の裏にみえる事象への洞察や意見がより具体的に持てるようになってきました。

実際に自分が実務を経験することで、企業や事業の経営状況がより細かく、そしてリアルに見えるようになります。そして、何より経営、事業は結果が全てであり、自分の価値はその結果でしか示せないという意識に変わってきたことが、大きな変化です。

2人は、事業を動かすマインドや姿勢を、まさに実践によって手触り感を伴いながら形成しているのだ。

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事業を生み出すのか、伸ばすのか。
いずれも捨てがたい魅力がある

廣川氏と楠氏は、ともにベンチャー/スタートアップ企業に従事しているが、事業へのかかわり方はそれぞれ異なる。そこで、互いの働く環境についてどのように感じているのかを問うてみた。

廣川ビジネスをつくる0→1に憧れを持つ人も多いと思いますが、私は最近、『つくること』はもちろんのこと『伸ばすこと』、すなわちBizDev(Business Development)も大切で、難しいと思っています。その意味でいうと、ラクスルの環境に憧れはあります。

楠さんが働いているラクスルの代表取締役CEO『松本 恭攝氏ってどんな人なんだろう』とか、『どういう仕事の仕方をしてるんだろう』とかは気になりますし、“ビジネスつよつよなメンバー”の下で働く環境があるというのはうらやましいなと思います。私だったら怖じ気づいて、そうした先輩方に相談できずに仕事の悩みを抱えちゃうかもしれませんが(笑)

僕は今”事業づくり”を推進していますが、上司の田部はその上の”事業経営”レイヤーにいます。僕も早くそこまで行きたいと思っていますが、廣川さんは、ほぼ同世代ですでに経営をされている。めちゃくちゃストレッチする環境に身を置かれていてすごいなと思います。逆に言うと、これからラクスルでもその環境を自らつくっていかねばならないと、今ヒシヒシと感じています。

このように向上心を燃やす楠氏が今一番楽しいと思う瞬間は、「業界構造そのものを変えるべくプロダクトの未来を描くこと」だ。日々、クライアントや社内でコミュニケーションを取りながら、半年後、1年後、3年後のプロダクトの価値創出にトライしているという。このような楠氏の姿勢こそ、ラクスルのミッションである「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」を体現している若手の例だといえるだろう。

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事業を伸ばす腕があれば報酬はどうにでもできる。
能力と乖離した報酬こそリスクと捉えよ

ここまで、ベンチャー/スタートアップでキャリアを積むことの妙味、その方法などを彼らの体験を通じて記してきたが、読者の中にはまだ今ひとつ腑に落ちない方もいるだろう。そこは無理もない。何故ならキャリアを選ぶ際の重要な指標として、キャッシュインセンティブ、すなわち給与報酬についての話がなされていないからであろう。気持ちはわかる。だが心配無用。その点についても当然、見解を聞いてきた。

読者の懸念を端的に言うと、新卒でベンチャー/スタートアップを選ぶ=「給与のアップサイドは捨てたのか?」ということだろう。この問いに対し、廣川氏は確固たる考えを述べた。

廣川一生同じ場所にいるわけではないですし、給料を上げたかったら、売上や利益を伸ばして事業を拡大すればいいだけです。言うほど簡単ではありませんが、それによって自分の未来像に近づきながら、報酬も上げていくことができます。

そもそも、成果に見合わない給料は自分を苦しめると思っています。成果を出していない頃から高い報酬をもらっていると、自分の能力を勘違いしてしまう人もいるかもしれません。コンサル業界でずっと生きていくならいいのかもしれませんが、将来自分で事業をやろうと考えているならそのままでは難しいかなと思います。これも先ほどお話ししたように、『誰と比較するか』ということです。

楠氏も、自分の成果に見合わない報酬には違和感を覚えるという。

自分も中長期で自分が生み出した事業価値、企業価値が報酬に連動する世界に身を置こうと思っています。キャッシュインセンティブは、『自分が最終的にどのようなキャリアを目指すのか』によって捉え方を変えたほうがいいと思います。近い将来に事業をやりたいと思うなら、コンサルに行って最初から高い報酬を得ることのキャッシュインセンティブはあまり大きくないような気がします。

事業の成果と報酬が連動する世界に挑戦したいと意気込む楠氏は、今後のキャリアとしてどのような世界観を持っているのか。冒頭で語った「不安」や「焦り」との葛藤の中で進み続けられる理由をこのように語る。

結果が出て嬉しいと思うのはほんの一瞬で、ほぼ同時に『ここで満足して成長が止まったらどうしよう』という不安がよぎってきます。それは、『今の自分が思い描いた以上のことを成せた人生でありたい』と思っているからで、比較対象は自分です。

たとえば、入社前に自分が思い描いていた1年後の自分より、今は確実に成長できていますし、残せた結果も大きくなっています。そんな風に、『何となく今イメージしている1年後や3年後の自分を凌駕する実績を出さないとな』、という感覚が常にあります。

廣川事業会社の中でも、成長する事業に携わって当事者意識を持って取り組めば、その経験は数年後に必ず生きてくると思います。伸びる事業のスタンダードや勝ち筋を肌感覚として知っておくことの価値は非常に高い。そのため、キャッシュインセンティブに関しても目先の多寡に寄らず、長期目線で考えた方がいいと思います。事業を伸ばす力を身につけることができれば、報酬は後からついてくると思います。

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狙え!”事業”と”組織”のギャップ多き狭間を

ラクスルは2019年8月に東証一部上場を果たし、一般的に想起されるベンチャー/スタートアップの会社規模やフェーズではなくなってきている。すると、もはや若手が早期から裁量を持って活躍できる可能性はないのだろうか。答えは「否」だ。

会社全体としては大きくなっていますが、企業の成長スピードと、ひとつひとつの事業の成長スピードはまったく異なります。僕が所属する『ノバセル』事業は『次のラクスル(急成長できる環境の意)』だと思っていますし、実は急成長フェーズはここから。この点は多くの人が見落としがちな視点です。

自身の能力をストレッチする環境として最も適しているのは、事業成長スピードと組織の拡張速度が乖離している状況だと思っています。事業の成長に組織の成長が追い付いていない、一人当たりへの負荷が強いタイミングで入って、そのなかでバリューを発揮できれば、大きく自己成長できると思います。

特に今、ラクスルに飛び込む魅力は、数年前に印刷の「ラクスル」事業で急成長した経験、ノウハウが蓄積された環境下において、「ノバセル」のような複数の新しい事業をつくり、伸ばしていく経験を積めることだろう。この観点でみると大手企業にみられる「配属ガチャ」は、個人のキャリアとしてはリスクとさえなるのだ。

こうして彼らの話をもとに、漠然としたイメージではなく事実をもとに見ていくと、働く先はあくまで自分が何を目指すか?誰と比較するか?で決めるべきであり、目先のキャッシュインセンティブでキャリアを選ぶことは時にリスクとなり得ると学んだ。少なくとも、経営者・事業家を志す読者であれば、キャリアを迂回せず、若くして事業を推進できる環境を選ぶべきだろう。

廣川経営コンサルタントとして一流を目指すわけではないのなら、『高給だ』とか『経営者と対話できる』といったことだけではなく、もっと長期を見据えた視点で働く先を選ぶことも選択肢に入れたほうが良いと思います。

将来自分が売上や企業価値をつくっていくというイメージを持っているのなら、コンサルは少し違うかもと思われるかもしれません。そういった人は、ベンチャー/スタートアップでのキャリアを真剣に考えてみることをオススメします。

こちらの記事は2021年07月30日に公開しており、
記載されている情報が異なる場合がございます。

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執筆

落合 真彩

写真

藤田 慎一郎

編集

大浜 拓也

株式会社スモールクリエイター代表。2010年立教大学在学中にWeb制作、メディア事業にて起業し、キャリア・エンタメ系クライアントを中心に業務支援を行う。2017年からは併行して人材紹介会社の創業メンバーとしてIT企業の採用支援に従事。現在はIT・人材・エンタメをキーワードにクライアントWebメディアのプロデュースや制作運営を担っている。ロック好きでギター歴20年。

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