【ベンチャーキーパーソン名鑑】HR責任者編 Vol.2:NEL 郷 まり菜氏
「あの会社の急成長は、なぜ実現できたのか?」その答えは、最前線で事業の課題と格闘し、成果を出し続けている「ベンチャーキーパーソン」の仕事術に隠されています。
本連載では、スタートアップやベンチャー企業が事業を伸ばす上で避けて通れない具体的な「業務の壁」を、彼ら/彼女たちがどう乗り越えてきたのかを徹底解剖。
日々の業務ですぐに役立つ実践的なノウハウ、困難な意思決定を支えた思考プロセス、そしてリアルな成功と失敗の事例、そこから得たノウハウを、ご本人たちの言葉で共有する。(掲載希望企業はこちらのフォームからご回答ください。)
彼ら/彼女たちの生きた経験は、あなた自身の課題解決のヒントとなり、スタートアップやベンチャーでの活躍、あるいはキャリアアップを加速させる具体的な「処方箋」となるはずだ。
NELにおける「HR」の魅力とは?

以下、話者は郷さん
私はキャリア10年目から人事にジョブチェンジしたという経緯があります。もともと事業側の経験を積んでいたのですが、スタートアップ企業にいた際に「良くも悪くも1人の採用で組織が大きく変わる」という経験をしたことがジョブチェンジへ影響しています。
実際に今人事として3社経験していますが、改めて会社の成長への影響度と人事が握っているレバーの重さを感じています。
人事にはゴールがありません。「これで達成」というものがなく、達成したと言える状態すら自分たちで定義する必要があります。この「自分たちの視座の高さが会社を左右する」という緊張感が人事の面白さであり、私が人事を続けている理由になっています。
HRの処方箋
処方箋 その1:
「仕事を楽しむ」ことを最重視
私は、本気でやり切るからこそ生まれる嬉しさや悔しさが仕事の楽しさにつながると考えています。それを周囲と共有できればなおさら仕事は楽しいものとなります。
そのため私は、チームで取り組むことで、さらに本気になれる環境づくりを重視しています。個人の頑張りだけでなく、チーム全体で目標に向かって全力を尽くすことで、より大きな成果と達成感を生み出しています。これが持続的な成果を生み出す原動力となっています。
処方箋 その2:
採用における「やり切る」を可能にする仕組み化
採用は成果が見えにくく「やり切る」ことが難しい領域だからこそ、シャープな戦略立案と数値分解による行動計画が重要です。現状と理想のギャップを具体的に数値化し、実現可能性・優先順位・施策効果を総合的に判断します。
「ここまでやったら頑張った」と言えるラインを明確にすることで、チーム全員が達成感を持てる環境を構築し、継続的な改善サイクルを回しています。
処方箋 その3:
「普通では面白くない」差別化戦略の実行
採用市場で勝つためには「どの会社も同じ」では負け戦になるという認識のもと、NELは選考体験で突き抜けることを選択しています。西田代表や寺尾COOなど役員陣を積極的に巻き込み、候補者に特別な体験を提供しています。
ブランディング、選考体験、待遇など様々な要素がある中で、NELらしさを最大限に発揮できる領域に集中することで、他社にはない魅力を創出しています。
HRを学べるオススメコンテンツ
オススメその1:「成功のコンセプト」
書籍情報 | |
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著者 | 三木谷 浩史 |
出版社 | 幻冬舎 |
出版日 | 2009/12/1 |
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私は新卒で楽天株式会社に入社しています。当時自分に甘かった私は1年ほどで退職してしまったのですが、楽天で学んだこの「成功のコンセプト」をここ数年思い出すことが多くなりました。そして思い出して読むたび、自分の未熟さを感じます……。
本に書かれているのは、仕事を面白くするコツのようなものです。私は、本気でやるから仕事が楽しくなると思っているので、これは普遍的な行動指針として、今後も事あるごとに意識していくのだと思います。
オススメその2:「良い戦略、悪い戦略」
書籍情報 | |
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著者 | リチャード P.ルメルト |
出版社 | 日本経済新聞出版 |
出版日 | 2012/6/1 |
Amazonリンク | ![]() |
ずっと読まねばと思っていて、最近ようやく手をつけた本です。採用戦略、人事戦略、事業戦略など、毎日のように戦略という言葉に触れているなかで、「結局戦略って何?」という気持ちになっていたのですが、とても頭がクリアになりました。
戦略は「単純明快で単刀直入」であることが必要だが、一方で「仮説でいい」という解釈ができたことで自分自身走りやすくなりました。目標設定そのものにも使えるのでお勧めしたいです。
オススメその3:「ありとあらゆるエンタメ」
仕事にストイックで土日も仕事ばかりしている人だと思われがちなのですが、全くそんなことはなく毎日何かしらのエンタメに触れています。ドキュメンタリーも見るのですが、どちらかというとフィクションが好みです。
さまざまな作品のさまざまな登場人物を見ていると、皆「こと」に向き合い熱中していて、異常なくらいの行動力を持っています。フィクションと言えども、登場人物の向き合い方から学ぶものは多く、たくさんのパワーをもらえます。
キーパーソン郷氏から皆さんへのメッセージ
NELは8期目の会社ですが、いわゆるリビングデッド時代を経て今改めて創業期を迎えています。
事業成長の当事者になれる今のフェーズをともに楽しんでくださる方、少しでもNELという会社に興味をお持ちいただけた方は、ぜひ一度お話しさせてください!
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貴社の急成長を支えるキーパーソンの「仕事術」も、この連載で解き明かしませんか?掲載ご希望の企業様はこちらのフォームよりご応募ください。
こちらの記事は2025年07月16日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
連載ベンチャーキーパーソン名鑑
11記事 | 最終更新 2025.07.16おすすめの関連記事
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