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日本のスタートアップは世界で通用すると思いますか?特にSaaSスタートアップの可能性について、具体的なハードルと合わせてお答えいただけると幸いです。

質問

日本のスタートアップは世界で通用すると思いますか?特にSaaSスタートアップの可能性について、具体的なハードルと合わせてお答えいただけると幸いです。

3件の回答

回答3
回答掲載日
2021.02.08
浅田 慎二
  • One Capital株式会社 代表取締役CEO, General Partner 

伊藤忠商事株式会社および伊藤忠テクノソリューションズ株式会社を経て、2012年より伊藤忠テクノロジーベンチャーズ株式会社(ITV)にて、メルカリ、ユーザベース、Box、Muse&Co、WHILL、TokyoOtakuMode、Fab等国内外ITベンチャーへの投資および投資先企業へのハンズオン支援に従事。 2015年3月よりセールスフォース・ベンチャーズ 日本代表に就任しSansan、freee、Visional、Goodpatch、Yappli、フレクト、Andpad、カケハシ、スタディスト等B2Bクラウド企業へ投資。2020年4月にOne Capital株式会社を創業、代表取締役CEOに就任。慶應義塾大学経済学部卒業、マサチューセッツ工科大学にてMBA取得。

通用する可能性はもちろんあると思います。一方で、Step by Stepでグローバル展開に成功した企業のケーススタディをもっと分析する必要があると感じています。物事は必ず段階的に進むので、着実な事業基盤を作らずに掛け声だけでGo グローバルは言うまでもないですが、当然実現しません。

例えば、対面営業が大事なBtoB商材を扱っているセールスフォースは各国に拠点を構え、Wetなコミュニケーションを重視した営業活動を行っています。日本のヘッドを務める小出伸一氏はIBMやヒューレット・パッカードなどの外資で実績を残してきた人物です。このようなケーススタディからも各国に拠点を構え、グローバルで通用するネイティブ人材をヘッドにするなど、Step by Stepでやるべきことは見えてきますよね。

また、一概にSaaSといってもセグメントによってグローバルへの進出のしやすさは変わります。コミュニケーション、コラボレーションツールなどは万国共通なので比較的グローバル展開できる可能性は高いです。一方でCRMなどは各国の営業習慣が異なるため、ハードルがあるように感じます。

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回答2
回答掲載日
2021.02.08
湊 雅之

東京工業大学工学部・同大学院卒(工学修士)。米カーネギーメロン大学経営大学院卒(経営学修士)ボストンコンサルティンググループにて国内大手企業の中期経営計画の策定やトランスフォーメーションの実行支援の戦略コンサルティング、独化学大手BASFにてエンタープライズ営業および新規事業開発に従事したのち、VCの世界へ。STRIVE(旧GREE Ventures)、Salesforce Ventures、DNX Venturesにて、日本のB2B/SaaSスタートアップ約40社へのVC投資および成長支援を担当。ロンドン在住。過去の投資実績は、ココペリ、コミューン、イエソド、エンペイ、カウリス、アガサ、Resily、MyReferなど。

日本から世界で通用するSaaSスタートアップが出る可能性は、十分あると思います。人材面では、近年では日本のトップタレントが起業するケースも増えていますし、エンジニアも世界に負けないゲーム産業ご出身の方やGAFAの一線で働く日本人の方も少なからずいらっしゃると思います。もちろん米国に比べ、豊富とは言えないですが笑。

日本のスタートアップが海外で戦う上でのハードルは、大きく3つがあると思います。
1つ目は「資金調達力」です。
SaaSは先行する欧米市場に競合となるプレーヤーがいるケースが多く、彼らは欧米の豊富なVCマネーへリーチすることができます。一方、日本はVC市場が欧米に比べると2桁小さく、海外の競合プレーヤーと戦うには、この点を克服する必要があります。

2つ目は「言語力」です。
SaaSはマーケティング、営業、CSのような機能が必要なので、現地の言語に合わせた対応が必要になりますし、そういうチームを作るためにも言語能力は欠かせません。それに加えて、前出の資金調達においても、豊富な資金力を持つ、海外の投資家から集めることがカギになるので、必要不可欠です。

最後の3つ目は「海外へのコミットメント」です。SaaSのようなB2Bは、地域の商習慣やオペレーション、UI/UXの嗜好性などを理解し、市場を開拓する必要があります。従って、経営陣自ら海外を拠点にして、顧客を理解した上でプロダクトを開発し、現地のチームを作ることが必要になります。確かにSlackやZoomのように、Product-Led-Growthで日本を拠点に海外を狙うこともあり得ると思いますが、これらの企業もSales-Led-Growthとのハイブリットの成長モデルに移行することが一般的です。

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回答1
回答掲載日
2021.02.08
前田 ヒロ

シードからグロースまでSaaSベンチャーに特化して投資と支援をする「ALL STAR SAAS FUND」マネージングパートナー。2010年、世界進出を目的としたスタートアップの育成プログラム「Open Network Lab」をデジタルガレージ、カカクコムと共同設立。その後、BEENOSのインキュベーション本部長として、国内外のスタートアップ支援・投資事業を統括。2015年には日本をはじめ、アメリカやインド、東南アジアを拠点とするスタートアップへの投資活動を行うグローバルファンド「BEENEXT」を設立。2016年には『Forbes Asia』が選ぶ「30 Under 30」のベンチャーキャピタル部門に選出される。

もちろん日本発スタートアップにも海外で成功するチャンスはあると思います。ただ、闇雲に挑戦するのは危険で、前提として海外展開しやすいSaaSと、しにくいSaaSの2種類があることを理解すると良いでしょう。

海外展開しやすいSaaSは、コミュニケーションツール・デザインツール・コラボレーションツールなど。ユニバーサルなユースケースのものは日本でも海外でも利用シーンがあまり変わらないため、比較的海外展開しやすいのではないかと思います。

一方で、その国の文化・ニュアンス・業界の構造によって提供するサービスが変化していくものに関しては、海外展開は難しいと感じています。例えば建設・建築業界などですね。日本とアメリカ、またブラジルとでは業界内の構造やパワーバランス、求められるニーズが大きく異なりますよね。他にもSmartHRは人事・労務に関するプロダクトですが、年末調整や社会保険の機能が海外でも使えるかというとそうではありません。商習慣の違いを考慮しなければなりません。ですので、このような業界特化型のプロダクトに関しては海外展開しづらいのではないかと思います。

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