SaaSとコンサルは、水と油ではない──協業やキャリア交流で、日本に足りない「HRのDX」が加速する【SmartHR×デロイト】
“個”にコミットし、HR業界のDX文化を作り上げたSmartHR。入社が決定したタイミングからペーパーレスで労務管理ができるクラウドサービスを提供している。社会保険の手続きやマイナンバーの回収、給与明細の配布から年末調整、さらに人事評価など、人事・労務をテクノロジーの力でサポートするシステムだ。
そして「経済社会の変革のカタリスト」として、DXの導入基盤を築き上げたデロイト トーマツ コンサルティング(以下、デロイト)。企業が変革を推進し、事業の提供価値を変化させ、競争優位性を再構築するために、ビジネスモデルからオペレーションまでの再設計を一気通貫で支援できるコンサルティングファームだ。同社はコンサルだけでなく、デジタルアセットの開発や外部のパートナー企業とアライアンスを結びエコシステムも構築している。色々な業界とのアライアンスを進めて価値を提供する一環で、人と組織の活性化を目指し人材領域にDXをかけあわせた取り組みにもかなり積極的だ。
ITベンチャーとコンサル。全く異なる業種でありながら「DXという文脈において、パートナー企業を支援する」という視点において共通項がある。そんな2社が、イベントを開催し、人事領域を舞台に語り尽くされたDXを再定義しその裏側を紐解いた。
さらに今回は、コンサルからITベンチャーへ転職したSmartHRの佐々木 昂太氏と小倉 大輝氏、ITベンチャーからコンサルへ転職したデロイトの全 大忠氏と長村 星良氏という双方のキャリア経験をもつ4名が登壇。双方の業界において、社会インパクトを与えるDX領域の違いを4名のキャリア視点で語ってもらった。
本記事では2022年2月24日(木)に開催されたイベントの内容をお伝えする。
効率化だけで終わらないワンランク上のDX。
最先端のHRDXを提案するデロイトからDXの本質を学ぶ。
イベント最初のテーマは「DXとは」。DX≠デジタル化・IT化だということはFastGrowの読者ならもうご存じのことだろう。DXとは企業がITを活用し人々の生活に対して変革を起こしていくことであり、単なるIT導入ではなく、「製品を作る」「ビジネスモデルを作る」ことだとデロイトの全氏は定義する。
企業は今、まったく予期せぬタイミングで事態が急変する非連続的な変化に直面しており、「これまで通り」は通じないどころか存続の危機にまで及ぶ。そんな急激な社会の変化に対応するかのように、人の意識も変わっていく。HR領域で真のDXを実現するためには、そんな人の考えにまで踏み込むことが重要だ。
全ビジネスを取り巻く環境は日々大きく変わっています。まず、日本企業が戦う相手にはグローバル企業も含まれるようになり、加えてデジタル化によって製品のライフサイクルが高速化していくため、ビジネス環境の変化のスピードは日に日にその早さを増している状況です。
そんな変化に応じて社員の意識や働き方も変わってきています。転職が当たり前の時代になり、「一生同じ企業で働く」という考えの人はほぼいません。良い人材を採用し、残ってほしい人材をいかに留めておくのかが、各企業の重要な課題になっています。
ですが各社員がどのような思いで働き、どのような思考を持っているのかを、自分達の感覚だけで拾い切るには限界があります。SmartHRのようなSaaSプロダクトも駆使してキャッチしていくことが強く求められているのです。
こうしたITの活性化や進化のスピードが本当に早いため、DXに取り組まない企業は取り残されます。先に取り組んでいる企業が指数関数的に成長していく中で、取り残されないようにしていくためにどうすればいいのか。DXを推進していかないと勝ち残れない時代は確実に来ています。
HR領域は採用・労務管理・人事評価など、業務の種類も量も多岐にわたるからこそ、本質的なDXが重要だ。では本質的なDXとはいったいなにか?そのヒントはデロイトが提案する「高度化」と「効率化」にある。
全いま優秀と言われる人材が、今後もずっと求められる人材かというと、それはわかりません。だからこそ、ビジネスの変化にあわせて、「どういった人材がどのくらい必要なのか」を考える“人事の高度化”が求められています(参考記事)。
「データを活用して、人事戦略や独自の採用基準を作る」、「未来に必要な人材が、どのような人材なのかAIを活用して基準を作る」など、より高度化された仕組みが必要です。
人事部門の変革は「高度化」と「効率化」の両輪が必要かつ重要です。まず効率化が、高度化を実現するためには欠かせません。人材のデータ管理をするにも、システムと紙とエクセルで散らばっていると、どこにどういう人材がいるのかがタイムリーに出てこない。そういった状況では、人事の仕事が業務対応で終わってしまいます。「高度化していくリソース」を作るためにも、人事の効率化や見直しをする。そうすることによって、高度化するべき人事領域が見えてきます。
長村従業員のコミュニケーションを促進し、エンゲージメントを上げていく取り組みや、最新のデータアナリティクスは、人事領域でDXの高度化を推進するために非常に良い手法です。人事領域は長年の感覚や個人の主観に頼ってきたという面がありますが、徐々に「データドリブンの人事にしましょう」といった考えが広がり、データ分析も推進されてきています。
組織管理や人事管理、あるいは給与・勤怠管理などローカル要件が多く含まれるオペレーションでは、紙文化が根強く、うまく電子化できれば人事担当の工数が大きく減ります。
私たちはひとえに、これらを一括りにして「HR-DX」と呼んでいますが、細かく見ていけば様々な領域があります。
多くの領域を担う人事業務。具体的にどのようにしてDXを実現すればいいのだろうか。デロイトの二つの事例を元に見ていこう。二つの事例はファーストアプローチが違うだけで、その本質は同じだと長村氏は言う。
長村DXを推進するには、ゴールを具体化したり、詳細化したりして現状とゴールのギャップを埋めていくことが重要です。「全体のToBe像から個別戦略を立てる」と「個別Technologyを戦略に合わせて最適化する」の2つの事例から、もう少し詳しく解説します。
まず、「全体のToBe像から個別戦略を立てる」事例はよくある例ですね。DXがどういうものなのか理解しきれていないケースです。ぼんやりと「グループ全体の人材を強化したい」や、「人を流動的に配置換えできるようにしたい」など様々な意見は出るものの、これといった具体的なゴールが見えていません。
その時はヒアリングを重ね、どんな意識変革が必要になるのかを洗い出し、具体化・詳細化して解像度を高めてギャップを埋めていきます。ギャップを埋める行動を粘り強く続けることで、変革が訪れます。
もう一つの「個別Technologyを戦略に合わせて最適化する」は、1社の中に複数のシステムが導入されることで、自社が推進するべきDXを見失っている状態です。システムの成り立ちを一つひとつ丁寧に紐解き、改めて目指したい姿を構築した上で、「このシステムはこう使う」「こういったシステムが足りない」といった解決策を洗い出し、DXを推進するための整理を行います。そして一つ目の事例と同じく、ゴールを明確にしてギャップを埋めていきます。
働く人の意思や輪郭がぼやけた思想をデータとして集約・分析し、未来の必要人材を導き出す。デロイトが提案する人事領域の「高度化」と「効率化」に、DXを確実に進めるために考えるべき本質がありそうだ。
パッケージが整っているからこそできるスピード感。
屋台骨を強固にするコンサルのDXに対して、課題解決の速さがITベンチャーのDX
第2部のテーマは「コンサルティングファームとITベンチャーの違い」。デロイトのようなコンサルは、構想策定からDXによる変革が定着するまで伴走してサポートを続けることができる。そして特定の領域に縛られることなく幅広いサポートができることが強みと言えるだろう。
対してプロダクトを持つITベンチャーのDXは課題が明確化してからが本領発揮となる。
小倉人事に関するシステムだけでも複数のシステムがあり、業務領域が重なっている中、全体を俯瞰し交通整理をしているのがコンサルティングファームだと認識しています。対して、プロダクトを展開している当社のようなITベンチャーは、数ある選択肢の中から選んでもらってからが勝負です。
例えば「もともと給与計算ツールしか使ってないけれども、従業員とつながる部分が足りない」という課題に企業の担当者らが気づいてからが、私たちの出番ということになります。つまり、具体的にシステム導入が決まってからが、ITベンチャーとしてご協力できる領域です。
昨今増えているSaaS型のプロダクトは、導入から展開・定着までカスタマーサクセスがしっかりとした支援を行う。プロダクト自体も、汎用的な課題に対するソリューションをすでに明確に備えている。つまり、早期に顧客の課題を解決できることが大きな強みだ。
整った仕組みを顧客に届けるために、セールスやカスタマーサクセスなど、各部署が分業制で顧客と向き合うThe Modelの仕組みが一般的となっている。
SmartHRも例に漏れないが、その中でも特徴的なのが、「プリセールス」という役割を作り、セールスとカスタマーサクセスを横断するポジションを置いていることがポイントだ。
佐々木導入前のお客さまに対しセールスが課題に向けた提案をする中で、「もっと深い提案をしたい」「技術的な支援が必要だ」という場面があった時にプリセールスがアサインされます。導入決定直後からカスタマーサクセスが導入支援をしていきますが、その前段階から業務フローや運用の設計、費用対効果の算出などを実施しながらセールス担当と二人三脚で提案を前に進めていきます。
プリセールスの役割は大きく二つ。「受注率を上げる営業的な側面」と、「導入におけるサクセスの道筋を描くカスタマーサクセス的な側面」です。SaaSの場合、プロダクトそのものをカスタマイズできる余地はあまり大きくないので、導入前と導入後のギャップを極力なくし、リスクを低減することが重要です。この点を盤石にするためにプリセールスがいます。
SaaSは分業制のイメージがあると思いますが、エンタープライズのお客さまへの提案にはThe Modelの垣根を越えたチームセリングの動きが重要になります。
既に人事の様々な領域をカバーし、ここまで整ったSmartHRのシステムなら、コンサルのように「グランドデザインから提案できるのでは」と思いたくなる。しかし佐々木氏も小倉氏もはっきりと「それはない」と強調した。
佐々木コンサルティングファームには、グランドデザインからの提案では勝てないので、私たちがやる理由はあまりないですね(笑)。それよりも、協業した方が良いと考えています。
小倉我々のようなSaaSを扱うITベンチャーは、パッケージシステムの特性を活かして、「給与明細の電子化をしたい」などの課題感を持つ方への解決速度が強みです。
課題が明確になっていない状態で具体的に何から着手して良いかわからないという場合は、コンサルティングファームの得意領域。そこに踏み込むのではなく、お互いに協力し合う形でビジネスができる方が良いでしょう。
課題を洗い出し向かうべき道筋を示すことで、課題から伴走するコンサルティングファーム。対して、課題を把握している人に対して、スピーディーな解決策を提示するITベンチャー。コンサルとITベンチャーの協業によって、対応できる領域、アプローチの違いがあるからこそ、互いに補完し合うことで隙のない支援が実現する。
それぞれのキャリア【コンサルからITベンチャーへ】古典的な「戦略家」マインドはアンラーニングせよ
イベント第3部はそれぞれのキャリアについて。4名の実体験に基づいたキャリア論を聞いていく。
冒頭で述べたように登壇者の4名は、コンサルとITベンチャー両方のキャリアを経験している。まずはコンサルから転職したSmartHRの佐々木氏と小倉氏に、どういった視点でキャリアを考えていたのか、そしてコンサル時に学んだ経験が実際に今の仕事でどのように活かされているのかを聞いた。
佐々木デロイトで一番お世話になったパートナーが大変優秀な人で、このままコンサルを続けても一生追いつけないなと感じていたんです。その人はずっとコンサルにいたわけではなく、ベンチャー企業や外資系企業などの事業の現場に身を置いていた経験を活かして活躍されていました。
当時の私は、GAFAや先進企業のイノベーション事例など用いてプロジェクトのデリバリーに活かしていたのですが、「自分には実践した経験がない」というコンプレックスを抱えていました。マネージャーとなるキャリアの節目を迎える時、「私も一度外に出てみよう」と思ったのが、コンサルを辞めたきっかけです。転職先の選択肢は色々とあったのですが、スタートアップでのキャリアを積みたくSmartHRに決めました。
コンサルで培ったスキルで、今の仕事に活かせるものは大きく三つあります。 まず仮説思考や問題解決力。これは本当に役に立っていますね。問題を構造化し、どのようなアプローチで解決していくのかを考える土台となっています。
二つめはプロジェクトマネジメント力ですね。SaaSスタートアップでもさまざまなプロジェクトが存在するので、それらを効果的に進めていく上で汎用的なスキルです。
そして三つめはやりぬく力。デロイトでお世話になったパートナーも言っていたことですが、コンサルは時間単価でフィーをいただくため、バリューを発揮することへの意識が常に高い。しかも、プロジェクトごとに評価される仕事です。そんな仕事をしていると、バリューを出すまでやり抜いて何とかするという動きが自然と身につきました。
小倉私は1社目ベンチャー、2社目デロイト、そして3社目でSmartHRに入社しました。デロイトにいた当時、SmartHRは急速に成長している会社だったので、今まさに成長途中にある会社に入ってみたかったのが転職した理由です。
佐々木さんと同じく、仮説思考などコンサル1年目に学ぶような基本のスキルはどこの会社にいても役に立つスキルだと思っています。
二人ともコンサルで学ぶスキルやマインドは、どのような業種でも役に立つと話してくれた。しかしカスタマーサクセスの小倉氏は、一部のケースにおいてコンサル経験で学んだ経験が活かせず戸惑ったことがあったという。
小倉基本的にはコンサル時代の経験はどこにいっても活かせると思います。その前提で、カスタマーサクセスという立場から言うと、最小のコストでお客さまと向き合わなくてはならない状況になると、コンサル時代の経験が活かせないことがあり戸惑いました。
SmartHRはエンタープライズ以外の中小企業のお客さまも支援をしています。そういった中小企業の対応において、最小のコストで向き合うことが要求されると、手厚い向き合い方がどうしてもできなくなります。「もっとコミットすれば、もっと大きな成果を提供できるのに……」ともどかしい気持ちになるんです(笑)。
「最小のコストでより多くのお客さまと向き合う」というのは、コンサル時代に学んだ考え方とはかなり離れてしまうため、こういった状況においては少し戸惑いましたね。
自分が学んできたスキルやマインドを新しい環境でフィットさせるには、状況を見極めて立ち振る舞う必要がある。学んできたことと違うことであっても、その役割が何のために行っていることなのかが理解できていれば、状況に応じて使い分けることができるだろう。
経験によって得たものをどう使うかは本人次第。過去の経験に捕らわれすぎていると新しい現場では活躍できなくなる。
佐々木極端に言えば、戦略を考えるだけの古典的なコンサルの動き方では、ベンチャーの現場で活躍するのは厳しいですね。
今、多くのコンサルティングファームは、戦略立案だけでなく、総合コンサルとしてDXのようなデジタル化の領域にも対応できるようになっています。戦略計画をして終わりではなく、多様な人材とプロジェクトを進め、戦略を実行していくアジャイルなアプローチが大事だと捉えられています。
ですが「戦略家」としての働きだけでは、実際の現場では考え通りに進むことは少なく、ロジックで説明できないこともたくさんあり、周りと上手く協力して物事を動かすことができずに戸惑うでしょう。
過去の成功体験があると、古い考え方をアンラーニングすることはより難しくなる。しかし、いつまでも抜け出せないでいては新しい現場になじむことはできない。「顧客の課題を解決する」のは同じでも、各組織によってアプローチの仕方は違うからだ。
ではSmartHRは、今現在どのような思考を持った人材を求めているのだろうか。
笹山まずSmartHRのカルチャーにマッチする方に興味を持ってもらいたいですね。私たちは「オープン」「フラット」「遊び心」の3つの考え方と自律駆動が出来る方を求めています。
Slackは9割以上のコミュニケーションがオープンなチャンネルで展開されています。なので自然と、あらゆる情報が共有され、経営会議の内容も毎週オープンにされています。そして役職・役割関係なくボトムアップで物事が進んでいくフラットさや、ユーザー会や採用イベントなどではノベルティに全力投球する遊び心があるのがSmartHRのカルチャーです。
このようなカルチャーを大事にしつつ、自ら課題を見つけ取り組んでいく人が集まることで会社が成長していくと考えています。
開発アイテムも山積みで、普及率も日本の労働人口のカバー率でいうとわずか数%しかありません。組織自体も成長期にあるITベンチャーで働きたいという方を求めています。
それぞれのキャリア【ITベンチャーからコンサル】多様なバックグラウンドが活かされる環境
続いて、ITベンチャーからコンサルティングファームへ転職した二人にも、転職した背景、役に立っている前職の経験を聞いた。
長村私が転職した理由は、より広い領域でより長く顧客と関わりたいと思ったからです。システムの導入担当をしていたのですが、「導入した後の世界を見てみたい」や「そもそも導入前から関わりたい」という考えがあり、幅広く課題と向き合えるコンサルティングファームへ転職しました。
ITベンチャーから転職して、今のコンサルで活かせていると感じるスキルは主に3つあります。一つめは「アンテナの張り方」です。ベンチャーにいたころは常に最新の情報を仕入れておかなくてはいけないと思っていました。他社の製品、自社とは違う領域のTech製品など、情報を仕入れていた時の感覚はコンサルでも役立っています。
二つめは「コスト意識」です。ベンチャー時代はシステムの利用料やライセンス料をいただいていたので、費用対効果が目に見えやすかった。ですがコンサルになると、システムではなく「人」でお金をもらうため、費用対効果が見えにくいんです。ですがシステム利用料など目安となる数値を持っているので、コストに対する意識を高く持つことができています。
三つめは、良い意味で「泥臭さ」を持っていられることです。コンサルだからといって偉ぶるのではなく、お客さまの目線に立って一緒に同じ未来を見据えていこうという精神を育めたのはベンチャーにいたからこそだと思っています。
全私はベンチャーにいたころ営業責任者を務め、とにかく自社製品を広げていくことがミッションでした。自社プロダクトを成長させていく楽しさがある一方で、「お客さま一社ごとに解決するところまで関わりたい」という思いがあってコンサルティングファームに転職しました。
私がベンダーにいたのは今から約10年前で、当時でいえば国内テクノロジーの先駆的な事業でした。そこでは変化対応力が求められ「どうすれば勝てるのか」をかなり考えさせられましたね。その時の考え抜く力は、今のコンサルにも活かされていると思います。
ベンチャーが戦い抜くためには、スピード感が大事だということも肌で感じていますし、世の中にないサービスを提供する「先行者として動くことのメリット」は大きいことを知っています。今、デロイトでも自社プロダクトを作っているのですが、まさにそこで自分の経験が役立っていますね。
さらにベンチャーが戦っていくためには、一つのものを完成させてから世に出すのではなく、8割程度の完成度でも世の中に出していくことも必要です。そういったやり方を実体験として理解しているのは自分の強みですね。
二人に共通しているのは、一つのプロダクトではなく、「顧客」の一人ひとり、一社一社と向き合いたいという強い気持ちだろう。自分も顧客側の一員となって、課題を洗い出すところから伴走できるのがコンサルとしての大きなやりがいだ。
「顧客と向き合い、幅広く支援したい」。そう思う人は業種問わずにいる。デロイトではバックグラウンドにこだわらず多様な人材を登用している。
全デロイトは戦略の立案やマネジメントコンサルと合わせてシステム導入までend to endで支援をしているので、いろいろな専門性を持った人に入社してもらっています。人事領域のコンサルティングを行うチームでも、人事部出身者やコンサル出身者だけでなく、事業会社の営業出身者もいますね。テクノロジー領域でもアセットを作っているので、エンジニア出身やSEの方々も入ってきています。
いろいろな職種の人が活躍するフィールドは十分にあります。その点は今までのコンサルのイメージとは違うのではないでしょうか。
この話を聞いて、コンサルで技術領域や営業領域出身の人が活躍しているということが意外だと感じた読者も多いのではないだろうか。具体的にどのような活躍を見せているのか聞いた。
全技術領域の方はやはり、コンサルに加えてクライアントごとの開発案件に携わってもらっていますね。あとエンジニアとして自社プロダクトの作成に関わることも増えてきました。
商品を売る際に「顧客の課題が何か」を考えて提案できる営業なら、コンサルに通じるスキルが求められるので安心して任せていますね。
そんな多様な人材を採用しているデロイト。今現在どのような人材を求めているのだろうか。
全デロイトでは先ほどもお話ししたように、様々なバックグラウンドを持った人材を採用しています。それぞれの価値を活かしたコンサルでお客さまに伴走し、事業としての価値を提供していきたい。そのように考えています。
ちなみに、コンサルに対して労働環境が「厳しそう」というイメージが一般的にはあると思いますが、私が入社して一番驚いたのが、まさにそのイメージが全く違ったということです。
デロイトがもっとも大切にしているのが「people first」。社員に愛着を持って働いてもらうためにはどうしたらいいのか、どう残業を抑制するのか、といったアジェンダを重要視しています。これまでイメージされてきたコンサルのイメージとデロイトは全く違うということを認識していただきたいですね。
自社の価値を上げるには、働く一人ひとりの幸せを重視し、その上でプロフェッショナルがいることで、真に良いチームができると考えています。革新的なサービスを作るためにも、一人ひとりが幸せになれる環境を作る。そんな会社であると認識していただけたら嬉しいですね。
こちらの記事は2022年04月04日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
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