遅れてきたDXの波、「次にくるのはテレビだ」──Xtech領域のSaaS大本命“スイッチ・メディア・ラボ“に問う、業界を激変させる希少な“データ“活用法とは?

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インタビュイー
高山 俊治

大阪大学大学院修了後、外資系コンサルティング会社に入社。戦略コンサルタントとして9年間従事し、事業戦略、新規事業立上げ等をプロジェクトマネージャーとして推進。2012年グリー株式会社に入社し、プラットフォーム部長、アナリシス部長、マーケティング部長等を歴任。その後、事業部長として社内新規事業の立上げを経験。2020年スイッチ・メディア・ラボ株式会社に入社。2021年6月より現職に就任。

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近年、建設業界や製造業界など、世の中では「レガシー産業」と呼ばれる業界でDXに取り組む企業が急成長している。

長い歴史を持ち、古くからの慣習が残る業界だからこそ、そこにデジタルテクノロジーが導入されることで社会に莫大なインパクトを与えることができる。こうした背景には、年々、社会全体においてデジタル化普及への意識が高まってきていることが挙げられるだろう。

そんななか、現在テレビCM業界でもDXの波が急激に加速している。ここにいち早く一石を投じたのが、テレビ視聴データをもとにDXを推進するスイッチ・メディア・ラボだ。

「テレビ…?これから狙う業界としてどうなの?」「広告はもはやインターネット主流の時代では?」「DXを狙うタイミングとして遅くないか?」。恐らく、想定される声としてはこんなところだろう。その気持ちは十分理解できる。そして、我々もその疑問を持たれるであろうことは当然想定していた。であれば、FastGrowからもあなたに問いかけたい。「アンドパッドやキャディはどうなのか?」と。

両社が切り込む業界は、建設や製造といった、テレビ同様、いやそれ以上に日本の産業を古くから支える伝統ある領域だ。そこであなたはこの2社に対しても、「成熟産業では…」といった懸念を持つのだろうか?もし、Yesであるならこの先は読まなくても良いだろう。

つまり、重要なことはその”業界自体の成熟性”ではなく、DXによって”どれだけ変革を起こし得る可能性を秘めているのか?”ということだ。どうだろう?少しは話を聞く姿勢になってきたのではないだろうか。

「古いからこそ、変える価値がある」と語るスイッチ・メディア・ラボ代表取締役社長・高山 俊治氏は、テレビCMのどこにビジネスチャンスを見出し、どのような業界変革を描いているのか。今回は同社の戦略と展望を伺い、我々の身近にあるテレビ、CMの未来を皆さんにお伝えしよう。

  • TEXT BY MAAYA OCHIAI
  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
  • EDIT BY TAKUYA OHAMA
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「情報に偏りがある…」コンサル、事業会社時代に感じた
テレビCMへの違和感

「おかしい…。ネット広告の数十万円の稟議は細かく精査されるのに、なぜテレビCMに関する稟議は億単位にもかかわらずすんなり通るのだろう…?」

新卒で外資系コンサルティング会社に入社し、戦略コンサルタントとしてテレビCMを打つ大手企業らを相手にするなかで、高山氏はそう感じていた。

株式会社スイッチ・メディア・ラボ 代表取締役社長 高山 俊治氏

高山コンサル時代、他にも我々が提案する1,000~2,000万円の戦略案件で、クライアント様からはしばしばディスカウントのご要望をいただいてきました。一方で、そのクライアント様のブランディングプロジェクトにおいて広告会社から出される4~5,000万円の広告提案は、いとも簡単に通されてしまう。そんな実態を目の当たりにしたんです…。

ネクストキャリアにおいて、当時感じた違和感は確信となる。高山氏は9年間に及ぶコンサル時代の経験をもとに、2012年当時、急成長フェーズであったグリーへと移り、プラットフォーム部長、データアナリシス部長を経たのち、広告宣伝を担当するマーケティング部の責任者となっていた。

コンサル時代と変わり、今度は広告主の立場でテレビCMを出稿する側となった高山氏だが、広告会社から出される出稿後の分析や効果測定のデータが、インターネット広告のそれとは全く異なる解像度であることに対し、「情報の非対称性が極めて大きかった」と話す。

高山基本的に広告主はテレビCMに関する情報を一切持っていないので、広告会社から提示された金額で枠を買うしかありません。また、広告効果についての事前のシミュレーションや、出稿後の効果測定についても、インターネット広告で扱われる解像度に比べ抽象度が高く、効果検証が非常に難しいと感じることがありました。こうした経験から、業界のひずみを肌で感じていましたね。

一般的に、広告宣伝費は広告主にとって売上アップにつながる、いわば攻めの費用だ。成功すれば事業に大きな成長をもたらすドライバーとなる。だからこそ、企業は多額の投資を行うもの。

特にテレビCMにおいては、マスに対しての認知獲得効果が大きく、億単位の金額が動く。テレビのCM枠という限られた露出場所をいかに取っていくかが重要となるため、テレビ局と長年の付き合いがある広告会社の影響は想像以上に大きい。

一方でテレビCMは、何人にリーチできたのか、何人が新たに店舗に来店したのかなど、売上との因果関係が見えにくい側面もある。逆にインターネット広告の場合、クリック数や獲得単価などで費用対効果を細かく見ることができ、それがゆえに、投資への考え方がシビアになる。

数十万円のインターネット広告案件が緻密に精査され、億単位のテレビCM案件がすんなり通るのはこのような構造があるためだ。

こうした経験を踏まえつつも事業を拡大してきた後、コンサルと事業会社の両方を経た高山氏は、その後、起業をするか、アーリーフェーズのスタートアップに入るかの2択で考えていたそうだ。

高山様々なベンチャー/スタートアップを見ていく中で、スイッチ・メディア・ラボは事業ドメインがこれまで自分の経験してきたことと親和性が高く、広告に対する課題意識も自身の実体験と一致していました。また、企業にとって『広告宣伝』とは必要不可欠な投資であり、巨額の予算もつきやすいという事実を知ったことからも、次にビジネスをするなら広告宣伝の領域だと決めていたんです。さらに、スイッチ・メディア・ラボは会社として良い意味で未成熟。ここなら、自分が貢献できる割合が大きそうだと感じ、飛び込んだんです。

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「より解像度の高いデータを提供したい」
スイッチ・メディア・ラボの創出価値

これまで抱いていた課題点を、今度は解決する側へと回った高山氏。「我々のサービスである”テレビCMの精緻な分析・効果測定”によって、例えば10%の広告効率化を実現するだけで、3億円の案件なら3,000万円の改善効果が得られる。この領域は非常にインパクトが大きい」と前のめりで語る。スイッチ・メディア・ラボは事業を開始した2012年からすでにテレビCM解析に着目し、業界に切り込み始めていた。

2000年以降、インターネット広告が世の中に浸透するに伴い、「企業が広告データを分析して効果測定する」という行為も当たり前になってきた。そのため、ここ数年でテレビCMの効果についても分析ニーズが芽生え始めていたのだ。

だが、これまでのテレビCMデータは大手リサーチ会社が出したものであっても、その精度と粒度はインターネット広告のデータの質には及ばない状況だった。つまり、「テレビCMとインターネット広告の効果を横並びで比較することはできなかった」ということだ。この課題を解消すれば、企業の広告戦略がより立てやすくなることは間違いない。

ここで一旦テレビに関する前提を共有すると、テレビ業界は「世帯視聴率」というただ1つの指標を追い、番組づくりをしてきた歴史がある。視聴者の平均年齢が高まるにつれ、高齢者向けの番組がどんどん増えていき、若者にとっては次第にコンテンツとしての面白さが失われていく。

「視聴率の良い番組内でCMを打ちたい」という広告主のニーズに応えるテレビのビジネスモデルを踏まえると、テレビ局側・番組制作側の事業戦略としては正しいのかもしれない。しかし、そこで得られる便益のために特定の層だけに向けたコンテンツを発信し続けることは、『社会の公器として全世代に有益な情報提供をする』という観点からはズレているのではないか?。高山氏はそのような危機感を持ち変革に挑んでいる。「小さいころから慣れ親しんできたテレビを取り巻く環境を変えたい」。そのために必要と考えているのが”データの力”というわけだ。

高山我々の提供サービスは、テレビの視聴データを、世帯視聴率以外の170項目にも及ぶ指標を使ってセグメント分析し、『どの時間にどんな人が見ているのか』をより細かく正確に把握します。

するとその結果をもとに『Aという番組は"世帯視聴率"こそ低いが、貴社の求める"ターゲット視聴率"は他に比べ高い傾向にあります。よって、この枠は買いです』といった分析提案が可能となり、広告主様の広告効果を最適化することができるんです。

この変化を例えると、これまでのテレビ視聴データの粒度は、”視力と度数の乖離が大きいレンズ”をつけてものを見るイメージに近く、見たいものもザックリとした輪郭程度しか分からなかった。一方、同社のサービスはこの粒度を飛躍的に向上させ、”視力と度数が完全にマッチしたレンズ”を提供し、見たいものをくっきりと正確に見ることができるといった価値提供をしている。

テレビの視聴率という概念が生まれてから、こうした変化に至るまでに半世紀以上の年月が掛かっていることを踏まえると、今同社が起こしている変化が如何に難しく、またチャンスであるかが分かるだろう。

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広告効果の最大化。
隆盛するテレビCM市場のなかでの差別化戦略

ここで、同業界に属するプレイヤーとの違いも明確にしておきたい。最近では、運用型テレビCMサービスを提供するベンチャー/スタートアップも界隈でその名を広めていることはご存知だろう。ひとくちに「運用型」といっても各社特徴は異なるのだが、代表的なサービスでいうと、複数の「クリエイティブ×広告枠」の出稿結果を分析し、より効果の高い枠に絞って再投下していくサービスが著名だろう。「テレビCMは初めてだが、いきなり数千万・億単位の出稿はハードルが高い。まずは小額で試してみたい」というニーズを持つ企業を中心に活用されている。

一方でスイッチ・メディア・ラボは、視聴データ分析のSaaS「SMART」を活用することで、その企業が出稿した枠だけでなく、出稿していない他の枠の視聴データも踏まえて分析することができる。そのため、その企業の広告ターゲットに近い視聴者が多い曜日や時間帯の枠を見つけて、これまで出稿していなかった枠を提案することもできるようになっているのだ。

高山企業にとってテレビCMは、数億円をかける取り組みなので『とりあえずやってみよう』と意思決定するにはリスクが高い。だからこそ分析ツールを使ってできる限り狙ったターゲットに広告をリーチするよう、企業にとって未知の広告枠も含めた提案ができるようにしています。

ターゲットを細かく見て、出稿と改善を繰り返すことでどんどん広告効率が上がっていくため、同社のクライアントとなる広告主は、単発出稿ではなく比較的継続してテレビCMを出稿する中〜大型のクライアントが多いという。

また、追うべき経営指標も前者は出稿取扱高をメインとしているが、同社は年間契約でのSaaS提供が主なサービスとなるため、MRR(Monthly Recurring Revenue、毎月決まって発生する売上)を重要な経営指標としている。

このように同社はあくまで”SaaS×DX”ベンチャーであり、他プレイヤーと同じ”運用型テレビCMサービス”を提供しているとはいえ、似て非なるものであることが理解できるだろう。

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「視聴データ×SaaSによる分析力×コンサル伴走」
で築く堅牢な牙城

業界内における主要プレイヤーとの立ち位置の違いが明確になったところで、より具体的に、スイッチ・メディア・ラボの事業優位性について深めていきたい。ここで高山氏は3つの柱を示してくれた。

高山まず1つめは、解像度の高いテレビ視聴データという希少性の高い情報を保持している点です。このデータを取るためにはデータ調査に協力してくれる数千世帯に及ぶ一般モニター様の協力を集めること、またそのモニター様宅に設置して視聴ログを取得する特殊な調査機器を独自に開発することが必要不可欠です。

同社はなんと、9年前からこの仕掛けを少しず積み上げてきたという。当然、DXという言葉が世に存在しない時から…。実は、テレビCM業界にデジタルの力で変革を起こす一石を最初に投じたのは、この会社だったというから驚きだ。

高山2つめは、データ分析力です。弊社ではSaaSツールを用いてクライアント様にテレビ視聴データ及び分析データを提供しておりますが、ここに載せるデータの質が肝となっています。シンプルに言うと、高度なデータサイエンスが使われている。

それは何故か?テレビの視聴データという複雑な情報は、これまで誰も扱ったことのないものであり、非専門家が容易に分析・活用できるものではないからです。

確かに、数千万人という膨大なリーチから生み出されるデータを、出稿するクライアント毎に分かりやすく分析・加工して提供するのは並大抵のことではない。同社のことを単なる開発力に自信のあるSaaSツール提供企業と捉えると、その本質を見誤ることになるだろう。事実、スイッチ・メディア・ラボのデータサイエンスチームには元研究者も顔を連ねるそうだ。

高山最後に3つめですが、ここではコンサルティング力が挙げられます。テレビCMを事業成長に活かすためのPDCAプロセスはこの業界ではいまだに確立されていません。またお客様の業種、業態、事業成長フェーズによって何をKGIに置いてどんな中間KPIを見ながらPDCAを回すのかが変わってきます。誰も答えを持っていないので当社のカスタマーサクセスチームがお客様と共に考えながら伴走していくことが重要なのです。

具体的には、クライアント様の商材を利用されるユーザーの購買フローを可視化し、実際にクライアント様が持つ購買データという資産も共有いただきながら、最適なテレビCMのプランを練っているのです。

2つめのデータ分析にも関連しますが、こうしたコンサル伴走でクライアント様のビジネスを誰よりも深く理解することによって、「だったら次はこういう指標で分析してみよう」「こんなデータを返してあげるとより広告効果が高まりそうだ」と的を得た提案が実現できるわけです。

事実、SaaS事業では累積導入社数は100社を超えており、顧客平均月単価は年々上昇している。如何にクライアントに必要とされているサービスなのかがよく分かるだろう。また、そこに甘んじず現在も更なる改良を重ね、近々データサイエンティストの介在なく分析が進められるアップデートも控えているそう。

これら3つの強みをかけ合わせることで、スイッチ・メディア・ラボは業界で唯一無二の価値を発揮しているのだ。

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我々だけが知っている、テレビに対する2つの誤解

ここまででテレビCM業界の課題や、そこに切り込むスイッチ・メディア・ラボの事業優位性はよくわかった。だが、「そもそも”テレビ”という媒体自体が、パワーを失いつつあるのではないか?」そう思う人もいるだろう。こうした懸念に対して、高山氏は「2つの誤解がある」と冷静に切り返す。

高山まず1つめとして、『テレビ以外の面白いメディアコンテンツが増えた=テレビCMに可能性がない』と結びつけて考えてしまっていませんか?

たしかにYouTubeを毎日何時間も見ている人はたくさんいるし、Netflixなどの動画配信のコンテンツは非常に魅力的で、テレビの総視聴時間は他メディアに喰われて年々減っているのは事実です。しかし、ことコンテンツの魅力と、広告媒体としてのリーチ力は分けて考えるべきだと思っています。テレビはマスへリーチできる広告媒体として見ると、未だ他に類を見ない最大のメディアなんです。

インターネット広告を駆使して数十~数百万人にリーチしていた企業も、テレビCMを打つと桁が変わり、数千万人にリーチすることができます。近年ではBtoCに限らずBtoBのベンチャー企業などでも、サービスの拡大フェーズには起爆剤としてテレビCMを活用する例が増えていますよね。

コツコツとデジタル広告で認知を獲得して事業を伸ばし、資金調達が完了して拡大フェーズと判断したら、テレビCMで一気にリーチを伸ばす。例えば『BIZREACH(株式会社ビズリーチ運営)』は、正にこの手法で一躍その名を広めたといっても過言ではないだろう。

高山私もグリーにいたとき、モバイルゲーム事業をコツコツと伸ばして、『いけそうだ』というタイミングでテレビCMを打つという経営判断がされました。すると一気に売上が5倍になった。また、リーチ人数あたりの単価でいうと実はインターネット広告よりも圧倒的に安い。リーチ力だけでなく、リーチ単価のコストパフォーマンスを含めて見ても、未だ唯一無二のメディアであると考えます。

2つめに、マーケットの広がりという点ではどうだろうか。記事冒頭で、レガシーが残る別産業で急成長するDXベンチャー/スタートアップ事例の紹介と、スイッチ・メディア・ラボはテレビCM業界においてそうした企業と同じポジションを取っているという旨は記したが、それでも不安が拭えない読者もいるのではないだろうか?この点に関しても高山氏は冷静に解説する。

高山”視聴率”という観点では確かに下がってきている傾向にありますが、”テレビCM業界におけるDX市場”は間違いなく盛り上がってきています。実際、既にこの領域で10億円以上の資金調達をしている企業も1社、2社と出てきていますからね。

また、他のレガシー産業×DXの事例を聞いてもまだ納得できない方の理由としては、『インターネット広告が台頭しているのだから、テレビCM広告は廃れていくのでは?』といった懸念を保たれているからだと思います。

その点でいうと、確かに数字だけで比較するとインターネット広告費はテレビCM広告費を超え、今後も伸びていくことが予想されます。しかし、その内訳を見ると、インターネット広告費は主に小額の予算で出稿する小〜中規模からなる企業の集合体から形成されており、対してテレビCM広告費は中〜大規模予算を持つ中堅・大手企業による出稿から形成されている。基本的にはそれぞれ出稿している層が異なるわけです。

もちろんテレビCMを打つような大手企業がインターネット広告も使い始めているという事実はありますが、先に述べたように、そもそもインターネット広告とテレビCMではリーチできる桁が違うため、広告媒体としての属性が異なります。なので、テレビCMを使っている大手企業らがこぞって出稿をやめ、インターネット広告しか活用しない、ということは起こりづらいわけです。

こうした点をご理解いただければ、インターネット広告が伸びる=テレビCM広告が廃れるといった懸念は払拭されるかなと思います。

なるほど、確かにこうした事実をしっかりと把握することができれば、「テレビCM業界のDX」も現実味を帯びて理解することができる。実際、ここ1~2年でこうした構造を理解し興味を持った上でジョインしているメンバーが多々いるそうだ。

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9年前の投資が今こそ大きく花開く。
ここにしかないデータを扱ってみないか?

さて、一連の解説からマーケットのポテンシャル、ビジネスとしての筋の良さなどは掴めてきただろう。強いていうなら、あとは人材面か。スイッチ・メディア・ラボは現在創業9年目となるが、第2創業期といえるフェーズに差し掛かっている。ここ1,2年で幹部メンバーを中心に当領域に可能性を感じた人材が、自ら他社の裁量あるポジションを投げ打って次々とジョインしているそうだ。

そこには先に挙げた元研究者のメンバーに加え、海外でMBAを取得し、外資系コンサルティング会社を経て挑む者。SaaS系スタートアップにてCTOを担ってきた者など、その錚々たる顔ぶれを挙げれば枚挙に遑がない。こうした、組織として新陳代謝が活発な点もこれから参画するメンバーにとっては魅力の1つだろう。

このような大手企業を相手にした折衝経験や、大型プロジェクト遂行経験を持つメンバーらが続々と集結しており、「これだけの人材層に加え、現在は事業提携や事業投資も積極的に行っており、確かな手応えを感じている」と高山氏は力を込める。

前述のように、テレビ視聴データの分析は参入障壁が高く、事業として希少性が高い。そこに切り込むベンチャー企業である同社は、業界変革の手触り感を得ながら働くことができ、裁量の大きさを求める人にとってはやりがいのある環境だ。

今後のスイッチ・メディア・ラボは、テレビの視聴データの分析精度と粒度をさらに高め、SaaSツールとしての完成度を上げていくことはもちろん、先のインテージ(国内最大手のマーケティングリサーチ企業)との提携にみられるように、他社との連携も視野に入れながら事業領域の拡大にもチャレンジしていく。

高山先々はテレビにとどまらず、インターネット広告も含めて総合的なマーケティングやブランディングのお手伝いをしていきたい。

ただ、テレビの視聴データと、インターネット広告のデータに係る分析ツールを全て自分たちで開発する必要はないと思っていて。そこはインターネット広告の専門企業が持つ分析データと、当社のテレビ視聴データを付け合わせていければいいと思っています。今はその前段階で、先ほどもお伝えしたようにデータの粒度が違いすぎて付け合わせができないので、その粒度を揃えるところからです。

事業展開の展望としては、クライアント様と一緒にデータサイエンスの部分をプロジェクト化し、企業ごとに分析モデルを作っていくところを考えています。知見がある程度たまってくれば、同業種・同業界に横展開できますからね。今までのテレビ業界には存在しなかった分析手法を確立して、いろいろな業界に提供していくことができればと思います。

今の段階では、テレビCMとインターネット広告のデータを横並びで見られるだけでも、広告主にとって大きな価値となる。だがスイッチ・メディア・ラボが目指すのは、さらにその先の未来だ。

高山お客様からすれば、テレビもインターネットも広告媒体のひとつでしかありません。大切なのは、その施策が売上につながるかどうか。我々は、お客様の売上への貢献を最終的な目標として、売上との因果関係を解き明かしていきたい。そして広告・マーケティングの全般をサポートできる会社にしていきたいと強く思っています。

高山氏が見据える未来のテレビCM業界は、我々の想像よりも1歩も2歩も先に進んでいた。

そしてやはり、インタビューを終えて改めて推考してみると、9年間に及ぶ、人知れずテレビCM業界に張り続け、泥臭く積み上げてきた同社の投資努力こそが、スイッチ・メディア・ラボを業界内で唯一無二の存在たらしめる所以ではないかと、そう感じざるを得ない取材であった。

こちらの記事は2021年08月31日に公開しており、
記載されている情報が異なる場合がございます。

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執筆

落合 真彩

写真

藤田 慎一郎

編集

大浜 拓也

株式会社スモールクリエイター代表。2010年立教大学在学中にWeb制作、メディア事業にて起業し、キャリア・エンタメ系クライアントを中心に業務支援を行う。2017年からは併行して人材紹介会社の創業メンバーとしてIT企業の採用支援に従事。現在はIT・人材・エンタメをキーワードにクライアントWebメディアのプロデュースや制作運営を担っている。ロック好きでギター歴20年。

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