“自ら事業を着想し、仕組み化できる人”を育てる──20代で7億円を生んだ、L&E Groupという“商才の鍛錬場”
Sponsored「社会を変えたい」「自分の頭で勝負したい」──そんな想いを胸に、ベンチャー企業への就職を志す学生は多い。
けれど、いざ企業を見てみると、どれも似たような「裁量があります」「若手が活躍できます」という言葉ばかり。本当に、自分が“事業を動かす”ような経験が積める会社はあるのだろうか?
FastGrowはこれまで、数百人の起業家・事業責任者に話を聞いてきた。
その中で見えてきたのは、ただ“売れる”だけでは足りない時代が来ているということだ。
これからの時代、本当に強いのは──
「どの市場が伸びるか」を自分で見つけ、「どう伸ばすか」を構造として設計し、成果を出せる人材だ。私たちは、その力を“商才”と呼びたい。
株式会社L&E Group(旧リンクエッジ。以下、L&E Group)は、この「商才」を磨くことに本気で向き合っている会社だ。
正社員約30名で年商60億円、1人あたり売上約2億円。その背景には、若手が「どの市場に挑むか」を自ら考え、「儲けの構造を組み立てる」経験を重ねている環境がある。1年目から億単位の商流を動かす。市場を選び、顧客に提案し、Webメディアと交渉し、売上をつくり出す。そしてときには、誰も注目していなかった市場に挑み、7億円を生み出す事例もある。
アイデアも、仕組みも。着想も、実行も。両方を自分で担える力が、ここでは育つ。そんな“商才の鍛錬場”であるL&E Groupを、FastGrowが2連載で徹底解剖していく。
- TEXT BY HARUKA YAMANE
- EDIT BY TAKUYA OHAMA
「事業アイデア」と「その仕組み」を
生み出す人材が求められる時代に
「若手が活躍できる」──そんなキャッチコピーが、求人市場にあふれている。世界最大級の求人検索エンジン『Indeed』でこのワードを検索すると、重複も含め30万件以上がヒットする。正社員に限っても10万件(*1)を超える。
*1…2025年5月記事執筆現在の数値
だが、本当に若手が“活躍”できている企業は、どれほどあるのだろうか。
- プロジェクトの肩書きだけを与えられ、意思決定には関われない
- 数字目標を渡されたが、なぜその数字なのかを考える余白がない
- 「自由に提案していい」と言われても、承認権限は上司にある──
そんな“なんちゃって裁量”が、思っている以上に多くの会社で起きている。
さらに、背景には市場構造の変化もある。
日本の人口は2008年をピークに減少し続け、生産年齢人口も大きく減少。消費者数が減るなか、SNSやSEO、レビューサイトの進化によって情報は無限にあふれている。いまや「良い商品をつくれば売れる」時代ではないことは自明の理。

つまり、顧客に選ばれるには、届け方の工夫だけでなく、商品・ターゲット・チャネル・利益構造までを踏まえる必要がある。そうした“ビジネス設計”がなければ勝てないのだ。
実はこの視点、FastGrow編集部も多数の取材を重ねるなかで引っかかりを感じていた。「裁量があります」「挑戦できます」といった謳い文句は、もはや採用市場の定型句だ。だが、我々が見てきた“真に事業を生み出せる者たち”は、違う次元で思考していた。
彼らに共通していたのは、「売れる仕組みを持っている」だけでなく、「そもそもどこでどう勝負するか」を自分で考えていたことだった。
すでに伸びている市場に乗るのではなく、「この市場、これから来る」と見抜く着眼点。誰かが仕組んだ戦略ではなく、自分の仮説で売り方を設計する構想力と実行力。その両方を兼ね備えていた。
繰り返すが、私たちはそんな力を、“商才”と呼びたい。
商才とは、どこで戦うかを見極める「着想力」と、どう勝つかを組み立てる「構造設計・実行力」のかけ算である。
今回解剖するL&E Groupは、その“商才”を新卒1年目から実践的に鍛えられる場所だ。
誰かの事業を動かすだけではなく、「どの市場で、どんな構造をつくれば勝てるのか?」という問いそのものから任せる。
例えば、入社早々、大手クライアントのマーケティング施策を構想・実行し、商材をどのターゲットに、どんなWebメディアを通じて、いつ届けるかまで──若手が商流全体の流れを設計・アップデートし、自ら成果を出す文化がある。
したがって、L&E Groupは“裁量がある企業”ではなく、“商才を育てている企業”と言えるだろう。
生産性・約2億円/人の裏にある“商流設計体験”
商才を育てる──そう聞くと、どこか遠い話に感じるかもしれない。
「自分にそんなアイデアが思いつくのか?」「本当に任せてもらえるのか?」と。
だが、L&E Groupではそれを“仕組み”で地続きに実現している。
まず前提として、同社は正社員約30名(パート・アルバイト含め50名)という規模で、年商約60億円を実現している。1人あたりの売上は約2億円。平均年齢29歳、新卒・インターン比率は40%以上──その実績を、20代の若手が支えている。

提供:株式会社L&E Group
なぜそんなことが可能なのか。その鍵は、「入社初期から“市場を見る・売り方を考える”経験を任せている」ことにある。
L&E Groupでは、若手もただ“実行する人”ではない。
たとえば、広告主に対して「この市場のこのターゲットにこんな訴求で届けましょう」と企画し、Webメディア側と交渉して「このキーワードで特集を組んでほしい」「こんな記事構成が効果的」と提案。場合によっては、メディアそのものを一緒につくることもある。

取材を基にFastGrowで作成
つまり、「誰に・何を・どう届ければ事業が伸びるか」を仮説立てから仕組み設計・改善まで担う──小さな事業づくりの総合演習を、1年目から体験するのが同社の育成スタイルだ。

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若手であっても、“伸びる事業の流れ”を構想し、全体設計・実行する──。
それが、L&E Groupが育成設計において一番大事にしている点だ。事実、その積み重ねのなかで、驚くような事例も生まれている。
事例:2年目社員が“上司に反対されながら”も開拓した市場で、年間7億円を創出
当時、新卒2年目だったF氏は、ある未開拓の金融市場に強い可能性を感じていた。
だが、上司に提案したところ「正直、その市場は伸びるとは思えない」と一蹴される。プレイヤーも少なく、ニーズも不明瞭で、“市場として成立していない”とされていた領域だった。
しかし、F氏は諦めなかった。
「絶対に面白い。やらせてください」──その熱意に、上司はこう返した。
「そこまで言うなら、やってみなよ」
結果、F氏が創出した売上は【年間 約7億円】。
ほぼゼロの状態から市場に切り込み、メディアとの新規連携、顧客の再定義、プロモーション設計まで行い、 既存の商流をまるごとアップデートし、“新しい稼ぎ方”をつくり出した。
まさに、若手が“商才”を発揮した事例の一つだろう。
ただし、このストーリーを特別扱いするつもりはない。むしろ、こうした事例が「1人だけ」ではないからこそ、L&E Groupの仕組みは強いのだ。
どの領域で、どのビジネスモデルで、どの手法で、どのターゲットを狙うか──。
すべて自分で考え、既存の流れを見直し、伸び続ける仕組みに組み直す経験が、日常の業務として与えられる。無論、そこにはリスクもある。しかし、L&E Groupは成果報酬型モデルというビジネス設計のおかげで、若手の挑戦に無駄な制約がない。
成果が出なければマージン(広告主から受け取る報酬の一部、L&E Groupとして得る収益)も発生しない。だからこそ、失敗してもステークホルダーに迷惑はかからない。むしろ「やってみなよ」と背中を押せる環境が自然と整っているのだ。
こうした実践を通じて、L&E Groupの若手は「伸びる事業の流れを読み解き、事業アイデアを自ら着想し、最適な売り方に組み直す力」を自然と鍛えているのである。
若手の商才を磨く“独自の5つの仕組み”
では実際に、L&E Groupはどうやって“商才”を育てているのか?
重要なのは、属人的な天才を引き上げているわけではないということだ。
どんな人であっても「事業を考える視点」と「仕組みをつくる力」の両方を身につけていける──それを実現しているのが、同社の“5つの仕組み”だ。

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【仕組み1.経営陣直下のフィードバック体制】
同社では週1回~月1回の頻度で、経営陣が若手に直接フィードバックを行う。営業数字の話だけではない。「どの市場をどう見ていたか?」「なぜこの仮説で勝てると思ったのか?」──そんな本質的な問答が日常的に交わされる。
ときには厳しく、だが誠実に。早く・正しく・深くPDCAを回し、新卒入社数ヶ月で圧倒的な成長ができるのだ。
実際、本連載の2記事目に登場する執行役員・営業本部長である新山氏は、2024年の新卒1年目の新入社員とインターン生の計9人の育成にフルコミットした。“一人ひとりにじっくり寄り添う経営陣直下のフィードバック体制”が現実的に機能しているのだ。
以下のように、新山氏のXを覗いてみると、育成に対するアツい想いが伝わってくる。
「どこまで教えるべきか?どこから考えさせるべきか?」
— 新山 草太@L&E Group執行役員 (@sotashinyama) April 20, 2025
新人育成における永遠のテーマだと思います。
私はまずこう伝えるようにしています。…
【仕組み2.KPIの個別設計】
成果目標は“全員同じ”ではない。各人の経験や課題に応じて、「いまできること / 伸ばすべきこと」ベースでKPIを設計する。
例)
- 先輩の商談に月10件同行し議事録を作成する
- 月5件のアポを自分の力で獲得する
- 月間売上100万円以上のクライアントを月に1社生み出す
事実、段階的なKPIを立てたことで成長できたという声も上がっている。
前職の時は大企業の看板で営業していた感覚があり、社名を出せば新規の方でも話を聞いてくれることが多かったです。一方、L&E Groupでは、まず営業先に話を聞いてもらうところから考えて戦略を立て行動する必要があるので、「自分の力で営業できた」と感じやすいなと思います。
最初は上手くできずに苦労する部分もありましたが、できるようになるまで上長が段階的なKPIを設定してくれ、フィードバックをもらいながら成長できました。
違う業界から来て、会社の看板なしの状態でも課題をクリアしていけるような設計になっているので、”個”の力をつけたいと思っていた自分にとってぴったりの環境だなと感じます。
──L&E Group<落ち着いているベンチャー?金融業界出身者から見たL&E Groupの魅力!【営業コンサルタント】>から引用
【仕組み3.成長支援制度の徹底】
同社では成長を支援する施策にも手を抜かない。まず、新卒を迎えた際には3カ月程度のオンボーディング研修を行う。デジタルマーケティングや広告知識・ビジネスマナー・ツール操作だけでなく、マインドセットや論理思考も丁寧にトレーニングされる。

また、成長意欲のある社員に対しては以下のような機会も提供される。
- 書籍・資格取得の費用補助
- 月1回の社内勉強会(Web3、交渉術、法律、情報収集術など)
- 外部講師による講義や社内メンター制度
- さらに、社外パートナーとの1on1で自己認識を深める
知識だけでなく、「考え抜く力」や「内省の習慣」まで、商才の“土台”となる力を構造的に育てていく環境があるのだ。
【仕組み4.情報インフラの強化】
さらには、営業の勘と経験に頼らない、L&E Groupの基幹プロダクトであるASP『Link-AG』で得たデータ・ノウハウを活用した、情報のインフラ整備にも精力的だ。
- 『Call-ASP』
- 『エルトラ』
- 『AD Analytics』
電話での申し込み成果を計測できるコールトラッキングシステム
LINEの友達追加を計測できるトラッキングシステム
広告運用に関するデータ分析を行える業務効率化ツール
さらに近年は、営業スキルの言語化と再現性の可視化を目的に、AIを用いた仕組みづくりも進行中。「属人的な成果」ではなく、「再現できる商才」として次世代に継承する仕組みが構築されつつある。
【仕組み5.複数市場・複数職種の経験によって、着想力を鍛える】
L&Eでは、「できるようになったら次へ」ではなく、「そろそろいけそうだ」と判断されたタイミングで、異なる商材・業界・顧客層のプロジェクトへ次々とアサインされる。
加えて、希望や成長フェーズに応じて職種をまたいだ異動も珍しくない。
実際に、営業から人事へ、エンジニアからマーケティングへと活躍の舞台を変えていく社員もいる。
それによって、「事業全体の流れ」や「価値の届け方そのもの」への解像度が、一気に上がるのだ。
「この商品を売れ」ではなく、「そもそもどんな事業をやるべきか?」──そう問い続ける姿勢が育つ設計が、制度として組まれている。
こうした市場横断・職種横断の経験が、「売る力」だけでなく、“事業アイデアを思いつくための着眼点”を養う最良の土壌となっている。
この5つの仕組みが、「事業を考える力」と「仕組みに落とす力」の両方を育てている。
L&E Groupの若手が成果を出すのは、“個がすごい”からではない。
考える機会と、仕掛けるチャンスが構造として組まれているからこそ、商才が育つのだ
L&E Groupで花ひらいた20代若手の商才事例
では、L&E Groupのなかで20代若手がどのように“商才”を発揮しているのか──
ここからは、具体的な事例を通して実態を見ていく。紹介するのは、21卒の新卒社員3名(藤井氏、釘宮氏、佐藤氏)の実例だ。
取材を基にFastGrowで作成
藤井氏(21卒)の事例|新規事業を0から立ち上げるプレイングマネージャー
<経歴サマリー>
- 大阪大学工学研究科地球総合工学専攻
- 2021年新卒としてL&E Groupに入社
- 入社後は、広告主営業コンサルタントとして新規顧客開拓・既存顧客コンサルティング業務に従事する
理系大学院からのキャリアスタート。藤井氏がL&Eを選んだのは、「事業を自分でつくりたい」という強い意志があったからだ。
入社後は営業部に配属され、1年目から社長直下の部下としてアサインされた。日々の業務では、社長から直接フィードバックを受けながら、広告主向けの提案から戦略立案・実行までを一気通貫で担当。マーケット構造や施策設計を読み解く力を、現場で徹底的に鍛えていった。さらにその後は、役員新山氏のもとで、メディア営業も経験。
その後、彼が責任者として任されたのは、L&E Groupにとっても新領域である不動産市場の新規事業。
まだ確立された勝ちパターンもなく、すべてが手探りの中、藤井氏は「この領域でどう勝てるか」「どのチャネルが最適か」を自ら構想し、営業・サービス開発・広告設計・マーケティングまで全方位を自走。すべての意思決定を自分で担いながら、実行に移し、成果を出し始めている。
「いちメンバーとして動くのではなく、自分が中心になって事業をつくる」──その想いと実力を重ね、“商才”を実践した事例の象徴といえる。
釘宮氏(21卒)の事例|“営業→人事”へ異動し、採用戦略をリード
<経歴サマリー>
- 九州大学大学院工学府化学システム工学専攻
- 2021年新卒としてL&E Groupに入社
- 入社後は、メディア営業コンサルタントとして新規開拓やプロモーション施策の検討/展開支援などに従事する
入社1年目は、Webメディアへの広告提案やプロモ設計を担う営業コンサルタントとして活躍していた釘宮氏。
顧客や媒体に対して「どの訴求なら刺さるか」を考え抜く日々が続く中、突如異動辞令が届く──新卒採用責任者として、人事部への転身だった。
驚きはあったが、釘宮氏はこの異動を「商品が企業に変わっただけ。顧客に届ける考え方は同じ」と再定義した。
営業時代に培った「情報収集」「顧客視点」「マーケ設計」のスキルを転用し、採用戦略の企画・広報・選考設計を一気通貫で構想・推進。
実際、彼は「ビジネス総合力を身につける環境」という採用ブランディングを再定義し、エージェント・メディア・イベント・自社直応募など多チャネルを設計。新卒応募は年間1万人を突破した。また、人材要件の再設計から3daysインターンの開発まで、8ステップで構成された選考フロー全体を構築しなおした。
採用を“マーケティング”として捉えるだけでなく、“事業設計”として捉えるその視点は、彼の中に芽生えた別軸の商才である。
佐藤氏(21卒)の事例|エンジニアからの越境で起業へ──構想・実行・拡大の全工程を経験
<経歴サマリー>
- 慶應義塾大学経済学部在学中からL&E Groupの長期インターンに参加
- 2021年にエンジニアとして新卒入社
- 入社後は、エンジニアとしてシステム開発/改修に従事する
エンジニアとして入社した佐藤氏は、1年目で自社システムの開発や改善を担いながら、2年目には自ら希望してマーケティング領域へとキャリアチェンジを果たす。
マーケティング部に移ってからは、膨大なデータを読み解きながら、毎日のように改善仮説を立てては施策を実行。数字に対する敏感な感覚と、エンジニア時代に培った“バグを潰すように施策を磨く”思考が、マーケにも活きた。さらにその後は、新規事業のプレイングマネージャーとして活躍。
システム開発→広告制作→施策運用→改善──。
広く実行に関わってきた彼は、いま“自分の仕組みで事業をつくる”ために、起業の道を選んだ。
これらの3事例は、「優秀だったから偶然うまくいった」のではない。彼らが歩んできたプロセスには、自分で構想し、伸び続ける事業の仕組みを設計し、やりきるという一貫した軸がある。
すなわち、それこそが「商才」であり、L&E Groupが“鍛えようとしている力”の実体なのだ。
“商才育成企業”となるべく進化してきた10年
ここまで読んできて、L&E Groupがなぜ若手を“商流そのものを着想、設計し、実行できる人材”として育てようとしているのか──その輪郭が少しずつ見えてきたはずだ。
では最後に、“どうしてL&E Groupは若手が活躍できる構造をつくったのか”。企業の根源にある考えにスポットライトを当てていこう。その背景には、L&E Groupが10年以上かけて進化させてきた事業戦略の変遷がある。
・創業期──信用を得るために、まず“売上”を追ったフェーズ

取材を基にFastGrowで作成
まず、2011年設立当初、同社は「赤字になってでも市場を取りにいく」方針でスタートした。
その背景として、L&E Groupが創業した当時、広告の世界には“古い常識”がたくさんあった。
たとえば、企業(広告主)が広告を出そうと思ったら、まず代理店と契約し、「初期費用」を払って、ようやくスタートラインに立てるような流れだった。さらには、それが一社にとどまらず複数の代理店が介在することで、最終的にメディアに届く報酬が大きく削られる構造になっていた。
そして、広告を掲載する側──いわゆるWebメディアやWebマーケター(=アフィリエイター)たちは、成果が出ても報酬の受け取りまでに時間がかかり、しかも報酬の一部は代理店に手数料として取られていた。
広告主にとっては始めるまでが高くつき、メディアにとってはもらえるお金が減り、手元に届くのも遅い。
誰もが「面倒だな」と感じていたが、それが業界の“常識”だった。
そんななか、L&E Groupはこの構造に真っ向から挑んだ。
広告主には初期費用を求めず、メディアには成果が出た翌日に報酬を支払うというスピード感を実現。代理店を挟まずに、広告主とメディアを直接つなぐモデルをつくったのだ。
当然、リスクもあった。最初は赤字を覚悟しての挑戦だった。
でもその分、「この会社は信用できる」と思ってもらいやすく、着実にシェアを広げていった。L&Eは、広告業界の“当たり前”を疑い、仕組みを根本からつくり直したのだ。
即日お金がもらえるバイトアプリが人気ですが、実は当社もお金を早く支払うことで成長した企業です。最短翌日払いの対応をしたことで、資金ニーズがあるメディアは他社より優先して使ってもらえることに繋がった。当初は借入をせずに内部留保だけでやっていましたが、ある会社の売上が伸びすぎて、この…
— 川合幸治@L&E Group代表取締役 (@kawaikoji) February 18, 2025
・成長期──短期の売上より、長期の利益へと舵を切ったフェーズ

取材を基にFastGrowで作成
急速な成長を遂げた一方で、当時の主戦場であったD2C市場(化粧品や健康食品などの通販商材)は、次第に変化していく。
競合プレイヤーが急増し、価格競争が激化。広告単価は下がり、利益率も大きく落ち込んでいった。 さらに2014年頃からは、薬機法や景表法といった広告規制が厳しくなり、訴求表現の自由度も制限されるように──。
「このままでは、たとえ売れても儲からない」
そう判断したL&E Groupは、2019年頃より、利益率が高く、長く顧客と関係を築けるブルーオーシャン市場へと、事業の軸を移していく。
金融・不動産・BtoB領域など、単価が高く、規制も明確な“持続可能な市場”を選び、ポートフォリオを大胆に入れ替えたのだ。
売上は一時的に落ち込み、離職もあった。だがそれでも、「長く勝てる構造」を優先した。 この判断が、次のフェーズへの扉を開いたのだ。
・現在──斬新な「着想」×「仕組み」で儲け続ける人材を育てるフェーズ

取材を基にFastGrowで作成
創業期・成長期を経てきたL&E Groupが今、本気で取り組んでいるのは、「商才ある人材を、どう増やすか?」という問いだ。
その背景には、「ただ売れる仕組みを持っているだけでは、もう通用しない」という危機感がある。重要なのは、「どこで戦うか」を自分の目で見つけ、「どう勝つか」を自分の頭で組み立てられるか。
たとえば、単に「この市場が伸びているから」と乗るのではなく、「この市場で、どんな顧客に、どんな届け方をすれば、伸び続けるビジネスがつくれるか?」──そんな視点を、1年目の若手ですら持つのがL&E Groupだ。
事業戦略も、営業も、マーケも、「成果が出る再現性」に基づいて組み直されている。そして、その構造を動かすだけでなく、自分で“考えて、仕組んで、実行する”ことが求められる環境があるのが同社なのだ。
L&E Groupがこだわっているのは、テンプレート通りの動きではない。「どんな市場で、どんな仕掛けをすれば面白いビジネスになるか?」という問いそのものを立てられる人材育成にこそ、全リソースを注いでいると言っても過言ではない。
“ありもの”の事業をなぞるのではなく、まだ誰も注目していない商機を見抜き、独自の角度から切り込む。
繰り返すが、そうした“ビジネスモデルの発想”そのものをつくれる力まで含めて、L&E Groupは「商才」と定義している。
こうして同社は、「売上重視」→「利益重視」→「伸び続ける仕組み重視」へと、10年以上かけて進化してきたのだ。直近は、中核であるマーケティング事業以外にも、不動産事業など飛び地のビジネスにも展開を予定している。
いかがだっただろうか。
どこで勝負するか。どう勝つか。その両方を“自分の頭で考え、仕掛け、やりきる”。
そんなビジネスの地力を、本気で鍛えられる環境が、L&E Groupにはある。
商材を渡され、目標を渡され、あとは“やれ”と言われるのではない。市場をどう選ぶか、どんな商機があるかを考えるところから任される。売上を追うのではなく、伸び続ける事業の仕組みそのものを構想する側に立てる。
FastGrow編集部は、これまで数多くの起業家・事業責任者を取材してきた。成果を出し続ける人には、ある共通点があると感じていた。だが、それが何なのか──言葉にしきれずにいた。そんなとき、L&E Groupが語った「商才」というキーワードが、その輪郭をくっきりと描いてくれた。
商才とは、“着想力”と“設計・実行力”の掛け算である。
誰もが気づいていない市場に目をつけ、ビジネスモデルを考え抜き、伸び続ける流れを自分の手でつくる。それを何度でも繰り返せる力──それが、L&E Groupが育てようとしている人材だ。
次回の後編では、同社の役員である新山氏と川合氏に直接インタビューを行い、
なぜここまで商才にこだわるのか?
そして、なぜ若手にそこまで任せられるのか?
その思想と背景を、企業の内側からひもといていく。
こちらの記事は2025年05月26日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
執筆
山根 榛夏
編集
大浜 拓也
株式会社スモールクリエイター代表。2010年立教大学在学中にWeb制作、メディア事業にて起業し、キャリア・エンタメ系クライアントを中心に業務支援を行う。2017年からは併行して人材紹介会社の創業メンバーとしてIT企業の採用支援に従事。現在はIT・人材・エンタメをキーワードにクライアントWebメディアのプロデュースや制作運営を担っている。ロック好きでギター歴20年。
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