「事業、ホントに伸びてるの?」──成長曲線は海老反り!?知られざる一休の“ウラガオ”を覗き見

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インタビュイー
榊 淳

1972年、熊本県生まれ。慶應義塾大学大学院理工学研究科修了後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。米スタンフォード大学大学院にてサイエンティフィック・コンピューティング修士課程修了。ボストン コンサルティング グループに入社し、約6年間コンサルタントとして活躍。2009年よりアリックスパートナーズ。13年一休入社。PL責任者として宿泊事業の再構築を担い、14年副社長COO就任。16年2月に創業社長・森正文氏の退任に伴い社長就任。

植村 弘子

2001年新卒でエスビー食品株式会社に入社。コンビニエンスストアチェーン本部セールス 兼 PBブランド商品企画を担当。2006年10月より26番目の社員で株式会社一休にジョイン。2006年にローンチした一休.comレストランのセールス、一休.comのセールス等を経て、カスタマーサービス部門でコールセンターの立ち上げ、改革を実施。2016年4月より執行役員CHROに就任、2016年7月から現職の執行役員CHRO管理本部長。

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「そのプロダクトって、今話題のあの会社だよね」

「代表だけ知ってる。最近、資金調達をしたところね」

「たしか、組織制度がユニークなんだよね」

読者も経験ある何気ないやりとり。果たして、これらはその会社を本当に「知っている」と言えるのだろうか──。

FastGrowの答えは「否」。それは単に「知っている気になっている」に過ぎないのではないだろうか。では、真にその企業を知っている状態とはどういうものを指すのか?

少なくともFastGrowにおいては、“事業や組織における意思決定の裏にある、経営陣の価値観や人となりを理解すること”が重要ではないかと考える。

「しかし、そんな情報は表には出ないし、知りたいと思っても簡単に得られる情報ではないだろう」。そんな声が聞こえてきそうだ。

だったら、我々に任せてみないか?FastGrowが「ここは」という企業の経営陣を訪問し、いわゆる“オモテ”から見えている情報と、その“ウラ”にある実態にどれだけのギャップがあるのかを突き詰めていこうと思う。

そんなことをキッカケにスタートした企画がこれだ。題して、『ウラガオ』。

FastGrow読者にも知られていない、あの企業・あの経営陣の魅力。言うなれば、ギャップ萌えする様な知られざる魅力について、余すところなくお届けしていきたい。

第1回の登壇者は、株式会社一休で代表取締役CEOを務める榊 淳氏、そして同社で執行役員CHROを務める植村 弘子氏の両名だ。読者もご存じの宿泊施設、レストラン、スパの予約サービスのほか、ギフトチケットの販売サービスなども手掛ける同社の知られざる“ウラガオ”に、FastGrow編集長のジョニーが迫った。

  • TEXT BY WAKANA UOKA
  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
  • EDIT BY TAKUYA OHAMA
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【FastGrow限定公開】
一休の雰囲気が掴める動画版も公開中

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DAY1から感じた、榊氏の違和感。
「なんで、そんな無駄なことやってんの?」

「昭和感あふれる、地味な企業そう」「事業が伸びてなさそう」「優秀な人がいなさそう」。一休と聞いた時に、FastGrow読者が抱くであろう同社の“オモテの顔”のイメージは、このようなものではないだろうか。

ジョニー今日は、お二人と話す中で、これらのイメージをひっくり返す一休の“ウラガオ”が見えてきたらいいなと思っています。そもそも、社名が漢字というところから一昔前の企業イメージを想起しますよね(笑)。実際のところ、“オモテの顔”に挙げたような点について何か言われることってあるんでしょうか?

植村あるある。ありますよね。

あるある。

ジョニーそれって、お二方はどう感じられているんですか?

植村もちろん最初は抵抗していました。「そんな風に思われて残念だなあ…」って。「社名も横文字にしてみようかな?」とか、色々考えたんですけど、一周回って「もう表のイメージに振り回されずに、秘密の会社で良くない?」みたいな。なので、今日は一休の“本当の顔”がバレちゃう!?みたいな感じで楽しみです(笑)。

次に、一休のCEOである榊氏が、外部コンサルタントとして一休に関わり始めた2012年当時の印象を振り返る。

初めて一休のオフィスに来たときの印象は、“郵便局”です。机の並びとか雰囲気とかが、郵便局っぽかった。おっしゃる通り昭和感があふれていて、「この会社、地味だなぁ」と。

ジョニー実際に昭和っぽかったと。それが変わったのが、榊さんが代表になられてからですか?

今も昭和っぽいところはあるかもしれないけどね。

植村いや、でも変わった。スーツからビーサン(ビーチサンダル)くらい変わった。それまで、うちの会社ってデスクトップPCしかなかったんですよ。当時、私は営業だったんですが、営業に行くのにノートPCを持っていかない文化だったから、ものすごい量の資料を印刷して、めちゃくちゃ大荷物で行ってたんですよね。

信じられないでしょ?

ジョニーそれっていつのお話ですか…?(笑)

榊・植村2012年です。

植村夜中に大量に資料印刷してね(笑)。

もうね、バカじゃないのって。

植村あはは!(笑)。

それで、デスクトップPCを全部やめて、ノートPCに変えたんです。「資料もパソコンの画面上でお客さんに見せればいいんだから、わざわざ印刷する必要なんてない」と、入社してすぐに提案しました。「なんでそんな無駄なことやってんの!」って。

植村ありましたね。

あと何があったかな。ああ、そうだ。当時はみんな仕事のスケジュールを紙でチェックするって感じだったんです。でも、「いやいや、俺はスマホでスケジュール見たいんだけど…」って思うじゃないですか、ふつう。だって朝起きて、今日はどんな予定があるか分からないってめちゃくちゃ不便でしょ。だから、僕がジョインしてからは即座にスマホで予定を見れるようにしました。……ジョニーさん、ドン引きしてますよね?

ジョニーいやぁ…繰り返しますが、それ2012年のことなんですよね?

そうですよ。東証一部に上場していて、時価総額も数百億円ついている企業の話です。

ジョニーしかもWeb系の、ベンチャー企業でのお話ですもんね。

そうです。

そんな昭和感あふれる一休。2013年には榊氏が代表になり、“スーツからビーサン”ほどの大変身を遂げたのは、先ほどの植村氏の発言の通りだ。そして、その大きな変革の一つが成果主義への移行だったという。

[一休のウラガオ]

昭和感あふれるイメージの一休だが、榊氏がジョインした2012年以降は一気にデジタル化が促進されていた!?

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「20歳のメッシでも皆パスを回すし、結果に応じた報酬を渡すよね?」

表から見える一休の印象に違わず、実態はたしかに“昭和っぽい会社”だったという同社。しかし、この榊氏が2012年に外部のコンサルタントとして、そして2013年以降は一休代表として社内を大きく変革していくことになる。この章では、その中でも読者のイメージを大きく覆すことになる、成果主義への移行について切り込んでいこう。

ジョニーそんな一休ですが、社名も漢字でね、確かに昭和感にあふれてはいるんですが、僕が読者に伝えたいのは、「一休って成果を出した人にはきちんと報いる、チャンスにあふれた会社なんですよ」ってことなんですよね。

植村ありがとうございます。この成果主義の話になると、いつも榊さんはメッシの話を出してくるんですよね。

ジョニーサッカー選手の?

そうそう。うちはインターネットの会社なんで、100人みんなが優秀じゃないといけないっていうより、「メッシの様な飛び抜けて優秀な人材が一人いたら勝てる」みたいな構造があるわけなんですよ。

サッカーの場合だとメッシは文字通り一人ですが、うちの場合は“デザインのメッシ”とか、“UIを決めるメッシ”とか、“オペレーションを決めるメッシ”とか、いろんなメッシがいるんです。だからかもしれないですね。成果を出した人には徹底的に報いるカルチャーがあります。

植村私たちも別に成果主義をつくろうとしてたわけじゃなくて、理にかなっていることをやったら結果的に成果主義になったっていうだけなんですよ。そしてこのメッシの話で印象的だったのが、「メッシが二十歳だったとしても、ボールを渡すでしょう?」って例え。「『あいつ、二十歳だし最近入ったばかりだからボールは渡さない』、とかないでしょ?」って榊さんに言われて、「確かに!」って思って。

ジョニーその通りですね(笑)。

植村でしょ?で、「そのメッシがゴールを決めてチームが勝ったのに、『二十歳だから安い値段で頼むわ』とか言わないでしょ?」って。

ジョニーあー、わかりやすいですね。

植村そうなんです。で、その通りだなと思って、「じゃあうちの会社のメッシは誰で、どういう風にしたらメッシに報いる形になるんだろう?」って考えていった結果、行き着いたのが成果主義だったっていうだけなんです。

ジョニー確かに。一休には「プロとして仕事しようぜ」っていう雰囲気をすごく感じます。

あると思いますね。大切なのは、「本当にがんばった人が報われる会社とは?」ということを徹底的に考えることなんです。これ、言うのは簡単なんですけど、非常に難しくも大事な概念なんですよ。

僕はこれまで一休以外のさまざまな会社も見てきてますが、表向きは整った人事評価制度でも、経営者の頭の中では「いかに人件費を抑えるか」という点に軸足が置かれた制度になっていたりするんですよね。うちはその観点は本当にない。植村さんどう思う?

植村ないですね。

そうだよね。例えば、等級制度ってあるじゃないですか。グレードが1から8まであって、さらにそれぞれのグレード毎に10段階に分かれていますみたいな。それって、「グレード8の中の1番上までいくのに何年かかるんですか」って思いません?で、これを「成果主義だ」って言っている会社もあるわけです。僕からすると、摩訶不思議だなと。

年功序列的というか、儒教の教えか何かはわからないですけど、世の中には暗黙の了解として脈々と引き継がれている、価値観や慣習みたいなものがあります。そうした考え、僕は「この一休という会社にはそぐわないんじゃないかな?」と思うので、外資系コンサルティング会社みたいに、成果さえ出せればバンバンバンってポジションも年収も上がっていく形に近づけました。

ジョニーそうした評価制度はどのタイミングで取り入れたんですか?

前社長の時代に主張しています。でも、成果主義は年功序列ほど万人受けしないので、すんなり受け入れられる人と「それはちょっと…」と懸念を示す人が出るんですよ。

だから、人事制度を僕がつくって発表して、社員みんなでその是非について投票してもらったんです。経営陣の勝手な変更だって思われるのは不本意だったので。そしたら、賛成の人が多かったので今日の成果主義が採用されたというわけです。社員の総意で選んで決めたっていう感じですね。

植村私も投票しました。今と違って営業ポジションの時でしたが、「絶対その方が未来あるでしょ、おもしろいでしょ」って投票した記憶があります。

ジョニー営業も相当ドラスティックに評価が変わりましたか?

最初は、“◎、◯、△”と評価を3つに分け、組織全体でちょうど1/3ずつこれらの評価が割り振られる様な、相対評価方式をとっていました。

植村やりましたね。

これって結構大変なんですよね。組織でどれだけ頑張ってくれていても、1/3の人には「あなたは△。今一つです」って言わなくちゃいけないわけですから。

植村でも榊さんの説明はわかりやすかったです。「例えば受験のときって、どんなに自分が頑張っても、上にもっと頑張っている人がいたら落ちるでしょ。それと同じだよ」って。そうだよなって思いました。

理屈はわかるが、絶対評価ではなく相対評価で判断される成果主義の場合、社員同士がギスギスしてしまうのではないか。そんな疑問を、ジョニーがぶつける。

ジョニー一つ思うのが、成果主義の会社って、なんかもっと殺伐としないかなってことなんですよね。別に僕がいろんな成果主義の会社を見てきているわけではないんですが、一休はゴリゴリの成果主義なのに、社風がアットホームですよね。

植村殺伐感はないね。

何だろう、あまり人の足を引っ張る人はいないよね。

植村いないですね。

ジョニー確かにそうですよね。お二人はご存じかと思うんですが、実は僕の中高時代の友人が何年か前にたまたま一休に転職してて、今メチャクチャ楽しそうに働いているんですよね。というのも、前職時代はむしろ一休と真逆のような会社にいたのか、あまり楽しそうには見えなかったんです。

もちろん運良く彼には一休がフィットしたという話ではあると思うんですが、生き生きと働いてる彼の姿を見て、一休って凄いなと感じたんですよね。

徹底した成果主義を敷きながらも、社風はアットホーム。一見すると相反する要素を兼ね備えている点こそが、一休の魅力なのだ。

[一休のウラガオ]

昭和な企業=年功序列なイメージだが、デジタル化の促進と共に、外資系企業のような成果主義も取り入れられていた!?

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「榊さんはメンバーと同じテーブル、同じ席で次の一手を生み出してる」

さて、ここからは「一休の事業は伸びているのか?」という疑問をぶつけてみたい。はやい話、「伸びてなさそう」なイメージがあるからだ。しかし、蓋を開けてみると実際はこれまた真逆。2013年に榊氏が代表に就任して以降、紆余曲折がありながらも右肩上がりの成長を続けているとのことだ。

いや、そこは僕が社長になったからじゃなくて、たまたま入社したタイミングで伸び始めただけですけどね(笑)。

ジョニーそのタイミングで、どんなところが変わったんですかね?

うーん。どう話そうかな、難しいですね。すごく簡単に言うと、インターネット系のビジネスって、伸ばすにはクライアントサイドをよく見なくちゃいけないんですよ。例えば、うちが高級ホテルの商品の仕入れをしていて、他社にはそれがないとしたら、このビジネスは勝てますよね。

ジョニーはい、商品に差別性がありますもんね。

そう。で、以前は楽天さんがビジネスホテル、じゃらんさんが旅館、うちが高級ホテルって感じで棲み分けがされていたんですよ。でも、僕が入った2012年には、楽天さんでもじゃらんさんでも高級ホテルの商品を売ってたんですよね。

そうなると、クライアントサイドとのリレーションシップを高める営業を頑張っているだけでは差別化ができない。なので、ユーザーサイドから見た時のサイトの見た目や予約のしやすさだったりと、今でいうユーザーエクスペリエンスを全て変えていかなきゃいけないんです。

って言うとそんなの当たり前に聞こえると思うんですが、やはりそれぞれの会社にはそれまでの経緯で脈々と受け継がれてきた遺伝子があります。店舗向け営業で伸びてきた会社はやっぱりそこが強いとか、Googleはやっぱり広告に強いとかっていう、個社ごとに核となる気質や特徴があるんですよね。

なので、クライアントサイドにあたる店舗営業で伸びた会社は、ユーザーサイドであるコンシューマー向けの営業活動があまり得意ではない。なので、一休ではそのシフトチェンジを僕がガッとやったって感じです。

植村榊さんは、初めは外部のコンサルタントとしてうちに入ってきてくださってるんですけど、その時から既に宿泊事業の責任者を務めていたんですよね。

そうそう。

ジョニーそれはどういう関わり方だったんですか?

ちょっと分かりにくいかもしれませんが、2012年頃の一休は正直、事業が伸びていませんでした。そこで、当時の僕は外部のコンサルタントですから、前社長から「榊君、一休のこの事業を伸ばせる?」って聞かれるわけですよ。

で、「伸ばせるかどうかは分からないけど、伸ばせる可能性は十分ありますよ」と答えたんです。すると、「じゃあ、やってよ」となりますよね。私は「やってもいいですけど、事業責任者としてすべての権限をいただきますよ。戦略やチームアサインも全て僕が決めます。いいですね?」と伝えたところ、「はい、どうぞ」となった。そんなこんなで、当時の宿泊事業のメンバーからしたら僕がいきなり外から全権を持って入ってきた上司となったわけですよ。

植村当時、私は榊さんチームの営業だったんですが、もうそれまでの仕事のやり方から何から全否定されました(笑)。でも、楽しかったんですよね。「クライアントへのアプローチの仕方をこう変えたらいいよ」とか「KPIとしてここの数字をちゃんと見た方がいいよ」とか言ってもらえて。

それに、私たち自身はダメだと思っていたところを「ダメじゃないよ」とフォローしてもらえることもあって。すべてのフィードバックがとにかく分かりやすかった。

榊さんが一休に入ってきたスタートの時期だけ、私たちとの関係性って外部のコンサルタントと顧客っていう感じでしたが、すぐに今と変わらない接し方になりましたよね。

変わらないね。

植村榊さんって、海外の有名大学を出て外資のコンサルタント経験が長くって、経歴だけ見るとちょっと怖そうじゃないですか(笑)

えー、そう?

植村でも、意外とそんな感じじゃなかった。榊さんは自分のことだからわからないかもしれないけど、一休では社長室がなくて榊さんもメンバーと同じフロア、同じテーブルの席に座ってるし、そこでみんなとわちゃわちゃ笑いながら仕事をしてるっていう面白い社長なんですよね。しかも、フロアの中で1番声が大きくてね(笑)。

そして、そこでの雑談の中から「こういうことやろうぜ」みたいなことが決まっていったりするんです。そこは意外がられますよね。

榊氏は「たまたま事業が伸びているタイミングでジョインしただけだ」と交わすが、彼がジョインしてからは今で言うDXや、成果主義への移行などさまざまな変革が成されてきた。

また、詳しくは後の章で語られるが、柱となる宿泊事業が急成長を続けていたが故に、世間の目を引くような新規事業に手を伸ばす必要もなかったというわけだ。

[一休のウラガオ]

2013年、一休は海外大卒→外資系コンサル出身の代表にチェンジ。

経歴からはゴリゴリのビジネスプロフェッショナルに見えるも、その実は社員とわちゃわちゃしながら事業を創るフラットな経営スタイル。

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「リピート率を上げる?それって誰目線の会話なんだっけ?」

ジョニー植村さんのおっしゃる通り、榊さんて本当に経営者っていうより、一休のいちメンバーみたいにフロアに溶け込んで皆さんとやりとりされていますよね。

そうですね。やっぱり事業のアイディアってラフなディスカッションの中で生まれるものが多いです。

特にコンシューマー向けのプロダクトに関しては、会議室で堅い顔してうんうん唸っているより、日常の何気ない会話の中から見出していくというスタイルの方が合っているんじゃないですかね。そういったカルチャーもあってか、うちは本当にユーザーファーストな視点を大事にしていると思いますよ。

でも一般的には経営陣って、どうしても「どうやって“数字”を上げるのか」を話していることが多くないですか?

ジョニーそうですね。多いと思います。

ですよね。でも、それってあまり本質的じゃないんですよ。「どういうことをしたらお客さんがもっと喜ぶかな」っていう論点は、「どうやって数字を上げるのか」とはもうまったく別の論点ですから。前者と後者とでは、話している人の目つきが違うでしょう。一休の人たちは経営陣含め、あまり後者の話をしないのが特徴かもしれないですね。「数字は結果だからね」、みたいな。

一般的に経営者になると投資家との会話が生まれるわけですが、そこでの話って全部数字なんですよね。なので、時価総額を上げたい経営者は部下とのやりとりにおいても、まるで投資家と話している時のように数字ベースのマインドになってしまっているんです。例えば「リピート率をもっと上げるぞ」とか言ってね。でもそれって健全じゃないというか、お客様ではなく自分たち中心で物事を考えてしまってるんですよね。

じゃあ一休はどうかというと、もっと意味不明なディスカッションをしています(笑)。「ここのボタン、こんな風にしたんだけど、どうかな?」「わあ、いい~!」みたいな(笑)。数字だけを見ている人からすると、「それって何の意味があるんだ」っていう内容なんですが、お客様に向き合うサービスの本質って、どちらかというとこっちかなと思いますね。

ジョニーそういうことですね!いやぁ僕が知ってる一休らしさが出てきました(笑)そしてこの話の流れでお聞きしますが、これまではメインの事業が伸びているから新規事業にはあまり着手されてこなかったとの事ですが、ここ最近の状況はいかがですか?

5個ぐらいあるんじゃない?

植村今すでにやっているのは5個ぐらいですね。これから始めようとしているのもいくつかあります。

ジョニーなるほど!ではここからは一休の新規事業の様子や、誰がどのようにその事業を担って推進していくのかなどについてもお伺いさせてください。

[一休のウラガオ]

事業の数字は結果に過ぎない。経営陣においても最重視することは、“ユーザーファースト”。

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「事業に対するアドバイス全無視よ?マジで面白いよね(笑)」

さて、話は一休の新規事業へ。それと同時に、同社に対する「優秀な人がいなさそう」というオモテの顔に対する実態にも迫っていこう。

ジョニー一休では新規事業のアイディアって、どうやって出てくるんですか?

社員から出てくることもありますし、経営陣で話して「こういうことをやった方がいい」とアイディアを出し、やりたい人が挙手してくるケースもあります。

一休では新規事業の話をすると、ものすごい手が挙がるんですよ。基本的に既存事業との兼務となりますから、取り組んだところで自動的に給料が上がるわけではないんです。それでもこれだけ手が挙がるのは、新しいことに挑戦することを自分の成長のオポチュニティーと捉えているからなのかもしれません。

植村「その新規事業そんなに上手くいくかなぁ」って私たちが思っても、本人が「絶対やりたい!」って言うときには、「1回お任せしてみよう」となりますね。

これね、ある社員が「俺、これやりたい」って何回か経営陣の前でプレゼンしてきたんです。こちらが「わかったわかった。君がそんなに言うならやってごらん」って言って、予算や赤字の許容ラインを伝えて、着手したんですよ。

そしたら、事あるごとに「アドバイスをくれ」って言うんですね。で、こっちは一生懸命にアドバイスをするんですけど、その彼、そのアドバイスを全無視ですからね(笑)。マジでおもしろいんですよ。

ジョニーえー!(笑)

植村YADOLINK(ヤドリンク)』の話ですね。

彼は強いよね。マインドが強い、折れない。上手くいこうがまずくなろうが、「全責任を取るのは俺なんでしょ」って思ってるんですよね。だから、僕らが言ったことを全部無視されるのは、我々がいいアドバイスをできていないってことですから。

植村そう、私たちが反省しなきゃいけない(笑)。でも、苦労しながらも生き生きとやってますよね。

ジョニーそうした優秀な方は中途で来られる方が多いんですか?

植村両方ありますが、うちはそもそも新卒が少ないんですよ。他社の新卒採用みたいに大々的にやっていないので、年間を通して0名とか1名とかです。ただ、その数少ない新卒入社で一休を卒業していった人たちが、最近続々と戻って来てくれてて。

ジョニー出戻りが多い?

植村そう。今、榊さんの隣に座っている女性は、8月1日に戻ってきてくれた元新卒です。

彼女、僕と入社時期が近くて同期らしいよ(笑)。僕は中途で彼女は新卒でね。確かうちには6〜7年いたよね?そこから3〜4年ほど外に出て戻ってきてくれた。

ジョニーその方は、一休を出てからはどこでどんな経験を積んで戻ってきたんですか?

植村新卒入社後は宿泊事業の営業を私と一緒にバリバリやってて、営業の極意も教えたりして、もう本当に楽しくてね。

でも本当に優秀な方だったから、私からある時、彼女に「5年経ったら一休を辞めて、GAFAとかに行って経験積んだ方がいいよ」って言ったんです。その時はちょうど二人で目黒駅を歩いていた時で、たまたまAmazonのオフィスが近くにあったから、「あなたはAmazonとか入った方がいいよ」って(笑)。そうしたら、5年経って、本当に「Amazonに行ってきます!」っていうね。

ジョニーすごい。。

植村で、Amazonを経て戻ってきたんです。もうそろそろいいんじゃないかなと思って連絡して、4時間くらいご飯を食べながら喋って。そこで「そろそろ一休に帰ってきて」って言ったら、「わかりました!」って言って帰って来てくれたんです。もうその時はほんっと嬉しかったですね。

そうだよね、本当にありがたい話。

ジョニーこれ、「Amazon行った方がいいよ」みたいに、なかなか言えなくないですか?優秀な人ならふつう、自社から出て行ってほしくないじゃないですか。

榊・植村いやいや。

やっぱり、適材適所は“世の中サイズ”で考えた方がいいですよ。長期的に見たら、そっちの方が会社にとってもプラスになるでしょうし。やっぱりね、外に出て戻ってきた人は、我々とは少し違う視点を持っていて、そこがいいですよね。

植村入った日からめちゃくちゃ高い視座感を持ってスタートするんで、周りへのポジティブな影響が大きいんです。みんなすごく刺激を受ける。

ジョニーやっぱり、一休はすべてが本質的なんですかね。

そうですか?他は違うのかな。

植村わかんないんだよね、自分たちではね。

ジョニー僕が聞いた話ですごく好きなのが、「植村さんともう1回仕事をしたいから一休に戻らせてくれ」って言って、「給与なんていらないので」って言ったら、植村さんに怒られたっていう話。

「あなた、パワーアップしたんだからむしろ前より払ったるわ!」って。「いいの?安くて」じゃなく、ちゃんと正当な評価をきちんとする。

植村でも、それってふつうだと思うんですよ。

当然、「その分リターンを出してね」っていう話でもありますしね。

植村はい。「いや、優秀で活躍してるんだから、ちゃんとお支払いしようよ」って、当たり前のことですよね。その当たり前のことに逆らわないだけですよ。

ジョニーそうですね。やっぱり全てに一本筋が通ってますよね一休は。

[一休のウラガオ]

「優秀な人材がいなさそう…」にみえる一休。蓋を開けてみれば、起業や大手外資を経て出戻り続出!?

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「一休にとってメリットがあるか?そんなの自分勝手な視点だよ」

編集長ジョニーは、これまで一休と関わる中で受けた印象について、「パートナー含め、周りをハッピーにしていく会社」だと述べた。その例として挙がったのが、ある女子学生との話。読者もこのエピソードを聞けば、一休の人となりを十二分に掴むことができるはず──。

ジョニー年明けに榊さんにもご登壇いただいた、我々FastGrowのイベントを見てくれていた学生さんが、「一休の話をもっと聞きたい」と直接御社に連絡をしてこられたんですよね。

植村そうそう。就活生でもない19歳の大学2年生の方で、まずは私がオンラインで話したんです。そうしたら号泣されて、「どうしたの?」って聞いたら、「コロナ禍の影響で、せっかく大学に入ったけど学生生活がうまくいかない。外にも出れなくて、『私どうしたらいいんだろう』と思って…」と想いを打ち明けてくださって。

「『こんな大変な時期でもみんな頑張ってるから、私も頑張らなきゃ』と思ってFastGrowのイベントに参加したら、榊さんが話してて。それで『この会社、面白そうだ』って思って連絡してみたんです」って言って、画面越しにボロボロ泣いてるの。

ジョニーそんなやりとりがあったんですね。。

植村はい。でもね、私たちに興味持ってくれて、イベントに参加するだけでも一歩踏み出してて勇気あるじゃないですか。しかも、そこから私たちに連絡までしてくれてて。

「一歩どころか二歩以上踏み出してるよ」って言ったら、感極まったのか更に号泣みたいな感じになってね。でも色々喋って、最後には「今日で私、めちゃくちゃ元気出ました!」って言ってくれたんです。

植村で、彼女が「実は近々、東京に行くんです」って言うので、「絶対会いたい、来て!」って言ったら、本当にお土産を持ってきてくれて、2時間くらい色々なことについて話したんですよ。

実際にお会いするととても優秀な方で、私たちにはない面白い発想も教えてくれて、私も「今はやっぱりTikTok?」とか聞いたりしてね(笑)。それで、「4年生になった時にうちの会社に興味を持ってくれてたら、絶対に受けてね」って伝えて、その後も何度かメールでやりとりしていますね。

ジョニーいやぁすごい…僕それが本当すごいなと思うんですよね。だって、その方はまだ就活生でもなくて、一休を受けてくれるのかもわからないのに、そんなに時間を割いたわけでしょう?正直、「その時間の使い方、無駄じゃん」みたいに社内から思われないんですかね?

植村いや、だって、19歳の方がうちに興味を持ってくれるって嬉しいじゃないですか。そこに生産性って概念が出てくること自体が謎ですよね。

ジョニー仮にその方が一休を就職先として受けてくれるとしても2年後で、働いてもらえるのは3年後とかになるのに。

植村その考え方ってすごい自分勝手だと思うのです。「この方がうちの会社にとってどうメリットがあるか」っていう視点で見るからそういう考え方になるんですよね。

それよりも、そもそもこんなに山ほど会社がある中で一休に興味を持ってくれたという事だけで嬉しいですもん。そこから繋がる未来なんか誰にも予想できないし、そこを勝手に私たちの基準で良し悪しを決めつけるなんて面白くない。

ジョニーなるほど。こうしたカルチャーって前々から一休にあるんですか?

創業社長の時から変わらないですね。人を大事にするカルチャーはずっとあります。

ジョニーそれはそういう人を意図的に採用されているからですか?それとも、一休に入ることで、そうした価値観に染まっていくのか。

植村両方ですかね?面接でも人間性は当然見ていますし、加えて、入社後にそういうカルチャーに触れて染まっていく部分もあるんでしょうね。

ジョニーそんな一休では、採用時には人間性も含めてどういう点を重視しているんですか?

職種によります。ディレクター職なら、あるグラフを見せて「あなたが1番好きなサービスは何?って聞いて、「これ、その会社のデータです。なぜこっちが伸びてて、こっちが落ちてるんだと思います?理由を10個言ってください」みたいなことをやったりしています。営業は、また違うよね。

植村そうですね。どちらかというと、「この人、困難にぶち当たった際に逃げない人かな?」みたいなことを判断したくて、私は主にその人のハードシングスを聞いています。いずれはうちで事業責任者を担ってくれるような人に来て欲しいですから。

ジョニーそれで言うと、一休って大々的に採用募集してるイメージがないんですが、「うち、絶賛募集してます!」みたいなことって発信されないんですか?

植村言ってますよ~!地味だから伝わらないんじゃないですか?(笑)。とはいえ、うちは人数を一気に増やすのではなく、一人一人がプロフェッショナルになる少数精鋭の組織づくりをしているので、ドカーンって募集をかけたことはないですね。

ジョニーそれでも優秀な方が入ってくるってすごい。

植村最近はうちのHPから直接応募してきてくれる人が増えてるのが嬉しいですね。そういう人は一休が掲載されている他メディアの記事とかも全部じっくり読みこんだ上で選んでくれている事が多いので、イメージギャップも少ないですし。

ジョニーさんは僕らの事を「周りをハッピーにしていく会社だ」とおっしゃってくださいましたけど、恵まれているのは僕らもですからね。いい人が来てくれるのもそうだし、いいお客さんにも恵まれている。

一休って、新型コロナウイルス感染症の影響が最も大きい産業に属する会社じゃないですか。その中で、おそらく国内で唯一伸びている会社だと言っても過言じゃないと思いますよ。それも、いいお客さんに支えられたおかげですね。

[一休のウラガオ]

採算度外視で“人”に向き合うカルチャー。だからこそ、刺さる人には刺さってる。

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「情報?全て公開しちゃおうよ!その方が皆にとってクリアじゃん?」

ここまでの話を通して、一休の在り方がいかに本質的であるかが伝わったのではないだろうか。「そんな一休はなぜ、本質的でいられるのか?」──。そうジョニーに問われた榊氏。その答えは、「いろんな意味でラッキーなのかもしれない」というコメントだった。

僕らの株主はYahoo!、すなわちZホールディングスが100%で、いつも「一休をいいサービスにしてね。そして、利益も出してね」って言われてます。だから、僕らも「一休をいいサービスにしよう。利益も出そう。そして売上の中からこれぐらいは社員に還元したいよね」って思っているんですね。

「時価総額を高めるためには人件費を下げて利益を出す」って考える経営者もいる中で、僕らには「人件費を下げるぞ」みたいな気持ちがまったくない。こんなこと言うと株主から怒られるかもしれないけど(笑)。世の中の経営者は、もっと大人の事情で苦しんでいると思いますよ、たぶん。

ジョニー周りの方からすると「一休はZホールディングスがいる特殊なパターンだから」と簡単に処理される可能性もあるんじゃないかと思うんですが、いかがですか?

僕自身が他の会社の役員もやっている手前で言うと、多くの会社は経営陣と社員との間に境界線がある感じなんですよね。だから、経営に関する情報もその全ては社員に明かさなかったりする。

でも、一休はその境界線を“会社の外”に引いているんです。つまり、経営陣と社員が同じ境界線の中に立っている。だから、会社のPLからボーナスの決め方に至るまで全部ガラス張りで、情報の透明度が高い。これはうちならではの特徴でしょうね。

ジョニーなるほど。そうした社員と同じ側に立つ、社員と同じ情報を共有するといったスタンスは、榊さんがいるから成り立っているという要素もあるんですか?

植村大きいと思う。CEOの人となりや考え方っていうのは組織にめちゃくちゃ影響すると思っているので。

さっきの情報開示の話でいうと、実は私の方がビビッて、「ここまで全社に情報公開してしまうのはどうなんですかね…?」って榊さんに言ったことがあるんです。すると、「いいよ、しようよ。だって、その方がみんなクリアになるでしょ」って。その瞬間、「そっか、大丈夫なんだ。この人がそう言うなら、じゃあそうしよう!」って思えたんです。

そこからは私も会社の中で起こるさまざまな出来事に対し、躊躇いなくオープンに推し進める事ができるようになって、榊さんのオープンマインドのお陰ですよね。

ジョニーへぇ〜影響力すごいですね!!そんな榊さんでも時には「これはどこまで社内に共有すべきか…」と悩んだりされないんですか?

いや、ありますあります。でも、社内に公開して良いとか悪いとかではあまり迷わないですね。決定プロセスも公開してますし、みんなが平等に知れる方がいいですよね。

植村まずはやってみる。やってみて、修正点があれば次に活かすってことをやっていけば、それが組織の文化にもなっていくと思います。

それこそ、「この人たちはポジティブな事もネガティブな事も全部オープンにする人たちなんだ」って社員のみんなが思ってくれた時と、「この人たちは何か隠しているのかもしれない」って思われた時とでは、組織としての連帯感が大きく変わってきますからね。

先の女子学生の件然り、ここでの社内メンバーとの向き合い方然り、これらステークホルダーとの関係構築においてもとことん、“一休節”が顔を覗かせる。

ここまで読み進めた読者なら、もはや“プロ・一休”と名乗ってもいいかもしれない。それほど同社の“ウラガオ”をがっちりと掴めてきたのではないだろうか。そして最後は、「そんな一休にマッチする人材とは?」「なぜ、榊氏はこの一休で働き続けるのか?」というテーマで締めたいと思う。

[一休のウラガオ]

株主にも、社員にも、とことんオープン。とことんフラット。それが組織にポジティブな連帯感をもたらす秘訣。

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「うちで評価される人は、『評価って何ですか?』っていう人」

先ほどの話の続きになりますが、これまで他所の会社を多く見ている中で思ったのは、世の経営陣は社員をどこかお客様っぽく思っているんだなということですね。

例えばよく「なんとかして社員にモチベーションを上げてもらおう」といった考えを聞きますが、一休ではそういうスタンスを取りません。「仕事のモチベーションなんか自分で上げてよ」みたいな感じです。

植村そうですね。先ほどの境界線の話に付随しますが、経営陣と社員は同じチームの一員で、一緒に並び立つ先にお客様がいる。もちろん、そこへ向かっている途中で仲間が転んだら助けるけど、チームのメンバーに対してそれ以上のお客様扱いはしないですよね。

ジョニー なるほど。いやぁでもそんな経営陣率いる一休で働く人たちって、皆さんやっぱり幸せそうですよね。

植村いやいや、わかんないですよ?

うん。正直、全員が全員フィットする会社ではないですよ。成果主義に合う合わないは絶対にあって、合わない人にとっては厳しいと思います。それに、合う人だって、時にはしんどい想いをしながら歯を食いしばっているんじゃないですかね。

例えば、グレードが2で止まっている人がいて、「どうやったら3に上がれるんですか?」って聞かれても、「その質問をしている時点であなたはアウトだ」みたいな感じで、本人の中で答えを見出すしかない時もあるじゃないですか。

それこそ、好きな女の子に「どうしたら僕を好きになってくれるの?」って質問しないでしょふつう。それと同じ質問をしてるんだと。聞かれる方もつらいものです。でも、その中でもがき苦しむことがその人の成長に繋がり、ゆくゆくは社内外で活躍する人になるんじゃないかと信じています。

植村一定ゾーンを超えると誰もがプロフェッショナルになるから、そういう人たちは「評価って何ですか?」って感じでただただ目の前の仕事を楽しんでいるイメージです。だから評価もトントン拍子に上がっていくんだけど、評価に変動がある人はまだプロフェッショナルの手前で頑張っている感じですかね。

ジョニー そうか。評価を気にせず、目の前の仕事を楽しめる人こそが結果的に評価も勝ち取るということなんですね。

その楽しむという観点で、まさに榊さんにお伺いしたいことがあって、榊さんって、今でも一休で代表を続けているのはそれこそ“楽しいから”なんですかね?

そうですよ。10年前、この仕事が好きだから入って、今も好きだからいるっていうだけです。「美味しいご飯を食べにいくのが好き」とか、「サウナに入ると整っていいよね」っていう感覚と一緒です(笑)。

ジョニー 好きだからこそ、「明日もやろう!」っていうモチベーションが自然と湧いてくると。

うん。あと、社長って基本的には「今日は何をしなさい」って決まりがない職業なんですよね。だから、「このサービスを良くするために自分が貢献できることはないな」ってなったら辛いですよね。そこが多分その会社で活動する終着点だと思うんです。でも、僕はこの一休においてまだやれる事がある。だから、ここにいるって感じかな。

植村良かった(笑)。

ジョニー ということは、事業は既に成長曲線を描いているとのことですが、今後もまだまだ伸ばせる余地があると?

そうです。むしろ海老反っている(笑)くらいの伸び方です。まだまだ成長の天井が見えていません。

また、既存事業のポテンシャルが大いにあるので、これまでは新規事業ってあまりやってこなかったんですよね。でも、最近は「両方いけるんじゃねえか」と感じてきたので、新規事業にも力を入れ始めたところなんです。

ジョニー となると、成長中の一休ではありますが、更なる飛躍を遂げるポテンシャルも秘めていると言うことですね。

いっちゃえると思います。

ジョニー 応援しています!いやぁ今回初の取り組みとして『ウラガオ』を実施させていただきましたが、一休の魅力が盛りだくさんでしたね。この記事を読んで読者に本当の一休の姿が伝わるとFastGrowとしても嬉しいです。

榊さん、植村さん、今日は忖度なしのぶっちゃけトークをありがとうございました!

記念すべき第1回となった一休の”ウラガオ”。冒頭に挙げた「昭和感あふれる、地味な企業そう」「事業が伸びてなさそう」「優秀な人がいなさそう」といった表の顔のイメージが少しでも覆ったのであれば、本企画は成功だ。

「知った気になっている」から「知っている」へ──。本連載企画『ウラガオ』では、今後もさまざまな企業の知られざる魅力を解剖し、伝えていこう。乞うご期待。

こちらの記事は2022年09月30日に公開しており、
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藤田 慎一郎

編集

大浜 拓也

株式会社スモールクリエイター代表。2010年立教大学在学中にWeb制作、メディア事業にて起業し、キャリア・エンタメ系クライアントを中心に業務支援を行う。2017年からは併行して人材紹介会社の創業メンバーとしてIT企業の採用支援に従事。現在はIT・人材・エンタメをキーワードにクライアントWebメディアのプロデュースや制作運営を担っている。ロック好きでギター歴20年。

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