欧米・アジア展開を急加速!日本発・グローバルNo.1ブランドへ、ひた走るバルクオムの大胆・緻密な戦略──CGO清が、世界展開、苦難の歴史とローカライズ手法を語る

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インタビュイー
清 正貴

新卒で株式会社資生堂へ入社、営業企画・マーケティングに従事。その後、株式会社リクルートライフスタイルにて複数に渡るグローバル新規事業立ち上げ・事業開発を経て2019年9月当社参画。2020年1月より取締役CGO(Chief Global Officer)に就任。

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メンズスキンケアブランドのBULK HOMME。Webサイトから製品自体に至るまで黒と白の2色のみでデザインが一貫したクールでベーシックな印象を与えるこのブランドは、2013年事業開始から8年経った今も成長を加速させており、2020年の全製品の出荷総数は290万本にも上る。日本のメンズスキンケアを牽引する存在として幅広い認知を誇っており、読者のあなたや周りで製品の購入をした人が必ずいるはずだ。

さて、運営会社であるバルクオムが、実はこのブランドをグローバルに展開していることをご存知だろうか?それは「近場の国に少しずつ卸しています」といった悠長なものではない。わずか数年で一気にアジア、ヨーロッパ、アメリカに販路を広げ、国別のウェブサイトを作りフランスのプロサッカー選手をアンバサダーとして起用し、化粧品ストアといったリアル店舗での販売まですでに開始している。これらの展開はすべて「世界No.1シェアのブランドをつくる」というミッションのもと並々ならぬ覚悟を持って、本気で取り組んでいる証左なのだ。

今回はそんなグローバルでの仕掛けの現状と未来を探るべく、バルクオムで取締役CGO(Chief Global Officer)を務める清正貴氏に話を聞いた。

  • TEXT BY TOSHIYA ISOBE
  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
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日本からグローバルへ、本気のスタートアップはどこにある?

実はバルクオムは、創業当初から「世界No.1シェアのブランドをつくる」というミッションに基づいて、グローバルで戦う意思を持って事業展開してきた企業だ。アジアから進出を始め、直近では2020年からフランスとイギリス、そして2021年からアメリカでも販売を開始。10以上の国と地域で販売を行い、アメリカのAmazon.comでのレビューではすでに高評価が並んでいる。

BULK HOMMEの製品イメージ(提供:株式会社バルクオム)

そんなグローバル展開を推進する清氏の肩書きはCGO(Chief Global Officer)。そのまま訳せば「最高グローバル責任者」だが、CxOの名称としてはあまり聞き慣れない肩書だ。一体どんな背景で名付けられたのだろうか。

あえてユニークなネーミングをしました。それはバルクオムとしてグローバルの優先順位が高く、グローバル展開を本気でやっていること、覚悟を決めてやっていることを対内的にも対外的にも示したかったという意図を持っています。

日本発の新興企業で、グローバルNo.1を誇っているプロダクトはほとんど存在しません。そんな状況の中、グローバルで成功した実績を創り、社会に対してもよりグローバルに視野を向けた経営をしていくことの重要性を伝えていきたいと思っています。

2019年からバルクオムに参画している清氏。以前は、資生堂やリクルートにてビジネス職としてのキャリアを積んできた。

私が仕事に関して抱いていたのは二つ。一つは、大学時代にアメリカ留学をしていた経験もあって、グローバルを志向した仕事がしたいということ。もう一つは、「事業家」になるということです。「事業家」とは、世の中にあるアイデアをビジネスとして仕立て、具現化し、社会に普及させることができる人のことだと考えています。

新卒で資生堂に入社し、化粧品の業界でマーケティングや営業企画に従事していました。グローバルに事業を担っていくことはできそうだったのですが、事業家への道を考えると「もっと成長角度を高めたい」と感じるようになり、リクルートに転職しました。

リクルートは複数の産業でビジネスを0から作ってグロースすることにとことん向き合っている企業なので、そこで活躍している人たちの当たり前のレベル感やノウハウの質といったことが、それまで触れてきたものと全然違いました。幸い、そういった0→1を創り出すチームに所属することができたんです。事業家への道を前進させることができました。

そうして5年ほど、プロダクトをグローバルに開発、拡大していくという経験をさせてもらい、次のキャリアを考え始めました。頭に浮かんだのは、外資IT企業にいくか、スタートアップにいくかという選択肢です。

私は仕事が本当に好きで、人生の中でも仕事へのプライオリティは高いものだと捉えています。本気で取り組める環境はどこだろうと考えたときに、前者を選ぶと「単なるキャリアがきれいなおっちゃん」にしかなれないんじゃないか、事業家として突き抜けられないんじゃないかという懸念を感じたんです。

海外の本社で「日本に進出し、ローカライズさせよう」と決められて降りてきたような仕事に取り組むよりも、自分が本社のような立ち位置で働きかけ、プロダクトを作ったり、グローバルな視点で事業展開していったりする方が、やりがいを感じ続けられるだろうと思い、スタートアップでのキャリアを選択しました。

スタートアップと言われると、多くの人はソフトウェアといった無形のプロダクトを展開する企業を想像するだろう。だがなぜ清氏は、消費財ブランドを扱うバルクオムで、グローバル展開を手掛けたいと思ったのだろうか。

どうせやるなら「勝つこと」をしたいと思ったんです。化粧品産業のリーディングカンパニー資生堂で業界の特性を掴み、リクルートで海外の事業開発を通じて、立ち上げて、創って、動かす経験を積みました。

これらの経験をかけ合わせて価値を最大化できるところはどこか。いくつかの候補がありましたが、その中でバルクオムにジョインしたいと思った最大の要素は、「グローバルに対する本気度の高さ」です。グローバルでやることは甘いものじゃないというのを前職で痛いほど感じてきました。成功させるために本当に必要なのは「本気でやっているかどうか」、とにかくここに尽きるんです。

代表の野口と初めて会ってから、入社を決めるまでこちらからもお願いして4回ほど時間をもらってじっくり話しました。グローバルに対してどれほど強い意志を持っているのか、そしてその意志に基づいた事業の実態はどうなのかを彼が嫌になるほど聞いたんです。メンバーの動き方や事業の数字まで細かく見せてもらいました。そうして彼の姿勢がブレないことを確信できたので、ジョインを決めました。

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「No.1への近道」となる、10以上の国と地域への同時展開

ここ数年で一気に「D2C(Direct to Consumer)」という言葉が浸透し、多くの事業者が参入している。2020年には2兆2,200億円、2025年には3兆円に達する見込みという調査結果もある。

しかしBULK HOMMEは「D2C」という言葉がバズワード化する前からこの業態で展開しているブランドだ。「日本のD2Cの代表格」以上の存在と言っても過言ではないだろう。

「D2C」といえば、Amazonや楽天などには出品せずに自社開発した商品を自社のウェブサイトやインスタグラムのアカウントを通じて、オンラインで販促するイメージがある。特にポイントとなるのは、「顧客と直接つながること」だろう。

一方でBULK HOMMEの製品は、今ではAmazonやコンビニ、ドラッグストアなど様々なところで見かけるようになった。また、2021年の8月には新宿マルイ本館の1階にフラッグシップショップもオープン。顧客とのタッチポイントを増やし続けている。

新宿マルイ本館のフラッグシップショップ(提供:株式会社バルクオム)

これまでは公式オンラインストアをメインのチャネルとして捉え、施策を数多く打ち、サブスクリプションモデルで購入いただくことをメインにしていました。それを積み上げた結果、メンズコスメ通販の領域では2020年の調査でトップシェアを獲得するに至っています。

ここからは、バルクオムのミッションであるグローバルNo.1に向けて邁進していくフェーズです。「D2C」といえばオンラインでの販促のイメージが強いですが、それはあくまでも手段のひとつ。それに、店舗も出しますが、それもオフラインに寄せようという意識ではなく、BULK HOMMEというブランドをより多くのお客さまに知っていただくために数あるチャネルのうちの一つを拡張していると捉えています。

「国内を代表するD2Cカンパニー」というイメージが強い現状を刷新させ、新たなイメージを醸成しようとしているのが、今のバルクオムだ。中心となっている清氏にここから改めて、その進捗や戦略を聞いていきたい。

コロナ禍という制約がある中、立てていた戦略は推進できており最善を尽くせています。2年ほど前にジョインし、戦略を組み直してグローバルで戦うための組織戦略を構築し、経営の舵取りをしながら10以上の国や地域への進出にこぎつけることができました。

それはチームの一人ひとりがブレない姿勢を持ち本気で取り組めているからで、この組織は会社としても大きな資産だと思っています。次から次へと予想だにしないような様々な試練や苦難が舞い降りてくる毎日なので、関わっているメンバーや自分自身の成長の密度は相当高いです。

イタリアの高級ショッピングモール「テノハミラノ」での出店風景(提供:株式会社バルクオム)

すでに10か国以上に展開。しかし「1か国ずつしっかり市場を押さえるべきでは?」「せめてアジアなど地域を絞るべきでは?」といった疑問も浮かぶ。そう聞くと、狙うエリアや国の選定について、緻密な戦略と具体的な考え方を教えてくれた。

BULK HOMMEの海外展開は、私が着任した2019年に大きくアップデートしました。2019年以前は日本から近い東アジアの国のみ、目的はテストマーケティングだったとすら言えます。要するに、最初の展開は本格展開に向けた「準備」のようなものです。

2019年以降は、エリアごとに市場や文化といったマクロデータを抑え、事業の成長性を踏まえた中でグローバルの想定ポートフォリオを策定し、注力展開地域と時間軸を決め、戦略的マイルストーンの策定を行いました。

「段階」「層(レイヤー)」といった意味を持つTierという単語を用い、最注力地域となる「Tier1」と、次に注力する「Tier2」を定めました。「Tier1」は、アジアだと中国、北米だとアメリカでヨーロッパだとイギリスです。これらはすでに展開をしています。「Tier2」はアジアだと台湾やタイ、ヨーロッパだとフランス、イタリアなど。

ちなみに「Tier1」での展開がひと段落付いたら「Tier2」へ、というわけではありません。「Tier2」の地域にも小さく早く展開を開始しています。このように一気に複数の国に展開するのは計画どおりで、早期から攻めることで、国ごとの業界慣習や商慣習の違いを、とにかく早く学んでいきます。

ちなみにここでは、バルクオムの行動規範「リーン(LEAN)」を力強く体現しています。「最小限のアクションでファクトを積み上げて、仮説の精度を高めていく」という意味合いです。

2019年にはサッカーのフランス代表であるエムバペ選手とアンバサダー契約を結びました。その話題性もあり、ヨーロッパへの進出の懸け橋となりました。

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アポのすっぽかしも、「ビッグブランドじゃない証」と謙虚に

既に複数の国へ展開を実現しているバルクオム。グローバル展開のスピードは早く、かなりうまくいっているように見えるかもしれない。だが、その過程ではもちろん、悔しい思いを何度もしているのだと振り返った。

イギリスでの話です。ロンドンからさらに2時間くらいかけて、現地の協業パートナー候補との交渉へ出向く機会があったのですが、アポがすっぽかされたんです(笑)。

日本ではそうそう起きづらいこんなことが全然あるのですが、仮に我々が世界でも名の知れたビッグブランドだったら、相手もそんなことはしなかっただろうと思います。まだまだなめられているなと悔しく感じるわけです。こういった悔しさを肥やしにして頑張っています。

国が違うとはどういうことか。それは商習慣や商流が違うだけでなく、生活者が抱える文化や金銭感覚まで、ビジネスに関わる全てが違うということだ。だから、国内とは違ったオペレーションや考え方が常に求められ、PDCAサイクルをとにかく早く回す必要性も大きくなるのだと指摘する。

ヨーロッパは薬事規制が厳しく、製品の卸という一部分を考えるだけでもひと苦労もふた苦労もあります。それを複数の国に展開していくので、求められる書類を準備するのがとにかく大変。極めて短期間の中で日本語の書類をすべて英語や現地語に直し、オンライン商談で指差し確認しながら説明するといったやりとりを、国やエリアごとの違いに準拠し進めていかないといけません。

製品開発面でもハードルは多く、大きい。例えば、BULK HOMMEは洗顔の泡立ちを特徴としているので、水の違いは重要です。日本の水道水は軟水ですが、ヨーロッパではほとんどの国で硬水。違いは出ないのか?といった日本で事業展開する中では発生しない論点が尽きず、何度もテストを行ってきています。

同じ製品を広げるのにも、店舗や商流といった物理的な条件の違いだけでなく、当然文化・習慣・ニーズも異なる点に注意が必要です。一つずつ直面するたびに、私は「セレンディピティだ」と捉え、乗り越えることへのやりがいを感じます。それはグローバルでやるにあたってめちゃくちゃ面白い部分だと思います。

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あの三井物産とも提携。あらゆる角度から探るNo.1ブランドへの最短ルート

さすが、資生堂とリクルートでの経験もあり、納得感のある戦略論を披露する清氏。とはいえ、一人の馬力で全てがうまく行く世界ではないだろう。例えば、現地でのコネクションは、以前在籍していた企業と比べると非常に少ないはず。どのようにして、効率的な拡大を図ろうとしているのか。

三井物産さんが長年に渡って築き上げてきたグローバルネットワークとのシナジー効果を生み出したく、昨年より資本業務提携を行い、協業させていただいています。具体的には、現地の販路開拓の支援を受けており、デパートや一般的な小売店に加え、製品倉庫やロジスティックス周りのパートナーなど、多岐にわたってご紹介いただいています。

確かに、スタートアップがアセットを補うために大企業と組むという動きは、ここ数年よく見られることでもある。実際に個別の進出においても、見えやすい効果があるのだという。

2021年にはアメリカ進出もこぎつけたのですが、この実現は三井物産さんのご支援に依るところが大きいです。 アメリカと一口に言っても広いし、企業がものすごくたくさんあります。地域やパートナーのとっかかりを見つけるだけでも、ゼロから始めては途方もない時間がかかってしまいます。

このような動き方で、徐々に展開を広げていく、というわけだ。

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やりがいはローカライズ!商習慣や文化を超えるのが事業家だ

ここまで清氏の考えを詳しく聞いてきたが、時折名前の出た代表の存在も気になるところだ。Twitter上での発言は目立つが、第三者から見た素顔はあまり語られないのが、代表取締役CEOを務める野口卓也氏。中の人から見るとどのような印象なのだろうか。清氏は「とことんピュアな人」だと話す。

ピュアで謙虚で求心力の高い人ですね。グローバルNo.1を目指したいというミッションはピュアだからこそ、ブレずに追い求め続けているんだと思います。

また、彼は自分が得意なことと不得意なことをよくわかっており、それを素直に表現する人です。例えば、彼は就職の経験がなく、大企業のNorm(基準や規範)などの知識が豊富ではないのですが、そういったことを隠さずに伝え、周りに頼ることができます。それは、立場上勇気のいることなのかなと。経営はチーム力が大切なので得意不得意はそれぞれのスキルセットで補完すればいいだけなのですが、それをできているチームを作れているのは、野口の手腕だと感じています。

そんな野口氏と清氏がタッグを組み、動かしている海外事業。現在「ストラテジックビジネスユニット(SBU)制」を取っており、グローバルに関する業務にだけ取り組む部門として独立させている。

バルクオムの組織図。CGO直下で組織が独立していることがわかる(提供:株式会社バルクオム)

いかにスピーディで適切な意思決定をし、早くアクションを取れるかが重要なため、Global SBUとして組織を分けて統括をしています。立ち上げからグロースまで、グローバル事業の進める上でのすべてが業務範囲。ロジスティックス面の整備から子会社の設立、税務法務周りの管理など、私たちが実際に手を動かして携わる範囲も非常に広く、何でもやっている感じですね。

Global SBU所属社員は5名、三井物産さんからの出向が1名、業務委託が2名の8名。もちろんクリエイティブ作成やサプライチェーン周り、薬事申請の対応など高い専門性が求められる分野の仕事は、他部署と連携しながら進めています。

一方で、10カ国以上展開している中で、グローバル事業にガッツリ携わっているのは十数人ほど。一人ひとりが広い業務範囲で手を動かし、なんとか前に進めている、とも言えますね。

つまり、急速なグローバル展開に向けて、リソースが足りず活躍の機会が大量発生しているのが現状だ。海外経験のある即戦力を常に探している。そこで最後に清氏が一緒に働きたいと思う人について聞いてみた。強調したのは「ローカライズに面白みを感じること」だ。

現地の理解から入って、各国でのマーケティングの成功事例を作っていくことを一緒に熱量高くやりたい人でなければ、うまくいかないと思います。地域が違うと商習慣や文化など、何から何まで異なるので、それぞれのライフスタイルを理解した上でどうしたらBULK HOMMEの価値が伝わるのかを考えることが欠かせません。限られた情報から、思考を繰り返した上で仮説設計を行い、粘り強く正解を見つけにいかないと、良い事例が積み上がらず成果につながりません。めげずに愚直にPDCAを回せる人こそがフィットすると思います。

現地でのローカライズ、ここが一番のやりがいだと感じてほしいですね。日本との違いを発見して、「こうしたら現地に受け入れてもらえるのか」「それともこうすべきだろうか」といろいろ試す。すると、実は日本でも他の国でも「ここは同じだ!」というところも見つかってきます。

ローカライズと聞くと「地味でツラい業務」と考える人もいるかもしれない。しかし、ブランドを広めていくという仕事の中で、最も重要なことだから面白い、と清氏は考える。そして、この「ローカライズ」を制する者こそ、例えば拠点ごとにプロダクトマネジャー(PdM)として躍動したり、グローバルにブランドマネジャーとして活躍したりできるのだ。

これが事業家への道である、と語り、清氏はインタビューを締めくくった。

それに、グローバルに展開していくという仕事を突き詰めると、国も地域性も関係なく、あらゆる障壁を超えて構造的にマーケットを捉えられるようになっていく。事業家として他のどんな仕事にも代えがたい貴重な経験と視野/視座を獲得できるのではないかと思います。

そんなところに魅力を感じる人を仲間に集めて、一緒にグローバルNo.1のブランドづくりを目指したいですね。

こちらの記事は2021年09月02日に公開しており、
記載されている情報が異なる場合がございます。

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執筆

磯部 俊哉

写真

藤田 慎一郎

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