イーロン・マスクと同様の発想で「コンピューターを操り未来を創る」技術集団、語られざるeSOLの野望

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権藤 正樹
  • イーソル株式会社 専務取締役 ソフトウェア事業部 事業部長 兼 品質管理室 室長 

米国の大学でバイオテクノロジーを学んだ後、1996年に異世界のソフトウェア業界、エルグ株式会社(現イーソル株式会社)に入社。一貫して同社のメイン事業である組込みソフトウェアおよびOSの開発に携わり、近年は主にクルマの自動運転領域をリード。マルチ・メニーコアプロセッサまでサポートした世界初の商用組込みシステム向けスケーラブルリアルタイムOSである「eMCOS(エムコス)」等、eSOLオリジナルの技術を活用する中で次々に成果を上げ、世界中の完成車メーカーから熱い期待を寄せられている。その一方で、優れた技術者の採用・養成にもコミットし、eSOLの世界的先進性の維持に努めている。

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「組込みOSベンダーの雄として世界でも名高いイーソル(以下eSOL)」……そんな謳い文句を目にしたとしても、その“凄み”にピンとくる者は決して多くないだろう。そもそも「組込みOSって何?」という人間が圧倒的多数に違いない。

自動車、家電品、半導体製造装置、人工衛星……今や世の中にある、ありとあらゆるモノはコンピュータによって動いているわけだが、そのコンピュータを制御する国産OSの多くをeSOLが開発している。

IoTやクルマの自動運転など、華やかな話題を多彩にふりまく技術界にあって、その根底を支えるOS領域では日本のベンダーが世界をリードしている事実……これを知らずして未来を語る人間のなんと多いことか。

そこでeSOLの先進性を司るCTO・権藤正樹氏に話を聞いた。

  • TEXT BY NAOKI MORIKAWA
  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
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コンピューターが「つながる」だけでは終わらない、「行動を制御する未来」がいよいよ本格化する

2019年の終わり、クルマの自動運転に関わるニュースが注目を集めた。「いよいよ2020年にはレベル3の自動運転車が市販されるだろう」というニュースだ。

現状、世界各国ではレベル2までしか法的に容認されていない中、関連する法規制の整備を年末に進めた日本。これにより、技術さえ整えば世界に先んじてレベル3の自動運転車が国内を走行できることになったのだ。

5つのレベルで区分けされている自動運転の内、レベル2まではいくつかの運転機能の作動や制御が機械によって可能になるだけ。いわば助走段階に過ぎなかったのだが、レベル3からは一定の条件下(運転者の監視が必須)で本当の意味での運転の自動化が始まる。

世界各国の完成車メーカーばかりでなく、Googleを筆頭とする異業種からのディスラプターも皆、完全なる自動運転を示すレベル5到達に向けて日々開発努力を続けているわけだが、今回のレベル3解禁は時代の大きな進展を意味する。

そして、レベル2までの進化にも大きく貢献してきたばかりでなく、レベル5に向かう未来への道のりで、世界中から期待を集めている日本企業がeSOLであり、その中心人物がCTOの権藤氏。

いったいどんな話から聞こうかと思っていたところ、権藤氏は微笑みながらこう問いかけてきた。

権藤そもそも、世界中の人々がなぜこうも自動運転技術にわきかえっているんだと思いますか?

答えは簡単ですよね。「だってクルマ自体が判断をして、あの複雑でわずらわしい運転作業を自動でやってくれる世の中がくるんだぜ」という興奮です(笑)。

サイバー技術がクルマのように大きなモノ、つまりフィジカルな存在をオートマチックに最適化しながら動かしてしまうという醍醐味を前にして興奮しているに違いないんです。

思えば、これまでPCやスマホの普及と通信環境の劇的進化がもたらしてきた熱狂は「つながる」ことの醍醐味だった。その醍醐味は今もなお、IoTによる社会変革やクルマ領域のコネクテッド機能などにも引き継がれている。

あらゆる「フィジカルなモノ」にコンピュータチップや通信モジュールが搭載されることで、それらがキャッチしたデータをサイバーな世界を経由して人々が共有。これによって、世の中は大きく変わってきているし、さらに変わろうとしているのは周知のとおりだ。

産業界を動かすDX(デジタルトランスフォーメーション)や自動車業界で期待を集めるCASE(ケース)といった新動向の多くも、この「つながる」醍醐味によるものである。しかし、レベル3以降の自動運転はそのさらに先を行く「CPS(サイバーフィジカルシステム)」という次元となる。

単に周辺にあるフィジカルな情報(曲がり角の有無や道路状況、通行者の有無や天候、信号機の確認など)をセンシング技術等によって収集し、サイバーなコンピュータ技術を通じてヒトに情報を「つなぐ(提供する)」だけでは終わらない。

これらのデータを機械である自動車が活用して、自ら「最適な運転」というフィジカルなアクションに換え、間違いを起こすことなくリアルタイムで作動させるからだ。

「つながる」だけでなく、実際にモノがフィジカルな行動を実行するところまでコンピュータが制御してくれる醍醐味。その代表格として自動運転の可能性は人々を熱狂させているのだと権藤氏は言う。

権藤でも実は、こうしたCPS的な変化を私たちはもう何年も前から味わってきたんですよ。例えばオフィスビルに備えられた複数のエレベータは、それぞれの運行状況を相互に把握しながら、最も早く待っている人のもとに到着するように自らを制御して動いています。

室内のエアコンは、そこにいるヒトの動きをセンサーで察知しながら、どういう風量と風向で室内の温度を保てば一番快適なのかを判断して、自動で運転を切り換えていたりします。

周辺にあるフィジカル情報を機械がサイバーなデータとしてキャッチし、それを活かして最適なフィジカルアクションを自ら実行する世の中は、今までにも少しずつ進んできたわけです。そして、こうした変化を支えているのがいわゆる組込みOSであり、eSOLが1970年代から取り組んできた領域というわけなんです。

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組込みOSなしには、あらゆる製品群は「機能しない」

PCというハードウェアにコンピュータチップを載せるだけではアプリケーションソフトは動かない。一般向けPCで言えば、WindowsやMacOSがあらゆるアクションのベースとなる機能をチップに働きかけ、制御・管理することで、その上のレイヤーにあるアプリケーションが正しく作動する。

スマホも同様。iPhoneがiOSによって動き、それ以外のスマホの多くがGoogleによるAndroidというOSで動いているのだということぐらいは、技術に詳しくない者も認識しているはずだ。

では、PCやスマホ以外の機械はコンピュータとは無縁なのかというと、もはや数十年前から違っていた。権藤氏が例として出したエレベータやエアコンなどは氷山の一角。ありとあらゆる機械がその機能を向上させるべく、コンピュータチップの力を活用しようとした。

権藤どんなに小さなICチップであっても、コンピュータを搭載したからにはそれを動かすためのOSが必要になるんです。eSOLはそのニーズに応えるべく、組込みソフトウェアの開発能力を結集して、組込みOSベンダーとして成長してきたんです。

技術者としてのキャリアを志している人には「釈迦に説法」だろうが、この組込みソフト、あるいは組込みOSの領域で、日本が常に世界をリードしてきたことは一般にはあまり知られていない。日本の製造業が1980〜90年代に得たグローバルな繁栄の多くを支えてきた基盤技術といっても過言ではないのにもかかわらず、だ。

メディアで脚光を浴びてきたのはエレクトロニクスにせよ自動車業界にせよ、完成品メーカーである大企業だったが、日本の繁栄を尻目に逆転を狙っていた海外のコンペティターたちは、その原動力が組込みの領域にあることを知っていた。

2000年代以降のイノベーターたちの多くがコンピュータ技術やソフトウェア技術に軸足を置いていたことにもつながっていく底流の1つだったのである。

PCやスマホ、あるいはゲーム機器など、コンピュータ技術をメインとする製品群のOS開発競争で北米の企業が次々に勝利を勝ち得ていく中、他の製造分野におけるコンピュータ技術にも激しい国際競争が起こった。

多くの国内ベンダーが淘汰され、「気づけば組込みOSの開発に注力する企業は自分たちしかいなくなっていた」状況の中、それでもなお圧倒的な技術力によって先進性を発揮し、グローバルな優位性を維持し続けているのがeSOLというわけである。

「なぜそれが可能だったのか」については後々聞くこととして、もう少し今現在のわくわくする話を権藤氏に聞こう。自動運転の世界でどうeSOLが世界をリードしているのかについて。

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世界初となる商用車載用組込みOSも開発。グローバルでも注目される技術力

権藤例えばスマートフォンの領域では数年前、「シングルコアかデュアルコアか」という話題が取り沙汰されました。コアというのは要するにコンピュータの頭脳ともいえる中央処理装置=CPUのこと。

数年前までのスマホにはシングルコア、CPUが1個しか使われていなかったのが、デュアルコア、つまり2個に変わったことで様々な作業効率が圧倒的に上がっていったわけです。

現在ではオクタコア、なんと8個のCPUが搭載されることで飛躍的に多機能かつ高効率な作動が可能になっています。

でも、自動運転の実現を目指す自動車にはいったいいくつのCPUが搭載されているかご存知ですか?実は、256個なんです。

想像をはるかに超える数の違いに驚いていると、権藤氏は楽しげに笑い「ビックリしたでしょ?実はクルマはもうスーパーコンピュータ並みのサイバーマシンなんです」と言う。

権藤考えてみれば、当然だと気づくはずですよ。クルマはエンジンの駆動を制御しつつ、ブレーキやステアリングの作動もマネジメントしなければいけない機械ですし、それらがリアルタイムで連動できて初めて円滑で安全な運転が可能になるわけです。

昔のスマホのようなシングルコアですべてを制御できるはずもないんです。それに実際にあの重たいボディを自動運転するわけですから、ちょっとした技術的問題1つでヒトの生命に関わってきます。

世界の巨大メーカーやソフトウェア企業が開発したソフトウェアでも、まれに「落ちる」ことがありますよね?クルマの場合、「ごめん、がんばって開発したんだけれど落ちちゃった」では済まされません。ヒトの生死に関わるからです。

ですから、無数の情報を5Gなどの通信技術やセンシング技術でキャッチしつつ、それらのデータを瞬く間に演算処理して、フィジカルな動きに正確に反映させていかなければ、安全な運転なんて到底不可能。

そう考えたら、数百個のCPUを載せて、それらを最適に作動させるOSを組み込まなければいけないだろう、ということは技術のことがわからなくても想像がつくはずです。

ここまでの話に大いに刺激を受けた技術志向の持ち主がいるならば、eSOLの「eMCOS(エムコス)」というOSについて調べてみることをお薦めする。

「マルチ・メニーコアプロセッサまでサポートした、世界初の商用組込みシステム向けスケーラブルリアルタイムOS」であり、複数のCPUを擁する多様な製品群に採用されてきたディスラプティブなOSだ。当時、MIT(マサチューセッツ工科大学)やチューリッヒ工科大学が競って研究用として開発を進めていたが、驚くことにeSOLは世界初、「商用の車載用組込みOS」を開発してしまったのであった。

そして、自動運転技術の業界標準を目指すべく、東京大学・加藤真平教授の呼びかけのもと、世界中の自動運転関係者が参画する国際業界団体「AWF(The Autoware Foundation)」においても、コア技術として認知されている存在なのだ。

ちなみにeSOLはこの「eMCOS」に加え、ロボティクス領域で圧倒的支持を獲得している「ROS/ROS2」というロボット制御用アプリケーションフレームワークによっても、世界の自動運転の領域をリードしている。

仮にこうした技術的な世界に通じていないとしても、知っておくべきなのは「eSOLは多数のコアを持つ製品のシステムを動かす領域で、突出した技術を保有している」ということだ。

権藤決してオーバーな表現ではなく、今の自動車にはスーパーコンピュータ並みの能力を持つCPU群が搭載されているということなんですが、意外に知られていないのは「スーパーコンピュータ1台をフル稼働させようと思ったら20メガワット、つまり小型発電所1基分くらいの電力を必要とする」という現実です。

私たちのように自動運転の根底を支える技術を構築しようとしている技術者は、とびきりセンシブルで生命に関わる機能を実現すると同時に、とんでもない消費電力をどう効率化して抑え込むか、という課題も背負っているんです。

機能性と安全性、信頼性と持続性をどう担保するか。こんな難解な問題に立ち向かっていることを、私は1人の技術者として無上の喜びだと感じているんです。

リアルタイムOSとかメニーコアとかロボティクス制御フレームワークといった技術用語については全く理解がない者だとしても、eSOLが向き合っている技術課題がいかに高度で難しいかは想像できる。

そして、世界の最先端を走りながらこれらに立ち向かえるということは、尖った仕事を熱望する技術者にとって最高のチャレンジなのだということもわかる。

しかし、わかってきたからこそ聞きたくなる。なぜこうも“凄み”のあるチャレンジをしているeSOLが世間に広く知られてこなかったのかを。ストレートに尋ねると、権藤氏は声をあげて笑い始めた。

権藤そうなんですよねえ(笑)。そこが今の私のもう1つの課題でもあります。僕らは技術者集団だということもあって、今まであまり声高に「凄いだろ」というアナウンスの仕方をしてきませんでした。

それに、基本的にはお客様あっての存在だという立ち位置もあります。エレクトロニクスの業界にせよ、自動車の世界にせよ、あるいは流通やロボティクスの領域にせよ、私たちは業界をリードするような企業から「こういうことがしたい」というご要望を相談され、お役に立つことで事業を伸ばしてきました。

新たなサービスやビジネスを起こすのはお客様であり、そのスタート地点となるアイデアや発想もお客様が持っています。当然のことながら、そこで求められるアプリケーション的な技術については各企業が長年培ってきたものがベースにあるわけです。

私たちeSOLのミッションは、そうしたフロント技術が実際に稼働できるようにするため、基盤となるものをOSや組込みソフトで構築していくこと。自動運転においても、その立ち位置は変わりません。

でも、こんなにも面白くて挑戦しがいのある場があることを、もっと多くの人に知ってもらい、参画してもらおうということで、今回もインタビューにお応えすることにしたんです。

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あのGoogleでさえ何十年も試行錯誤している領域だからこそ、本物のイノベーションが起きる

さらに権藤氏は「知られざる技術者集団」、とりわけコンピュータテクノロジーに携わる者たちがこれからは「世間をアッと言わせる」イノベーションを生み出すのだという話を、嬉しそうに語る。その最新の典型例の1つが米国企業のテスラだという。

権藤電気自動車と自動運転の技術で一躍注目を集めて成功した完成車メーカーがイーロン・マスクさんのテスラですが、彼が宇宙へ向けた夢に注力し始めると世界は驚きましたよね?「クルマを作っていたやつにロケットが作れるのか」と(笑)。

でも彼はテスラの共同設立者になる前の段階で、宇宙輸送を目指すスペースXを先に立ち上げてもいました。もともと機械工学のエンジニアではなく、コンピュータテクノロジーの人であるからこそ、機械を扱う人たちだけでは想像もつかないような夢を、多方面に膨らませていくことが可能だったんじゃないかと私は思うんです。

なんといっても、電気自動車だってロケットだって、無数のコンピューターを搭載していますからね。これはeSOLだって同じ状況にあります。たとえば自動車メーカーさんのほうがeSOLよりエンジンや車体に関する技術はもちろん優れていますが、それらを制御するコンピューターに関しては、eSOLのほうが詳しいはずです。

そのように製造業を捉えると、コンピュータテクノロジーを活用した製品開発には、まだまだ無限の可能性がある。そう信じているという意味では私たちもイーロン・マスクも同じ。

これまでも多種多様な産業のいろいろな局面にコンピュータの技術を投入し、チャレンジする喜びを得てきましたし、今後も今日お話をした自動運転に限らず「様々な世界にあるフィジカルを、サイバー技術で実際に動かす」という醍醐味に挑戦しようとしているんです。

すでに自動運転を支えるOSの開発という局面では国内に競合はなく、世界的に見ても北米及び欧州にある数社のみ、という事実がeSOLの実力を物語るものの、そうしたフロンティア的なポジションは他の領域でもすでに得ているという。

なぜなら、もはや「フィジカルをサイバーで動かす」というCPS的な取り組みがあらゆる業種で変革の種として期待されており、その実現にeSOLのコア技術が不可欠だという認識が浸透しているから。

そして、受託開発という立場にあってもSI業界に見受けられるような「お客様の言いなり」という立ち位置にいないのがeSOL。「お客様の側も当社の組込みレイヤーでの専門性を認めてくださっていますから、新しいチャレンジをする時には対等な目線で相談をしてくださるんです」と権藤氏。それゆえに、今回のインタビューでは強く主張したいことがあるのだという。

権藤最近、こんなに多彩な領域で、こんなに面白くて難しい挑戦ができるところなんて他にないじゃないか、と我ながら改めて思い立ったところなんです。そのことを多くの人に伝えたいし、未来を自分の力でこじ開けてみたいという人にぜひ注目してほしいと思っています。

未来を創造できる場として、昨今では当たり前のようにGAFAの名が上がり、同時に「それに比べて日本の技術は……」という自国否定が付け加わることが多いものの、権藤氏は以下のように反論する。

権藤たしかに凄い会社は海外にたくさんあります。でも、あの物凄い技術力を持つGoogleだって、自動運転については何十年も試行錯誤をしているじゃないですか。

最先端の技術を使って、あっと言う間に簡単に答えが出せてしまうのも“凄さ”だとは思うんですが、私みたいな人間は「簡単に答えが出せちゃう問題じゃつまらない」んですよ(笑)。「あのGoogleだって苦労しているぐらいの難問に、自分も立ち向かっている」と考えた方がずっとわくわくしてきます。

早い者勝ちの競争に勝つとか負けるとかいう事柄も大切ですが、もっとピュアに「今まで誰も実現できなかった難問に挑戦することを自分の仕事にしよう」という人間が、少なくともこのeSOLには大勢集まっています。そのことを知ってほしいし、「私も同じです」と感じてくれる人が増えてくれたら嬉しいなあと願っているんです。

しかし、これほどまで世界と渡り合っている話を聞いてしまうと「よほど技術領域で突出した才能を持っていたり、とことん学び続けてきたりした人間しか入社できないのではないか」とも感じてしまう。いったい、どんな人材がeSOLで活躍しているのだろうか。

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求めているのは、誰も答えをだせていない問題に「なぜ?」を繰り返し続けられる人

権藤たしかにビックリするぐらい尖った人や、多大な実績を積んできた人間もいます。でも、うちで活躍している人材の大部分は最初から何かに突き抜けていた人間ではありません。

そもそも、私だってeSOLに入社するまで、大学ではバイオテクノロジーを学んでいましたし、組込みOSに関する知識はゼロでしたからね(笑)。コンピュータに関わる基礎的な知識を自主学習や(eSOLの)研修を通じて一定水準まで学んでいるのであれば、あとは現場でのトライ&エラーで本人がどこまで自分を伸ばせるかどうか。

技術本部をまとめてきた人間として、これまで400〜500人のエンジニアとともに働いてきましたけれども、成長を実現するのは先ほど申し上げたようにピュアなチャレンジ精神の持ち主たちでした。

自動運転のような華々しいプロジェクトばかりではありませんし、どんな現場でも地道な試行錯誤が求められる仕事なのですが、多くの現場に共通しているのは「誰も正解を知らない問いに答えを出す作業」です。

言い換えると、「なぜ?」という疑問を持ち続けられる人がeSOLにはフィットすると考えています。「なぜコンピューターは動くんだろう?」といった疑問を持ち、理屈や構造を捉える粘り強い思考ができる人材です。

「先輩から、こう入力したらこのマシンはこう動くと習ったから、理由は知らないけれど動かすことはできる」といった状態に疑問を持たない人材には、世界をギャフンといわせるイノベーションなど起こせません。

どんなに教育された人間でも簡単に答えは出せない中で、あくなき探究心のようなもので失敗とやり直しを繰り返せる人だけが「未来」というのを創り出すんだと私は思います。

だって、誰も解き方を知らないんですから、最後まであきらめなかった純粋な人間が価値あるものを手にするんですよ。

「時間をかけてでもモノづくりに勤しむ」という捉え方をしてしまうと、旧時代の機械職人のように「毎日同じ事を繰り返して匠の技を体得する」かのような世界をイメージしがちだが、権藤氏は「それとは違う」と言い切る。

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「未来のものづくりを支えるのは自分たちだ」と誇れる仕事が、eSOLにはある

権藤私は例えばモノづくりの基盤となる金型を生み出す職人技に対して、最上級の尊敬をしています。本当に好きで情熱をもって長年鍛錬をした者でなければ実現できない仕事ですから。

一方、私がつき合い続けてきたソフトウェアには、そういう修練を飛び越えてしまえる可能性があり、そこに愛情を感じ、わくわくしてもいます。何度も挑み続けるうちに道が拓けていく面白さがここにはあります。

そしてそれが「誰も解けたことのない問い」に対する答えだったりするわけで、世間はそれを「イノベーション」と呼びますし、そこに醍醐味を感じる人に最適な働き方がここにはあると思っているんです。

しかも、モノづくりのプロたちと一緒に働ける。フィジカルなものを動かす仕事なのですから当然ですよね。そのおかげで、自分たちの仕事の成果が社会に出て行った時、間違いなく「未来」が開かれるんです。

あっと言う間に実現する未来とは違う、重みのある未来がそこにある。世の中に役に立つ。そういう仕事がここ、eSOLにはあると自負しています。

「自動運転を世界的にリードする集団の一翼を担っている」と捉えれば、“早い者勝ち競争”のトップ集団にいるのもeSOLと言えるが、この集団を動かしているのはもっと地に足の着いた希望や情熱のようだ。

様々な業種やビジネス局面で行われているイノベーションへの挑戦の数々に顔を出すとはいえ、その根底部分を担って「試行錯誤」を買って出る立場は決して派手ではないかもしれない。

だが、「最先端技術の担い手だ」「未来のものづくりを支えるのは自分たちだ」という誇りを胸に、ごく純粋に「誰も解いてない問い」に答えを出していく醍醐味に興奮を覚える人間ならば、権藤氏同様に未来への扉を先頭で蹴破る面白さにハマるに違いない。

こちらの記事は2020年02月14日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

森川 直樹

写真

藤田 慎一郎

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