90社354名を徹底調査。
ベンチャー上場時の役員報酬はいくらなのか?
今回は、ベンチャー上場時の役員報酬に着目した。
上場前からボードメンバーとして会社に貢献している取締役たちは、上場という大きな節目に一体どれほどの報酬を得ているのだろうか。
或いは、実際のところあまりもらえていないのだろうか。
独自基準で選定した90社を対象に、上場時の役員報酬をリサーチした結果を紹介する。
- TEXT BY FastGrow Editorial
ベンチャー1社あたり取締役の平均人数は3.94人
上場日(上場承認日ではない)が2014年1月1日~2017年4月30日の企業のうち、設立20年以内のメディア関連・テクノロジー関連を中心に、その規模に関わらず選抜した、90社が調査対象。役員報酬等総額の内訳が不明瞭で、報酬調査に適さない企業は対象外とした。一次情報としては、『新規上場申請のための有価証券報告書』や過去に登場したメディアから収集した。
ここでいう取締役は、各社の役員区分の中で、社外取締役を除いた取締役のことを指す。
調査対象企業90社の取締役の総数は354人で、一社あたりの平均は3.94人であった。

71.1%(90社中64社)の企業では、取締役が4人以下で、中でも3人の企業が最も多かった。
取締役が最も少ない企業では2人、最も多い企業では7人であった。
ベンチャーの役員報酬の平均値は1649万5440円
次に、調査対象企業90社の役員報酬の平均値を算出した。
算出は各社の『新規上場申請のための有価証券報告書』を元に、“役員報酬等”の欄の“取締役(社外取締役を除く。)”の項目に記載の、基本報酬と賞与の合計を取締役の人数で割って求めた。ストックオプションや退職慰労金等、役員報酬総額には含まれるものの、イレギュラーな要素が強い数字は計算から除外している。
尚、代表取締役と取締役という取締役間での報酬の差を考慮せずに算出していること、また、企業によっては常勤の取締役より報酬が低いと思われる非常勤の取締役が人数に含まれており、平均値を下げている可能性があることにより、実際の報酬額とは必ずしも一致せず、あくまで平均値であることをご理解いただきたい。

354人の役員報酬の総額は58億3938万6000円で、平均値は1649万5440円、中央値は1329万4750円であった。
平均値が中央値を上回っているのは、最大で6366万6667円を貰っている人がいる一方で、390万8333円しか貰っていない人もおり、そのばらつきが非常に大きいためである。
実際に69.2%(354人中245人)の取締役が平均値以下の役員報酬を受け取っている。
ベンチャーの役員報酬、平均値上位3社は…
では、最も高額の平均役員報酬を支払っている企業上位3社を紹介する。
1位 株式会社リクルートホールディングス
取締役の基本給と賞与の合計は3億8200万円で取締役は6人。一人あたりの役員報酬は6366万6667円。

2位 LINE株式会社
取締役の基本給と賞与の合計は2億9617万7000円で取締役は5人。一人あたりの役員報酬は5923万5400円。

3位 株式会社ベガコーポレーション
楽天市場、ヤフーショッピングで数々の受賞歴がある家具ECサイトのLOWYAや、越境ECプラットフォームを中心としたコマースIT事業の展開を行っている企業だ。同社の役員報酬等の総額は1億6800万円で取締役は3人。一人あたりの役員報酬は5600万円であった。

全90社354名。役員報酬ランキング
当然のことながら、ベンチャーと一口に言っても、企業ごとに役員報酬額が大きく異なっている。
それでは3位以降を含めた90社すべての上場時役員報酬ランキングをリスト形式で公開しよう。

こちらの記事は2017年06月22日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
執筆
FastGrow編集部
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