連載資金調達スタートアップのヨコガオ

「デジタルの力でドボクをもっとおもしろく」。日本が誇る土木技術を次世代に継承し、業界のアップデートも目指す。シードラウンドで総額1.7億円の資金調達──株式会社Malme

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重要なのは、調達額の大きさ?バリュエーション?ラウンド?いやいや、スタートアップの資金調達とは、もっと奥深く、緻密で複雑なものである。

FastGrow編集部では、調達リリースを見るたび、その裏側について思いを巡らせ、その後のビジョンについて予測や仮説立てをしてきた。そのために知りたい情報を、ぜひ外部向けにも記事としてまとめてみよう──そんな想いで始まったこの連載。

今回は、2024年3月に資金調達を発表したMalmeについて、その「横顔」をまとめる。

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FastGrow編集部が注目するポイント

注目ポイント1

CTOが構造解析設計者、大手ゼネコン出身の技術者も複数名所属。ユーザーのペインやニーズを熟知したメンバーが情熱と使命感を持って土木業界のDXに挑戦

注目ポイント2

土木業界では珍しい「フルリモート・フルフレックス」制度を導入

注目ポイント3

創業から3年間で顧客約100社との取引実績。創業以来、売上高の年平均成長率が80%以上。営業収益を塗り替え続けている

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代表を始めとした、同社のメンバーについて

(1)代表取締役 高取 佑 氏

調達に際してのコメント

日本の土木業界は、道路や橋、鉄道といった「公共インフラ」の建設や維持管理を通じて、我が国の経済発展を支えてきた技術分野です。今この業界では、高度経済成長期に建てられたインフラの老朽化問題や、地震や水害といった災害対応など様々な課題を抱えていますが、一方で深刻な人手不足や技術継承問題にも晒されています。

株式会社Malmeは、そんな土木業界をデジタルやITの力で再度盛り上げるべく、業界出身者が集結して立ち上げたスタートアップです。「土木技術者によるスタートアップ」という唯一無二のポジションから業界のアップデートに挑戦できる、またとないチャンスが拡がっています。

加えて、日本の土木技術の高さは海外でも高く評価されており、何かと暗い話題が続く今の日本においてこの国の素晴らしさをもう一度世界に知ってもらうための、有望な技術産業だと考えております。

Malmeから土木をおもしろく、土木から日本をおもしろく。そして日本企業の強さを再度世界に知ってもらいたい。私達Malmeはこれからも挑戦し続けます。

プロフィール

1986年生まれ。佐賀県出身。九州大学大学院修了後、パシフィックコンサルタンツ株式会社にて、ODA(途上国政府の政策立案支援)、日系企業の海外展開支援に携わる。テラドローン株式会社では技術統括責任者としてドローン測量を中心とした3次元技術全般を担当。2021年株式会社Malmeを設立、代表取締役に就任。技術士(環境部門)。


(2)開発部 笹澤 陽佑 氏

FastGrowからの紹介フレーズ

土木業界におけるAI活用のパイオニアである開発責任者

プロフィール

鉄道橋梁設計専門ソフトウェア開発会社に入社後、数々の橋梁設計とソフトウェア開発を行う。2008年には株式会社ささこうを設立し、構造解析の設計業務を研鑽。近年においては構造解析のDXに向けてAI活用にも着手、2022年には土木学会全国大会にて講演。土木業界でプログラミングに長けている構造計算の第一人者。

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調達の概要

プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000076112.html
調達額
1.7億円
ラウンド
シード
主な使途
サービス・プロダクトの機能強化
採用強化
新規事業立ち上げ
投資家からの評価
ジェネシア・ベンチャーズは、「BIM事業で事業基盤を固めているにも関わらず、業界の課題を解決するために新事業を始めようとする大きな志と使命に、強い感銘を受けた」と評価。残業時間の規制強化や国営工事におけるBIM利用の原則義務化など、転換期を迎える土木業界の中でMalmeが変革の中心的存在となることを期待する。
DEEPCOREも、高齢化や人手不足、建設資材費・労務単価高騰による工事採算確保の難化に直面する業界で、志ある土木技術者が生き生きと社会基盤の未来を創造できるように全力で支援していく構えだ。

関連ポスト

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主なサービス・プロダクト

土木設計を自動化するアプリケーション『Structural Engine』

熟練の構造設計技術者の代わりとなる革新的な設計自動化アプリケーション。構造解析・計算・照査・図面作成・3D化・資料作成といった一連の作業をシームレスに行うことができ、部材の数値を入力するだけでBIM/CIMモデル(構造物等の3次元モデルに、部材の情報などを組み合わせた情報モデル)へ即時反映される直観的な操作画面を備えている。また、技術的な知識をフォローする操作ガイダンスやアラート機能も搭載し、使いやすさも追求。さらに、AIを活用した設計最適化機能により、経験不足による入力ミスや基準の見落とし、判断ミスなどのヒューマンエラーも補正する。これにより、誰でも正確かつ熟練者レベルの高品質な構造設計ができるような未来の創造を目指す。

サービスサイト

▲『Structural Engine』のイメージ画像

FastGrow編集部の注目ポイント

  • AI技術によって、熟練技術者が持っていた匠の技の形式知化を実現
  • ムダを省く自動化機能によって、土木業界の生産効率の向上を可能にする
  • 若手技術者でも操作しやすいようにこだわり抜かれたUI/UX
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採用関連情報

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こちらの記事は2024年04月03日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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