今のAIは格差拡張機、今後はどうなる?カオナビ平松×Third Intelligence草深が語り合う、差を分ける環境と、本人の好奇心
Sponsored日本IBMとGoogleで人事領域のキャリアを歩み、いまはAGIスタートアップ株式会社Third IntelligenceのCPOを務める草深生馬氏には、エンジニアリングの経験がない。それでも社内で使う小さな自動化の仕組みを、自分で30分ほどでつくる。少し前まで、エンジニアに頼んで「1週間ぐらいでやっておきますね」と言われ、完成を待っていた仕事だった。
こういうことが起きるなら、人と人との能力差は縮まるはずだ。ところが、現実には逆に開いた。生成AIを社内へ入れる試みを重ねてきた株式会社カオナビ執行役員CBOの平松達矢氏は、AIを「格差拡張機」と呼ぶ。
正直に書くと、FastGrow編集部は、開いた理由を単純に考えていた。早く手を出した人が抜け出し、様子を見ていた人が置いていかれる。差がつくのは、その人がどれだけ使い込んだかだ、と。
ところが平松氏は、早く手を出した側で起きていることから話しはじめた。業務改善をしないまま自動化して、API利用料を毎月何十万も払う。そういう状態になる、と。
自動化は動いている。請求書も届いている。ただ、直していない無駄がそのまま高速で回っているだけだった。速くなったことは、成果の証明ではない。
ここから見えてくるのは、AIの別の顔である。AIは、もともとあった差を見えるようにし、そのうえで広げてもいた。これは、個々人の能力差だけではない。遠回りな手順も、社内に溜めてきたものも、これまで見えなかった負が、今、表に出始めたのだ。
AIが表に出したものを、二人は最前線から具体的に語っていた。直していない無駄。事業の現場でしか溜まらない蓄積。出てきたものを評価する側の目線。個人がどれだけAIを使い込むかだけでは、説明がつかない。
では、この差はこの先どうなるのか。二人の見立ては、縮まる方向にはなかった。ただし、差がつく軸のほうは変わっていく。
それをどう捉え、自分自身の進化にどうつなげていくか。
AIで速くなった、は成果ではない
気が付けば、一人で月に数十万円の請求が──。
企業からも個人からも、こんな声が時折聞こえるようになった。これは、AI自体のコストが高いために届くものではない。利用料が膨らむ背景には、業務そのものを見直さないまま自動化を進めてしまうケースがある。
個人であれば「やってしまった……」と反省し、上限を設定するのみだ。だが、企業ではそうはいかない。もっと深い「負」がそこから見えてくる。
平松以前は、「あれ、こんなにAPI利用料がかかってしまうのか。まあ、効率化が進んでいるのなら、いいか」と楽観的に見ていました。ただ、ピンと来る読者もだんだん増えていると思いますが、そう単純な話ではないとわかってきます。そもそもきちんと業務改善ができていれば、効率化どころか、なくていい無駄なプロセスだった。そう気づかされるんです。
AIはどんどん賢くなっていて、今や「全部お任せ」と指示するだけで、目の前の業務の自動化なんてすぐに実現できます。でも、コンテキストを上手に与えていないと、遠回りでのお任せになる。渋谷から新宿に行きたいだけなのに、山手線を逆回りするようなことが起きるんです。
AIは、渡された前提のとおりに走る。たとえば承認を3人から取る手順がそのまま残っていれば、その3人ぶんの依頼を整えてくれる。だが、その承認を2人に減らせるのか、1人でいいのか、そもそも要らないのか──その検討は、渡すコンテキストに含まれていることが少ない。業務の流れが遠回りなら、その遠回りを高速で走ることになる。
本来あるべきは、業務のやり方そのものを組み直し、それでも残る過程をAIで効率化するという流れだ。それが後手に回ると、非効率は消えるどころか、固定されてしまう。手作業のときは人件費のなかに溶けていた無駄が、従量課金の請求書になって現れる。
つまりAIは、その仕事の組み立てが良かったのかどうか、定量的に示す機能も持つということだ。ただし、それを明確に示すのではない。これは、よく言えば「無駄の発見」だが、毎度そう気づけるわけではない。そして、その「無駄」はすべて、AIの能力不足ではなく、人間の検討不足に起因するものである。
だから、AIで速くなった会社と速くならなかった会社をそのまま数値で並べても、どちらが良いか、はっきりわかるわけではない。
これが、二人の語り合いから見えた1つ目の「不都合な真実」だ。そして残る2つも、形は同じだった。データさえあればAIが価値を生むはずが、実際には、それを使いこなすための実践知が事業現場に要る。うまく使える人がいれば組織も進むはずが、実際には、「うまくいった」を測る評価基準が、なかなか固まらない。
取材内容等を基にFastGrowにて作成
3つに共通するのは、つまずきの原因がAIの側にないことだ。ここから先は、AI×HRに明るい二人の掛け合いで、順に追っていく。
経歴は正反対、見ているものは同じ──AIを「個」へ届けようとする2社
平松氏が所属するカオナビは、人材データを扱うタレントマネジメントシステムで市場を築いてきたスタートアップだ。2025年6月、米投資ファンドのカーライル・グループによる約500億円での買収によって非上場化した。代表取締役社長CEOの佐藤寛之氏は続投し、2030年に非公開化時の数倍の時価総額での再上場を目標に置いている。その判断の背景については、FastGrowでも佐藤氏に聞いている。四半期ごとに市場へ説明する縛りから離れるぶん動かせる幅は広がるが、その代わりに経営はむしろ厳しく問われる、と語っていた。
その中で2025年10月、新しいビジョンとして「Talent intelligence™」を掲げた。同社の言葉では「人材データにAIを掛け合わせ、個の可能性を拓く」。従来のタレントマネジメントから、AIを軸にした位置づけへの転換である。その旗振り役の一人が、執行役員CBOの平松達矢氏だ。ネット黎明期にエンジニアとしてキャリアを始め、コロプラを経てカオナビへ入社。プロダクト部門の責任者を務めたのち、2025年からCBO(Chief Brand Officer)を担う。コードを書いてきた人物が、いまは会社全体のAI活用を主導している。
一方のThird Intelligenceは、松尾研究所からカーブアウトしたAGIスタートアップ。掲げているのは「遍在型AGI」。利用者一人ひとりに寄り添い、それぞれのもとで独自に学習し、成長していく新たな汎用人工知能(AGI)の実現を目指している。「遍在型AGI」の研究開発と、その技術を活用した生活者向けAIプロダクトの開発を両輪に、事業を展開する。
多くのAIスタートアップが企業の生産性向上や業務効率化に向かう中で、Third Intelligenceが見据えるのは、人々の日常生活そのものを豊かにすることだ。生活者一人ひとりに向き合うAIの実現を目指している点に、同社の独自性がある。
CPO(Chief People Officer)の草深生馬氏は、2026年に参画した。日本IBMで人事領域のキャリアをスタートし、Googleでは国内の新卒採用やAPACのMBA採用を牽引。標準化とオペレーションで回す人事を長く経験したあと、スタートアップの組織づくりを支援する立場へと転じ、現在はThird Intelligenceで組織・人事戦略を担っている。エンジニアリングの経験は、ない。
事業も経歴も異なる二人だが、共通していることがある。どちらも、人のキャリアや働き方に向き合ってきたことだ。その二人に、AIがキャリアに与える影響から、語り合ってもらった。
AIに潰されにくい職種など、ない──道具が平等に配られても、差は開いた
草深AIが個々人の業務やキャリアに与える影響は、これまでに存在したどの技術よりも大きなものになると思います。すでに、Googleのベイエリアで「最強の称号」でもあったソフトウェアエンジニア職の人たちが、レイオフの対象に最初に選ばれている。これが最もわかりやすいエピソードだと感じています。
エンジニアの仕事がまず削られる。職種で切って見れば、そのとおりだ。だが二人の話は、そこに留まらなかった。
草深AIの影響を受けない職種、受ける職種という議論には、あまり意味がないと思っています。これからは、どんな職種の人にとっても、AIを使うのが当たり前になっていく。大事なのは、AIによる変化をどう受け止めて、自分なりの使い方を探し続けられるか。そして、その変化を自分の成長やキャリアにどうつなげていくか。誰もがそう考えてAIと向き合う時期に来ていると思います。
平松本当にそうですよね。どっぷりと行けるか行けないかで、仕事の進め方の話が合わなくなったり、組織になじめなくなったり、といったことすら起こるかもしれない。
平松氏が言っているのは、出せる成果に差が生まれるという話ではない。それ以前に、チーム内での会話が成立しなくなる、という話である。AIに何をどこまで任せられるかを知らない人と、毎日それを試している人とでは、同じ会議で同じ言葉を使っても、指す内容が大きく違ってくる。
草深AIによって仕事そのものが影響を受けるというより、仕事における価値の基準が変わり始めていると思っているんですよね。これまでは、手を動かして素早くアウトプットを出せる人が、「仕事が早いね」と評価されてきました。どんな職種でも、スピードは褒められるものだった。でも、AIを使えば、これまで時間がかかっていた作業も短時間でできてしまいますよね。そうなると、アウトプットが早いだけでは差がつかなくなって、かなり平たくなったと思いませんか。
むしろ、「AIを使えば、このくらいはできるよね」という期待が先に来るようになっている。AIを使うことを前提に、仕事の価値や成果が評価されるようになりつつあると感じています。
AIを使うことは、もはや義務。そんな現場も広がっているわけだ。
うまく使える人が褒められる段階から、使えていない人が理由を問われる段階へ。敢えて大げさに表現してみたが、あながち間違いとも言えないだろう。
草深私自身、キャリアはずっと人事領域で、エンジニアリングのバックグラウンドは全くありません。それでも今は、Claude CodeをはじめとするAIエージェントを使って、自分でちょっとしたコードを書いたり、業務に必要なツールをつくったりが、普通にできてしまうんですよね(笑)。
以前なら、エンジニアのメンバーに「こういう仕組みをGASなどでつくってもらえませんか?」とお願いして、「1週間ぐらいでやっておきますね」と言われて、完成を待っていた。それが今では、自分で30分ほどでできてしまう。専門的なスキルがなくても、自分のアイデアをすぐに形にできるようになったんです。
GAS(Google Apps Script)は、Googleのサービス同士を連携させるための簡易なプログラム環境を指す。業務のちょっとした自動化を頼むときの、いちばん軽い依頼だ。その軽い依頼でさえ、頼めば1週間だった。
ここまでなら、よくある効率化の話だ。だが、草深氏はそこに大きなインパクトを感じたという。
草深これは、凄まじい変化だなと思っています。というのも、以前は、エンジニアの貴重な時間を使って何かをつくってもらう以上、それなりの理由が要りましたよね。だから私自身も、「本当に必要なのか」「依頼するだけの価値があるのか」をじっくり考えていたんです。
でも今は、その必要性を考え込むより先に、まず自分でつくれてしまう。そして、実際に動かしてみると新しい発見があって、そこから改善や新しい実装を繰り返していける。誰かの貴重な時間を借りることもない。しかも、その試行錯誤を通じて、自分自身が成長している実感まで得られるんです。
欲しいものを手に入れるために、従来はそれをつくれる人に動いてもらう必要があった。必要性・重要性の言語化に加え、ときには社内の役職、部門をまたぐ人脈、優先順位を上げてもらえるだけの関係。そうしたものも必要になっただろう。そうしたものが一気に不要になったのだ。
取材内容等を基にFastGrowにて作成
もはや、手順が決まっている仕事は、職種にかかわらず誰でも同じ速さで効率化できる。だから「どの職種が消えるか」という切り方では、変化の大きさが測れない。エンジニアだけでなく、営業も人事も、すべての職種が、「AIを使えばこのくらいはできるはず」という同じ物差しの下に並べ直された。
では、平らになった先で、差はどこにつくのか。道具が平等に配られたのなら、人の差は縮まるはずだ。ところが、二人が現場で見ていたものは、その逆を向いていた。
平松アウトカムを見ていると、AIがないときの「有能・能力」の高い低い、そのギザギザは同じで、かつ、差はより強調されているような感じさえあります。
これは「格差拡張機」だなと、僕は感じています。
草深そうですね。AIを上手に使える人は、やはり思考の筋がいい。ただ、それは今のAIの能力に限界があるということでもあるんです。こちらが適切な指示を出さないと、期待した結果を返してくれないということですよね。
平松氏の言う「格差拡張機」とは、AIが差を広げるほうへ働いている、という見方だ。同じ道具を渡されても、人によって引き出せるものが違う。だから、全体の底上げよりも、差分の拡大を多く生み出してしまう。
ただし、草深氏はそこに、現在のAIが抱える限界を見ている。良い問いを立て、適切な指示を出せる人ほど、AIから良い結果を引き出せる。裏を返せば、AIがまだ十分に利用者を理解し、自律的に支援できる存在にはなっていないということでもある。
草深私たちThird Intelligenceが目指しているのは、「遍在型AGI」というAIのあり方です。イメージとしては、一人ひとりに、自分だけのドラえもんがいるような世界ですね。
遍在とは、いたるところに同時にあること。誰もが同じAIを使うのではなく、それぞれの利用者を深く理解するAIが、日常生活のさまざまな場面で寄り添い、支えていくことを目指している。
草深自分のことをとてもよく理解してくれて、いつもそばにいて、一緒に考えてくれる。しかも、すごく賢い。
そんな存在が当たり前にいる世界になったとき、人間は何ができるようになるんだろう、と考えるんです。たぶん、それはまだ誰も経験したことのない頭の使い方になるはずなんですよ。
そうしたAIがあることを前提に育って、ものすごくクリエイティブに使いこなす人たちが増えていく。その人たちが、AI活用の水準をどんどん押し上げていくはずです。その中で、これまでの仕事の進め方に慣れている人たちや組織が、どう変わっていけるのか。最初からAIがある前提で組織をつくるのか、既存の組織をAIネイティブへ変えていくのか。そこには大きな違いがあると思っています。ゼロからつくるか、後から変えるか。結局、その分かれ目が難しいところなのかなというのは、前提として感じています。
AIがあることを前提に動く人たちが、組織の使い方の水準を押し上げていく。後から変える側は、これまでのやり方に慣れているぶん、切り替えが重くなりやすい。そのギャップにどう向き合うかが、既存の組織がAIネイティブを後から目指すときの難所である。ゼロから立ち上げる場合とは、難しさの質が違う。
ゼロからつくるか、後から変えるか。
後から変えるほうが不利に見える。動きは遅く、しがらみもある。だが二人の話は、そこから逆へ向かった。後から変える側にしかないものがある、と。
AIの効きを決めるのは、会社にしか溜まっていないものだった
AIへ渡す材料は、事業を続ける中でどんどん溜まっていく。顧客からどんな要望が来て、それをどう捌き、どこでうまくいかなかったか。そのすべてが、より良い未来をつくる材料になる。
平松事業推進の速度を出したいのなら、やはり小さいチームのほうが有利です。実際、僕の周りにも、独立して個人事業に振り切って、AIで徹底的に効率化しようとしている人がかなりいます。
ただ、それをやっていく中で、ある種の行き詰まりを感じるみたいです。コンテキストの質や量が、効果に現れるというのです。なるほどなと思いました。
たしかに、我々の会社には、データやナレッジとして多くの蓄積があります。これらをコンテキストとしてはさまざまに活用できる。若いスタートアップや個人事業主にはできないような試行錯誤を、数多くやっていけるわけで、このこと自体に今もワクワクしています。
コンテキストとは、AIに前提として渡す情報のこと。これまでに何を試したのか。社内では何が決まっていて何が禁じられているのか。判断はどの基準で下すのか。人に仕事を頼むときに口頭で補う内容が、そのままAI向けにも使用できる。前提が薄ければ、AIは足りない部分を自分で埋めることだってできる。埋めた前提が実際と違えば、返ってくるものも違ってきて、それ自体が新たな学びになる。
平松個人でもAIは使えます。でも、材料の質・量は全く異なるものになる。
「AI時代には、データこそが価値を持つ」とさんざん言われてきた。だが、表計算に並んだ数字だけでは足りない。なぜその判断をしたのか、どこで失敗したのか。事業を続ける中でしか溜まらないものと、それを実際に試しに使う人。この2つが揃って、はじめてAIに渡せる材料になる。
カオナビの新ビジョン「Talent intelligence™」も、この流れで捉えると、また違った見え方になる。同社の説明によれば、集められた人的資本(Talent)にAIをかけ合わせ、具体的なアクションにつながる知見(intelligence)を導き出すという考え方だ。組織の内外にあるデータを統合・分析し、人材マネジメントの意思決定を支える。
同社がこのビジョンで狙っているのは、経営の意思決定を支えることだけではない。導入した企業のメンバー一人ひとりの日々の思考と行動が変わり、その積み重ねが見えるようになる。互いに見えることで組み合わせが生まれ、経営から見た見通しも精緻になる。その循環の先に、組織としての判断の質が上がる──むしろこちらが、創業以来こだわってきた観点だ。
以前の課題は、「会社のなかに溜まっているのに、AIへ渡せる形になっていない」ということだった。カオナビが顧客企業に対して事業としてやってきたのは、まさにこれである。人にまつわるデータを集め、判断に使える形へ変える。Talent intelligence™ は、そこへそのままAIを重ねるという宣言だ。
つまり、平松氏がここまで語ってきた自社のAI活用は、社内の生産性の話にとどまらない。顧客に対して解いている問題を、自分たちの中でも解いている、ということになる。
ただし、社内のどのプロダクト開発でも、AIが同じように使えるわけではない。すでに動いているものを壊さないための確認は、いつでも必要になる。逆に、新しいプロダクトなら、壊す対象がまだ存在しない。
平松当社でも新しいプロダクトであれば、バイブコーディングでの開発を進めやすい。実際にAI生成のコードも多くあります。
既存プロダクトになると、多岐にわたるソースや、これまでのナレッジの蓄積など、さまざまなコンテキストがあるので、そこを全部安全に見るとなると、かなり不安が残ると思います。新規はそこが少ないので、当社でもかなり具体的な実践を進めることができています。
そこで重要になるのが、逆説的なようだが、人間のふるまいでもあるという。
平松一人ひとりが、自分のクセやバイアスについてできるだけ細かく自己開示をして、AIの使い方も含め、お互いに見られるようにしようとしています。一人で抱えてしまうスタンスだと、それぞれが別の脳みそを持ったようになっていって、コラボレーションが起きにくくなってしまう。これは非常にもったいないことになると思っているからです。
一人ひとりが材料を囲い込むと、組織のなかに小さな脳がたくさんできる。それぞれは賢くなるが、足し算や掛け算にはならない。平松氏は、この危うさを繰り返し強調する。
平松この点は最近、強く意識するようになりました。
もっとも、これはAIのために始めたことではない。自己開示して互いに見えるようにするというのは、カオナビがもともと持っていた作法である。AIの活用が進んでいる理由の一端が、ここにある。
取材内容等を基にFastGrowにて作成
方針もここから出てくる。意外に思われるかもしれないが、カオナビは一人ひとりの活用方法について、画一的な正解を設けていない。
平松仮に僕が会社の中で一番職位が高い人間だとしても、メンバー全員に1つのやり方を押しつけるのは、絶対に違うと思っています。
草深さんのドラえもんの話と同じで、一人ひとりに最適な使い方があると思います。そういう考えなので、職種ごとに使い方を決めるようなこともしたくなくて、いまやっているんですよ。
その人に合ったチューニングが大事だというのは、僕はとても伝えたいんです。
「全社で統一した方針をください」と社員から言われることがあるんですけど、その統一方針を持たないこと自体が方針なんです。
推進役の置き方も、同じ発想でできている。役職として任命するのではなく、勝手に走る人を支える設計になっている。
平松うちの「AIアンバサダー」も、役職ではありません。各グループで、我こそがAIを牽引していく、徹底的に調べて家でもやっている、そういう人でないと無理なんです。
最初はアクセル全開できるように、AIツールの利用料も予算として取りました。AIアンバサダーとして認められた人には、無料版で様子を見るのではなく、最初から上位プランを渡しています。
費用の面からも、試行錯誤を後押しする設計である。
では、材料の厚みがない会社はどうしているのか。創業間もないThird Intelligenceでは、長年事業を展開してきた企業のような蓄積があるわけではない。それでも、開発は止まっていない。
草深開発速度がもう、異常なんですよ。
経験豊富なエンジニアたちが、AI活用を前提に、少数精鋭のチームで驚くほどのスピードで開発を進めているんですね。1つのプロダクトのモックをつくる速度も、従来の開発プロセスではまず考えられないレベルです。エンジニア自身もAIを活用してつくっていると公言していますし、むしろAIを使わなければこのスピードは出せないと、わかりきっているんです。
材料の量だけでは、この速さは説明がつかない。もう1つ、差をつくっているものがある。出てきたものを、まわりがどう受け取るかだ。
「うまく使えているね」と、誰も言わない組織──差は、出したものを受け取る側でつく
優秀な人が揃っているから速いのだろう──そう読みたくなる。だが草深氏が挙げたのは、能力ではなく、まわりの反応のほうだった。この組織では、速いこと自体が誰にも褒められない。
草深「AIをうまく使えているね、良かったね」という話にすらならないんです。開発メンバーがAIを前提に仕事をしているのだから、それはそうだよね、という感覚ですね。AIを使っていること自体が特別なのではなく、そういう働き方が組織の前提になっているんです。
評価の言葉が消えるのは、能力が上がったからではない。基準が動いたからだ。
そして草深氏は、この状態を「AIネイティブ」という言葉で捉え、AIを使う側だけではなく、その成果を評価する側の認識も重要だと整理する。
草深今日お話ししたかったことの1つが、「AIネイティブとは何なのか」ということです。私たち自身も、まだ網羅的に定義できているわけではありません。ただ、その中でとても大事だと思っているのが、AIを使う側と、その成果を評価する側の両方に、AIを前提にした共通の認識があることなんです。「自分がどれだけAIを使いこなせているか」という目線だけでは足りない。アウトプットを受け取る側も、「これはAIでできているよね」とわかっている。そういう共通の前提があってはじめて、組織全体としてAIネイティブな働き方が成り立つんだと思います。
認識が揃っているかどうかは、宣言ではわからない。日々の成果物が、どう扱われるかに出る。
草深AIがつくったプレゼン資料って、独特の言葉遣いやデザインがあって、いかにもAIらしい仕上がりになることがありますよね。見れば「あ、AIでつくったんだな」とわかる。ただ、私たちの組織では、AIで生成されたという理由だけで「なんだこれは」と言う人はいないんです。もちろん、内容がしっかりレビューされていることは前提です。そのうえで、「今回は敢えてスピードを優先しているんだな」という意図をお互いにわかっていて、目的と状況に応じて受け止められる。だから、議論もスムーズに進むんです。
以前、人と人との関係性を考えるうえで「心理的安全性」という言葉が広く使われるようになりましたよね。今は、その関係性の中にAIも含めて考えるべき場面が出てきていると思います。これも、AIネイティブな組織を考えるうえで、大事な観点の1つなのかなと思っています。
平松おもしろいですね。でも、そのアウトプットの質をちゃんと理解しているのか、とか、その後にしっかりAIを使いこなして非の打ちどころのないアウトプットを出せるのか、とか、そういった点を他者から正確に評価するのって難しいじゃないですか。会社としてはそうした評価や判断もできていないといけない、みたいに考えてしまいます。
草深わかります。最近は、トークンの利用量をAI活用の1つのものさしにしている企業も増えていますね。ただ、それだけでアウトプットの質を担保できるとは言い切れませんよね。
平松良い使い方とされるものの答えがまだないので、私たちもなんとか指標をつくって評価はしているんですけど、判断の基準がまだまだ固まっていかないというのが率直なところですね。
指標がないわけではない。評価もしている。だが、それで良いとまでは言い難い。そういう状況がさまざまな企業でみられるのが今なのだろう。
そして、評価する側も、自分自身がAIを使い込んでいなければ、そもそも指標の検討すらできない。
平松基本的な指標は、投資対効果と生産性向上になるはずだとは思っています。そうなると、AIの効果が、かなり旧来的なKPIになってしまう。
例えば営業だと、提案書をつくる時間があります。その提案書をつくるところは、AI化できると思っています。
時間をショートにした、ではなく、それによってアポ数が増えた、と見る。これ、昔ながらのKPIじゃないですか。そういう指標を報告すると「すごいね」という話になってしまう。もちろん、良いことであることは間違いありませんが、もっと突き詰めたい(笑)。
時間を短縮したことではなく、短縮した時間で商談が増えたことを見る。成果に接続して測るという意味で、これは正攻法だ。それでも平松氏は、それを「昔ながら」と呼ぶ。AIが起こしている変化の幅に対して、もどかしさを感じているのだ。
測れないから投資判断も鈍る。鈍るから使い込む人が増えない。増えなければ、判断できる人も育たない。同じところを回り続ける。そうなってしまうことを防ぎたい、そう考えているのだ。
平松本当に、絶賛悩んでいます。でも明らかに産業革命的なものではあると思っていて、適用しない選択肢はない。それはすべきですが、AIが事業をつくってくれるわけではないと思います。
草深本当にそうですね。変化のスピードが尋常ではないので、AIを使いこなせない人が、あらゆる場面で取り残されてしまう。そんな未来もあり得そうなくらいです。だから、AIを自分なりに使って変化に適応していけるかどうかは、これからの採用でも大事な要件の1つになっていくと思います。
平松そうですね。理想は、AIの責任者を一人立てて中央集権的になるのではなく、全員がVP of AIとして振る舞うような組織だと思います。草深さんの話は、その思想の先を行かれているんだろうなと思いました。
取材内容等を基にFastGrowにて作成
組織の側で効くものは、材料と目線の2つで出そろった。では、そこで働く一人には何が残るのか。
「優秀」の定義は、もう変わりはじめている──差をつくるのは、その人のエゴ
この問いを、草深氏は「優秀」という言葉の側から立てた。スピードが平らになったのなら、そう呼ばれてきたものの中身も変わるはずだからだ。
草深これまで「優秀」とされてきた人たちも、あくまでその時代の経済の仕組みの中で、高く評価される能力を持っていた、ということですよね。だから、AIによって社会や仕事のあり方が変わるのであれば、「優秀」の定義そのものを変えていかなければならない、という感じですかね。
実際、ChatGPTが登場した4年前の時点で高い能力を持っていたエンジニアが、今ではAIを活用して、さらに高いパフォーマンスを発揮している。それ自体は驚くことではないと思います。
ただ、それと同時に、例えば高校生ぐらいの、これまでコーディングに触れたことのない若い人が、AIを活用したバイブコーディングで短期間にアプリを開発して、大企業へ売却できてしまう時代になっています。しかも、それはごく一部の天才だけの話ではなく、より多くの人に開かれつつある。専門的なスキルを持つ人に限られていたことが、経験のない人にもできるようになる。これはもう、新しい経済の仕組みが生まれていると言えると思います。
だから、やはり「優秀」の定義は変わっていかざるを得ない、という感覚を持っています。
物差しが両極に伸びた。だが草深氏が見ているのは、上と下が離れたことではない。
草深AIによって個人の能力の「ギザギザ」がより際立つようになると、今まで見向きもされなかった、あるいはマイナスに評価されていたような特性や偏りからも、意外な価値が出てくるかもしれません。
これからは、クリエイティビティやオリジナリティが、これまで以上に大きな価値を持ちそうです。「その人らしさ」こそが、他者との違いを生む最たるものになるわけです。
「なぜ自分がこれをやるのか」「なぜこの人に任せるのか」。そういう問いに対して、自分なりの考えや軸を持っている人を、組織として大事にしていくべきなのだと思うんです。Third Intelligenceでも、一人ひとりの個性や独自性を尊重して、それぞれの強みが発揮される組織を目指していきたいですね。
出てくるものの違いは、平準化していく。だから残るのは「誰が出したか」になる。その差は、「何を問いとして立てたか」や「どこを捨てて、どこに賭けたか」「出てきたものを、どの基準で採ったか」など。そこに自信を持って自分ならではの判断を入れて、続けることこそ、価値になる。
草深AIが私たちの身の回りに当たり前に存在するようになれば、これまで人間に求められてきた「課題解決」の多くは、AIが担うようになると思います。そうなると、重要になるのは「何のためにそれを解きたいんだっけ」という問いです。その人ならではの価値観や意思、ある種の「エゴ」が、これまで以上に大きな差を生むようになる。そうした個人固有のものが、組織づくりや採用においても、きわめて重要になっていくと考えています。
人の内側にあるポテンシャルやモチベーション、何かを実現したいというエネルギー。そうしたものが、むき出しの価値として出てくるのだと思っているんです。
では、その「解きたい」は、これから新しく身につけるものなのか。
好奇心と、試し続ける力。この2つがないと、かなり厳しい
草深人や組織のあり方については、これまでさまざまな研究が積み重ねられてきました。例えば、コンピテンシーという観点では、ハイパフォーマーたちがどのような行動特性を持っているのかについて、さまざまな研究が進んでいます。成果につながる行動特性も、数十項目にわたって整理されているんですよね。
つまり、集団の中で高いパフォーマンスを発揮する人には、どんな共通点があるのか。その議論は、もう、し尽くされているんです。
例として草深氏が言及したのは、エグゼクティブサーチ大手エゴンゼンダーの「ポテンシャルモデル」である。同社シニアアドバイザーのクラウディオ・フェルナンデス=アラオズが2014年に『ハーバード・ビジネス・レビュー』誌で発表した。
潜在能力を測る指標として、適切な動機づけに加えて4つの資質を挙げる。好奇心(Curiosity)、洞察力(Insight)、人を巻き込む力(Engagement)、そしてやり抜く力(Determination)が並ぶ。
草深このモデルでは、人間のポテンシャルを測るうえで、4つの資質が大事だと言っています。好奇心、洞察力、人を巻き込む力、そして最後が、これが僕は1番好きなんですけど、「胆力」なんですよね。最後までやり抜く根性というか。こういう「気合い系」の要素が入っているのも、個人的にはすごくしっくりくるんですよね。
平松確かに。これ間違いないですね(笑)。
草深AI時代になっても、こうした資質の重要性は変わらないと思っています。変わるのは、その力を発揮する対象や手段なんですよね。AIが生まれたからといって、人間がまったく新しい資質を身につけなければならないわけではない。好奇心や洞察力、人を巻き込む力、やり抜く力といった資質を、何に対して、どう発揮するかが変わっていくのだと思います。むしろ、AIでできることが増えていくからこそ、こうした資質を持っているかどうかが、これまで以上に問われる。この4つを持っていないと、かなり厳しいと思います。
そのうえで、自分の資質を発揮する手段としてのAIの能力が高まっていけば、それだけ生み出せるインパクトも大きくなっていく。
AI時代に求められる新しい能力があるのではない。これまでも求められてきた「好奇心」や「やり抜く力」が、より大きく差に出るようになっただけである。
ただし、持っていることと使い続けられることは別だ。AIを使う人間は消耗する。それも、想像とは違う理由で。
平松とはいえ、AIって疲れるんですよね。
コンテキストでやっていると、最初はこちらが命令している感じなんです。ループになると、だんだん「なんか俺、命令されてんな」となってくる。で、もう嫌だとなって、自己研鑽して、ループに負けないようにしよう、と。
論理的な最適解を突き詰めていって、10秒を1秒に、1秒を0.1秒に、ということをやっていく。凄まじい速度で進みます。そしてたびたび、私に確認・判断を求める。それが5時間に1回ぐらいですよ。次の5時間のための。
AIは論理的な最適解を際限なく詰めていく。人間の判断が要る地点に来たときだけ、判断を仰ぐ。
草深純粋な好奇心からの質問なんですけど、平松さんは、5時間に1回、AIからの鋭い質問を投げかけられることに、ある種の疲労を感じていらっしゃるということですよね。もし、その質問をしてくるのがAIではなく、きわめて優秀な人間の部下だったとしたら、同じような感覚になりますか?
平松いや、どうなんだろうな。多分、部下だったら「おもろ!」とポジティブに感じるんじゃないかと思いますね。
草深その違いって、何なんでしょうね。なぜAIから同じような問いを投げかけられると、人間はそれを認知負荷として感じてしまうのか。
平松AIと言っても、その仕組みは自分でつくったという実感があるからじゃないかなと思いました。
外部の人だったら、膨大な人生経験があって、非連続な刺激で「その発想はなかったわ」となる。
ただ、今のAIだと、所詮はハーネスを自分でかけて、ループさせた中から出てくるだけ。これでは、自分の身の一部ぐらいのものしか出てこない。自分で自分を食っている気持ち悪さ、みたいなイメージですね。
他人からの負荷には、自分の外側から来たという救いがある。自分で組んだ仕組みから返ってくるものには、それがない。入れたものの範囲を超えないからだ。
草深僕も、AIとのやりとりに、なんとなく負荷を感じることがあるんです。普段はAIを仲間の1人と捉えていて、「ありがとう」と声をかけながら仕事しています。それでも、なぜか疲れを感じる瞬間があるんですよね。例えば、AIに何かタスクを任せて、2〜3分ほど経ってからその進捗に少し目を通すと、すでに答えが出ている。でも、読み進めるうちに「なんか違うんだよな」と感じてしまう。同じことを人間の部下がやってくれたとしたら、多分、そこまで違和感を覚えない気がするんです。
平松なるほど……。でも、「疲れてもやりたい」とか、「この苦しさを乗り越えても実現したいものがある」とか、そういうのがあれば気にならないものな気もするんですけどね(笑)。先ほどの胆力とか好奇心とかの話と同じで、前に進めていこうとするエネルギーで、ロジカルな根拠のないものが、たまにあるじゃないですか(笑)。そういうものが原動力となり、価値になる、そういう話なのかなと改めて感じました。
これまでAIは、「能力×AI」という掛け合わせで、大きな価値が生まれるという考え方が一般的だったと思います。この文脈だと、若い人は経験値の少なさから能力が低くて、大きな価値を生み出しにくいということになる。でも実際の世の中は、そんな単純な話ではありません。
その説明として、胆力とか好奇心とか、そういうものが価値になるのかなと、すごく腑に落ちました。
草深まさに、その通りだと思います。弊社にも、非常に経験豊富なシニアエンジニアがいるんですが、バイタリティーもピカイチなんですよ。「これ、ちょっとやってみよう」となったら、2週間くらい集中して、自分の専門外の領域にもAIをパートナーにして挑戦する。バイブコーディングも駆使して、本当につくってしまうんです。
こうした、何歳になっても新しいことを面倒がらずに試してみようと思える姿勢こそが、これから長く活躍できる一番の要素なんじゃないかなと思いますね。技術の変遷を見ても、結局、自分で手を動かしてつくりたいというエネルギーがある人が、最後に残っている。
草深氏が「胆力」と呼び、平松氏が「根拠のないもの」と呼んだもの。一方は人事研究の枠組みから、もう一方はAIに毎日振り回された身体感覚から、二人はまったく違う経路で同じ1つの資質を指していた。
では、その2つがいちばん活きるのは、どういう環境なのか。
どこへ行くかの前に、いまどこにいるか──揃っていないのは、蓄積か、目線か
平松当社では以前から、メンバー一人ひとりに対してさまざまな情報をオープンにしており、AIに絡めてさまざまな活用が可能です。そんな環境だからこそ得られる知見・経験も多くあるのではないかとは思うんです。
草深それは良いですね。そうした各社ならではの情報やナレッジが溜まっていること、そしてAIを積極的に使うカルチャーがあることは、「自分は今、どこに身を置くべきか」を考えるうえで、大きな判断材料になると思います。
私たちThird Intelligenceは、日本発で、新たなAIモデルの研究開発に挑戦するという、大きな目標を掲げて立ち上がった会社です。その挑戦自体が、働く場所としての大きな魅力になると考えています。
AIを活用してAIプロダクトをつくりながら、その基盤となるAIモデル自体の研究開発にも取り組んでいる。だから日々の仕事の中で、自分自身のAI活用も突き詰めていけるんです。AIモデルの基礎的な研究開発から、実際のプロダクト開発、ユーザーに届ける具体的なユースケースまで、一連の領域に触れられる。グローバルに見ても、これほど幅広い領域に取り組める企業は、決して多くないと思います。
では、この2社はまったく別の方向を向いているのか。公表しているビジョンを並べると、届け先は正反対だ。カオナビは会社へ導入されて社員一人の判断から組織の意思決定までを支え、Third Intelligenceは遍在型AGIが個人に寄り添うことで「社会の基盤となるような新しいサービス」を目指す。BtoBとBtoCである。
だが、その先に置いている言葉は重なる。どちらも、AIを一人の手元まで降ろし、それを社会の基盤にしようとしている。登り口が逆で、目指している頂上は近いようにも思える。
取材内容等を基にFastGrowにて作成
そして、この2つがどれだけ揃っていても、何を問いとして立てるかは自分の仕事として残る。それを代わりにやってくれる人はいない。環境が変えるのは、その判断を試せる回数と速さだけである。
取材内容等を基にFastGrowにて作成
多くの読者が、「AIを使いこなせるかどうかは、努力次第」だと考えていただろう。FastGrow編集部もそうだった。だがこの二人は、「誰がどう使うか」だけでなく「どこで使うか」の重要性も強く感じている。そして、それぞれ今の環境を選び、AIに関する実践を泥臭く積み重ねている。
では、格差はこの先どうなるのか。速さの差は、いずれ誰の手元でも埋まる。埋まらないのは、何を問いとして立てるかと、それを試せる場所にいるかどうかだ。差は縮まるのではなく、つく場所が移っていく。
エンジニアだろうが、ビジネスサイドだろうが、AI活用はもはや絶対条件という時代に突入した。問いは2つある。自分は何を実現したいのか。そして、それを試すための材料と、試したことを受け取ってくれる目線が、いまいる場所にあるか。
こちらの記事は2026年10月23日に公開しており、
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