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リモートワーク当たり前のチームで、GAFAMと渡り合う──FROSKが実践する、少数精鋭でニッチトップを獲る成長戦略

インタビュイー
吉井 文学
  • FROSK株式会社 代表取締役社長 

株式会社サイバーエージェントに入社し、子会社にてスマートフォンマーケティングの営業に従事した後、スマートフォンメディアのプロデューサーとしてアプリや広告商品の新規開発に携わる。その後、株式会社リヴァンプにて、主にマーケティング支援や営業改善のプロジェクトに関わる。 2015年4月よりFROSK株式会社に入社し、マーケティングおよび人事の責任者を務める。

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あらゆる領域で、GAFAMをはじめとするグローバル企業の寡占が進みつつある。しかし小さな企業でも、特定の領域にコミットすれば、十分にテックジャイアント企業と渡り合える。FROSKは、そのポテンシャルを体現する企業のひとつだ。

スマホアプリ向けエラー検知・解析サービス『SmartBeat』を提供する同社は、GoogleやMicrosoftといったグローバル企業も参入する市場で存在感を示しており、導入アプリ数は2,500を超える。

FROSK代表の吉井文学氏に成長戦略を聞くと、他領域に脇目もふらずにニッチトップを目指し続けた事業戦略と、「気持ちよく働く」から徹底的にブレークダウンした組織制度が浮かび上がった。

  • TEXT BY RYOTARO WASHIO
  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
  • EDIT BY MASAKI KOIKE
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ニッチトップを制するには、注力する価値を決めること

SmartBeatは、スマホアプリの品質改善ツールだ。アプリのクラッシュ(異常終了)を感知すると、障害データをサーバーへ送り、原因別にグルーピングし、品質への影響度の高さを可視化する。導入企業は対応の優先順位を決め、改善アクションを取りやすくなる。

「ライバルはGoogleとMicrosoftだ」と吉井氏。Googleは『Firebase Analytics』、Microsoftは『Visual Studio App Center』と、それぞれ同種のプロダクトを提供しているが、日本国内における法人利用においてはSmartBeatが導入数で一歩リードしている状況だ。

吉井氏は、グローバル企業がしのぎを削る市場で、SmartBeatが順調に成長している理由を「統合型ツールを目指さなかったからだ」と語る。GoogleとMicrosoftのツールは、ユーザーの行動分析機能など、品質改善のほかにも多くの機能を備えた「統合型」である。

FROSK株式会社 代表取締役社長・吉井文学氏

吉井世の中の分析ツールは幅広いニーズに対応するため、機能を横展開した「統合型」を目指す傾向があります。

たくさんの機能を開発するには、多くの人手と時間、資金を必要とするため、どうしても大企業が有利になる。だから、FROSKはひとつの機能に絞ってサービスを磨き上げた。

ニッチな領域に特化し、提供価値を愚直に高め続けてきたことが功を奏したんです。提供価値を明確に絞るからこそ、実現できる機能もありますからね。

また「顧客のデータを集め、分析する」ビジネスは、先行者が優位に立ちやすい。ユーザーが後発のツールに変更することは、蓄積したデータを破棄することを意味するので、乗り換えには消極的になりやすいからだ。

特にアプリの品質改善ツールは、クラッシュの履歴と対処方法、すなわち「アプリの開発と改善の歴史」そのものが記録されている。そのため、より一層、変更には踏み出しにくい。

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適切なタイミングでの代表交代が、事業を加速させた

FROSKは2018年6月に代表が交代したが、それも成長を加速させるドライバーとなった。2012年の創業以来、ものづくりを得意とする前任の中尾憲一氏のもと、0→1を繰り返してきたが、2014年にSmartBeatがローンチされ、軌道に乗ったタイミングで吉井氏がバトンを受け取ったのだ。

代表交代後の変化のひとつとして、吉井氏は利用顧客の幅が増えたことを挙げる。

吉井2年前までは、ゲーム業界やWeb業界の企業がメイン顧客でした。現在は、ゲーム業界では「使っていて当たり前のツール」の立ち位置を獲得できたのに加え、他業界のナショナルクライアントにも導入してもらえるようになりました。現在では飲料メーカー、化粧品メーカー、金融、不動産、小売……幅広い業界のお客様がいらっしゃいます。

ある大手企業のアプリは、企業認知度の高さも手伝い、ローンチ当初から多くのユーザーにダウンロードされていた。しかし、クラッシュが頻発。品質を改善するためにSmartBeatを導入すると、その原因が特定できた。一つひとつ対処していったことで、アプリストア内でのレビューの得点も大幅に改善したという。

アプリ品質改善ツールを導入していない企業は、クラッシュ率を捕捉すらできていないケースが多い。「今回は炎上したから開発品質が悪い」と、感覚的に判断している場合もあるという。

また、プロダクト開発の意思決定がしやすくなる点も好評だ。SmartBeat導入企業の平均クラッシュ率を提示しているため、クライアントは自社の状況を客観的に理解できる。「新機能の開発よりも、既存機能の品質改善を優先しよう」といった、データがないと意思決定しづらい判断も下しやすい。

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マジックワード化する「カスタマーサクセス」。求めるのは、ビジネスの“総合格闘家”

代表交代後の成長要因として、カスタマーサクセスへの注力も挙げられるという。SmartBeatをセルフサーブのソフトウェアとして提供するだけではなく、人的サポートにも注力する決断を下したのだ。

2年前にカスタマーサクセス担当を配置し、1年前からは採用にも力を入れはじめた。しかし、採用は簡単には進まなかった。その理由は、現代の求人市場における「カスタマーサクセス」のマジックワード化にあった。

吉井候補者にも人材エージェントにも、業務内容が伝わりにくいんです。「カスタマーサクセス」の中身は、事業やプロダクトの種類によって異なります。

それにもかかわらず、セールスからコールセンターまで、幅広い業務を内包する言葉として「カスタマーサクセス」が流通している。そのために、私たちが求める業務内容が正確に伝わらず苦戦しています。

「FROSKのカスタマーサクセスは“総合格闘技”だ」と吉井氏。クライアントと折衝し、技術的な観点も十分に考慮してクライアントのアプリ品質向上をサポートする。

アプリのグロースハックに関する知識はもちろん、アプリ開発にまつわる技術的知識など、顧客のアプリビジネスを品質面を通じてサポートするための、幅広い素養を兼ね備えることが求められる。

吉井担当者と会話を重ねながら、課題を特定し、解決へと導く。技術とビジネス、両方の知見がないと、この役割は務まりません。もっとも、そんな高スペックな人はなかなか見つからないので、僕たちも試行錯誤しているのですが(笑)。

カスタマーサクセスへの注力に加え、外部環境の変化も自社の成長を後押ししてくれたという。

吉井ここ1〜2年で、世の中全体のアプリ品質への意識が大きく変化した感覚があります。QRコード決済をはじめ、生活においてアプリを使うシーンが増えたからでしょう。

そうした消費者の志向性変化に伴い、企業も「アプリの品質向上にはもっと投資すべきだ」と認識を変え、特化型ツールの導入に踏み切る例が増えたんです。

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事業成長よりも、「気持ちよく、楽しく働くこと」を優先

着々と事業成長を進めるFROSKだが、吉井氏は「事業成長は最優先事項ではない」と言い切る。同社が最も重きを置いているのは、メンバーが「気持ちよく、楽しく働けること」だからだ。社内制度や採用の方針も、そのために最適化されている。

吉井メンバーの働き方に無理があるなと思ったら、まずはそこを解決します。仮に会社の成長が一時的に遅くなるとしても、働き方の改善を優先するでしょうね。それが結果として顧客への提供価値最大化に繋がると考えているからです。

FROSKが目指すのは、楽しく働きながら、社会に高い価値を還元し続けること。企業としての成長は目的ではなく、価値を提供し続けるための手段だと考えるようにしています。

SmartBeatをつくった背景には、「開発者の働き方を改善したい」という想いがある。バグの修正など、品質改善のための作業には多大な労力がかかる。この労力を自動化し、ツールによって効率化しなければ、現場が疲弊してしまう。

吉井SmartBeatで品質改善を効率化し、アプリをより良いものにするための作業にもっと時間を使ってほしいんです。そんな想いでサービスを提供している会社のメンバーが疲弊しているなんて、言行不一致も甚だしいじゃないですか(笑)。

快適な働き方を実現するためのサービスをつくっている会社だからこそ、どこよりも働き方にはこだわりを持たなくてはいけません。

大手企業の傘下にあることも、働き方優先の事業推進を可能にする要因だ。FROSKは2014年、ヤフーに買収され、完全子会社となった。ヤフーのように資本力の豊富な大企業は、傘下の企業が急速な成長を遂げずとも、安定した経営が成り立つ。だからこそ、FROSKは働き方重視の経営を実現できているのかもしれない。

そんなFROSKのメンバーには、限られた時間内で価値を発揮することが求められる。残業時間は多くとも月20時間ほどにとどまるうえ、働き方の合理性を何よりも重視し、リモートワークも4年前から導入済みだ。

昨今、多くの企業がリモートワークを導入している。しかし、形骸化してしまっている例も少なくないであろう。吉井氏はその原因を「リモートワークの回数や時間を制限している点にある」と分析する。

吉井制限を設けると、リモートワークは企業にとって「イレギュラー」な働き方になってしまいます。イレギュラーな行為には抵抗感がつきまといますし、会議体などの制度設計がイレギュラーケースに最適化されることは少ない。

すると結局、「出社した方が働きやすい」という認識が広まるから、リモートワークが定着しないんです。

一方でFROSKは、リモートワーク前提の勤務形態をとっている。そのため「オンラインコミュニケーションの技術も磨かれ、不都合が生じることはない」。吉井氏いわく、「自律できる大人力の高いメンバーが集まっている」とのことだ。

もちろん、対面コミュニケーションの有用性を否定しているわけではない。組織の一体感を醸成するために、週次で定期的な対面機会も設けている。組織の一体感と働き方の合理性、それぞれを最大化するリモートワークのあり方を模索し続けているのだ。

吉井少数精鋭の組織だからこそ、現在の働き方が成り立っている側面もあると思います。しかし、目的は少数精鋭であり続けることではなく、「気持ちよく、楽しく働くこと」。

この目的が達成されるのであれば、人数を増やしていくこともやぶさかではありませんよ。

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FROSKが求める“プロセスドリブン”なメンバー

「気持ちよく、楽しく働く」を信条に、FROSKは海外展開も進めている。すでに韓国には複数のクライアントが存在し、今後も東アジアや東南アジアを中心とした非英語圏への進出を強めていく。

吉井弊社はCTOはじめ、英語ネイティブなメンバーは多いですが、競合がGoogleやMicrosoftなので、英語圏で戦いを挑むのは避けています。

まずは彼らがローカライズのコストをかけてまで進出しない非英語圏の国で、戦っていきたいと思っています。

大企業がわざわざやらないことをできるのが、小規模な会社の強みであり、勝ち方なんです。

中長期的には、「アプリの品質改善」の他にも新たなるニッチ領域への挑戦を目論む。

吉井狙うのは、ニッチであるがゆえにグローバル企業が手を出しづらいけれど、それでも重要な領域。

幸いキャッシュも潤沢にあるので、ビジネス的にはすぐには立ち上がりづらく、他社が避ける領域で、淡々と努力を続けられればと考えています。「開発者向け」の軸はぶらさず、新たなチャレンジを模索していきます。

そのため今後は、採用にもより一層の力を注ぐという。先述のカスタマーサクセス担当に加え、引き続きGAFAMとサービスの質で戦っていくため、優秀なエンジニアの採用も急務だ。

そのほか、東アジアでのグロースのために、韓国語や中国語を駆使するカスタマーサクセス担当、ゼロから海外での販路拡大をリードできるBizDev担当など、幅広いポジションのメンバーを募集をしている。

吉井ニッチで一見は地味な領域でも、脇目を振らずに頑張り続けることで、グローバル企業にも勝る提供価値を発揮できます。そのことに魅力を感じ、その過程を楽しめる人と一緒に戦っていきたいですね。

ゴールへの共感はもちろん、それ以上にプロセスへの共感が重要です。働き方にこだわり、気持ちよく、楽しく働きながら、効率的に提供価値を最大化するプロセスを楽しめる人を待っています。

こちらの記事は2020年03月27日に公開しており、
記載されている情報が異なる場合がございます。

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執筆

鷲尾 諒太郎

1990年生、富山県出身。早稲田大学文化構想学部卒。新卒で株式会社リクルートジョブズに入社し、新卒採用などを担当。株式会社Loco Partnersを経て、フリーランスとして独立。複数の企業の採用支援などを行いながら、ライター・編集者としても活動。興味範囲は音楽や映画などのカルチャーや思想・哲学など。趣味ははしご酒と銭湯巡り。

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藤田 慎一郎

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小池 真幸

編集者・ライター(モメンタム・ホース所属)。『CAIXA』副編集長、『FastGrow』編集パートナー、グロービス・キャピタル・パートナーズ編集パートナーなど。 関心領域:イノベーション論、メディア論、情報社会論、アカデミズム論、政治思想、社会思想などを行き来。

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長谷川 賢人

1986年生まれ、東京都武蔵野市出身。日本大学芸術学部文芸学科卒。 「ライフハッカー[日本版]」副編集長、「北欧、暮らしの道具店」を経て、2016年よりフリーランスに転向。 ライター/エディターとして、執筆、編集、企画、メディア運営、モデレーター、音声配信など活動中。

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