【ベンチャーキーパーソン名鑑】プロダクトマネージャー編 Vol.1:Shippio 伊井 壮太郎氏
「あの会社の急成長は、なぜ実現できたのか?」その答えは、最前線で事業の課題と格闘し、成果を出し続けている「ベンチャーキーパーソン」の仕事術に隠されています。
本連載では、スタートアップやベンチャー企業が事業を伸ばす上で避けて通れない具体的な「業務の壁」を、彼ら/彼女たちがどう乗り越えてきたのかを徹底解剖。
日々の業務ですぐに役立つ実践的なノウハウ、困難な意思決定を支えた思考プロセス、そしてリアルな成功と失敗の事例、そこから得たノウハウを、ご本人たちの言葉で共有する。
彼ら/彼女たちの生きた経験は、あなた自身の課題解決のヒントとなり、スタートアップやベンチャーでの活躍、あるいはキャリアアップを加速させる具体的な「処方箋」となるはずだ。
Shippioにおける「PdM」の魅力とは?

以下、話者は伊井さん
Shippioが取り組んでいる国際物流領域では、デファクトスタンダードとなるSaaSサービスが未だ存在していません。
これは、業界全体におけるIT活用の遅れと、各企業での業務の個別最適化により、ソフトウェアによる標準化が困難であることが要因です。毎日複雑なパズルを解くような気持ちで頭を抱えながら業務をしていますが、チャレンジングな課題に取り組むことを楽しめる方にとっては良い環境といえます。
また、自社で物流オペレーション事業を展開しているため、「社内に顧客がいる」という特徴があります。開発したプロダクトを社内ユーザーに実際に使ってもらい、迅速なフィードバックを得られることで、アジャイルなPDCAサイクルを実現できる環境は、プロダクトマネージャー冥利に尽きます。
PdMの処方箋
処方箋 その1:
2つ上の役職の目線を持つ
よく言われることではありますが、キャリアの初期から「自分の2つ上の役職の目線で仕事をする」ということを意識し続けています。
Shippioに入社当初、一人のプロダクトマネージャーだった頃は部門長の目線で。部門長になった今は、僭越ではありますが、自分がCEOだったら何を課題とするか、という視点で物事を考えるようにしています。
こうすることで、大局的な視点を保ちながら、近視眼的に目先の対応に終始することなく、本質的な課題に取り組むことが出来るように努めています。
処方箋 その2:
感情に振り回されないコツ
自分の感情に振り回されないようにすることは常に意識しています。自分なりのコツは以下の3つです。
- 自分の感情を客観視して把握すること
- 仕事上の人格を「装備」すること
- 自分がコントロールできることとできないことを区別すること
私は元々メンタルが特に強くないと自覚していますが、上記の3点を意識することで感情のコントロールができるようになりました。その結果、仕事上での心理的な揺れやそれによるパフォーマンスの変動も少なくなってきたと実感しています。
PdMを学べるオススメコンテンツ
オススメその1:「イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」」
書籍情報 | |
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著者 | 安宅和人 |
出版社 | 英治出版 |
出版日 | 2010/11/24 |
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言うまでもない名著ですが、外すわけにはいきません。何かの施策や課題に取り組む際は、それが本質を捉えていない「犬の道」になっていないか、と常に自問自答するようにしています。今でも定期的に読み返しています。
オススメその1:「世界秩序の変化に対処するための原則」
書籍情報 | |
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著者 | レイ・ダリオ |
出版社 | 日経BP |
出版日 | 2023/9/23 |
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有史以来繰り返されてきた国家や帝国の興亡パターンを、社会・政治・金融など多角的な観点から詳しく解説しています。人類社会の構造には時代を超えた普遍性があり、現代も例外ではないという示唆を与えてくれます。
プロダクトマネジメントは一見すると直接関係がないように思えるかもしれませんが、プロダクトを開発し、価値を提供し、対価をいただく営みは、社会や経済の大きな流れの中にあります。
マクロ視点で社会・経済の動向を理解しておくことは、遠回りのようでいて、日々の意思決定や中長期の戦略立案を裏打ちする力になると考えています。
キーパーソン伊井氏から皆さんへのメッセージ
Shippioは「産業の転換点をつくる」をミッションに掲げ、国際物流領域のDXを推進しています。島国である日本にとって、国際物流は人々の生活を支えるインフラ産業です。人手不足が加速する一方、EC等の普及で物量は増え続けていく中で「あたりまえにものが届く」社会を維持するためには、国際物流業界を「アドバンスト」に変えていく必要があります。
歴史のあるこの産業を変革することは簡単ではありませんが、難しい課題に取り組むことが好きな知的好奇心旺盛な方にはこのうえなく面白い環境です。
また、Shippioには、職種の垣根を超えて“One Team”でコトに向かう文化があります。PdMとして、国際物流の実務を担うオペレーション部等のビジネス職のメンバーと額を突き合わせて会話ができるのはとても魅力的だと感じます。各ポジションで積極採用中です。ぜひ採用ページよりご応募ください。
Shippioのプロダクトマネージャーの募集を見てみる
プロダクトマネージャー 株式会社Shippio
こちらの記事は2025年06月30日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
連載ベンチャーキーパーソン名鑑
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