INTERVIEW
小川 哲史
17-12-01-Fri

EXILE、三代目J Soul Brothers擁するLDHがアパレルに破壊的イノベーションもたらす
かつてない付加価値がファッションを変えるのか?

TEXT BY MEGUMI OTAKE
PHOTO BY YUTA KOMA
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EXILEや三代目J Soul Brothers、GENERATIONSといった人気アーティストが所属するLDH。

彼らの衣装制作やアパレルブランドを展開する子会社、LDHアパレルが注目を浴びている。

展開する24karatsやJ.S.B.は、
アーティストのファンを中心に売り上げを伸ばしてきたが、
最近になって一般層にもジワジワと浸透してきている。

それに続き、DJ DARUMAが手掛けるFULL-BKとEXILE NAOTOがディレクションするSTUDIO SEVENも話題だ。

アパレル業界が低迷状態のいま、アーティストがファッションを救うのか?

インフルエンサービジネスのようだが、
小川哲史社長の話を聞いていると全く違うと感じた。

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カルチャーこそファッション

これまでのキャリアと、LDHのアパレルに携わるまでの経緯を教えて下さい。

小川10代の頃からダンスが好きで、EXILEのMATSUさんとは学生時代に知り合いました。当時、HIROさん(LDH創業者・会長、EXILEリーダー)が所属していたZOO(ズー)に憧れていたこともあり、彼らのダンススタイルはもちろん、ファッションに興味を持つようになりました。90年代のファッションは今でも、自分の中で原点になっていると思います。

その後、グラフィックデザイナーをしたり、デザイナーとして自分のブランドを設立したこともあります。

ファッション業界でキャリアを積んでいる最中、EXILE MATSUさんから「LDHでブランドをやりたい」と連絡を頂いたのをきっかけに、初めはサポートするカタチで外部契約としてデザイナーを務め、その後アパレル部門子会社化に伴い代表取締役に就任しました。

ライブ衣装の制作やブランドコンセプトに対して、アーティストの意見はどのくらい反映しているのですか?

小川かなり反映します。EXILE NAOTOのSTUDIO SEVENに関しては、彼主導ですし、FULL-BKはDJ DARUMA自身が全てデザインしています。ストリートカルチャーのファッションは発信力、リアリティのある人が表現する方がリアルだと思いますね。

FULL-BK 2017秋冬コレクション
提供:株式会社LDH アパレル

STUDIO SEVEN 2017秋冬コレクション
提供:株式会社LDH アパレル

小川ストリートシーンにおいて影響力のある人が表現手段としてつくったものがストリートファッションなんです。そういった意味で、アーティストの感性をできるだけ活かし、それをサポートするのが私の役割です。

発信する側がカルチャーにリンクしていていないと、顧客に響かせることはやはり難しいのでしょうか?

小川私たちの表現法は、アーティストのイメージ戦略とは異なります。メジャーアーティストだからこそ誤解されがちなのですが、EXILEを始めアンダーグラウンドシーンでトップを走ってきたチームばかりなんです。

HIROさんを中心にストリートカルチャーを根底としているのがLDHだと自分は思います。

幻想で塗り固められたものではなく、アーティストたちのリアルが音楽にもファッションにも表現され、最近では女性だけでなく音楽ファンからも共感を得られるようになりました。

当時アングラといわれてきたヒップホップカルチャーやファッションが、ここまで日本で認知度をあげたのはEXILEも要因のひとつでしょうか?

小川EXILEがブラックミュージックをJポップと掛け合わせたことで、ダンスやブラックカルチャーが国民的認知を得るきっかけのひとつになったと思います。

幣社のブランド、24karatsはもともとEXILEメンバーがリハーサルでモチベーションをあげるためにトレーニングウェアからスタートしたブランドです。今では、実際にライブで着用したものを、一部レプリカとして商品化しています。

24karats 2017秋冬コレクション
提供:株式会社LDH アパレル

24karats 2017秋冬コレクション
提供:株式会社LDH アパレル

小川スケートやサーフブランドがあるようにダンスを根幹にしたブランドを作りたいという思いがこのブランドには込められています。

おかげさまで設立10年目を迎えました。着るものも音楽も、根底にしているカルチャーと一緒に伝えていくことが重要です。

LDHが得意とするエンターテインメントとファッションは実際相乗効果は高いのでしょうか?

小川24karatsは楽曲にもなっています。ミュージックビデオを制作して、その中でブランドとしての衣装が際立つ。その世界観をファッションとして販売につなげる手法は、弊社が初だと思います。

三代目J Soul Brothersの曲『J.S.B. LOVE』ではビデオ内で着用している衣装を一部レプリカで販売し、楽曲と衣装が連動し、その世界観を顧客に伝えることができるんです。

ファッション×エンタメコンテンツを海外発信していくことは考えていますか?

小川もちろんです。楽曲のプロデューサーが海外になってきていますし、これから様々なアーティストたちと曲を作っていくことになります。

もちろん東京オリンピックのタイミングで日本を盛り上げたいという気持ちはありますし。アメリカやヨーロッパでも活動しながら、アジアのマーケットにも浸透させて行きたいです。

小川LDHは拠点を海外に作りはじめており、ロサンゼルスやニューヨーク、アムステルダム、上海にオフィスを設けています。

24karatsやJ.S.B.はアーティスト色が強いので、日本ではファッションとして純粋に評価してもらうことが、まだまだ難しい部分があります。海外での反応がフラットなのかもしれません。

来年には海外でチャレンジすることを考えています。

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売れないものは何かが間違っている

LDHのD=dreamですが、今ファッションに対する夢が薄れていっています。御社としてこの現状に対し思うことと、できることは?一般のアパレル企業より広がりがあると思います。

小川そこに関しては自分もよく考えます。すごく難しいですよね。

ただ、自分はアパレルだけでビジネスをやっていこうとは考えていません。

LDHはHIROさん、EXILEのオリジナルメンバー、マネージメントスタッフからスタートしている会社です。

三代目J Soul BrothersもEXILEに憧れて入ってきたメンバーばかりです。

そのまわりに自分らがいたことで衣装を制作するようになりましたし、徐々に事業が広がったという感じです。

アーティストのエンタメと音楽、ファッション、映像、飲食、いろんなカタチで総合エンタメを作り上げるのがLDHなんです。

その根底にある大テーマが、HIROさんが掲げた「LOVE DREAM HAPPINESS」。なので、ファッションだけで夢をつくっていくという感覚は少し違うのかもしれません。

弊社はファッションや音楽、飲食、ほかにも楽しいモノ・コトが連動し、顧客様に喜んで頂きたいと考えています。

LDHグループの背景があるので独自の付加価値を見出せると思います。

ファッションビジネスで最も重要な点は何だと考えますか?

小川お客様に楽しんで頂ける事、それに尽きます。

決して謙るということではなく、我々が発信するクリエイションをどうやって喜んでもらえるかということです。

有名ブランドとのコラボレーションも毎回話題にのぼりますね。

小川先日、EXILE AKIRAプロデュースのVANSが、発売日にABCマート渋谷店で500人くらい並び即完売しました。

提供:株式会社LDH アパレル

小川EXILE KEIJIプロデュースのF.C.R.B.も反響が良く完売し、関口メンディープロデュースのカンゴールも海外アーティストが着用し、G-SHOCKは年1でコラボさせて頂いておりますが、こちらも毎回完売です。完売するとまた第二弾、第三弾へとつながります。

過去にはアベイシングエイプ、マスターマインドともコラボレーションしました。

コラボアイテムを筆頭にアパレル部門が好調とのことですが、グループで一番売り上げが大きい事業は?

小川やはりライブ興行です。国外には6万人規模を動員するドームのような屋内スペースがないんです。

ライブエンターテインメントとしては世界レベルだと思います。EXILEのライブでは地上45mくらいのLEDタワーを建設し、それらが動く仕組みを設置しました。

例えアーティスト自体に興味がない方が観たとしても、楽しんで頂ける内容かと思います。

それだけの動員数を集められるのは、スタッフのサポートを通じて、彼らのクリエイションが本当にファンに響いていることが理由なのですね。

小川私たちは、アーティストと一緒にモノを作り、皆様に提案することをモットーにしています。しかしビジネスですので、アーティストの熱量は尊重しつつシビアに意見交換します。アーティストもスタッフもファミリーみたいな関係性で面白みがあると感じています。

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株式会社LDH アパレル 代表取締役CEO/クリエイティブ・ディレクター 小川 哲史
[文]尾竹 めぐみ
[撮影]小間 優太

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