「経営者の志」こそ海外事業成功のカギ──世界の“食”を変革。ものづくりスタートアップ・デイブレイクに学ぶ、海外進出に必須の4条件

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インタビュイー
杉浦 広太
  • デイブレイク株式会社 執行役員 海外事業部長 

埼玉県越谷市出身/キーエンスでのセールスを経て、アクセンチュアにてマネジメントコンサル、その後、日本M&Aセンター海外事業部にてクロスボーダーM&Aコンサルタントとして勤務。デイブレイク参画後は、執行役員兼海外事業部長として、海外事業全体を管掌。

松浦 壮馬
  • デイブレイク株式会社 海外事業マネージャー 

兵庫県西宮市出身/慶應大学在学中にデイブレイクでインターン生として主に国内・海外の営業を経験。その後海外の大学院を卒業し、三菱商事に入社。アパレル関連の部署にて事業投資・国内大手ブランド向けOEM業務に従事。2度目のデイブレイクでは海外事業部の立ち上げを担当。

ラッダウィ ユーセフ
  • デイブレイク株式会社 海外事業部 

チュニジア出身/大学院卒業後、エネルギー業界・食品業界のWEBマーケティング戦略・調整・マネジメント、プラスチックとステンレスメーカーで海外プロジェクトマネージメント(製品の開発段階から製品の出荷まで)を担当。

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いつか海外事業を展開したい──。そう野心を抱くベンチャー/スタートアップは数多い。しかし、実際に行動を起こし、成果を上げられる企業は一握りにすぎない。

では、その成否を分けるものとは何か。それは巨大マーケットや顧客の強いニーズ、自社の優位性などが挙げられる。が、それだけでは不十分。

最も重要なものとは、「経営者の志」、これに尽きる。

なぜなら、組織を率いるトップの強烈な想いなく、海外事業にヒト・モノ・カネのリソースを投下し続けることは現実的に困難だからだ。

今回は海外展開を目論むベンチャー/スタートアップに向けて、現在進行形で海外へ挑戦している同志たちからその事業ノウハウを訊いてきた。その名もデイブレイク。「食」の領域における“ものづくりスタートアップ"として、国内外で急速に成長している企業だ。

同社は、2021年に『アートロックフリーザー』という特殊冷凍機をリリース後、国内市場を僅か2年で席巻。また、2023年8月より東南アジアを皮切りに海外事業を展開している。

これまでFastGrowでは、代表・木下氏CxOの守下氏&下村氏への取材を行い、デイブレイクが他の追随を許さない秀逸なビジネスモデルや優秀な人材を擁していることを伝えてきた。本稿では、デイブレイクの海外事業部隊が説く、海外進出に欠かせない「経営者の志」の重要性に迫る。

  • TEXT BY YUKO YAMADA
  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
  • EDIT BY TAKUYA OHAMA
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「経営者の志」なくして海外事業は続かない

執行役員 海外事業部長 杉浦氏

杉浦まだ、実績的にものを言えた立場ではないのですが、ベンチャー/スタートアップが海外事業を成功させるためには、次の4つの要素が必要だと感じています。

  1. 巨大なマーケット
  2. 強い顧客ニーズ
  3. 自社の競合優位性
  4. 経営者の志

杉浦そして、デイブレイクはこれら4つの要素を満たしており、それが我々の海外事業における勝ち筋だと考えています。

海外事業部の全体を管掌する杉浦氏は、海外事業における成功の秘訣をそう断言した。

杉浦4つの要素と我々の事業を絡めてお話すると、まず特殊冷凍市場のグローバル規模は約4,000億円という巨大市場です。そして現在、世界中から我々のもとへ問い合わせがあり、顧客のニーズの強さを感じています。

自社の優位性については、2021年に急速冷凍機メーカーとして事業を立ち上げた後、僅か2年で国内市場のトップシェアを獲得した実績にみてとれるかと思います。

我々は、メーカーになる以前から約8年間にわたり、代理店販売を通じて特殊冷凍機に関する知見やネットワークを培ってきました。そして、メーカーになってからも、単なる物売りではなく、顧客に伴走しながら冷凍食材を用いた販路開拓まで支援しています。

現時点でグローバルにおいて同様のビジネスモデルを展開している企業はほとんど見られず、この点が我々の競合優位性になりますね。

そして最後に、海外事業において最も重要なのが、「経営者の志」です。組織のトップがどれだけ強く海外事業の実現を願っているかが極めて重要だと思っています。

「経営者の志」が必要な理由について、杉浦氏は「単に経済合理性の観点だけで海外事業に手を出すには、ハードルが多すぎるから」と説明する。

杉浦もちろん海外進出には、利益を生み出す可能性があるだけでなく、投資家からの評価や、採用活動におけるアピールなどさまざまなメリットがあるでしょう。

ですが、国内市場に比べて海外での事業展開には多くの困難を伴います。例えば、時差や為替レートの変動、政治問題や紛争問題など、国内事業よりもコントロールできない変数が一気に増えていきます。

この事から、単に「事業上のメリットがある」という理由だけで海外事業を成功させるのは非常に難しいことが分かります。。そこには経済合理性を超えた経営者の「ビジョン=志」が必要であり、このビジョンこそが海外事業の成否を分ける鍵になると思っています。

たしかに、経営トップが「海外に進出したい」という強烈な想いを抱いていなければ、既存事業で得たリソースを海外事業に持続的に投資していくことは困難だ。

では、デイブレイクの場合はどうなのだろうか。海外事業部のマネージャー松浦氏は次のように話す。

海外事業マネージャー 松浦氏

松浦代表の木下は、グローバル市場を見据えて事業に取り組んでおり、「絶対に勝てる」という強い信念を持っています。そして、この信念の原動力となっているのが、デイブレイク創業のきっかけでもある、東南アジアの路面店で出会った「マンゴスチン」なんです。

どんなに美味しい果物でも売れ残ったものは破棄されてしまう。そんな現実を目の当たりにした木下は、「鮮度を保ちながら多くの人たちに食材を届け、生産者にもきちんと対価を還元できないか」と考え、国内の特殊冷凍機の技術に着目しました。(詳しくはコチラ

そして我々は、食品業界の変革を世界に広げていくため、2023年7月、グローバル市場で戦える優秀な人材の確保と新規事業への投資を目的として20億円の資金調達を実施したんです。

現在、海外事業に対しては大規模な予算を組み、マーケティングやプロモーションに積極的な投資をしています。

市場や顧客のニーズ、自社の強みなどに加え、経営者がいかに海外事業に賭けているかが事業の成否を分ける。興味深いメッセージだ。

過去に同社代表の木下氏の記事を読んだ者であればお分かりいただけるだろうが、たしかに木下氏の強い志と壮大なビジョンが海外事業の推進力となっていることは明らか。このような経営者の強い想いが事業の基盤にあるからこそ、デイブレイクはアグレッシブに海外進出していけるのだろう。

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立ち上げ4ヶ月で売上4,000万円。
全世界からコンタクトが飛び交う

デイブレイクは2023年8月より海外市場向けに特殊冷凍機『アートロックフリーザー』の販売を開始。僅か4ヶ月で約4,000万円の売上(約500万円 / 台)を記録し、順調な滑り出しを見せている。

同社の海外事業における主なミッションは次の2つ。「エンドユーザー向けの特殊冷凍機の販売」と「現地代理店の開拓」である。

エンドユーザー向けのアプローチでは、Web広告を用いたマーケティングでリードを獲得し、その後、セールスチームがこれらのリードに対して販売活動を行う。

一方、代理店の開拓に向けたアプローチでは、Webサービスを活用して現地の代理店候補を探し、オンラインでの商談後、現地で直接交渉を進めていく。

デイブレイクでは長期的な目標としてアメリカ市場への展開を掲げているが、現段階での主なターゲットは東南アジア・東アジアだ。

しかし、直近Facebook広告を導入した結果、リード獲得に顕著な変化がみられるようになった。特にインド、バングラデシュ、ナイジェリアといった新たな地域からの問い合わせが急増し、現在は北米、欧州、東南アジア、南アジア、オセアニア、南米とデイブレイクに対する関心が全世界に広がっているという。

杉浦日々、世界各国から問い合わせが入っていますね。珍しいところでは、先日、南スーダンの大統領の弟が民族衣装を身にまとって当社を訪問されました。

私とチュニジア人のユーセフがショールームで対応していると、通りかかった社員からは「『We Are The World』の撮影をしているかと思った」と驚かれたほど(笑)。

ちなみに、ユーセフは日本語だけでなく、6ヵ国語を話すことができるんです。ユーセフがいるおかげで、ほぼ全世界の人たちとコミュニケーションを取ることができる。デイブレイクにとっては非常にありがたい存在です。

ユーセフありがとうございます。直近のリードの状況を見ても、今、世界各国で特殊冷凍機のニーズがあるんだと実感しますね。広告の見せ方を変えるだけで一気にリードの数が増えたり、市場のポテンシャルに可能性を感じています。

海外事業部 ユーセフ氏

ではなぜ、日本発の特殊冷凍機『アートロックフリーザー』がグローバル市場で注目を集めているのか、松浦氏は次のように分析する。

松浦日本が最も特殊冷凍機に関する知見を持ち、テクノロジー観点でも最先端をいっているからでしょう。

その背景には、日本独特の生食文化、特にお刺身やお寿司などの鮮度ある食べ物に対する古くからのこだわりがあります。

この冷凍技術の革新によって、日本では「冷凍食品は美味しい」という認識がだいぶ広がりつつある。一方、海外ではまだ「冷凍食品なんて美味しくない」「味はともかく、便利だから仕方なく食べている」というイメージがありますね。

ユーセフ海外市場における特殊冷凍技術の認知は、日本市場の5年前の状況に相当すると感じています。

海外の人たちに特殊冷凍技術でつくられた食品を試食してもらうと、その表情の変化から、彼ら彼女らが普段食べている冷凍食品との味の違いが明確に分かります。それを見ていると、海外にはまだ特殊冷凍技術が普及しておらず、自分たちで市場を開拓していく余地が大いにあるんだなと感じます。

ですから、まずは「急速冷凍という技術があるんだ」ということを広く伝えていき、さらに「この技術を活用すれば、食材の品質が保たれるんだ」という認知を獲得することが必要ですね。

そのためには、兎にも角にも特殊冷凍でつくられた食材を実際に試食してもらうことが不可欠だと彼らはいう。

松浦我々は、Webマーケティングを通じてリードを獲得し、基本的にオンラインでセールスを進めていきます。しかし、我々のプロダクトはひとつ数百万円と高額であるため、顧客が直接プロダクトの良し悪しを体験して納得してもらわなければ購入には至りません。

そこで現在は、顧客を日本に招き、特殊冷凍機でつくられた食材を試食してもらうのですが、ショールームが日本にしかないため、顧客にとっては移動の負担が大きくて。その結果、リードを獲得してもテスト使用への移行率が低いという課題がありました。

この問題を解決するために、現在は各国現地でも試食が可能となるよう『アートロックフリーザー』を設置できる代理店の開拓に注力しています。実際、今年(2024年)2月末にはシンガポールのショールームへの設置を予定しています。

さらに、韓国や中国、台湾においても設置計画を進めており、これらの地域の代理店からは、自前でコストを負担いただく協力も得られています。こうした取り組みにより、テスト使用への移行率の向上に取り組んでいます。

これまで海外事業部では、英語版のカタログ作成やWeb集客用の記事の翻訳など、内部作業に注力してきた。しかし、最近になりこれらのタスクが一区切りつき、今後は代理店の開拓や顧客理解を深めるべく、海外出張を積極的に増やしていく方針だ。

現にこの取材後、松浦氏はアメリカへの出張を控えており、そのあとすぐにベトナム、タイへと向かうという。また、杉浦氏も香港、台湾、韓国への出張を予定しており、彼らが世界中を飛び回っている様子がイメージできるだろう。

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海外展開ならでは。
各国の「認証」問題で苦戦を強いられる

デイブレイクは、海外事業においても基本的には国内事業と同じ戦略で顧客の事業伴走や販路開拓、コミュニティ形成といったソリューションを提供している。

杉浦国内市場と同様に、海外市場でもフードロスの削減、環境問題、人手不足といった課題は存在します。つまり、海外の飲食店においても国内と同じ顧客ニーズがあるんです。

我々はこれまで、国内市場において特殊冷凍の技術を活用しながら、飲食店が抱える課題を解消し、販路拡大を実現してきました。その国内の成功モデルをひっさげて、海外市場では各国の地域特性に合わせてローカライズする戦略をとっています。

これまでの取材からも明らかとなったように、デイブレイクでは次の3つの価値を顧客に提供し、その結果、圧倒的なスピードで成長を遂げてきた。そして現在は、これらの価値を横展開しながら海外市場へ進出しているのだ。

デイブレイクが生み出す3つの価値

  • 「特殊冷凍テクノロジーのプロダクト」
    特殊冷凍機『アートロックフリーザー』の提供による、高品質冷凍食材の作り手の増加
  • 「特殊冷凍コンサルティング」
    CS型コンサルティングとコミュニティ運営により冷凍事業者のエンゲージメントを向上し、高品質冷凍ビジネスの立ち上げを支援
  • 「特殊冷凍フードプラットフォーム」
    特殊冷凍を用いた食品流通のプラットフォームにて商品化と販路開拓を支援

しかし、冒頭に述べた通り、海外での事業展開はそう甘くはない。日本国内とはビジネスの環境がまったく異なるため、「成果を出すまでに想定以上の時間がかかっている」と正直に打ち明けてくれた。

その背景にはさまざまな外部要因が影響している。社会や経済情勢の変動もその一例であるが、ボトルネックになっているのは特殊冷凍機器の「認証」取得のプロセスにあった。

松浦海外市場への輸出に際して、多くの国では特殊冷凍機に限らずプロダクトの「認証」取得が必要になります。この認証はプロダクトの安全性を担保するものであり、認証を取得するためにはコンサルタントが入り、構造設計の見直しから始めなければなりません。

また、この認証ルールは国によって異なるため、それぞれに適応しようとすると膨大な費用と時間がかかってしまう。それがボトルネックとなり、海外展開のスピードに影響を及ぼしています。

先ほどお伝えした通り、これまではアメリカ市場を第一優先と位置付けていましたが、この国は認証取得までになんと1年以上の時間を要すると言われています。そのため、現在はアメリカでの認証取得作業を進めながら、認証に問題のない他の国々に対して網羅的に広告を展開しているところです。

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事業の答えは「現地」にあり。
アメリカCES展示会で見えたユーザーの本音

前述の通り、特殊冷凍機に対する認識については、グローバル市場が日本国内よりも約5年遅れているという実態がある。言い換えれば、特殊冷凍市場において日本発の製品が世界をリードできるチャンスがあることを意味する。しかし、そこには次のような懸念も存在している。

松浦デイブレイクの特殊冷凍機は、ニッチな商材ではあるものの、その独自性により海外市場での発売初期においてはある程度の売上は見込めると考えています。しかし、市場をさらに拡大していくためには、我々の特殊冷凍の技術や価値の認知をいかに高めていけるかが重要です。

例えば海外製品と比較すると、デイブレイクの製品は品質面で優れているものの、価格は他国の類似品に比べて2倍〜3倍と高額です。そのため、代理店開拓において我々が価格を提示すると、最初は目玉が飛び出るほど驚かれてしまうことが多い。しかし、我々の製品の利用方法やその価値を説明することで、理解してもらえるケースが少なくありません。

そのため、デイブレイクの特殊冷凍機の価値をしっかりと伝え、他社製品と明確に差別化を図ることが必要だと感じています。

価格面での懸念を払拭し、製品の価値を顧客に理解してもらうためにはブランディング戦略は欠かせない。その一つとして、デイブレイクでは世界的に影響力の高いBBCへの出演を予定している。

ユーセフ現在、BBCの協力を得て、ミニドキュメンタリー制作の準備を進めています。テーマは、サステナビリティに配慮した環境にやさしい特殊冷凍のテクノロジーに関して。

このドキュメンタリーは、単に我々の特殊冷凍機を紹介するわけではありません。そのテクノロジーがなぜ今の世界に必要なのか、どのように生まれたのか、そしてサステナビリティという文脈において会社のバリューやミッションにどのように組み込まれているのかを紐解いていきます。加えて、我々が目指すものや社会課題への取り組みについてもお伝えしていくつもりです。

このミニドキュメンタリーは二本立てで実施予定とのことで、楽しみに待ちたい。

こうしてデイブレイクは海外事業の立ち上げからグロースさせていく上で、国内事業にはない壁に幾度も直面した。彼らはその経験から何を学んだのだろうか。

杉浦「答えは現地にある」ということですね。これまでは事業を成長させていく上で、データ分析や戦略立案に重点を置いていたんです。

しかし、2024年1月にアメリカで開催されたCES展示会に出展し、直接200~300人の顧客と話をすると、「〇〇の機能がほしい」「この冷凍機を用いてこんな事ができないか」といったフィードバックをたくさん頂いたんです。

プロダクトのクオリティとしてはそれなりに洗練してきたつもりでしたが、まだまだ顧客のインサイトを十分に把握できていないことに気づかされました。

それまでは、「認証」の問題さえクリアすれば、今すぐにでもアメリカ市場への展開が可能だと、おぼろげながら考えていたんです。しかし、日本国内の経験を基にどれだけ秀逸なプランニングを進めたところで、結局は、現地の顧客の意見やユーザーインタビューで得られるものには遠く及ばない、そう感じた体験でした。

ちなみに、この4月にシンガポールで開催される「FHA」という食品関係の展示会にもデイブレイクは出展予定です。FHAはアジアでも最大級の国際展示会のため、さまざまな国や関係者から直接フィードバックを得られるチャンスだと捉えています。

特殊冷凍機における市場からの引き合いは多く、世界中からリードは獲得できている状況にある。しかし、海外市場での事業展開には、どれだけ事前に戦略を練っても、実際に現地で商談しなければ見えてこない課題が多い。

デイブレイクは、こうした課題に直面しながらもトライ&エラーでタフに事業を推進している。その背景には、海外市場に本気で挑む「経営者の志」、そして「メンバーたちの志」があるからこそ、現れる壁を何度も乗り越えて新たなチャレンジをしていけるのだろう。

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キーエンスにアクセンチュア、三菱商事出身の日本チームに、チュニジアからも仲間が参戦

デイブレイクの海外事業部は、現在6名のメンバーで構成されている。そして、このチームを率いているのが、2023年6月にデイブレイクに入社し、海外事業部を立ち上げた杉浦氏だ。

杉浦氏は、キーエンス、アクセンチュアを経て、前職は日本M&Aセンターの海外事業部でクロスボーダーのM&Aアドバイザーを務めていた。そんな杉浦氏がなぜ、デイブレイクに参画したのか。そのきっかけは、デイブレイクのCOOであり、キーエンス時代の同期である下村氏からの1本の電話だった。

杉浦2023年の5月頃、下村から「海外事業を立ち上げたいが、デイブレイクにはその経験者がいない。相談に乗ってくれないか」という連絡がありました。下村とはもともと、頻繁には会わないものの、情報交換をする仲ではありました。彼は私が前職で海外事業を手がけていることを知っていたわけです。

また、遡ること1〜2年前、代表の木下と下村を交えて飲みに行ったことがありました。そのとき、木下の気取らない人柄や、経営者としての壮大なビジョンに魅力を感じたことを覚えています。

木下は一見、豪快な感じに見えるのに、私と話した最初の会話やそのときの所作など細かいことまでよく覚えていて。これは私に対してだけでなく、他のメンバーに対しても同じなんです。そうした木下の人を魅了する力と細やかな配慮にも惹かれました。

杉浦当時、私は前職で海外赴任を予定していましたが、下村から海外事業の話を受け、木下やCFOの守下、下村と本格的にディスカッションする場が設けられました。

そこでデイブレイクのミッションに強く共感し、「このタイミングで入るのは面白そうだ」と感じ、仲間に入ることを決めたんです。

次に、海外事業のマネージャーである松浦氏は、学生時代に約1年半デイブレイクのインターンとして事業に携わっていた。その後、新卒で三菱商事に入社した彼は、その間も木下氏や下村氏とはプライベートで仲の良い関係を築いていた。

二人からのオファーは何度も受け流していた松浦氏だが、デイブレイクの急成長と、特殊冷凍技術がフードロスや環境保護の面で貢献し、メディアから注目されているのを目の当たりにし、心が動く。結果、社会人6年目にしてデイブレイクへの入社を決断したのだ。

松浦デイブレイクには、大手企業では味わえない、多様なバックグラウンドと強みを持ったメンバーがたくさんいますね。

裁量も大きく、「こんな計画で、海外現地の代理店とこういう契約を結んでみたい」と相談すると、「いいじゃん、やってみなよ」と背中を押してもらえることも多い。その分、「しっかり結果を出さなければ」というプレッシャーも感じますが、自分のやりたいことをスピーディに実践していける環境は魅力的ですね。

杉浦松浦はすごくバランス感覚のある持ち主です。資料作成やデータ分析、語学などのベーススキルが高く、それでいて決して頭でっかちになるのではなく、人の懐に入り込むチャーミングさも持ち合わせている。そこがいいところですね。

ユーセフそうですよね。松浦さんは人をよく観察していて、相手のニーズをすぐに掴めるところがすごい。何か問題が発生したら、すぐに解決策を見出して、確実に対処しています。私が一番リスペクトしているところです。

そんなユーセフ氏に対し、「ユーセフは多言語のスキルに加えて、マーケティングスキルも高い。そんな実力のある人材がよくデイブレイクに入ってきてくれたなって思ってますよ」と松浦氏は語る。その言葉通り、ユーセフ氏のバックグラウンドは多彩だ。

彼はチュニジアの大学を卒業後、日本へ来て日本語学校で1年半学び、立命館大学の大学院へ進学。在学中はコンサルタントとして地中海の食品輸入業務に携わった。

大学院卒業後は、大手外資系企業の日本支社でWebマーケティングのマネージャーを務め、ブランディング戦略を一手に担う。その後、メーカー企業で製品開発からマーケティング、生産管理、単価交渉、トラブルシューティングまで、幅広い経験を積んだのちにデイブレイクに入社した。

ユーセフデイブレイクは、マーケティングだけでなく、さまざまな分野に触れることができ、学ぶ機会がとても豊富だと感じました。

日本の面接は一般的に堅苦しい印象があるのですが(笑)、デイブレイクではフランクな対話ができ、とても良い雰囲気だと感じたんです。

ここで一緒に海外事業の立ち上げをやってみたいと思い、入社を決めました。

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2025年には売上10億円を実現。
日本発、世界で戦えるものづくりスタートアップを目指して

デイブレイクの海外事業のメンバーたちは、国内とは異なる環境の中で事業の難しさを感じながらも、積極的に現地に飛び込み、顧客の声に耳を傾けようとしている。

トライアンドエラーをくり返しながら着実に前へ進んでいく。そんな様子が取材を通じて伝わってきた。そんな海外事業部が掲げる、今後の目標とは──。

杉浦中長期的な目標としては、2025年の10月末時点での単年度売上で10億円を達成することです。

海外の特殊冷凍市場の規模は国内市場の10倍以上であり、特にアメリカの市場だけでも2,000億円規模とされています。その内の数%を我々が占めることができればと考えると、この目標は決して不可能な数字ではありません。

その目標に向けて、3月には新たにシンガポール人の仲間がチームに加わる予定です。優秀な人材を採用する上でチームの多様性は欠かせません。我々は、国籍だけでなく、ジェンダーや働き方の柔軟性も大切にしていきたいと考えています。

日本発、世界で戦えるものづくりスタートアップ、デイブレイク。

同社の海外制覇はもちろん、今後も多くのベンチャー / スタートアップが日本から世界へ羽ばたいていってほしいと願うばかりだ。そんなまだ見ぬ起業家、経営者に向けて、あらためてデイブレイクにみる海外市場で勝ち抜く術を列挙したい。

デイブレイクが海外市場で勝てる4つ要素

  1. 特殊冷凍市場のグローバル規模が4,000億円という巨大市場であること
  2. 世界各国からの根強い顧客ニーズが存在すること
  3. 秀逸なビジネスモデルによる優位性(プロダクト販売・コミュニティ形成・事業伴走)
  4. 「海外事業を絶対に成功させる」という経営者の強い志と、それに共感をする海外事業部のメンバー

デイブレイクは、国内事業で示した圧倒的なスピード感で事業を拡大させた経緯と同様に、海外事業においても売上を一気に加速させていく兆しは十分にある。

なぜなら、立ち上げ僅か半年ほどで既に売上を立て、文字通り世界各国から引き合いを得ているという事実があるからだ。そしてその根底には、代表・木下氏が抱く強烈な「志」がある。

さらに、まだ社員数が数十名程のスタートアップであるにもかかわらず、国内外問わずユニークなバックグラウンドを持つメンバーが在籍しており、既にグローバル・カンパニーたる雰囲気も醸成されている。そしてそのチームを率いるのが、キーエンスやアクセンチュア、総合商社出身の実力者たち。

デイブレイクは、日本市場で僅か2年でトップクラスに踊り出た戦略の成功モデルを、海外事業にも横展開し、事業の拡大を目指す。日本発、世界で戦えるものづくりベンチャーの代表として、さらなる飛躍を遂げることを期待したい。

こちらの記事は2024年03月28日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

山田 優子

写真

藤田 慎一郎

編集

大浜 拓也

株式会社スモールクリエイター代表。2010年立教大学在学中にWeb制作、メディア事業にて起業し、キャリア・エンタメ系クライアントを中心に業務支援を行う。2017年からは併行して人材紹介会社の創業メンバーとしてIT企業の採用支援に従事。現在はIT・人材・エンタメをキーワードにクライアントWebメディアのプロデュースや制作運営を担っている。ロック好きでギター歴20年。

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