安定成長を、急成長に進化させるCTOの仕事術──AWS出身・佐々木氏が「こんなに面白い環境はない」と話す理由とは

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インタビュイー
佐々木 淳志

2000年に大学卒業後、ベンチャーへ入社。アドバンスト・メディアへ転職し、システム開発部部長、応用技術開発部 開発部長などを務める。約16年間務めたのち、AWS(アマゾンウェブサービス) Japanで約2年間、プロフェッショナルサービスにてシニアインフラストラクチャーアーキテクトとしてコンサルティング業務に従事。2021年、弥生株式会社に入社。開発本部CTO(Chief Technical Officer:最高技術責任者)兼CTL(Cheif Technical Leader:チーフテクニカルリーダー)で現職。

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エンジニアとしてベンチャーでキャリアをスタートし、技術責任者、事業の立ち上げ、開発組織の整備、事業の上場、安定した黒字体制を構築。ロイヤルストレートフラッシュといえるほどの経歴を持つ超絶フルスタックエンジニアが、佐々木氏だ。そのキャリア、かなり興味深くはないだろうか。

「チャレンジングなほうが面白いから」

これが常に、佐々木氏の職場選択の理由だ。AWSへ転職後、「自社サービスをやりたい」と、弥生の面談へ臨む。まるで凄腕刑事のような鋭い洞察力を面談で発揮し、弥生の良いところと未成熟な部分を見破り、入社。一年弱でCTO兼CTLとして、いきなり組織の変革を任されている。これはすごい。

弥生のサービス内容については、CMが流れているので想像がつくだろう。主力商品はデスクトップアプリとクラウドアプリの『弥生シリーズ』で、マーケットシェアはナンバーワン(同社リリースより)を誇る。個人事業主向けクラウド会計ソフトではシェア53.9%(同社リリースより)を占め、弥生シリーズの登録ユーザー数は250万を超えている。

現在は業務ソフトベンダーで「会計の弥生」ながら、将来目指しているのは、スモールビジネスの起業支援から、資金調達などの業務支援、事業承継の支援まで、あらゆるステップで支援できるサービスを揃える「事業コンシェルジュ構想」を着々と進めている。

佐々木氏率いる開発チームにとっても、容易ではない大変革だ。これまでの既存顧客を大事にしつつ、新しい事業にチャレンジできる体制と組織を構築する必要があるのだ。佐々木氏の手腕を覗いてみよう。

  • TEXT BY YUICHI YAMAGISHI
  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
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集めるのが難しい大量のAI用データで、新規取り組みを加速

今年2022年に株主変更した弥生。

もともとチャレンジングで柔軟性のある弥生の社風だが、より一段、いや、二段も三段もギアを上げてアクセルを踏み込むフェーズへ突入した。求められているのは、非線形な二桁成長への構造変革だ。

弥生の会計ソフトは主に、フリーランスやスモールオフィス、街の飲食店など小規模事業者が使っている。お金の収支を記録するためのソフトウェアで、帳簿付けや確定申告などに活用されている。

『弥生シリーズ』の業務アプリを中心に、ナンバーワンのマーケットシェアを誇る。しかし、先日の記事では岡本社長が「お客様の目的は会計を行うことではありません。お客様には小規模の事業を経営している方が多い中、やりたいのは事業を成立させ、成長させることです。それにはむしろ、会計にかかっている作業はすべてなくし、完全自動化したほうがいい」といった旨の考えを述べている。

コア事業が変わるほどの大改革である。

弥生の大改革とは「完全自動化」と「事業コンシェルジュ構想」の2本柱だ。といっても弥生は、2008年から事業コンシェルジュ構想を進めてきており、もともとフレキシブルさを持った組織。今年に入り非線形の成長を一層強く目指すようになり、開発目線で見ても、かなりドラスティックな変革が必要なことは容易に想像がつく。

佐々木次々と立ち上がる新サービスを成功させることが、私たち技術チームに課せられたミッションです。成功させるためには新しい組織を作り、採用活動をし、既存サービスとのつなぎこみも同じように重きをおいて進めています。

これまでの技術部門は、毎年変わる法律への更新対応の比率が高かったという。その体制を維持しつつ、新しいチャレンジに対応できる組織も同時に作っているというのだ。

佐々木これからの開発部門に求められるもっとも大きな業務は、完全自動化です。目指すは、年末調整業務などのバックオフィス業務の改善や完全自動化された世界。

すでに弥生でもAI技術の取り組みを進めてきています。会計ソフトを使ったことがある方ならお分かりだと思いますが、レシートを画像診断AIで読み込んだり、通帳のデータを取り込んだりして仕訳をするのに、AIを活用しています。

AIの活用範囲を広げ、判定精度の向上が進むと、会計に限らずあらゆる工程が自動化され、最後に人間が正誤を確認する「承認作業だけで済む世界」が訪れます。

ここで優位になるのが、弥生のもつ顧客接点の多さだ。

佐々木AIの世界にはビッグデータという言葉があるように、最終的にはデータを多く持っているほうが勝ちます。その点で弥生は優位です。これまで23年連続、スモールビジネス向け会計ソフトでナンバーワンのシェアを維持してきましたから、それだけの既存顧客のデータをすでに多く持っている。それらを活用した機能向上や新サービスを開発するだけでなく、既存機能の改善も行っていきます。

AIでは、データを集めることがいちばん難しいのですが、すでにそれはクリアできています。加えて、SIerなどのベンダーに頼ることなく、AIも内製している点は大きなアドバンテージと言えるでしょう。

このように全方位的に課題を捉え、手を打っていくのが佐々木氏だ。だが、この目指す姿の実現は、本当に可能なのだろうか?そんな疑問も持ちつつ取材を進めた結果、「これは期待できるぞ!」という感触を得た。佐々木氏の能力と、弥生の持つ大きなポテンシャル、その融合の仕方から、読者が得る学びも多いはず。じっくり読み進めてほしい。

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手堅い「品質」意識は当然。
それを高速に回す組織の作りかた

顧客基盤といった優位性を持っているとはいえ、既存のビジネスモデルから脱却するのであれば、先述の通り、組織の形そのものや、開発組織の位置づけそのものを変革していく必要がある。変革、という言葉の重みとは裏腹に、佐々木氏は終始ニコニコして楽しそうに語る。

佐々木これまでさまざまな企業を見てきた中で、弥生が特に優れていると感じる点は、お客様へ高い品質の商品を届ける意識です。

特に、法令対応の業務プロセスはしっかりしていて、社内では「品質」という言葉がキーワードとしてよく出てきます。客観的に見ても、お客様が当たり前に使える品質で、必要な機能が揃っています。エンジニアのUX(ユーザーエクスペリエンス)意識が高いと言えば伝わるでしょうか。

弥生のエンジニアの強みは、業務知識を持っている点です。つまり、お客様がどう弥生を使ってくださっているのか、皆が理解しています。

ただし「それだけでは、成長を加速させることはできない」と、佐々木氏は少し真剣な表情に変わって続ける。

佐々木お客様が弥生のサービスをどう使っているのか把握した上で、今後は開発から実装、運用、改善までを高速で回す必要があります。事業環境や競合も変化のスピードも速くなっていますから。

もちろん、品質にこだわることも大事ですし、そのカルチャーをなくすつもりもありません。しかし、現状の「法律改正対応の意識」だけでは、高速で柔軟な開発は成し遂げられません。それにはこれまで以上に、速く柔軟に動ける「組織づくり」が必要です。

この課題意識は経営層と共有されていて、佐々木氏と同じように「変革」の動きをしている統括マネージャーらと組んで協力しながら進めている。では具体的に、どう開発組織を変革しているのだろうか。

佐々木クラウド会計ソフトを提供する競合他社と弥生がもっとも違う開発組織の特徴は、当社はデスクトップ・アプリケーション系のエンジニアが多いことです。

これらを加味しながら、採用とリスキリング(学び直し)、組織変革を同時に進めているところです。実際、既存サービスから新サービスへ移って活躍している人も多くいます。

それらの課題を横目で見つつ、私は、全サービス共通のベースラインを設計するアーキテクチャ・チームのリーダーを兼任し、例えば「 AWS利用に関する基本的な方針」や必要な組織の設計など、大枠の決めごとを決める役割を担っています。

具体的にどのような変革を進めているのかを聞いてみると、入社から間もないながらも、滑らかにその枠組みを語っていく。

佐々木当社の開発組織、特に新サービス開発の組織について簡単にお伝えすると、元から「帳票管理サービス」のようなエンドユーザ向けサービスを開発するチームと、「UXチーム」のような新サービス全体で横断的な機能を持つチームが存在していました。

チーム数は現在で5チームほどですが、この先新サービス開発の本格化が進むにつれ、エンドユーザ向けサービスを開発するチームが増えていきます。各チームにはPM、テックリードがエンジニアなどサービス開発に必要なメンバーが一通り揃っています。

チームが増えるに従いUXの統一感を持たせるなどの横串を通す機能を持つチームの重要性が増すので、その点を強める組織作りをやっていこうと思っています。

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「なんでも屋」と黒字請負人時代が生んだ超絶フルスタックエンジニア

ここまでの話を聞いただけでも相当な凄腕の佐々木氏。いったいどんなキャリアを歩んできたのか、ここでその謎を詳らかにしていこう。

佐々木氏はいちエンジニアから始まり、「売上を伸ばすために何でもやった時期」から一転、黒字化請負人として上場前後の赤字期間を乗り越え、黒字化を達成した経歴を持つのは先述の通りだ。つまり、一兵卒から事業を左右する事業パートまで、なんでもこなしてきた。自称「なんでも屋」。佐々木氏の「作られ方」を見ていこう。

佐々木新卒での就職活動では、大きい企業で働きたいとはなんとなく思えず、ベンチャーへ入社しました。3Dスキャナーを扱っている会社で、プログラマーとしてコードを書く日々。

次に入った独立系ソフトウェアベンダーのアドバンスト・メディアでは、仕様を考えて設計する人になり、リーダー、管理、顧客対応、研究開発部門の立ち上げ、PM(プロジェクト・マネ―ジャー)と「組織の足りないところ」へ次々と経験していきました。

この会社でプリセールス(営業サポート)から商品企画、全社のサービスを担う開発部門の育成まで、なんでも屋さんの私の素地が作られたんですね。

そんな頃に上司から「会社を黒字化してくれ」とのお達しがありまして。開発部門にも事業売上の責任を負わせる会社で、いわば、全員リーダー状態です。

まさに何でも屋、という感じである。だがそこで大きな壁にぶつかり、乗り越えるにあたっての話がまた印象的だ。

佐々木それまでは比較的自由に「組織に足りない動き」をしていたのが、やり方とマインドを変える必要がありました。サステナブルに黒字化していくことを検討していくためには、以前の延長では絶対に達成できないと感じたんです。

たとえば原価率は追っていたものの、多くのプロダクトが作りっぱなしになってしまっていたんですね。その結果、運用保守フェーズの見えないコストが発生し、それが積み重なって利益を圧迫していたんです。製品の企画から運用保守までの流れを含めて運用が最適化されるように開発チームを変革しました。

そうこうしている間に、私の「なんでも屋」度合いがさらに深まっていきましたね。 R&D部門の開発責任者、各プロジェクトのリーダー、AIのコンサルタント、はたまた現場でコードを書いていることも。

入社時は50名ほどの規模だった会社が、上場を果たし、200名を超えました。上場後も赤字が続いていたんですけど、お客様が求めるものを作る姿勢は貫いていました。

今思えば当たり前のようなことを、当たり前にやっていただけ、とも言えますが、やはり地道に進めることが大事ですね。

最終的には安定的な黒字化を達成し、非常にやりがいを感じられましたね。それで、「チャレンジングなほうが面白いから」との理由で16年間務めたアドバンスト・メディアを辞し、次のフィールドのAWSへ転職しました。

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面談・面接では「見えていない課題」を捉えよ

なんでも屋としてエンジニアから事業側まで経験した佐々木氏が次に選んだのは、顧客視点を最重要視することで有名なAmazon傘下のAWS Japanだ。きっかけは、アドバンスト・メディア時代、サーバーを自前運用のオンプレミスからクラウドのAWSへ移行する担当だったときだ。

佐々木レガシーなオンプレのシステムをAWSにマイグレーションする業務をきっかけに、AWSが提供しているクラウドサービスに興味を持ちました。さらに詳しく調べる中で、Customer ObsessionやBias for ActionなどのOLP(Our Leadership Principles)に共感しました。徹底した顧客志向の会社の文化に興味があり、私の志向性ともマッチしそうだと前向きでした。このOLP(Our Leadership Principles)という、Amazonの「全員がリーダー」を体験してみたかったのも理由の一つです。

それでAWSへ転職し、顧客支援するコンサルティングの部隊に配属されました。ポストセールスという、AWSの利用を決めたお客様に対して、具体的な設計を行い、最適化を進めるのが私の役割でした。

そんなAWSに約2年間いて、非常に面白い経験ができました。ですが次第に、クライアントワークではなく自社サービスをやりたいという想いがまた強まってしまったんですね。

AWSで成果を出しつつも、なんとなく「もっとあんなこともこんなこともやりたい」と考えていた佐々木氏。

佐々木それで、登録していたビズリーチにスカウトが入っていた中でたまたま目に入ったのが、弥生です。なぜか本部長がラクダに乗った画像が、募集ページに使われていたのを覚えています(笑)。

求人の訴求を見ると、どうやら新サービスの開発に移行しようとしているらしい。会社のビジネスモデルそのものを変える気らしい。社運をかけた初期フェーズらしい、と。

いろいろ調べると、経営も安定し、資金繰り問題も気にしなくて良さそう。つまり、ベンチャーと同じようなチャレンジをしようとしているのに、安定感がある。これは大きなアドバンテージです。真っ直ぐありたい姿に向かって邁進できそうなイメージを持てたんですね。

まさに、マーケティング本部副本部長の加藤健一氏の記事でも語られた「分かる人には分かる」のエピソードと言えるだろう。引き抜きというわけではなく、たまたま弥生を目にした佐々木氏が、その魅力に気づいたわけだ。

そして弥生との面談や面接では、これまでのキャリアに裏打ちされた鋭い洞察力が発揮される。

佐々木面談へと進み、気になっていたポイントを根掘り葉掘り聞き出しました。“逆面接”さながら。

事業をガラッと変えるには、経営層の意思統一ができている必要があります。加えて、変化を受け入れる土壌があるかどうかも重要です。そういった重要な点をカジュアル面談で具体的に聞き、「フレキシブルな社風」の謳い文句に偽りはないと感じました。

あとはカルチャーを知るために「コロナ対策で社員の安全をどう確保したか」「当時あった、台風による交通機関の計画運休の際には、社員に対してどのようなアナウンスを出したのか」を管理部門に質問したんです。

会社によっては「事前に運休がわかっているのだから前日入りすべき」「何があっても出社すべき」「無駄な労力は使わずにリモートで勤務すべき」などいろいろな選択肢があると思います。ここで根性論や無駄なコストを社員に払わせるような文化がある会社には変革は期待できないのではと考えました。

すると「緊急時に会社へ来る意味はないので、待機しましょう」とアナウンスしたとの回答。この会社は柔軟に対応できそうだと感じました。

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判断の速すぎる社長や本部長。
その理由は「技術を理解しているから」

これまでの弥生でも「チャレンジ」は言われてきたことだ。実際、事業コンシェルジュ構想は2008年から始まっている。それがさらに大きく変化し始めたのがこの2022年、株主が変更してから。方向転換というよりも、アクセルをベタ踏みし始めた、といった表現が正しいだろう。

佐々木チャレンジングな企業文化の謳い文句に嘘はなく、入社後のギャップはありません。というのも、抱えていそうな問題は面談時にある程度の当たりがついていましたし、実際にその通りでしたから。

どういうことかと言うと「面接で聞かれないことは、その会社の課題であることが多い」んです。ですから、課題感は入社前から予想ができていました。

聞かれなかったことは例えば、ポジションに求められる明確なスキル。明確化ができておらず、職務範囲があやふやだったんです。

弥生には「みんなでコミットする文化」があります。これはもちろん、良い魅力なのですが、逆に言えば最終の責任者があやふやになる、会議が長くなるなどの弊害が出てきます。

そこで私は、新サービスの開発チーム立ち上げ時から「これは誰が決定権を持つのか」「何のための会議なのか」を常に明確化して共有する取り組みを始めました。

こうした取り決めや方法は、まだまだ新しく作っていきますし、もし組織論に詳しい方がいたら、ぜひ弥生に来てもらいたいですね。

とはいえ、外から来た人が大鉈を振るって改革を進めるのは、元からいる人の中には疎ましく思う人もいるだろう。その点、弥生では社長が「革新派」なことが大きい。

佐々木弥生では社長が技術をしっかり理解してくれていて、とても心強いです。技術への理解があるのはエンジニアとしてやりやすいですし、実際にエンジニアの決定を尊重してくれます。営業出身で技術が分からない社長では、こうはいかないケースもありますから。

例えば現在は、マイクロソフトのAzureだけでなくAWSも合わせて利用するようになってきています。私がAWSから来たこととは関係なく、入社前から決まっていました。そんな、新サービスはAWSで動かしたい、というエンジニアの意思決定を認めてくれるのが弥生の社長ですし、柔軟性はもとからある弥生の土壌だと言えます。

技術だって、最新の技術を導入しています。「弥生時代」から連想されるのか、弥生の名前やイメージからレガシーな言語のCOBOLとかを使ってそうなイメージを持たれがちですが、普通にTypeScriptやC#、Javaなどで書かれています。フレームワークもNext.jsやSpringなどが使われています。

マイクロサービスアーキテクチャー(設計構造)を基本的な考え方として、システムはマルチアカウント戦略を採用したAWSアカウント上で動かしています。

そう、開発面の魅力は、エンジニアとしてさまざまな経験を積んできた佐々木氏のお墨付きだ。そして、まるで古株のように躍動し始めている。

佐々木エンジニアのリスキリングがかなり重要になるのが、正直少しネックでした。予算や工数がけっこうかかってしまうんですよね。

でも、相談をすると、ほとんどが前向きに検討され、多くの承認をいただけています。

例えば、AWSの基礎研修を検討しました。エンジニア100人全員に、8日間は必要な研修です。800人日と考えると、相当な人件費分を、利益を生む作業にあてずに勉強に当てるわけですから、相当な金額です。

これを、社長の岡本さんどころか、開発本部長の橋本さんに、Slackで「こんな教育を実施したい。コストがかなりかかるか大丈夫でしょうか?」と問い合わせたら「はい、やりましょう」と即レスしてくれました。もちろん、目的と目標は確認されました。そこは私もしっかり検討していて自信がありましたけどね。

こうした取り組みを増やし、徹底したスピードアップとクオリティアップをもくろんでいるのだ。

佐々木開発と運用の部隊を一体化する必要があると考えていました。別動部隊となっていたことで、開発から運用へ渡す際にかなりの頻度で「社内納品」が行われていて、調整コストやタイムロスが発生していた。また、サービスとして動かすにあたり、お客様が利用する”機能”の部分ではなく、サービスを安全に安定稼働するための”非機能”の部分を強化する必要がありました。

なので「開発して終わり」ではなく、運用まで見られるようにしたかったのですが、それにはエンジニアメンバーに、クラウドやインフラの知識を習得してもらう必要がありました。今後もこうした研修をはじめとした取り組みを増やしていけそうで、私自身、楽しみに感じています。

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長期的に価値を創出するエンジニアリングへのチャレンジに「これ以上の場所はない」

業務ソフト市場における弥生製品のシェアは23年連続売上実績No.1(第三者による市場調査をもとに弥生が独自集計。対象期間:2020年10月1日~2021年6月30日)。弥生はもとより顧客が多い会社と、先に述べた。

安定基盤があり、チャレンジングな経験も積める。エンジニアにとってこの上ない環境ではないだろうか。では、弥生に求められているのはどんな人物だろうか。

佐々木自社サービスを通じて顧客の業務改善を行いたい、それを実現するための弥生の業務改善を行いたい、サービスに直接携わりたい人に向いています。

弥生は登録ユーザー数が250万以上ですから、仮に250万のお客様の作業時間を、1人あたり年間1時間削減するだけでも、年間1,300人が働くぐらいの時間を削減できる。それほどのインパクトをもたらします。決して過言ではなく、日本のスモールビジネス全体に及ぼせる影響力を発揮できると自負しています。

変化をもたらしたい人や、トライアンドエラーしながらチャレンジしてみたい人にはうってつけの環境です。AWSとがっつり関わりますから、エンジニアのキャリアを考える上でも知見を貯められるでしょう。

給与テーブルも最近改めて引き上げました。一般的なSaaS企業の中では高いほうだと思います。財務基盤の観点で見ても体力もある会社ですから、その点、安心して働けます。

勉強会や研修以外にも、もともと集合研修やビジネス研修などが豊富な会社です。さらに私が、AWSの研修や勉強会を加えて実施しています。

特に今はセキュリティやマイクロサービスに特化したカリキュラムを組み、キャッチアップしているところです。こうしてある程度、肝になる技術や知識のベースラインを示すと、各自が自習してくれるんですよね。

弥生はパッケージソフトのイメージがまだまだ強いですが、これから弥生を担うサービス郡、ストック型のサービスをどんどん増やしていきます。

そのために社内改革を行い、新しい組織を作っていくフェーズにあることは、これまで伝えてきた通りだ。

佐々木すでに業界を知っている人や、弥生を使ってくれているユーザーならなお大歓迎。弥生の持つリソース、大量のデータを活用しながら、新しいことにチャレンジできます。

中には、「ベンチャーに挑戦してみたいけど、倒産してしまう危険があり、怖い」という方もいるでしょう。そんな、変化や挑戦が好きで、かつ安定基盤も欲しいという方には、弥生以上の場はなかなか見つからないと思います。

株主変更*も経た今、できることをやるのではなく、やるべきことをやるのが、今のフェーズです。多くの企業やポジション、ベンチャーから大手まで見てきた私から見ても、弥生には相当なポテンシャルがあります。これまでの延長線上ではなく、非連続なジャンプアップの成長を本気で目指しています。

私自身、新しい体制や役割などをディスカッションできたときは、まさに変化へ挑戦している醍醐味を味わえて、もっとも面白いと感じる瞬間ですから。

一緒に弥生を面白くしていきましょう。

*……新株主KKRが、弥生と目指す道はこちらの記事など参照

「面白い」を一貫して追求している人だ。そして、同時に客観的でフラットな考えを持っている人。取材前には確かに一瞬、「AWSにいた人がなぜ弥生に?」と思ったが、なるほど、話を聞くとよく理解できた。技術が好きであると同時に、事業やサービスの革新に対しても情熱を持てる。そんな人が弥生にはドハマリすると、確信を持てた取材だった。

こちらの記事は2022年07月26日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

山岸 裕一

写真

藤田 慎一郎

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