EC特化BI、近視回復デバイス、クラウド1on1ツール 
特化型イノベーションを興すスタートアップが集結──FastGrow Pitchレポート

登壇者
荒井 俊亮
  • 株式会社ACROVE 代表取締役 

株式会社ACROVE(アクローブ)代表取締役。日本大学法学部在学中にACROVEの前身となる株式会社アノマを設立。植物性プロテインをはじめとした自社ECブランド事業を展開する傍、完全成果報酬型ECコンサルサービスを提供し、事業者のEC拡大や全体設計についても携わる。現在はEコマースやマーケティングの知見を生かし、EC事業者向けBIツールや周辺サービスを展開している。

窪田 良
  • 窪田製薬ホールディングス株式会社 代表執行役会長 

窪田製薬ホールディングス株式会社、代表執行役会長、社長兼最高経営責任者 Kubota Vision Inc.、会長、社長兼最高経営責任者 慶應義塾大学医学部客員教授 全米アジア研究所 (The National Bureau of Asian Research; NBR) 理事 NASA HRP Investigator(研究代表者) 米国眼科学会(AAO)、視覚眼科研究協会(ARVO)、日本眼科学会、慶應医学会、在日米国商工会議所(ACCJ)、一般社団法人日米協会会員。ワシントン州日米協会理事。Forbes Japanオフィシャルコラムニスト、Japan Timesコラムニスト、慶應義塾大学医学部新聞編集委員。

中川 絢太
  • チームアップ株式会社 代表取締役 

立教大学在学中よりインターンとしてスローガン株式会社に参加し2012年に入社。クライアント企業の採用支援に従事。その後スポーツマーケティング領域での個人事業を経て、再度スローガン株式会社に入社。グループ会社としてチームアップ株式会社を設立、代表取締役に就任。1on1ミーティングの仕組みをつくるHRクラウドサービス「TeamUp」を立ち上げる。

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「イノベーターの成長を支援し、未来社会を共創する」をミッションに掲げるFastGrowが、「この会社、将来大きなイノベーション興しそうだ!」と注目するスタートアップをお呼びして、毎週木曜朝7時にオンライン開催する「FastGrow Pitch」。

登壇するスタートアップが目指すビジョンや事業内容、創業ストーリー、どんな仲間を探しているのかなどをピッチ形式で語るイベントだ。

本記事では、ピッチの模様をダイジェスト形式でお届けする。登壇したのは、株式会社ACROVE、窪田製薬ホールディングス株式会社、チームアップ株式会社の3社(登壇順)だ。

  • TEXT BY OHATA TOMOKO
  • EDIT BY HARUKA MUKAI
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株式会社ACROVE
EC・D2C事業を軸に“令和のメガベンチャー”を目指す

株式会社ACROVE

最初に登壇したのは、ACROVE代表取締役の荒井俊亮氏だ。

同社は「長所を利用し、社会の果樹園を創造する」を掲げ、2018年11月に創業。2020年10月には社名をアノマからACROVEに変更した。

荒井ACROは「とがった先端」という意味、GROVEは「果樹園」という意味を持つ言葉です。

個人や企業として、きらりと光る尖った長所を使って、社会の利益いわば社会の果樹園を創出したいという理念を込めました。

FastGrow取材記事:目指すのは、令和を代表するメガベンチャー。EC・DtoCを軸に日本経済を動かすACROVEの新たなる一歩

その理念のもと、ACROVEはえんどう豆を使ったプロテインのD2Cブランド事業や、EC・D2C事業の成長をサポートするSaaS事業を展開している。

特に成長しているのがSaaS事業だ。ECの売り上げ向上に特化したBIツール『ACROVE FORCE』やコンサルティングサービス『ACROVE GROWTH』ともに導入企業は順調に伸びているという。また「ほとんどのクライアント企業で売り上げ前年比500〜1,000%を達成した」そうだ。

どのように売り上げ向上を実現しているのか。荒井氏はACROVEの採っているアプローチや考え方の一部を共有した。

荒井売り上げ向上のための戦略や施策を考えるとき、通常は売り上げを「客数」「客単価」「購入率」に分解し、それぞれの数値を見ていきますよね。

弊社では更に細かく「好意度」「認知率」「配荷率」「購入率」「再購入率」「平均価格」「購入頻度」に分類して考えていきます。

細かく分けることで、売り上げ向上のボトルネックやドライバーがどこにあるのかを精緻に見極められる。これら7つの数値と業界事情、事業フェーズを考慮し、戦略や施策を練っていきます。

今後さらにSaaS事業の導入企業を増やしていくため、コンサルタントの社内育成にも注力しているという。上記のようなアプローチや考え方を社内共有する仕組みもある。

荒井グロースのための戦略や戦術をまとめた150ページ以上の資料を用意しています。これに沿って学んでいくことで、経験やスキルを問わず、ECやD2C事業の立ち上げやグロースを行えるようになります。実際にACROVEでは未経験だった20代半ばの若手社員が活躍しています。

荒井氏が目指すのは「令和のメガベンチャー」。そのための仲間を募集していると呼びかけた。「まだまだ小さなベンチャー企業なので圧倒的な裁量権もあります。経営体制から一緒に創っていきたい。そんな方をお待ちしています」。

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窪田製薬ホールディングス株式会社
NASAも期待を寄せる眼科領域のスタートアップ

窪田製薬ホールディングス株式会社

続いて登壇したのは、窪田製薬ホールディングス代表執行役会長の窪田良氏。「世界から失明を撲滅する」というミッションのもと、眼疾患に悩む人々の視力維持や回復のため、医薬品や医療機器の開発・実用化を行っている。

窪田氏は、研究者・眼科医として活動、緑内障の原因遺伝子を世界で初めて発見するなど目覚ましい成果を上げた。その後40歳を超えて窪田製薬ホールディングス株式会社を起業。その背景には「日本でも世界に対してイノベーションをもたらすことができる人物がいることを証明したい」という想いがあった。

窪田僕は幼い頃、しばらくアメリカで生活をしていました。ちょうど日本の高度経済成長が終わりに差し掛かっていた頃。日本経済はアメリカ経済に迫る勢いで成長を遂げていました。

一方、アメリカのメディアでは日本への強いバッシングもありました。日本はアメリカの技術を真似て、安くモノをつくって儲けているといった言論もあった。

それらに触れるなかで抱いた「イノベーションをもたらす人物もいるのだと自分で証明したい」という想いが、起業につながっています。

窪田製薬ホールディングスは設立してから18年が経つ。「18年経っても成長していないのかと質問が来るかもしれませんね」と前置きしつつ、医薬品を開発する企業ならではの事情を共有した。

窪田医薬品開発の成功確率は3万分の1と言われており、私たちも日々トライアンドエラーを重ねています。開発に成功して商用化すれば企業の規模は大きくなりますが、再び開発フェーズに入るとスタートアップ状態に戻る。これを繰り返しながら事業を続けてきました。

一方、最近では事業をより安定させるため、開発の成功確率が高い医療デバイス領域に注力しているという。その一つ眼科領域の遠隔・在宅医療モニタリングデバイスだ。

窪田このデバイスがあれば、患者さんは在宅であっても網膜の状態を検査し、医師の診断を受けられます。

在宅での検査を実現することで、誰もが日常的に眼の状態を把握し、適切なタイミングで治療を受けられるようにしたい。特に現在はCOVID-19の影響もあり、在宅・遠隔医療への需要も増しています。

また、非常に小型のデバイスのため宇宙での活用も期待されています。実際にNASAからもお声がけいただき、現在は共同開発、研究を進めているところです。

他にも独自技術「クボタメガネテクノロジー」を用いた近視治療用のウェアラブルデバイスも開発を進めている。メガネ型のデバイスで、装着すると網膜に映像を投影し、ピントのズレを修正する。日本でも韓国でも、若者の95%が近視を抱える超高水準が続いており、今後大きな市場が期待されるという。

VR技術を医療に活かすという、世界初の挑戦をしている同社。窪田氏は「今後、新たなプロダクトをアジアひいては世界へ展開していきます。眼科医療の知見や経験がなくても構いません、新規事業開発やマーケティングに興味があり、失敗に恐れずチャレンジできる方、グローバルに活躍したい方の応募をお待ちしています」とピッチを締めくくった。

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チームアップ株式会社
1on1の促進で、対話とフィードバックを組織文化にする

チームアップ株式会社

最後に登壇したのは、チームアップ代表取締役の中川絢太氏。

中川氏は19歳からスローガンにインターンとして携わり、新卒入社した。その後、独立するも1年で撤退。再度スローガンの子会社として、チームアップを立ち上げた。

中川独立した際に、「好き」という想いで取り組んで来ましたが、それだけでは事業を成り立たせることができませんでした。月並みではありますが「好き」だけではいけないのだと身を持って学びました。

その反省から、再び起業するにあたって「得意な領域」「取り組むべき意義のある分野」「パッション」の3つを軸に事業を考えていきました。

得意な領域としては「対話を軸にした人の支援」、取り組むべき意義のある分野としては「人が伸びる組織づくり」。最後のパッションは「納得感を持って働くひとを増やしたい」とそれぞれ整理していきました。

そうした検討を経て生まれたのが、「頻度の高い対話とフィードバックを組織文化にする」クラウド1on1ツール『TeamUp』だ。

ツールでは、上司と部下のペアや頻度の設定、トピックのテンプレート作成、予定調整、ログの記録など、1on1の導入や運用に必要な業務を効率化できる。合わせて、1on1の導入から運用を支援する伴走型のコンサルティング、1on1を行う社員への研修も提供している。

中川これまでお客様と関わるなかで「1on1は現場に任せきりではうまくいかないことが多い」と学びました。

そのためTeamUpでは、導入や運用の効率化だけでなく、経営者や人事も適切に現場に介入し、対話の文化が根づく仕組みづくりまでサポートしたい。

経営者や人事が、部下に対する「フィードバックやキャリアサポート」、あるいは上司に対する「状況確認、組織的な解決策の提案」を適切に行い、現場に任せきりにならない状態を創っていきたいと考えています。

現在『TeamUp』は6名ほどのスタートアップから7,000名を超える大企業まで幅広い企業に導入されている。ピッチ後半では事業が軌道に乗るまでのプロセスと、そこから得た気づきを共有してくれた。

中川創業当初は学生エンジニアと僕の2人体制で開発をしていて、当然ながら、売り上げはゼロでした。

2年目は「フィードバック文化」をコンセプトに、360度フィードバック機能を備えたサービスを展開したのですが、想像よりも市場が小さいと知りました。一方でサブ機能であった「1on1をサポートする機能」が頻繁に利用されていると気づき、そちらをメイン機能に切り替えました。

3年目はPMFを目指して仮説検証をひたすら繰り返し、4年目以降でやっと手応えを得られています。

誰もが知る大手企業から急成長中のベンチャーまで様々な業界への導入が進む。メンバーの成長支援やエンゲージメント向上のために1on1を取り入れる企業が増えており、「思っていた以上に大企業からの共感と導入が多くなっている」と語った。

ここからさらなる成長にむけて事業拡大のアクセルを踏む中川氏。エンジニアやビジネスディベロッパーを募集中だ。「少人数なので、裁量権も十分にあります。自立して動ける方やミッションに共感していただける方に来ていただきたいです」とピッチを締めくくった。

第25回目となった今回はECやD2C、医療、HRTechと多様領域でイノベーションを生み出そうとチャレンジするスタートアップが集った。

今後も毎週木曜朝7時の「FastGrow Pitch」では、注目スタートアップが登壇し、自ら事業や組織について語る機会をお届けしていく。ぜひチェックしてほしい。

こちらの記事は2020年12月24日に公開しており、
記載されている情報が異なる場合がございます。

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執筆

大畑 朋子

1999年、神奈川県出身。2020年11月よりinquireに所属し、編集アシスタント業務を担当。株式会社INFINITY AGENTSにて、SNSマーケティングを行う。関心はビジネス、キャリアなど。

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編集

向 晴香

inquire所属の編集者・ライター。関心領域はメディアビジネスとジャーナリズム。ソフトウェアの翻訳アルバイトを経て、テクノロジーやソーシャルビジネスに関するメディアに携わる。教育系ベンチャーでオウンドメディア施策を担当した後、独立。趣味はTBSラジオとハロプロ

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