連載スタートアップを知りたいならここを見よ!FastGrow注目スタートアップ特集──FastGrow Pitchレポート

食材にこだわった手作りドッグフード、ユーザー検索に特化したFAQツール。博報堂DYベンチャーズが厳選するスタートアップが登場──FastGrow Pitchレポート

登壇者
岩橋 洸太

平成元年生まれ東京都出身。慶應義塾大学経済学部卒業後、SMBC日興証券にて未上場企業の上場準備、支援業務(公開引受業務)に従事。退社後2017年株式会社バイオフィリアを創業。ペット領域で複数事業を立ち上げ、2019年6月手作りドッグフードD2Cブランド「ココグルメ」をリリース。ローンチ2年7ヶ月で累計販売700万食を突破し国内フレッシュペットフード市場トップシェアにまで成長しています。

石井 健吾

新卒で株式会社ワークスアプリケーションズへ入社し、大手企業向けの新規開拓営業に従事。新サービスの立ち上げに伴いカスタマーサクセスの立ち上げを行い、その後主力製品の事業企画部マネジャーを兼任。SaaSの新事業を立ち上げ、ビジネスサイドの責任者となり、広報・マーケティングからインサイドセールス、フィールドセールスなどの立ち上げとマネジメントを行う。2021年7月に営業本部長としてNotaに参画。

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「イノベーターの成長を支援し、未来社会を共創する」をミッションに掲げるFastGrowが、「この会社、将来大きなイノベーションを興しそうだ!」と注目するスタートアップをお呼びして、毎週木曜朝7時にオンライン開催する「FastGrow Pitch」。

登壇するスタートアップが目指すビジョンや事業内容、創業ストーリー、どんな仲間を探しているのかなどをピッチ形式で語るイベントだ。

今回は、国内企業を中心にシードからレイターまで幅広いステージで投資を行うVC、博報堂DYベンチャーズとのコラボレーション企画として、同社が一押しする投資先が登壇する限定回を開催した。

本記事では、ピッチの模様をダイジェスト形式でお届けする。登壇したのは、株式会社バイオフィリア、Nota株式会社の2社(登壇順)だ。博報堂DYベンチャーズの山下敬太氏も登壇し、トークセッションも開催した。

  • TEXT BY OHATA TOMOKO
  • EDIT BY RYOTARO WASHIO
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博報堂DYベンチャーズ
生活者を起点に、より良い未来をデザインする

株式会社博報堂DYベンチャーズ

博報堂DYベンチャーズは、国内のスタートアップを中心にシードからレイターまで幅広いステージでの投資を行うVCだ。投資対象は、革新的なテクノロジーを保有する企業や、新たなビジネスモデルを創出する企業など。現在、40社を超える投資先を支援している。

また、クリエイティブやマーケティング、メディア戦略立案、ビジネスデベロップメントなどのスキルを有した博報堂DYグループの人材が「カタリスト」として参画。同グループのリソースを活かした協業策を投資先企業と推進している。

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バイオフィリア
ペットの健康に寄り添う、手作りドッグフード

株式会社バイオフィリア

最初に登壇したのは、バイオフィリア代表取締役CEOの岩橋洸太氏。同社は、獣医師監修の手作りドッグフード『ココグルメ』、飼い主向けアルバムアプリ『ぺっとる』を展開している。

『ココグルメ』を立ち上げた背景には、「ペットの健康」に関する原体験があるという。

岩橋2匹の愛犬を同じ病気で亡くなってしまったことがあるんです。その時に、愛する愛犬が亡くなったことへの悲しみだけでなく、自分が愛犬の健康のために何もできなかったという後悔を強く感じました。そして、こんな想いをする人を一人でも減らしたいと思ったんです。愛犬・ペットの健康について考えるなかで「食」の重要性に着目し、事業を立ち上げました。

『ココグルメ』は人間も食べられる食材を使用し、手作りと同品質の調理法で作られたドックフードだ。ペットの「食」に着目したのは、「ペットに対する価値観は時代と共に変化しているにもかかわらず、ドッグフードは未だに変わっていない」という課題意識からだと言う。

岩橋犬を番犬として飼っていた時代からペットブームを経て、今では家族の一員になっています。

番犬の時代は、ペットが「家族」という認識ではなかったため、人間が扱いやすいドライフードが主流でした。いわゆる、ドッグフードですね。ところが、調べてみると栄養などの観点で課題も多くアップデートする必要があると思ったんです。

『ココグルメ』は獣医師お墨付きの、総合栄養食の基準に準拠したドックフードだ。既存のドライフードと比較し、岩橋氏は2つの違いを挙げた。

岩橋ドライフードは便利なものですが、中にはミートミールや肉副産物など人間の食品として流通していない原材料が多く使われているものもあります。中には、食品よりも栄養価が劣るものや添加物もある。我々が作る商品はそういった物質を含まない、人間が食べられる食材のみを使用しています。

もう1つは、食品の安全性です。食材の仕入れから調理工場・保管・配送まで、人間向け食品と同じ基準で製造。さらに、低温加工により、素材の栄養素や旨味をそのまま生かし、冷凍配送で、フレッシュなドッグフードを実現しています。

現在、展開しているドッグフードは3種類。2022年3月1日に「国産のマダラを使用した新しいフード」をリリースした。

2022年2月時点で累計販売食数は700万食を突破。継続率は95%を誇っている。

今後は、ドッグフードのみならず、キャットフードの展開も検討中だ。さらに、トッピングや小型犬向けの小分けタイプの開発も予定しており「ペットフードのあらゆるニーズに答えていきたい」と岩橋氏は語る。

さらに、長期的な目標として、クリーンミート(動物の細胞を人口培養してつくる食肉のこと。屠殺の必要がなく、安全性も高いとされる)の開発にも取り組むことを視野に入れている。「犬や猫に限らず、すべての動物を幸せにしたいと考えています。ビジネスサイド・コーポレートサイドともに採用募集中ですので、動物の健康をサポートをしたい方はぜひ来てください」と参加者に呼びかけた。

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Nota
FAQページの生成に特化したコンテンツマネジメントシステム

Nota株式会社

続いて登壇したのは、Nota営業本部長の石井健吾氏。同社は、FAQページを簡単に構築できる『Helpfeel』を開発・提供している。

同社の創業者であり、代表取締役CEOを務める洛西一周氏は、大学在学中に未踏ソフトウェア創造事業に採択され、スーパークリエイター認定を取得した経験を持つ。アメリカで創業された後、ドキュメント共有ツール『Scrapbox』、スクリーンショット共有ツール『Gyazo』などを世に送り出してきた。

『Helpfeel』について石井氏は、「FAQページを簡単につくれるCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)のようなものです」と形容した。

銀行や保険、クレジットカード会社などにはユーザーからの問い合わせが多く寄せられる。個別対応には限界があるため、ユーザーが可能な限りホームページやサービスサイトのFAQページでほしい情報を見つけられる環境を整えることが望ましい。そういった環境づくりをサポートするのが、『Helpfeel』だ。

石井ユーザーの検索を最適化するために「意図予測検索」を導入しています。これは1文字入力すると予測されるワードが表示される、iPhoneのフリック入力の技術を活用したもの。

例えば、銀行のFAQページで何らかの情報を調べるとします。従来のシステムであればユーザーは「印鑑 提出 手続き」など、調べたい内容について検索に引っかかりそうなワードを複数並べる必要がありました。しかし、『Helpfeel』によって生成されたFAQページであれば、「印鑑」と入力するだけで「あなたが知りたい情報はこれですか?」と複数の候補を提案してくれるんです。

さらに、ユーザーが打ち込む様々なワードから質問を予測する仕組みを備えることで、表現の差異やスペルミスなどにも対応可能だという。

石井例えば、「印鑑」ではなく「ハンコ」というワードで検索したとしても、「印鑑」で検索した時と同じ回答が提示されるんです。回答ページに「ハンコ」という言葉は含まれていなかったとしても。

これによって、簡単にたどり着けなかった回答にもスムーズにアクセスできるようになり、顧客満足度の向上にもつながります。

『Helpfeel』の導入後、問い合わせ数が数十%減少し、対応コストを大幅に減らすことができた企業もあるという。

博報堂DYベンチャーズの山下氏は「検索意図のマッチング率が98%と、導入企業から高い評価を得ています。非常に注目している会社です」とコメントを加えた。

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出資者を選ぶ基準は「同じ方向を見ることができそうか」

ピッチの後半では、バイオフィリアの岩橋氏と博報堂DYベンチャーズの山下氏が組織や株主にまつわるトークセッションを行った。

バイオフィリアは、2020年8月の段階で社員、パート・アルバイトを含め5名で経営していたが、直近では20人に増加。一体どのようなメンバーが集まっているのだろうか。

岩橋ビジョンに共感して集まっている方はもちろん、特定の領域の業務経験者も増えています。

2年ほど前に、大手の食品会社に勤めていた方を採用。その方がこれまで培ってきたノウハウを活かして、ドッグフード開発や改善に取り組んでいます。

製造、マーケティング、カスタマーサクセスなど各ポジションで、経験者が増えています。今後も、経験者やパッションのある方を集めていきたいです。

2021年12月にはシリーズAで5.6億円の調達を行い、博報堂DYベンチャーズを始めとした様々な投資家による支援も受けている。山下氏から「どのような基準で投資家を選んだのか?」と投げかけられた。

岩橋事業を成長させるにあたり、マーケティングや広報の領域で力を貸していただける方がいいなと思っていました。当然、私たちの事業を応援してもらえるかも気にしていて。

メディア事業に注力していた時期もあり、投資家からはメディアとDtoCサービスで評価を頂いていました。しかし、DtoCサービスに特化することを決めていたので、その事業戦略を信じてくれる投資家にに出資していただきたいと考えていました。

その判断は、会社にとって非常にプラスに働いていると思います。事業の進め方に対するコミュニケーションがとてもスムーズなんです。やはり、企業と投資家が同じ方向を見ることが大事なのだと実感しています。

今後も毎週木曜朝7時の「FastGrow Pitch」では、注目スタートアップが登壇し、自ら事業や組織について語る機会をお届けしていく。ぜひチェックしてほしい。

こちらの記事は2022年05月11日に公開しており、
記載されている情報が異なる場合がございます。

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執筆

大畑 朋子

1999年、神奈川県出身。2020年11月よりinquireに所属し、編集アシスタント業務を担当。株式会社INFINITY AGENTSにて、SNSマーケティングを行う。関心はビジネス、キャリアなど。

編集

鷲尾 諒太郎

1990年生、富山県出身。早稲田大学文化構想学部卒。新卒で株式会社リクルートジョブズに入社し、新卒採用などを担当。株式会社Loco Partnersを経て、フリーランスとして独立。複数の企業の採用支援などを行いながら、ライター・編集者としても活動。興味範囲は音楽や映画などのカルチャーや思想・哲学など。趣味ははしご酒と銭湯巡り。

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