価値貢献なきタイパ意識から、市場価値の高い人材は生まれない──ISIDの20代&30代メンバーに訊く、最短最速で自己実現を果たすキャリア思考法
Sponsored昨今、Z世代を中心に「タイパ(タイムパフォーマンス)」を求める人たちが増えている。
彼ら・彼女らは映画を倍速で視聴したり、テレビを見ながら同時にゲームやSNSを楽しむといったライフスタイルを日常としている。なぜなら、短時間で効率よく情報や体験を得たいという意識があるからだ。そして、そのスタンスはキャリアにおいても同じような傾向がみてとれる。
例えば、入社後すぐ(半年など)に自分のやりたいことができない環境や、20代のうちに裁量のあるポジションや高収入を得ることができない環境は、「割に合わない=タイパが悪い」と選択肢から除外してしまうといった具合だ。
確かに、こうしたタイパを意識した思考や行動は、効率よく生きていく上では重要だ。しかし、このタイパを単に「時間対効果」を高めるものとしてのみ捉えていると、損をしかねない。なぜなら、敢えて遠回りすることが、長い目で見た時に「タイパの良い」結果をもたらすこともあるからだ。
そこで今回は、多くの就活生や20代の若手ビジネスパーソンが見落としているかもしれない、言うなれば「タイパが持つ真の価値」をお伝えすべく、筆を取ろう。
お相手は、まさにこのタイパの本質を掴みながら、事業を通じて自己実現の真っ最中である、電通国際情報サービス(以下、ISID)の若きリーダーたち。
「キャリアにおいてもタイパを重視。すごくいいと思う」「その裏には、社会に対する漠然とした不安があるよね」「やりたいことを最短最速で望むのはいいけれど、そのスキルや環境は用意できているの?」と活発なディスカッションが行われた。
本記事を読めば、20代のうちから最短最速でやりたいことを実現するためのヒントが得られるはずだ。
- PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
- EDIT BY TAKUYA OHAMA
「最速で成長し、誰よりも稼ぐ」。
その裏に潜む社会への不安
タイパを重視する価値観が広まる中、そもそも2人はキャリアにおける「タイパ」の意味をどのように捉えているのだろうか。
松崎一言でいうと「最速で成長して自分の市場価値を上げ、より早く高収入を目指すこと」だと思います。私が3年前に就活していた時は、こうした考えを持つ仲間が確かに多かったですね。
まず口火を切ったのはISIDに入社して3年目の松崎氏。彼は現在、同社の金融ソリューション事業部に所属しながら、ブロックチェーンやメタバース、AI領域でのコンテンツ制作や開発を手がけるWEB3グループでも活動している。特に、フォトグラメトリ*の分野ではISID内の第一人者として活躍中だ。
続いて語るのは、入社11年目の山下氏。彼は前述のWEB3グループ設立の検討に関わった一人であり、現在、同グループのディレクターとシニアプロデューサーを務めている。
山下私が就活をしていた2010年代前半では、そもそも「タイパ」という言葉はありませんでした。なので、その意味に関しては松崎さんの意見を聞いて「なるほどな」と感じています。
これは仮説になりますが、学生がキャリアにおいてタイパを求める背景には、「やりがいや社会的意義を感じる仕事がしたい」という想いがあるのではと推察します。なぜなら、今の世の中を見渡すと、そうした仕事ができている人は一握りしかいないように見えるから、でしょうか。
山下「何年も下積みをしてやりたい仕事に携われないのは時間の無駄だ…」「誰にでもできる仕事ばかりしていると、成長機会を失う気がする…」と。そんな風に感じましたが、今の就活生と年齢が近い松崎さんとしてはどう思いますか?
松崎おっしゃる通りです。自分がやりたいことに向かって早く成長するために、タイパを意識することは重要だと思います。
しかし、現状をみると、多くの学生は「いかに短期間で多くの給与を得られるか」という考えに寄ってしまっているように感じています。
「無駄なく最短で◯◯を実現したい」──。その中でも昨今の就活生は「給与面」におけるタイパを重視する傾向があるとのこと。その背景には、Z世代(1990年半ば〜2010年代生まれの世代)が育ってきた特有の時代背景と社会情勢が影響していた。
松崎私も含むZ世代は、幼少期の頃からリーマンショックや東日本大震災、さらには直近で新型コロナウイルスといったネガティブな社会問題に何度も直面してきました。そのため、社会に対して常に漠然とした不安を感じているんです。
そうした不安から、「最速で成長し、経済的な不安を感じないよう若いうちから高い給与を得たい」と感じるのは当然かもしれません。
とはいえ、もちろん「高収入」だけを重視する学生ばかりではない。中には「世の中にとって価値ある人間になりたい」「周囲から一目置かれる何者かになりたい」と望む学生もいる。
松崎学生の中には、実業家の藤田 晋さんや孫正義さんのような成功者に憧れ、起業を目指している人も多いと思います。
しかし、社会人経験なく起業するには資金面やビジネス経験的にリスクが高い。だからこそ、すぐに起業はしないけれど、独立しても生きていけるスキルがほしい。そのために、ライバルたちに差をつけて成長したいと考える学生もいますよね。
山下なるほど。「どこでも通用するスキルがほしい」というのは、私も学生の頃に感じていましたね。2010年代の前半頃も、グローバルにおける日本の存在感はどんどん低下していき、大企業でさえいつ倒産するかわからないような状況でした。こうした不安から、私自身も「いち早く高いスキルを身につけたい」と思っていました。
だからこそ、就活時はグローバルな事業、かつ自ら新規事業にチャレンジできる挑戦の機会に溢れた企業を軸にみていました。当時、私が感じていた「早く成長したい」という意識は、今の就活生が意識するタイパの風潮と通じるところがあるのかもしれませんね。
短期間で効率的に成長し、稼ぐ。文字面だけを見るとどこかドライな印象を覚えるが、そうした価値観が重視される背景には、Z世代が直面してきた不安定な社会情勢や、それに伴う不安感が大きく影響していたのだ。
他者への価値提供こそ、遠回りにみえて最もタイパの良い振る舞いだ
キャリアにおける「タイパ」が意味するものは、何も「効率よく稼ぐ」だけではない。そこには「下積みの時間など不要。今すぐやりたいことにチャレンジしたい」といったWILLもある。
具体的には、「入社後は希望の部署に入り、すぐに大規模プロジェクトをリードする立場になって、1〜2年後にはより良い条件(主に給与面)の企業へ転職しよう」といったようなものだ。
その背景には、先述の社会情勢への不安とは真逆に思われる、「自分は何でもできる」という自負があるのだろう。もちろん、ビジネス経験がなかろうが、自身のポテンシャルに期待することは素晴らしいことであるし、こうした人材は得てして優秀である傾向が強い。
しかし、いざ挑戦の場に立つと、自らの思い描くイメージと現実の能力値のギャップを目の当たりにし、挫折してしまう者も少なくない。
山下学生や20代前半のうちから仕事において自信を持つことはいいことじゃないですか。私としては、成長意欲がある若手が「できる」と言うのであれば、会社はどんどんチャレンジの機会を与えるべきだと思います。むしろ、血気盛んな若手の可能性を潰しては勿体無い。
実は、私もISIDに新卒入社した当初は「何でもできる」と思いこんでいたんですよ。「入社して2週間で全てをキャッチアップして、誰よりも早く一人前になる」と決めていました。しかし結果はと言うと、、もちろんそう簡単にうまくいくものではありませんでした。その結果、周りの同僚からは「おっちょこちょいの助」というあだ名がつけられたくらいです(笑)。
今でこそ、ISIDの新規軸となり得るWEB3という領域で革新的な事業をリードする山下氏。しかし、彼も新卒入社当初は理想と現実のギャップに直面するところからキャリアが始まったのだった。
山下今振り返ると「勢いだけだったな…」と思いますが、やはり当時は私も自分自身の能力を過信していたんですね。と同時に、「個人主義」でもあった。つまり、「成長したい」という自分自身のメリットにのみ意識が向いており、他者に対する貢献の意識がおざなりになっていたんです。
しかし、入社して早々に壁にぶつかったことで、「ビジネスとは、まず相手に先にメリットを提供すること」「相手に貢献し、価値を提供するからこそ、自分にもメリットが返ってくる」ということを学びました。
そこからは、「とにかく顧客や会社にとって価値ある人材になろう」と思考を変え、徹底的に顧客に価値を提供し、会社に利益をもたらすことにフォーカスしてきました。その結果、入社3年目から新規事業の企画・開発に携わることができたり、今のWEB3グループという事業新設にも携わっているため、「やりたいこと」ができているのだと思います。
山下氏が所属するWEB3グループでは、現在ブロックチェーンやメタバース、3DCG、AIといった技術力を駆使して、音楽やアニメのコンテンツ業界、さらに観光業界向けにブランド強化やコミュニティ形成を目的としたサービスを開発している。来年初頭にはサービスリリースも控えており、まさに彼の「やりたいこと」が花開こうとしているのだ。
山下ちなみに、私は昔からアニメが大好きで、心が動くような瞬間を何度も味わってきました。ファンとしてはもちろん「自分自身が楽しむ」ことにのみフォーカスして良いと思いますが、ビジネスとなると話は変わります。コンテンツ制作者として、世の中にどのような感動・価値を提供できるのか。そのためにはどうすべきなのかと、常に他者への価値貢献をベースに日々取り組んでいます。
「誰よりも早く成長したい」と意気込む就活生からすると、遠回りに聞こえるかもしれない。しかし、キャリアにおいて「タイパ」を重視する人は、こうした「自己実現とは他者貢献の先にある」という、ビジネス、いや世の中の基本構造を理解しておくと、本当の意味でタイパよくキャリアを築けるのではないだろうか。
会社とは持ちつ持たれつ。
win-winの関係を築けぬ者に機会はない
読者が求める「タイパ」の良いキャリアを送る上で大きなヒントが得られたと思うが、インプットしておくべきことはその他にもまだまだ存在する。読者がより確度高く自身のやりたいことを最短最速で実現していくためには、「自主性」や「スキル・経験」「ゴール設定」なども重要なファクターであると彼らは言う。
なぜなら、就活生や20代前半のビジネスパーソンの中には「早く成長していきたい」という思いがある一方で、「具体的にやりたいことはまだわからない。けれど会社にはチャンスや環境を用意してほしい」といった受け身の声もみられるからだ。
松崎結局のところ、機会を手にするのは自分自身の行動なんですよね。
会社がチャレンジできる環境を提供してくれたとしても、その環境を活かせるかどうかは自分次第。あくまでも主体的に動くのは自分であり、会社はサポートとして背中を押してくれる。私はそういう関係だと思うんです。そして、そのチャンスを掴むためには、その土台となるスキルや能力が必要不可欠になってきます。
機会は自ら掴むものであり、掴んでモノにするためにはスキルや経験が必要。これも一見すると当たり前のように見えるが、昨今の「タイパ」重視の潮流においてはその認識が薄いと感じられることもあるようだ。では、その自主性やスキル・経験がいかに自己実現に貢献するのか、実例をもとに検証していこう。
松崎氏は、前述のとおり、入社3年目にも関わらず、本業とは別にWEB3の事業にも参画している。読者から見れば、彼は短期間で希望通りの仕事を手がけているように見えるかもしれない。しかしながら、松崎氏は会社からの業務上のオーダーに対しても柔軟に対応しており、ただ単に自分がやりたい仕事だけを追求してきたわけではないのだ。
松崎本業では、入社2年目からあるプロジェクトのリーダーを任され、お客様との交渉事をすべて引き受けてきました。一時期は、同時に3つのプロジェクト・リーダーを務めていたこともあります。
私の所属する金融ソリューション事業部は、3年、6年、9年という周期でジョブローテーションをする仕組みがあり、私も今年はその時期に該当していたんです。ところが、想定していた通りに進まないハードなプロジェクトがあったため、会社の意向でローテーションはせず、そのプロジェクトの担当を1年延長することに決めました。会社が困難な状況にあるときは、それを乗り越えるための貢献に力を注ぎたいなと。
ただ、そう聞くとどうしても「遠回り」に見えるかもしれませんよね。でも、このような経験も積みながらスキルを身につけ、会社と持ちつ持たれつの関係だからこそ、自分が「やりたい」と手を挙げた時には惜しみなく応援してくれるんです。
一定の時間をかけて会社とwin‐winの関係を築きながら、キャリアの土台となるスキルや経験を積み重ねていくからこそ、来るべきタイミングで自己実現への力強いサポートを得ることができる。まさに、個人と会社の理想的な関係と言えよう。
他者貢献やwin-winを前提に、ISIDは個人の「やりたい」を肯定する
今回は、ISIDを事例に、キャリアにおける「タイパ」とは何かを語ってきた。読者が真にタイパの良いキャリアを歩んでいくには、一見すると回り道に見えること、そう、他者から求められることにまずは貢献していくことが肝要だ。その中でスキルや経験、信用を獲得していきながら、自分のやりたいことを発信し、行動で示していく。その結果、会社は君たちをサポートをしてくれるのだ。
そのためにはもちろん、会社側の支援体制や意思も重要なファクターとなるが、世の会社のいずれもがISIDのようにチャンスやチャレンジの機会を提供しているわけではない。したがって、本記事をきっかけにISIDのような環境に惹かれた読者は、ぜひその中を一度覗いてみると良いだろう。
最後に二人から、ISIDでキャリアを積む魅力についてメッセージをもらった。
松崎ISIDは、2024年1月1日付けで社名を「電通総研」に変更することを発表しています。つまり、会社自体が変革期にあるということで、今まで以上に変化や挑戦が推奨される。ですので、これから入ってくる方々が手を挙げてやりたいことに挑めるチャンスも、必然的に増えるということだと思います。
松崎一般的には、組織規模が大きくなると保守的な人たちが増えていくイメージがあるかと思いますが、ISIDにはそういった雰囲気はありません。ポジティブでチャレンジングな人たちが多く、誰かが新しいことをする際も「いいじゃん、やってみよう」と背中を押してくれます。そのため、自分で積極的に挑戦していきたいという人には、ISIDのフィールドは最適な環境だと思いますね。
山下今日お伝えしてきた、個人としてあるべき姿勢が前提にはなりますが、ISIDは声を挙げれば周りから応援してもらえる、そんな心地のよい雰囲気があります。一方で入社後に意外に感じたのが、ISIDはチャレンジする環境が豊富にありつつ、その中で「新規事業」という選択肢を取る人はまだまだ多くないという点です。
ISIDで新規事業に取り組む際は、事業として本格化するまでは本業と併行して携わる必要があります。つまり、チャンスはありますが、本気で取り組む意思がない人にはストレッチな環境という訳ですね。ですので、意思と行動が備わっていれば若手であっても新規事業を立ち上げる機会は大いにあります。そういう意味では、ISIDの新規事業は、チャレンジしたい人にとっては「美味しい穴場」と言えるかもしれませんね(笑)
山下もちろん皆さんの「やりたいこと」は何も新規事業に限る必要はなく、既存事業を変えたい、事業ではなく組織を創ってみたいなど、自由です。ぜひ、皆さんもISIDとwin-winの関係を築きながら、自己実現に向けて挑戦していってください。私たちも歓迎します!
こちらの記事は2023年11月22日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
写真
藤田 慎一郎
編集
大浜 拓也
株式会社スモールクリエイター代表。2010年立教大学在学中にWeb制作、メディア事業にて起業し、キャリア・エンタメ系クライアントを中心に業務支援を行う。2017年からは併行して人材紹介会社の創業メンバーとしてIT企業の採用支援に従事。現在はIT・人材・エンタメをキーワードにクライアントWebメディアのプロデュースや制作運営を担っている。ロック好きでギター歴20年。
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