これがエンジニア起点の「産業変革」のリアルだ──テックカンパニー・ラクスルのシニアエンジニアたちが実践、BizDevと共創する開発手法とは
Sponsored今やビジネスとテクノロジーは密接不可分だ。急成長スタートアップにおいては多くの場合、優れたエンジニアたちの手によって大きな成果が創出されている。今回はそんな企業の代表格といえる上場ベンチャー、ラクスルのエンジニア組織に迫る。
新卒エンジニア第1号として同社にジョインし、現在はラクスル事業本部CTOを務める岸野友輔氏からはすでに、「エンジニアによる事業価値拡大」に関して先日のインタビュー記事でじっくり語ってもらった。グループのコア事業として印刷業界DXを進めるラクスル事業本部のかじ取りを担い、エンジニア組織のあるべき姿を思考し、より強い組織へと進化させようとしている。その中で重要となるのが、シニアエンジニアたちの存在だ。
同社は「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンを掲げている。その「仕組み」を構築するうえで、ハイレベルなシニアエンジニアの存在は非常に重要だ。では“ハイレベル”とはどういうことか? 今回の記事では、岸野氏が考える“ハイレベルなシニアエンジニア”についてひたすら深掘りさせてもらった。
キーワードは「変革レベルのアウトカム」と「複雑に絡み合うリアル」だ。
- TEXT BY AYA SAITO
- PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
仕組みをつくるための“レバレッジポイント”を、エンジニアが見極める!
ラクスルを「BizDevカンパニー」といったイメージで認識する人が、FastGrow読者には多いかもしれない。確かに昨今、同社グループ内外で「元ラクスルBizDev」の面々がCxOを務める例が目立ち始めており、そのイメージを持つのも当然のことと言えそうだ。
だが、BizDevがそれぞれ一人の力で、産業変革や非連続的な事業成長につながる“仕組み”を生み出してきたわけではない。実際に手を動かして「変革につながる本質的なテクノロジー活用」を進めるエンジニアの存在も、BizDevと同等あるいはそれ以上に重要だ。ラクスルでその役割を担うのが「シニアエンジニア」である(なお、期待役割などの詳細は本記事のセクション2で後述していく)。
「変革の実現」につながる数々の開発プロジェクト。その推進を実際に担っていくシニアエンジニアたちが、何を考え、どのように取り組んでいるのかを、ラクスル事業本部の新CTO岸野氏に聞いていく。
まず強調したのは、「最大のレバレッジポイントをつくり切ること」の重要性だ。
岸野ラクスルがこれまで産業変革につながる事業をいくつも実現できた理由は、「どのようなポイントに、どのようなテクノロジーを、どのように導入するのか」を突き詰めてきたからです。このことを多面的に理解し、徹底的に検討して、失敗を乗り越えながら最大の“レバレッジポイント”となる仕組みをつくり切ることが必要なんです。仕組みであればなんでもいいわけではありません。
プロダクトやシステム1つで、産業構造を変えるような大きなインパクトを創出することを目指しています。これが、エンジニアとして取り組むべきことです。
変革のために必要な“仕組み”の構想は、BizDevが起点の場合が多いかもしれない。だが、シニアエンジニアが“仕組み”を構想する場合ももちろんある。さらに言えば、その仕組みにおいて最も重要な“レバレッジポイント”の見極めは、シニアエンジニアにこそなせる業(わざ)だとも言える。
ビジネス構想について、具体的な姿を検討し、関係範囲を現場レベルで詳しく調査して、最適な形を探ったうえで本格的な開発に着手していく。そして「一度つくれば完成」ではなく、継続的にブラッシュアップすることで理想の“仕組み”に近づけていく──。
この流れを、数カ月から1年ほどの時間軸のプロジェクトで推進することが、ラクスルのシニアエンジニアたちに期待される役割だ。
具体的な期待役割について事例を交えて聞いていくと、確かにハイレベルな挑戦の連続になっていくであろうことが想像できた。その内容を、以下のような順で解説していく。まずは役割定義。次に事業特性上のテクノロジーの重要性。そして、具体事例と未来想定、の順だ。
シニアエンジニアとは、「変革レベルのアウトカム」を具体的に描き推進するかじ取り役だ
「数カ月単位のプロジェクトで、新たな変革を実現していく」というシニアエンジニアへの期待役割は、前述の通りだ。これは、大きく二つの切り口に分解できる。
一つ目は「プロジェクトとしてのシステム開発」。必要になるのは、ビジネス理解を前提とした提案、それを実現できるアーキテクチャの設計、実際に開発を進めるためのプロジェクトマネジメントやチーム組成(採用・育成)といったスキルや経験だ。
岸野氏も「すべてを自ら完璧にこなせる必要があるわけではない」と注釈を入れた。だが、あくまでこのように定義しようと決めている点に「ハイレベルさ」を感じずにいられない。
岸野スキルや経験の部分を端的に言えば、ビジネス理解・技術力・PJ推進力・採用育成力の4点と定義しています。ただ、現状に鑑みて言うと、このうち2点ぐらいで◎がつけばラクスルのシニアエンジニアとして十分に素晴らしいチャレンジができます。それぞれ得意分野を持ったメンバーを集めて、チームとして大きな課題に挑戦していくのが正しい姿かなと。
私の場合も、ビジネス理解は比較的できるようになってきたと思っているものの、プロジェクトマネジメントや採用育成はまだまだで、評価としては△がつくような自己認識ですから……。もちろん、これからしっかり鍛えていこうと、気を引き締めているところです。
そしてもう一つの切り口は、冒頭でも触れた「アウトカム」だ。誤解の生じやすい部分のため、やや丁寧に確認しよう。
まず「アウトプット」と「アウトカム」という比較で整理したい。エンジニアのジュニア層に多いのが「アウトプット」志向だ。キャリア初期には、コードを書いて成果物をしっかり残すことこそが重要になる。とにかく「アウトプット」をし続け、その質を高めていくことが求められるフェーズと言える。
だが、一定の経験を積んでミドル層・シニア層になれば、ただひたすら質の高いアウトプットを積み重ねればいいだけではないとわかってくるはず。そこで「アウトカム」志向が根付かなければならない。「社会価値・経済価値として何が生まれるのか」こそが重視されるフェーズだ。
ラクスルでは、この「アウトカム」の基準が非常に高い。というのも、一般的に想起される定義「アウトカム=成果(社会価値・経済価値)」を大きく超え、「生み出したプロダクトが、これまでにない社会価値・経済価値を生み、産業変革に貢献する」という状況を想定しているのだ。
岸野ラクスルのBizDevは、常に「変革」というアウトカムを狙い、そこから逆算して事業やプロダクトに関する意思決定をしています。このことをご存じの方は多いかもしれません。
シニアエンジニアも同様に、産業変革に直結する非連続的な価値創出を「目指すべきアウトカム」として捉え、そこから逆算してすべての意思決定を進めているんです。その中で取っていく手段が、たまたまプロダクトやシステム、コーディングであるというだけなんですね。
言い換えるならば「ラクスルの非連続成長を、テック視点から検討し尽くして実践していく」のが、シニアエンジニアの役割なんです。
先ほど「プロジェクト進行」と「アウトカム」という二つの切り口に分解したが、より重要なのがどちらなのかは自明だろう。シニアエンジニアには、「変革レベルのアウトカム」を具体的に描き、そこから逆算して意思決定を続けることが求められるわけだ。
と言っても、ラクスル以外の環境でこうした挑戦を進めることもできそうな話ではある。だがそうではなく、やはりラクスルだからこそ「変革レベルのアウトカム」に取り組み続けられる理由がある。それが、「ラクスルの新たな意思決定」と「ラクスルの事業特性」という観点から読み取れる。
「あちら立てればこちらが立たぬ」? ラクスルの開発が難しいのは“ステークホルダーが多すぎる”ため
ラクスルの新たな意思決定という観点で、重要な前提が二つある。一つ目は、2023年8月に発表されたラクスル社CEOの交代だ。その裏には、ラクスルが「複数事業のマネジメントと最適化」への注力を強めていくという狙いがある。これまでの事業は内製がほとんどだったが、これからはM&Aもより積極的に進めていく。その成否のカギを握るのは、他でもない「強力なテクノロジー基盤を構築し、ポートフォリオ経営における事業レバレッジをどれだけ強く利かせられるのか」だろう。
二つ目の出来事として改めて伝えたいのが、この記事の主役でもある新卒エンジニア1期生・岸野氏の、ラクスル事業本部CTOへの抜擢だ。これは、エンジニア組織によるアウトカム創出加速に向けた大きな出来事だ。ラクスルではこの二つの動きが、2023年8月に重なって起きた。
岸野ラクスルの手掛ける事業群はどれも継続して大幅な成長を見せています。この非連続的な成長をさらに加速させていくというあまりに難しい至上命題が目の前にたくさん転がっている。経営陣だけでなく、シニアエンジニアも当然、責任感を強く持って取り組まなければならない部分です。
そのためには、より強いシニアエンジニアが増えていく必要があります。事業本部のCTO就任とほぼ同時に、「テックリーダーシップチーム」というものを組成しました。私はチームの中心となり、採用や育成、組織開発を抜本的に強化していきます。先ほどから紹介している「シニアエンジニアへの期待役割」は、このチームでまとめた最優先事項の一つとして再定義したものです。
2023年、企業として「エンジニアリングをさらに強化していく」という意思決定がいくつもなされているわけだ。
また、加えて事業特性に関しても着目する必要がある。
ラクスルの印刷事業では、印刷・配送といったサプライチェーンがその事業構造の大部分を占める。ステークホルダーが多く、一部のオペレーションに変更が生じると前後複数の業務フローに影響が生じるという構造があるのだ。つまり、関係者や関係プロセスが多く、それゆえ検討すべき事項が多くなってしまいがちで、どうしても何かを変えたり新しいことを始めたりという意思決定をしづらい部分が多々ある。
岸野たとえば会計業務を効率化するSaaSプロダクトであれば、対象は「会計・経理担当者と現場メンバー、そしてその入力通りに動くPCの画面」といった程度になるため、変数がそれほど多くないと言えます。
一方、ラクスルが手掛ける印刷事業・プロダクトの対象は、印刷データを取り扱うWebシステムだけではありません。印刷業者や配送業者が、それぞれ工場や営業所など複数の現場を持ち、多くの人の手が関わっています。その一連のフローを管理する存在として、ラクスルのBizDevやオペレーターが何人もいます。だからこそ、影響し合う変数がとても多い。単純なテクノロジーでは影響を及ぼせないアナログな作業工程も多く存在しているんです。
印刷物を発注するクライアントのみならず、印刷設備をもつパートナー企業や材料のサプライヤー、物流事業者といったステークホルダーが、さまざまな分野にまたがって存在する。当然、関わる人数も非常に多い。さらに、各現場に複数の印刷機械が置かれ、実際に印刷が実施される前後には長いサプライチェーンが広がっている。
数学において「変数が増えることで4次、5次関数と変化し、グラフの形が複雑になっていく」のと同じように、難易度の次元が格段に上がっていくわけだ。
岸野リアルな現場を多く含む産業・業界を相手にしているので、「果たしてこれでちゃんと動くのか?」「本当に現場の全員がラクになるのか?」といった検討事項も多くなります。全体のつながりをより一層、緻密に考えて動く必要性が大きいんです。
私は「複雑な課題を解くのが大好き」な人間なので、素直に面白く感じています。というのも、対象の業界を詳しく見れば見るほど、そのリアルな工程にはさまざまな“非効率”が存在しているとわかってくるからです。
ですが、すぐに思い浮かぶような単純なテクノロジー活用では、その非効率を解消できない。なぜなら先ほどから確認しているように変数が非常に多いため、「一部だけが改善されても、ほかの部分で非効率性が高まる可能性」があるからです。
だからこそ、印刷や梱包に関わるビジネス構造はもちろんのこと、ステークホルダーごとの役割や心情の深い理解が重要です。加えて、現場に足を運んで状況をしっかり観察することも大事。そうして生の一次情報を得て、注文から印刷・配送に至る全体の工程を深く理解することでようやく、「複数の変数に良い影響を及ぼせる、最もレバレッジの利く仕組みはこれだ!」という具体的な提案を考えることができるわけです。
「あちら立てればこちらが立たぬ」。両立は不可能だという意味のことわざが脳裏によぎる。だがそんな状況下でもレバレッジポイントを見つけ、「変革レベルのアウトカム」を実現するのがラクスルのシニアエンジニアなのだ。難しいからこそ、テクノロジー活用を突き詰めて考えることに大きなやりがいが感じられるとも言える。
ここまでかなり丁寧に、「ラクスルのテクノロジー活用についての前提や特徴」を見てきた。そのため「具体例はどのようなものなのか」という点が当然ながら気になるはず。
工数は減らし、事業は伸ばす──
それが理想のエンジニアリング
実際にシニアエンジニアとして、どんな「変革につながる」仕掛けを実現させてきたのか?そう問うと岸野氏が挙げたのは、受注印刷における「入稿データチェックの工程(DTP)」の自動化に成功したプロジェクトだ(事例紹介記事や担当者の振り返り記事も合わせてチェックしたい)。
DTPとは、印刷の発注主から預かった入稿データのPDFファイルを確認・加工する工程のこと。入稿データはそのまま印刷されるわけではない。印刷可能領域からはみ出していないか、サイズは適切か、必要な情報はそろっているかなどをラクスルの専任チームが確認し、必要に応じてデータを修正する場合もある。
この工程は以前、すべて人の目と手で行っていた。そのため発注が増えるタイミングでのデータ変換待ち時間が平均15時間超という前例のない長さとなってしまい、納期遅延やリピート率低下が見られる状況に。また、マンパワーに依存する体制となっていたため、ラクスル事業本部の人員を増やすことでしか売上の成長を実現できない状況だった。そこで前後の工程も含めて見直しながら自動化システムを新たに開発したことで、全体のデータチェックの工数をなんと80%も削減できたのだという。もちろんリピート率も向上した。
人員を増やさなくてもクライアントに安定した価値を提供できるようになり、かつ、利益率も大幅改善したためコストを大きく増やすことなく売上増を図れるようになった。
1年にも及んだこのプロジェクトをリードしたのは、BizDevではなく、他ならぬシニアエンジニアだった。
岸野データ変換の待ち時間が長いことによるリピート率の低下は、経営陣も含めて大きな課題と認識していたので、現場では業務効率化に必死という状態が続いていました。当初は、スプレッドシートの活用やフローの整備といった地道な対策を進めるだけ。入稿データチェックの業務は「目視と手作業でスピーディーに進めるしかない」と考えられていました。
ですが経営課題でもあったので、BizDevからの相談もあり、シニアエンジニアを中心にデザイナーやオペレーターも含めてプロジェクト化し、あらゆる対策を検討しました。その中で、データチェックを自動化するシステムこそが、効率化と顧客満足度向上に直結する最良の打ち手だと結論付け、開発を進めることになったんです。
全体のアーキテクチャをどのように設計すべきか、その中でどこまで内製すべきなのか、社外の既存ソフトウェアを組み込む場合はコスト構造がどうなるのか、といったところも当然、シニアエンジニアが推進した部分になります。(参考:大規模な業務改革を成功させる秘訣とは? ラクスル流プロジェクトの進め方)
まさにラクスルが求める「シニアエンジニアとしての手腕」が遺憾なく発揮されたプロジェクトだ。ところが、最初から順風満帆に物事が進んだわけではなかったという。
初めに完成させたシステムで運用を開始したところ、データチェックの精度が不十分だということが判明したのだ。省力化には成功していたため、しばらくそのまま運用を維持しても良さそうなものだが、ここで妥協しないのがラクスルのエンジニアリング。中途半端なアウトカムでは満足することなく、各ステークホルダーが満足できる品質、すなわち「変革」と呼べるレベルになるまで徹底して追求しようという意思決定だったようだ。
岸野「そもそもこのサービスでは、どれだけの品質水準を満たしているべきなのか?」というところに立ち返って、議論し直したんです。この再検討がなければ、「80%の工数削減」や「○○という利益率(リピート率)達成」という成果には至りませんでした。
品質に伸びしろがある状態を「失敗」として捉え、「変革レベルのアウトカム」を目指したからこそ、高精度なシステムとそれによる大きなオペレーション改善が実現できたと思っています。
何より、人の手で行った場合と比べて品質を一切落とすことなく、より多くの価値を社会に提供できるようになったということが、ラクスルらしいエピソードだと感じます。
人員を増やして事業を成長させるという単純な話とは一線を画す、このプロジェクト。抽象化して表現すれば「必要な工数を減らしながらも顧客満足度は向上させ、事業価値も増大させながら、P/Lも着実に好転する」、そんな仕組みを生み出したわけだ。しかも、空いた工数でさらなる成長のための開発や投資を行うことも可能になる。まさに、エンジニアリングのなすべきことを象徴していると言えそうだ。
社会・産業の変革というインパクトは、ここからが本番──テックカンパニーとしてのラクスルの新展開をかたちづくらないか?
役割定義から始まり、企業としての意思決定や事業構想・事業特性、そして象徴的な具体事例を見てきた。ラクスルのシニアエンジニアという存在について、その力強さが感じられてきただろうか。
最後に、エンジニアの読者に向けて岸野氏が話し始めたのが、「ラクスルで、事業や経営を担いたいという想いを持つエンジニアが成長できる理由」だ。
岸野私はBizDevの先輩たちとは、新卒1年目からかなり細かく、変革を実現するために何をすべきかという話をしてきました。「非連続成長を生み出すためのアクション」を考えて実行し続けるのがBizDevですから、刺激や学びが多くありました。
たとえば「事業やプロダクトとしての収益性(ビジネスモデルの最適化)」や「社会に必要な変革の理想形」といった意識は、明らかにビジネスサイドのほうが高いです。でも、一緒に考えながら話す機会を何度も経験することで、収益性につながるエンジニアとしてのアウトプットとはどういうものなのだろうか?という思考が鍛えられている感覚が強くあります。
これからも切磋琢磨していく中で、より本質的なエンジニアリングを進めていくための成長ができる環境としてぜひおすすめしたいです。
間違いなくわかりやすいものとして挙げたのが、エンジニアだけでなくBizDevも含めたまわりのメンバーたちの魅力だ。たとえば上級執行役員 SVP of Raksulの渡邊建氏やVP of Marketing and Business Supplyの木下治紀氏といった、元BizDevのVPレイヤー以上の存在感は非常に大きい。
そして、シニアエンジニアがこれから、ラクスルの新たなCxOやVP、Directorといった役職としてさらなる非連続成長を牽引していく。そのやりがいや成長環境も強調する。
岸野実際に事業本部のCTOとして印刷の受注・納品状況を自分がコントロールできる状態になると、一気にいろいろな課題が鮮明に見えるようになりました。私の言動が、まさに収益性に直結し、変革の可否を左右します。そうなって改めて「変革レベルのアウトカム」を重視して日々の意思決定ができなければ、ラクスルらしい事業にはならないのだと心から思い知りました。こんなヒリヒリする環境はなかなかないと思います。
さまざまな角度でラクスルのエンジニアリングについて語ってもらったこの取材。最後にポツリ、ここまでの内容を踏まえて「世の中のイメージと比べて、明らかにすごくテックカンパニーだと思うのですが……」と苦笑い。
テックカンパニーであるというイメージを社外からも明確に獲得していくべく掲げている、今後の仲間集めに向けた意気込みが、これだ。
岸野これからシニアエンジニアの中途採用も増えていきます。その対象は、みなさんが思っているよりも幅広いはず。スタートアップでアジャイルに多くのプロダクトをつくってきた経験も、大企業で緻密かつ大規模な開発を進めてきた経験も、どちらも活きる。多様な強みが融合するチームでこそ、「変革レベルのアウトカム」を創出できるんです。
「社会や産業に対して、構造を変えうるような大きなインパクトを生み出したい」とウズウズしているのなら、ラクスルが間違いなく最適な環境です。日々の意思決定で常に大きなインパクトをもたらす「変革レベルのアウトカム」が求められるんです。そんな厳しくもやりがいのある環境は、そうそうないと思いますよ。
ここから新たなインパクトを創出し、テックカンパニーとしての新展開を一緒に進めていきませんか?
こちらの記事は2023年09月28日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
執筆
齊藤 彩
写真
藤田 慎一郎
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