連載資金調達スタートアップのヨコガオ

「カルテ入力」に変革を──記録時間7割減を“医療ドメイン×多職種連携AI”で実現、1.6億円調達のADVATECが描く地域医療連携構想とは

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重要なのは、調達額の大きさ?バリュエーション?ラウンド?いやいや、スタートアップの資金調達とは、もっと奥深く、緻密で複雑なものである。

FastGrow編集部では、調達リリースを見るたび、その裏側について思いを巡らせ、その後のビジョンについて予測や仮説立てをしてきた。そのために知りたい情報を、ぜひ外部向けにも記事としてまとめてみよう──そんな想いで始まったこの連載。

今回は、2026年8月に1.6億円の資金調達を発表した株式会社ADVATECについて、その「横顔」をまとめる。

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FastGrow編集部が注目するポイント

注目ポイント1:残業を生むカルテ記載を、音声AIで解体

医師がカルテ記載に費やす時間は1日2〜3時間とも言われ、診療時間中に終えられず、診療後に残って作業する医師も少なくない。コエカルは診察中の会話からその場でSOAP形式のカルテを生成し、記録時間を平均7割削減する。音声認識精度は9割超、導入院では8割の医師が「疲労感が軽減した」と答えている。

注目ポイント2:一人のツールから、医療機関全体の基盤へ

医師が書いたSOAP形式のカルテを、看護師向け・栄養士向け、カンファレンス記録、紹介状といった用途ごとの形式へ自動変換。職種をまたぐ書き直しをボタン一つに置き換える。料金は録音時間に応じた従量課金制で、院内の全職種が使える。2週間の無償トライアルからの有償転換率は約57%、導入後の継続率は9割を超える。

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代表を始めとした、同社のメンバーについて

代表取締役 池田 和泉 氏

調達に際してのコメント

当社が開発・提供する「コエカル」は、診察中の会話をもとにAIがSOAP形式のカルテを自動生成し、医師を記録業務から解放するAI医療アシスタントです。先行提供開始から約7ヶ月で、導入医療機関は300院を超えました。

私たちが本当に目指しているのは、カルテ入力を便利にすることだけではありません。

医師が記録に費やしていた時間や労力を患者さんに向けられるようになれば、一日に診られる患者さんが増え、一人ひとりの話をより丁寧に聞けるようになるかもしれません。また、医師の疲弊が軽減され、医療現場で働き続けられる人が増える可能性もあります。

その先で、より良い医療を受けられる患者さんを一人でも増やすこと。それが、私たちの目的です。

コエカルは、まだ完成したプロダクトではありません。事業もプロダクトも組織も、これから大きく変化していきます。だからこそ、答えのない問いを仲間と一緒に考え、自分の仕事によって事業が変わっていく手応えを味わいたい方にとって、またとないタイミングだと思います。

私たちが求めているのは、特別な経歴を持つ人だけではありません。

目の前のことに愚直に取り組み続けられる人。分からないことを素直に認め、学び続けられる人。うまくいかないときにも、環境や誰かのせいにするのではなく、「次はどうするか」を考えられる人。

そして何より、自分だけでなく、仲間やお客様、その先にいる患者さんの状況が良くなることを、自分のことのように喜べる人。

そんな仲間とともに、日本から新しい医療のかたちをつくっていきたいと考えています。

プロフィール

大学で薬学を学び、在学中に起業。以降、複数の事業の立ち上げと売却を経験する。SNSマーケティング領域で事業を展開するなかでも「いつか医療に関わりたい」という思いを持ち続け、身近な人の通院に付き添った経験から、医師を記録作業から解放するAI医療アシスタント「コエカル」を構想。2020年に株式会社ADVATECを設立し、同事業を推進している。

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調達の概要

プレスリリース
ADVATEC、プレシリーズBラウンドで1.6億円の資金調達を実施。累計調達額は7.6億円に
調達額
1.6億円
ラウンド
プレシリーズB
主な使途
サービス・プロダクトの機能強化
採用強化
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主なサービス・プロダクト

音声AI医療カルテ作成支援サービス『コエカル』

診察中の会話をもとにカルテを自動生成する、医療特化型の音声AIサービスです。医療に特化して開発されており、音声認識精度は90%以上。導入医療機関では、カルテ記載にかかる時間が平均70%減少しています。

患者ごとに過去の診療記録をクラウド上へ蓄積できるため、「先週はこの状態だったが、今日はこう変化している」という経過を一目で把握できます。慢性疾患など継続的な診療で価値を発揮し、これまで医師が過去の記録を確認しながら時間をかけて作成していた紹介状(診療情報提供書)も、蓄積された情報をもとにワンクリックで作成できます。

医師が記録したSOAP形式のカルテは、看護師向け、栄養士向け、カンファレンス記録、紹介状など、用途に応じた形式へ自動変換できます。料金体系は録音時間に応じた従量課金制で、医師だけでなく看護師や薬剤師も利用できる──「一人の医師が使うツール」ではなく「医療機関全体の業務を支える基盤」として設計されています。

※記録時間の削減率および満足度は、いずれもコエカル導入医療機関における平均値・同社調べ

サービスサイト

FastGrow編集部の注目ポイント

  • 医療とテクノロジーの両方を知るチーム:代表の池田氏は薬学部出身。プロダクトを統括する田丸氏も薬学部で学び、薬剤師として医療現場を経験した後にエンジニアへ転身している。開発は江戸川病院の医師監修のもとで進む。
  • 「一人のツール」から「院全体の基盤」へ:職種ごとの形式へ自動変換する多職種連携と、録音時間に応じた従量課金制。院内のすべてのスタッフが使える設計が、有償転換率約57%・継続率9割超という定着につながっている。
  • 地域医療連携という射程:国が進める地域医療構想を見据え、クリニック・総合病院・訪問看護事業所・介護施設を医療情報でつなぐ環境づくりを構想。紹介先で同じ問診を繰り返す負担や、服薬情報の行き違いを減らすことを狙う。

こちらの記事は2026年09月15日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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