「社会課題解決」に経済合理性を──子育ての「支援(行政)」と「現場(家庭)」を垂直統合へ、約3億円調達のiibaが描く次世代のペアレントテック
重要なのは、調達額の大きさ?バリュエーション?ラウンド?いやいや、スタートアップの資金調達とは、もっと奥深く、緻密で複雑なものである。
FastGrow編集部では、調達リリースを見るたび、その裏側について思いを巡らせ、その後のビジョンについて予測や仮説立てをしてきた。そのために知りたい情報を、ぜひ外部向けにも記事としてまとめてみよう──そんな想いで始まったこの連載。
今回は、2026年6月に約3億円の資金調達を発表した株式会社iibaについて、その「横顔」をまとめる。
FastGrow編集部が注目するポイント
注目ポイント1:行政予算と子育て生活導線の垂直統合
こども家庭庁発足を機に12兆円規模に拡大する子育て支援予算。しかし、年7,500億円もの給付が必要世帯に届かず活用されていないとも言われる。iibaは、行政や地域事業者の「上流」と、子育て世帯の日常という「下流」を垂直統合し、発見から決済までシームレスにつなぐ新たな社会インフラを提示する。
注目ポイント2:10万スポットでのUGCと新経営体制
10万スポット以上のリアルな口コミデータを武器に、オーガニックで急成長するiiba。この盤石な基盤に、元経産省の浅山COOと、ドワンゴ・メルカリ等で高度な開発を担った廣戸CTOが合流。制度設計の知見と確かな開発力で、単なる地図アプリを超えた生活プラットフォームへと進化させる。
代表を始めとした、同社のメンバーについて
(1)代表取締役 逢澤奈菜 氏
調達に際してのコメント
このたび、非常に心強い投資家の皆さまに株主としてご参画いただきました。iibaは、単なるおでかけサービスではなく、子育て世帯と地域・企業・自治体をつなぐデータ基盤として、子育てにまつわる構造的な課題に向き合い、新たな子育てインフラを構築することを目指しています。
今回の資金調達と新経営体制の発足は、その実現に向けた大きな一歩です。新体制のiibaが一丸となり、あらゆるステークホルダーと力を合わせて邁進してまいります。これからのiibaの挑戦にぜひご期待ください。
プロフィール
京都出身で二児の母。2022年に株式会社iibaを創業。「新たな子育てインフラを構築する」をビジョンに掲げ、子育て特化のマッププラットフォーム「iiba」の開発・運営を行う。 東洋経済「すごいベンチャー100」、日経クロストレンド「未来をつくる100社」に選出。Forbes JAPAN「RISING STAR AWARD 2025」受賞。
(2)COO 浅山龍文 氏
プロフィール
大学院修了後、製薬メーカー、経済産業省、ヘルステックスタートアップ、VCを経て現職。経済産業省ではクロスボーダーなオープンイノベーション政策の立ち上げに従事。ヘルステックスタートアップでは事業責任者として、日本で初めて週次で電子カルテデータを企業に提供するサービスをローンチ。2026年、株式会社iibaにCOOとして参画。
(3)CTO 廣戸裕大 氏
プロフィール
株式会社ドワンゴ、株式会社メルカリ、株式会社Yuimediを経て会社を設立。ドワンゴではニコナレやN予備校、メルカリではメルカリUS Web、メルカリJP Web、メルカリShopsなどを担当し、複数の新規サービスの立ち上げや既存サービスのリプレイスに従事。YuimediではVPoEとして開発組織の改善を推進。現在は複数の企業で技術顧問を務める。OSSでは主にNode.jsやwebpackで活動していた。2026年、株式会社iibaにCTOとして参画。
調達の概要
| プレスリリース |
|---|
| 子育てインフラiiba、シリーズA約3億円の資金調達を完了 |
| 調達額 |
|---|
| 約3億円 |
| ラウンド |
|---|
| シリーズA |
| 主な使途 |
|---|
| サービス・プロダクトの機能強化 |
| 採用強化 |
| 投資家からの評価(抜粋) |
|---|
| Spiral Innovation Partners株式会社 プリンシパル 松本泰拓氏 子育て支援予算はこども家庭庁発足を機に12兆円規模へ拡大する一方、年7,500億円もの給付が必要世帯に届かず消えていると言われています。原資はあるのに届け切る仕組みがない。iibaは行政予算という「上流」と子育て世帯の生活導線という「下流」を垂直統合し、発見から決済まで“届ける”インフラを築こうとしています。インフルエンサーの発信力を起点としたプッシュ型送客でtoCの熱量とtoB/toGの収益性を両立させる点を高く評価しました。 京王れーるファンドを通じた京王電鉄との共創をはじめ、生活インフラ企業との連携を広げます。自治体や制度を理解し、つながりを売上に変えられる方の参画を待っています。 |
| NEXTBLUE2号投資事業有限責任組合 井上加奈子氏 子育てを取り巻く課題は、支援やサービスが存在していても、必要な人に十分に知られず、届いていないことにあります。iibaは地域、企業、自治体をつなぎ、必要な情報や機会へ自然にアクセスできる新たな子育てインフラを構築しようとしています。 逢澤さんの圧倒的なリーダーシップと、多様なステークホルダーを巻き込む力に大きな可能性を感じ、今回投資させていただきました。NEXTBLUEとしても、iibaの挑戦を全力で支援してまいります。 |
| グローバル・ブレイン株式会社 General Partner 都 虎吉氏、DirectorLusheng Zou氏 「親になると、住み慣れたはずの街がまったく知らない街のように感じてしまう」──iibaは、子育て世帯が直面する切実な課題に真っ直ぐに向き合うサービスです。 提供する価値は単なる情報の共有にとどまらず、今後はあらゆる子育て世帯のライフスタイルに寄り添い、生活全般のデジタル化を牽引する社会インフラへと進化していくと確信しています。熱意あふれる逢澤社長と素晴らしいチームの挑戦を、弊社はこれからも全力でサポートしてまいります。 |
主なサービス・プロダクト
「iiba」
遊び場、飲食店、習い事など、子連れに特化した10万件以上のスポット情報をMAP上で検索・共有できるUGCプラットフォームです。授乳室やベビーカー対応などの詳細な絞り込みと、ユーザーのリアルな写真付きレビューを統合したシームレスな体験が強みです。
今後は「場所探し」にとどまらず、発見から予約・決済までを一気通貫でつなぎ、自治体や地域事業者、子育て世帯をダイレクトに結ぶ新たな「子育てインフラ」への大規模リニューアルを予定しています。
FastGrow編集部の注目ポイント
- 構造の変革:行政予算と当事者の日常を垂直統合
年間7,500億円の未活用予算が存在する行政支援(上流)と、日常の意思決定(下流)をダイレクトにつなぐ。 - データの民主化:10万スポットを超える熱量の高いUGC
広告に頼らず、親当事者によるリアルな口コミと位置情報を融合し、本当に必要な情報を当事者間で可視化。 - テクノロジーと制度設計の高度な融合
元経産省COOによる官民連携の知見と、メルカリ出身CTOによる大規模開発力を掛け合わせ、社会性と経済性を両立。
株式会社iibaの募集を見てみる
こちらの記事は2026年08月21日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
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