「がんばる!」だけじゃ続かない。
燃え尽きないための「セルフマネジメント術」

寄稿者
白鳥 陽太郎
  • スローガンアドバイザリー株式会社 取締役 

千葉県習志野市出身。市川高校を経て、早稲田大学政治経済学部に入学。カンボジアで教育支援に取り組むNPOにて代表を務める。東日本大震災直後から、特定非営利活動法人ETIC.「右腕プログラム」のメンバーとして被災地域のアセスメント業務に取り組む。東北地域で感じた「新しい産業と雇用創出の仕組みづくり」という危機意識にコミットメントするべくスローガンに入社。入社後はスタートアップ企業の新卒採用コンサルティングに従事。Goodfind Magazine編集長も務める。グループ会社であるスローガンアドバイザリーに立ち上げのタイミングで参画し、キャリア面談から、法人セールス、Webマーケティング、ディレクター、採用と幅広く担当。

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ようこそ狂気とカオスの世界へ!社会人歴も100日を超えた。おめでとう!100日!「がんばれ、がんばれ」きっとそうやって、この100日間を過ごしてきたことだろう。

ただ、頑張っているあなただからこそ、あえて言いたい。「がんばれ、がんばれ」だけじゃ長続きしない。あなたには「セルフマネジメント」が必要だ。

頭と心と身体をいかに「いい状態」で保ちながら、長く走り続けられるのか、今回はそんな話だ。

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「がんばれ、がんばれ」の限界

早速ですが、ここで小話を一つ。

新卒1年目のころ、とあるベンチャーの役員からこんな話をされたことがある。

「一所懸命ハードワークしなくちゃいけない。ただ、それだけじゃいけない」「仕事は短距離走じゃない、長く遠くまで走れることが大事だ」

ベンチャーで働く人たちの多くは、大きな情熱を抱えて仕事に取り組んでいる。それが故に、悲しいことにバーンアウト(燃え尽き症候群)してしまう人も多い。

心や身体はピンと張った糸のような状態になっている。限界いっぱいまでストレッチさせて、それでも無理くりに頑張る。

が、ピンと張りすぎた糸が切れてしまうように、もとの状態に戻らなくなってしまうように、それが皆さんの中にも起こってしまう。

業務や心身の管理も含めてマネジメントしてくれる上司がいれば、それを調整する役割を果たしてくれるのかもしれない。

ただ、ベンチャー的な環境として、そういった管理者が不在であることも多い。だからこそ「セルフマネジメント」が大事なのだ。

100m走るのに作戦はいらない。ただ、全力で走ればいい。ただし、100km走るためには自己管理や知恵が必要だ。

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「レジリエンス・ゾーン」を理解する。あなたはいまどこにいるのか?

さて、じゃあどうやって自己管理するのか?という話に入る前に、まずはあなたのいまの状態について理解しなくてはいけない。

人が「良い状態」で高いパフォーマンスをあげられるのは「レジリエンス・ゾーン」、つまりはストレスが強すぎず、弱すぎず、という状態であるということだ。

そもそも、ストレスとは生きる上で必要なものだ。適度なストレスは人間のパフォーマンスをあげる。試験前の追い込み、火事場のクソ力、そんな事例はたくさんある。一方で、それが行き過ぎるとバーンアウトしてしまう。バランスが大事なのだ。

ドラッカー・スクールの准教授で、起業家向けのエグゼクティブ・コーチでもあるジェレミー・ハンター氏によると、人の状態は3つに分類される。

レジリエンス・ゾーン(グリーンゾーン)

自分で自分をコントロールできており、集中力が高い状態。いわゆる「いい状態」。

過活性(レッドゾーン)

アクセルを踏みすぎているような状態。神経が過敏になっており、怒りっぽかったり、不安が頭から離れずパニックになっている。

低活性(ブラックゾーン)

エネルギー量が足りない状態。無気力で、人に会いたくない。刺激が足りなかったり、逆に燃え尽きてしまった状態もこれ。

大事なことは、それぞれの「善/悪」ではなく、人間にとってはどれも必要ということだ。誰しもレジリエンス・ゾーンから外れることはある。

なぜなら、それが必要なことだからだ。ただし、レジリエンス・ゾーンに戻らなくてはいけない。そのためにも、まずはいまの自分がどの状態であるかを、正しく理解することだ。

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セルフマネジメントのPDCA

仕事でもそうだが、セルフマネジメントにもPDCAが大切だ。そして仕事と同じようにPDCAは「C(Check)」からはじめよう。

「C(Check)」・・・自分はいまどの状態にあるだろうか。グリーン、レッド、ブラック、どのゾーンにいるだろうか。

そして、次に改善のためのアクション(Action)を考えよう。

その状態にあるのは、なぜだろうか。レジリエンス・ゾーンにいるときは、どのような状態だっただろうか。レジリエンス・ゾーンから出てしまうのは、どのような状況にあるときだろうか。

アクションの方向性が見えてきたら、次は「計画(Plan)」なのだが、これがなかなかに難しい。

アプローチとしては、2通りある。

  • 応急処置する
  • 根治させる

血が流れているなら、まずは止血しなくちゃいけない。同じように、瞬間的にストレスが跳ね上がったなら、対処しなくてはいけない。

このストレスへの対処(コーピング)は、人それぞれだ。とある友人は、過度のストレス状態にあるときは、意図的に「進撃の巨人」をぶっ続けで見るらしい。

きっとあなたにも、それぞれのストレス対処法(健康を害さない方法で)があるはずだ。それを意識的に活用して、適切に応急処置をとれるようになろう。

ただし、ストレスの根源を断ち切らないと、同じような症状が再現しまう。都度、応急処置をするのではなく、やはり正面から取り組まなければ、状況は変わらない。

が、この原因を理解するのは、そこそこ難しい。人の脳みそは、勝手に評価したり、判断してしまうからだ。

例えば、あなたは極度にテレアポが嫌いだとしよう。もう考えるだけで、体温が上がり、汗が出てくる。根治するためには、その原因を理解し、改善に取り組まなくてはいけない。

本来なら、「なぜテレアポが嫌いなのか?」→「上手くできるイメージが湧かない、失敗や恥をかくのが怖い」→「成功体験やできるようになるまでのステップが分からない」→「コツを先輩にヒアリングして、練習に付き合ってもらう」などと前進するためのアクションが切り出せるのが望ましい。

ただ、ここで人間の脳はエラーを起こしやすい。本来なら単にテレアポがしたくないだけなのに、なぜか「商品が悪い」とか「育成体制が整ってないのが悪い」とか、そういった理由を捏造したりする。

もちろん論理的である、ということが悪い訳じゃない。本当に商品が悪い可能性もある。であるなら、いかに商品を改善するかをフィードバックした方がいい。

大事なことは「逃げようとする自分を客観視すること」、「その感情の背景を理解すること」、そして「前に進むためのアクションを切り出すこと」だ。

もし原因特定に不安があるなら、先輩や上司にオープンに相談してみたらいい。一人でこじらせるより、よっぽど正しい処方箋が返ってくるはずだ。

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頭と心と身体のセルフメンテナンス術

とはいえ、PDCAのサイクルも大切だが、日々の習慣も大切だ。バフェット先生も言っていた「自分の体を、一生に一度しか持てない車のように扱いなさい」と。

そこで、私がこれまで実際にやってみて、効果がありそうだと感じたことを具体的に紹介してみよう。

頭と心と身体、それぞれをメンテナンスして、レジリエンス・ゾーンに戻ったり、維持したりするためにやっている方法だ。

・頭のセルフメンテナンス

大事なことは、「なにかあるかもしれない」という不安を消し去ることだ。「なにもないはず」と思い込んでもしかたがない。だから、日々やらなくちゃいけないこと(プライベートも含め)は、全て書き出す。

メールはチャットも全部、読了してから仕事を終える。不安にさせる要素はすべて洗い出す。そして、「やる/やらない」をハッキリさせる。「やる/やらない」が分からないなら、相談するというアクションに落とす。

何をすべきかがクリアになれば、頭はフレッシュな状態でいられる。だからこそ曖昧にしてはいけない。不安要素を洗い出し、潰し込むことだ。

・心のセルフメンテナンス

1日の終わりに「なにを感じたか」を書く。今日はどんな一日だったのかを振り返る。

1分でもいい。この1日を振り返るという時間が大切だ。心にキャッシュを残してはいけない。キャッシュが積もっていくと、重たくなったPCのように、心も軽やかさを失っていく。

ちゃんと日々、リセットしていくことだ。そのためには、アウトプットする方がいい。文字として書いたり、人に話したり。自分の外に出すことで、物事は整理され、内省は深まる。

・身体のセルフメンテナンス

とある起業家に言われたことがある「君たちは毎週、時差ボケになっている」と。

新卒社員あるあるなのだが、平日頑張りすぎたせいで、土日に寝溜めする人も多い。しかしながら、平日、毎日7時に起きていた人が、土日になると12時に起きたりする。そう、5時間分の時差が生じるのだ。5時間の時差といったら「ドバイ」くらいの時差がある。

海外旅行したことがあるなら承知の通り、最初の2-3日は、とにかく身体がダルい。それが毎週生じてしまっているのだ。月から水曜日までが毎週、時差ボケ状態。だからこそ、土曜日が肝心。同じような起床時間を心がけることだ。

もちろん、遅くなってしまったりすることもあるだろう。起きることができなかったと、何もいちいち落ち込まなくてもいい。大事なことは「基準値」を決めることだ。

さて、ワニでもないので、100日過ぎても、皆さんの社会人生活は続いていく訳だ。

もちろん、仕事で短距離走しなくちゃいけないこともあるだろう。ただ、これは終わりのないマラソンのようなものだ。ずっと走らなくちゃいけない。そのためには、あなたはあなたを理解しなくてはいけない。他人をマネジメントできるようになりたいなら、まずは自分を理解して、マネジメントできるようになることだ。

あなた自身を理解する中で、得られた習慣は、あなたの社会人人生をきっと豊かに彩ってくれる。「仕事を追っているのか、仕事に追われているのか」「元気に前進できているのか」とある起業家に言われて今でも大切にしている言葉だ。

連載第9回目は、7月31日公開 乞うご期待!

こちらの記事は2020年07月17日に公開しており、
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千葉県習志野市出身。市川高校を経て、早稲田大学政治経済学部に入学。カンボジアで教育支援に取り組むNPOにて代表を務める。東日本大震災直後から、特定非営利活動法人ETIC.「右腕プログラム」のメンバーとして被災地域のアセスメント業務に取り組む。東北地域で感じた「新しい産業と雇用創出の仕組みづくり」という危機意識にコミットメントするべくスローガンに入社。入社後はスタートアップ企業の新卒採用コンサルティングに従事。Goodfind Magazine編集長も務める。グループ会社であるスローガンアドバイザリーに立ち上げのタイミングで参画し、キャリア面談から、法人セールス、Webマーケティング、ディレクター、採用と幅広く担当。

公開日2020/07/31

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