連載ベンチャー新卒1年目の教科書

20代で突き抜けるための「腹の決め方」──カオスのなかでの「コミットメントスキル」

寄稿者
白鳥 陽太郎
  • スローガンアドバイザリー株式会社 取締役 

千葉県習志野市出身。市川高校を経て、早稲田大学政治経済学部に入学。カンボジアで教育支援に取り組むNPOにて代表を務める。東日本大震災直後から、特定非営利活動法人ETIC.「右腕プログラム」のメンバーとして被災地域のアセスメント業務に取り組む。東北地域で感じた「新しい産業と雇用創出の仕組みづくり」という危機意識にコミットメントするべくスローガンに入社。入社後はスタートアップ企業の新卒採用コンサルティングに従事。Goodfind Magazine編集長も務める。グループ会社であるスローガンアドバイザリーに立ち上げのタイミングで参画し、キャリア面談から、法人セールス、Webマーケティング、ディレクター、採用と幅広く担当。

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ようこそカオスと狂気の世界へ!

4月からはじまったこの連載も、早いものでもう10回目、最終回だ。

読者のみなさんが社会人になって4ヶ月。桜が咲いていた春から書き始め、いまは梅雨もあけ、夏を迎えている。

みなさんから直接話を聞いているわけでもないが、入社してから、それはそれは怒涛の日々だったのだと思う。あらためて、ようこそカオスと狂気の世界へ!

最終回の今回はまとめとして、これまでの連載で何を伝えたかったのかを振り返りながら、最後に大事な「コミットメント」について書きたいと思う。

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これまでの連載で伝えたかったことのあらすじ

そもそもの本連載のきっかけはこうだ。

ベンチャーで新卒で入社するということは、

  • 新卒社員にとって、ベンチャーで働くという経験は初めて
  • 受け入れる会社側も、初めて新卒を受け入れるというケースも多い
  • なので両者にノウハウや知見がなく、ロールモデルや先行事例がない

なので、新卒社員も会社も初めてづくしの幕の内弁当状態なので、少しでも経験やTipsを言語化して、ベンチャーのコミュニティに回せないか、と思ったのがきっかけである。

さらには今回のコロナショックも相まって、きっと皆さんは不安な日々を過ごすことになる。なので、少しでも日々の励みになるようなことでもお伝えできたら、と思った次第だ。

さて、じゃあ何から書こうか?と考えたときに、いきなり抽象度が高い話をしてもツマラナイので、日々の業務で実践しやすい、且つ成果に繋がりやすいことから書き始めた。

次にみなさんが目の前の仕事に100%集中できる状態をつくることが大事なので、不安やフォーカスを阻害する「キャリア」について整理することで、目の前の仕事を頑張ることが、将来の可能性につながることを記した。

一方、仕事は一人で完結できるものではなく、周りをいかに巻き込めるかが、学習スピードをあげるためには重要なので、マネージャーをはじめとしたステークホルダーたちとの関係構築について、Tipsをまとめてみた。

さらに、曖昧な理解のままになってしまう「成長」について、その仕組みやシステムを理解することで、自分自身で成長をマネジメントできるよう、その整備に努めてみた。

また、成長の階段を上がっていくと、どうしてもぶつかってしまう成長の踊り場(プラトー)や、挫折しやすいポイントをお伝えすることで、キャリアの事故を未然に防ぎたいというのがこれまでの話の構成である。

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最後に伝えたい「コミットメント」について

では、最後の10回目に何が伝えたいのかというと、それは「コミットメント」についてだ。コミットメントとは、そのまま全身全霊を、魂を捧げるという意味だ。

自分自身が、とあるベンチャーの先輩から貰った最高のアドバイスがある。それは、下記のセリフを会社の代表に伝える、というものだった。

「絶対に辞めない、だから自分には、気遣いのためのコミュニケーションは不要だ。会社とビジネスを前に進めることだけに、お互いの時間を使いたい」

カッコつけずに白状するならば、伝える前にそんなコミットメントが自分にあったのか、というと少々疑問だ。ただ、これを伝えた結果として、腹が決まった。そして、その後の私のキャリアは本当に豊かになったと思う。

ここで伝えたいのは、社畜になれ、というメッセージじゃない。どんなに能力が高くても、コミットメントがなければ、「何者にもなれない」ということだ。

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どうすれば腹を括れるのか

「何者かになりたい」だから、その選択肢や環境を探す。そして、その覚悟が決まる対象と出会えれば、コミットメントする。

一見、当たり前に感じるロジックと順序だが、まわりのイケてる人たちを見ていると実は、順番が逆なんじゃないかと感じることが多い。

たまたま目の前にあった環境に対して、全身全霊でコミットメントしてみた。その結果、選択肢が増え、自身のポジションを確立できた(何者かになれた)。

コミットメントすることのメリットはたくさんある。そもそも一心不乱に迷わないと決めたので、エネルギーが目の前の仕事と成果にフォーカスできる。

当たり前だが、そもそもの投下している集中力とリソースが違うので、人よりも成果が生まれる。その結果として、キャリアが広がるし、人間関係も豊かになっていく。

もちろん転職することもあるだろう。だが、キャリア人生のどこか、可能なら20代の若いうちに、一心不乱に仕事に打ち込める時間はあっていい。

じゃあ、コミットメントはどうすれば、できるようになるのか?答えは簡単だ。いまこの瞬間に決めればいい。大事なことは決断することだ。いままでとは違うモードで、明日から別の日常を過ごすと決める。そして伝える。行動として、身銭を切る。「やーめた」と言いづらい環境をセットすればいい。

キャリアの仕事をしていると感じることだが、大人になっても「コミットメント」したことがない人が多い。それは何かを捨てて、なにか一つに専心するという行為だ。

「正解か不正解か?」もちろんそれも大事だが、そもそも「解」なんて存在しない、もしくは常に「解」が動き続けているような社会である。

だから正解を選ぶために、情報収集し続けるのはナンセンスなのだが、どうしても何か一つを選ぶことができない。結果としては、最大公約数的な"解"を選んで、決断を先送りしている人がほとんどだ。

一方で、突き抜けた存在になるような人は、さっさと決断して、コミットメントして前進する。前に進むためだけに全身全霊を注ぐ。そして、外野から情報収集していても手に入らないような経験をどんどん積んでいく。

選択肢の情報をいくら豊富に並べたって、一つの道に魂を注いだ人には勝てやしない。とある偉い料理人も言っていた。「全身に何百の武器を仕込んでも、腹にくくった"一本の槍"にゃ敵わねェこともある」と。

きっと本当に面白い仕事というのは、そういった選択と覚悟の先にあるのではないだろうか。そして、そんな選択をして、コミットメントできる勇気が、いまのご時世大事なんじゃないだろうか。これは精神論じゃない。コミットメントは身に付けられるスキルだ。

その意味で、みなさんはすでにひとつの大きなステップを踏んでいる。「ベンチャーを選んだから正解」と言いたいのではない、きちんと「選択」したからだ。だから私は、皆さんのことが大好きなのである。

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完によせて

ようこそカオスと狂気の世界へ。

こんな文章に最後までお付き合いいただいたなんて、本当にありがたい。

物好きに連載の感想とともに、参考文献をください、という読者の方もいらっしゃったので、巻末に添えてみます。学習の助けになれば幸いです。

思い返せば、3月末に急にリモートワークになり、そのタイミングで、なにかユーザーのためにできないか、と考えていた時に、この連載のアイデアが浮かんだのが最初でした。それをすぐにやろうと言ってくれた編集長の西川ジョニーさんには感謝しかないです。

そして、私の読みづらい文章と例え話に、愛のあるツッコミをくださった編集の田中ジョニーさん、いつもありがとうございました。(どうして、このチームのミドルネームは、ジョニーなのか)

いつも原稿の提出がギリギリになってしまうにも関わらず、素敵なデザインを仕上げてくれる園田さん、ポイントポイントで励ましの言葉をかけてくれる遠藤萌さんにも、あわせて感謝したいです。

その他にも、この連載のなかには、ベンチャーで働く友人や先輩方のエピソードが多く登場します。そのような方々に囲まれているからこそ、この連載は続けられたのだと思います。本当に恵まれた環境に感謝です。

もし、本連載のご感想・ご意見ございましたら、下記までご連絡ください。

Facebook:https://www.facebook.com/yohtaro.shiratori

ツイッター:https://twitter.com/sunnyshiratori

最後にみなさま、

ようこそカオスと狂気の世界へ!

人生のどこかでお会いできることを心から楽しみにしています!

参考文献/参考図書

『入社1年目の教科書』

岩瀬 大輔 著

『Yコンビネーター シリコンバレー最強のスタートアップ養成スクール 』

ランダル・ストロス 著

『プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか』

P・F. ドラッカー 著

『きみたちはどう迷うか ~これからキャリアを築くために必要なこと~』

酒井 穣 著

『キャリアショック どうすればアナタは自分でキャリアを切り開けるか? 』

高橋 俊介 著

『人が育つ会社をつくる[新版]―キャリア創造のマネジメント』

高橋 俊介 著

『キャリア・ダイナミクス―キャリアとは、生涯を通しての人間の生き方・表現である。』

エドガー・H. シャイン 著

『チームが機能するとはどういうことか―「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ』

エイミー・C・エドモンドソン 著

『MBA流 チームが勝手に結果を出す仕組み』

若林 計志 著

『はじめてのGTD ストレスフリーの整理術』

デビッド・アレン 著

『アナタはなぜチェックリストを使わないのか?【ミスを最大限に減らしベストの決断力を持つ!】』

アトゥール ガワンデ 著

『天才はあきらめた』

山里 亮太 著

『はじめてのリーダーのための 実践! フィードバック 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す「全技術」』

中原 淳 著

『職場が生きる 人が育つ 「経験学習」入門 (日本語) 単行本』

松尾 睦 著

『達人のサイエンス: 真の自己成長のために』

ジョージ レナード 著

『人を伸ばす力―内発と自律のすすめ』

エドワード・L. デシ、リチャード フラスト 著

『自意識(アイデンティティ)と創り出す思考』

ロバート・フリッツ 、ウェイン・S・アンダーセン 著

『自分の小さな「箱」から脱出する方法』

アービンジャー インスティチュート 著

『自分の答えのつくりかた―INDEPENDENT MIND』

渡辺 健介 著

『「普通がいい」という病』

泉谷 閑示 著

『ドラッカー・スクールのセルフマネジメント教室』

ジェレミー・ハンター、稲墻 聡一郎 著

『フルライフ 今日の仕事と10年先の目標と100年の人生をつなぐ時間戦略』

石川 善樹 著

『脳を鍛えるには運動しかない! 最新科学でわかった脳細胞の増やし方』

ジョン J. レイティ 、エリック ヘイガーマン 著

『組織も人も変わることができる! なぜ部下とうまくいかないのか 「自他変革」の発達心理学』

加藤 洋平 著

『インテグラル理論 多様で複雑な世界を読み解く新次元の成長モデル』

ケン・ウィルバー 著

『身銭を切れ 「リスクを生きる」人だけが知っている人生の本質』

ナシーム・ニコラス・タレブ 著

『イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ』

クレイトン・M・クリステンセン、ジェームズ・アルワース、カレン・ディロン 著

こちらの記事は2020年08月14日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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