配属先で潰れないための「マネージャーの使い方」入門

寄稿者
白鳥 陽太郎
  • スローガンアドバイザリー株式会社 取締役 

千葉県習志野市出身。市川高校を経て、早稲田大学政治経済学部に入学。カンボジアで教育支援に取り組むNPOにて代表を務める。東日本大震災直後から、特定非営利活動法人ETIC.「右腕プログラム」のメンバーとして被災地域のアセスメント業務に取り組む。東北地域で感じた「新しい産業と雇用創出の仕組みづくり」という危機意識にコミットメントするべくスローガンに入社。入社後はスタートアップ企業の新卒採用コンサルティングに従事。Goodfind Magazine編集長も務める。グループ会社であるスローガンアドバイザリーに立ち上げのタイミングで参画し、キャリア面談から、法人セールス、Webマーケティング、ディレクター、採用と幅広く担当。

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5月の終わりも見えてきた。配属先での業務が始まり、できないことだらけで砕けそうになっている人も多いのではないだろうか。

もちろん、あなたには今の会社で大きな成果をあげることを期待している。ただ、なにも自分ひとりで解決することはない。そこで、今回のテーマは「マネージャーの使い方」だ。

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仕事にも種類がある。まずは仕事の粒度を理解する。

裁量のある仕事がしたい!大きな仕事を任されたい!もちろん、そう思ってベンチャーに入社した人も多いだろう。

ただ、仕事といっても実は種類がある。マネージャーをうまく使いこなすためにも、仕事の種類(粒度)について知っておいた方がいい。

もちろん、もっと大きな粒度の仕事はあるが、ざっくり言えば仕事には3種類の粒度がある。

  • 目標:売上の目標や達成したい指標(KPI/KGI)
  • 施策:売上を達成するためのアクション、施策、打ち手
  • タスク:アクションを完了させるための業務

きっと、まずあなたは「タスク」単位で仕事を任されるはずだ。「とりあえず売上10億つくっといて」とは言われないだろう。大丈夫、そんな仕事も将来やってくる(笑)。

まずは「タスク」単位での仕事をキチッとこなして、徐々に仕事の抽象度(粒度)をあげていくことだ。そのためにも、まず正しいアウトプットが出せるようになることだ。

"正しい"とは仕事を任せる側が望むアウトプット、ということだ。間違っても、あなたが出したいアウトプットじゃない。それじゃ、いつまで経っても大きな仕事は任されない。

あなたが有名レストランの見習いシェフになったとしよう。売上(目標)の責任を持っているのは店主(オーナー)だ。そして、調理場は料理長(マネージャー)が仕切っている。

そこで料理長(マネージャー)から、「玉ねぎ切っといて」と言われたとしよう。そこでの「正しいアウトプット」とは、料理長が欲しがっているアウトプットだ。自由に玉ねぎを切ればいい訳じゃない。その玉ねぎが何に使われるのか、料理長は何を欲しがっているのかが大事だ。

カレーライス用だとしても、炒めてペースト状にするために薄く切ったほうがいいのか。それとも、具材として形を残すために、大きめにカットした方がいいのか。あなたがイメージしたカレーライスにあわせてじゃない。料理長が考える、その店のカレーライスに必要な玉ねぎの切り方でアウトプットすることだ。

さて、ここで厄介な問題が発生する。多くのベンチャー企業において、マネージャーから飛んでくる仕事は、たいてい「粒度が粗い」。だから、「カレーライスつくっといて」みたいな仕事が飛んでくる。

そして、あなたは必死にクックパッドを開いてカレーライスをつくったりする。そして、マネージャーからツッコまれる。「これじゃない」と。

だから、あなたが正確にアウトプットを出すためにも、下準備が大切だ。

  • アウトプットをすり合わせる:どんなカレーライスをつくったらいいのか。
  • 手順を「自分が分かる粒度まで」聞く:なんとなくわかったフリをしない。「まずブイヨンをつくって」と言われて、「ブイヨン!?」となったら、ブイヨンのつくり方も詳細まで聞く。
  • 途中報告のタイミングをもらう:途中で確認作業を入れる。一度、ブイヨンまでつくるので、そのタイミングで味見してもらう。

マネージャーをうまくつかって、あなたが作業可能なレベルになるまで仕事の抽象度を下げよう。懸命につくったカレーを最後にひっくり返されるよりマシだ。

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一日のToDO管理に巻き込む。粒度と優先順位とスケジュールをすり合わせる。

きっと、あなたが任されているタスクは一つじゃないはずだ。複数のタスクが同時に依頼されているはずだ。

そして、あなたはいつか悲鳴をあげる、「パツりました」と。ただ、人がパンクする理由は似通っている。

  • 目標が高い:ゴール値が高い、もしくはクオリティが高すぎる
  • 納期が短い:実行可能だがスケジュールがタイト
  • 粒度が粗い:何をしたらいいのか、途中で止まってしまう

そして、新卒1年目の場合、大抵は「粒度」の問題だ。実はやることが多くて忙しいんじゃない。仕事を受けたときの下準備が荒いせいで、途中で悩んで止まってしまうのだ。

「考えること」と「悩むこと」は違う。考えることとは、「答えが出る」前提で建設的に思考することだ。「悩む」とは、答えが出ないのに時間を浪費してしまっている行為だ。

「みじん切り」の仕方を知らないのに、みじん切りってどうやるのかを悩んでも仕方ない。それは聞くしかない。

だから、あなたが悩まない粒度にまで、マネージャーを使ってタスクを小さく砕こう。

一日の最初や最後にマネージャーと一日の仕事の進め方について相談する時間をとるのも有効だ。

その際に下記の内容をすり合わせるといい。

  • 任されている仕事の一覧を共有する(頭の中のもの全部出すことが大事)
  • それぞれの仕事の進め方を相談する(悩まなくていいまで砕く)
  • それぞれのタスクの優先順位を相談する(どれから順番に取り組むべきか)
  • スケジュールを合意する(いつまでに、どこまで完成していればいいのか)
  • 途中経過や相談のタイミングを合意する

うまく仕事の下準備ができているときは、一日のスケジュールを出社して退社するまで細かくイメージできる。

もし「あれ、これってどうやるんだっけ?」「あれ、これどっちを先にやるんだっけ?」となるようなら下ごしらえが甘い。10分考えても、どのように進めたらいいのか、考えが進まないなら下準備に戻ろう。それはもう悩んでしまっている。

とあるベンチャーのエース社員は、これを1週間分、翌週の仕事をクリアにイメージして、月曜日を迎えていたらしい。もちろん生産性は異常に高かった。なぜならずっと手を動かしていて、悩んでないからだ。

ちなみに、もう何やっても仕事が終わらないと思っていた新卒の頃『はじめてのGTD ストレスフリーの整理術』という本に出会い、救われた。もしお役に立てば。

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フィードバックを上手にもらうコツ

「新卒社員に何を求めますか?」という質問に対して、とある経営者が言っていた、「ライクアビリティ(Likeability)である」と。別の起業家はこう答えた「コーチャビリティ(Coachability)だ」と。

つまりは愛嬌、可愛げだ。成長する人は、たくさんツッコまれて、たくさん成長できる。

弊社スローガンには「素直さテスト」なるものがあった。お題は簡単。「シャツ買ったほうがいいよ」こう言われて、どう反応するかだ。

素直レベル「並」の人は、言われた週末にシャツを買ってくる。そして素直レベル「高」の人は、言われたその日中にシャツを購入する(いまならAmazonでポチる)。そして素直レベル「低」は、買わない、もしくは忘れたころの1ヶ月後とかに買う。

ここで言いたいことは、上司に服従しろという話じゃない。いかに相手にフィードバックを出しやすくさせるか、という技術の話だ。

もちろん、素直レベルが高い方が、フィードバックする側もいい気分でたくさんアドバイスをくれる。人間は感情の生き物である。マネージャーだって同じだ。カーネギー翁だって言っていた。

ちなみに、とある起業家は、有名経営者からアドバイスをもらい続けるために「先日、言われたこと全部やってみました。こういう結果になりました」と報告しながら、次のアドバイスを貰っていたらしい。いまでは上場企業のCEOだ。

本当に高いプライドや信念は人を謙虚にさせる。「できない自分を認めたくない」というクソみたいなプライドを守るより、1年後同じことができていない方がよっぽど惨めだ。

とはいえ、フィードバックの回数を増やせばいい訳じゃない。大事なことは、あなたの成果が上がることだ。そして、そのために思考や行動が変化することだ。フィードバックを100集めたって、あなたに何の変化もなければ意味がない。

意味のあるフィードバックをもらい、パフォーマンスを改善するためには、下記の3つをそれぞれ分解して理解することが大切だ。

  • 先行条件:行動の背景、その場の環境
  • 行動:その場で選択した思考や行動
  • 結果:どうなったかという結果

日報で、やったことリストや結果だけ書く人が結構いる。

「1日30件、電話しました。アポイント獲得は1件でした。フィードバックください」

これでは、良質なフィードバックは得られない。

  • 先行条件:今月の目標に対して、現在ビハインドしているKPIはリード数でした。
  • 行動:そこで先月の見込み顧客リストから、AとBという基準で30件リストアップしました。トークスクリプトはCでした。
  • 結果:1件のアポイントが取得できました(○○系企業の●●部署)、断られた理由は☓☓と△△が多かったです。

ここまで細かく書いた方が、質の高いフィードバックがもらえる。

  • 自分で考えて行動したのは良かったが、目標達成に向けては新規のリード獲得ではなく、リピート率に注力した方がいい(先行条件が違う)
  • 顧客リストの選定方法が違う。またトーク内容は、この言い回しを変更した方がよい(行動)

そして、貰ったフィードバックから学習してナンボだ。言われただけで、思考や行動が変化してなかったら意味がない。実際にどう変えたらいいのか?ここでも自分が「できる」まで粒度を細かくすり合わせることだ。

良質なフィードバックを受ける中で、マネージャーや上司の思考/行動がトレースできるようになったら、独り立ちの日は近い。

なかなか直接対面でフィードバックをもらうのも難しい日が続くだろう。だったら、昼のランチや夕食をオンラインで一緒に食べませんかと誘ってみるといい。1on1ミーティングがあるなら、その機会を生かさない手はない。Zoom飲み会だって、友だちなんか誘うより、自分より上の人を誘ってナンボだ。いまなら捕まえやすいし、誰でも誘えるのは1年目の特権だ。

コントロールできない周りの環境にストレスを感じるより、変えることのできる自分にフォーカスした方が健康的だ。どんな状況にだって活路はある。大事なことは行動して変化することだ。

連載第5回目は、6月5日公開
日々の振り返りと行動管理 乞うご期待!

こちらの記事は2020年05月22日に公開しており、
記載されている情報が異なる場合がございます。

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  • スローガンアドバイザリー株式会社 取締役 

千葉県習志野市出身。市川高校を経て、早稲田大学政治経済学部に入学。カンボジアで教育支援に取り組むNPOにて代表を務める。東日本大震災直後から、特定非営利活動法人ETIC.「右腕プログラム」のメンバーとして被災地域のアセスメント業務に取り組む。東北地域で感じた「新しい産業と雇用創出の仕組みづくり」という危機意識にコミットメントするべくスローガンに入社。入社後はスタートアップ企業の新卒採用コンサルティングに従事。Goodfind Magazine編集長も務める。グループ会社であるスローガンアドバイザリーに立ち上げのタイミングで参画し、キャリア面談から、法人セールス、Webマーケティング、ディレクター、採用と幅広く担当。

公開日2020/06/05

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