「20代は4年で起業家になれる」
年間30件の事業創出を手がけるCEOに訊く、起業志望者のキャリア構築法

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インタビュイー
保木 佑介

大学時代、ヤフーグループにて、ヤフーポータル内の求人媒体立ち上げに関わり、サービスリリースから運用までの経験をする。学生のうちから最先端の新規事業に関わりたいと感じ、RPAホールディングスにて、外資系セキュリティベンダーの営業拡販、総合電機メーカーのロボティクス事業立ち上げ等に長期インターンとして参画。正社員入社後は、プロジェクトマネージャーとして、総合化学メーカーや総合電機メーカーの研究開発部門長/新規事業企画部長を対象に、100以上の新規事業プロジェクトに従事。複数のプロジェクトで事業化を果たす。2018年3月、RPAホールディングスがマザーズ上場したことを機として、同5月に ”新規事業2.0の体現” を標榜する ステラアソシエを創業。得意分野は、化学全般、AI(画像・音声)、社会インフラIoT、情報セキュリティ。

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起業家になるためには、どういったキャリアを歩むべきなのだろうか?──さまざまな議論が交わされているが、未だ「正解」と呼べるような答えは出ていない。

そんな中、「4年で起業家になれる」と謳い、起業家志向の人材が集っているベンチャー企業がある。大手製造業向けの新規事業コンサルティングサービスを展開する、ステラアソシエ株式会社だ。

同社で代表取締役社長を務める保木佑介氏は、「必要なスキルやマインドセットを学んでいけば、誰でも4年後には起業家になれます」と語る。もともと「学生時代から特段ビジネス感度が高かったわけではない」と自認する保木氏が、現在のポジションに就くまでの過程を追いながら、起業家になるためのステップについての持論を伺った。

  • TEXT BY MASAKI KOIKE
  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
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起業家が行う「0→1」プロセスを、1年で15〜20回経験できる

「4年間かけて身につけていけば、誰でも起業家になることができます」

ステラアソシエ株式会社の代表取締役社長を務める保木佑介氏は、力強く言い放った。同社は「4年で起業家になれるベンチャー」を謳い、起業家志望の人材を集めている。

ステラアソシエ株式会社 代表取締役社長・保木佑介氏

保木天才でも何でもなかった僕でも、実践を通じて一歩ずつノウハウを身につけていった結果、4年後には起業することができました。誰でも4年間かけて僕と同じような経験を積めば、起業家になれると思うんです。ステラアソシエのメンバーには、まさにそうした「4年で起業家になれる」ステップを踏んでもらっています。

保木氏自身の経験をもとにつくられた、「起業ロードマップ」というキャリアパス制度がある。メンバーの成長フェーズを5段階に分け、起業するために必要なスキルやマインドセット、それらを身につけるために読むべき書籍やWeb記事なども詳細に定義。デザイン思考やファイナンス、法律に関する知識など、日々の業務だけでは身につけづらいスキルも、順を追って身につけていける制度となっている。

そして同社が手がける新規事業コンサルティングは、起業する際に誰もが踏むことになる、「0→1」での事業立ち上げプロセスそのものだ。

事業アイデアを企画し、サービスコンセプト、ターゲット像を構築したのち、リサーチやユーザーヒアリングを通じて仮説検証を行う。サービス内容が固まれば、パートナリングや事業計画書の作成も担う。大手製造業や化学品、化粧品メーカーを中心としたクライアントが持っている技術が、社会のためにどう役立ち、ビジネスになり得るのか──「まるで起業したかのような」試行錯誤のプロセスをリードしながら、緻密に事業を創り上げていく。

調査機関としての役割、リサーチや戦略策定までを請け負うことが多い一般的なコンサルティングファームとは、クライアントのビジネスに入り込む「深さ」が違う。クライアントに依頼されたことに対応するだけでなく、事業化に向けたロードマップの作成、実行支援までセットで行っている。新規事業は、泥臭い活動によって生み出される「結果」にしか価値がないからだ。

さらにステラアソシエは、クライアントの競合企業に先を越されないようにするためにも、3ヶ月前後で企画から仮説検証までのサイクルを回している。ひとつのリサーチプロジェクトに6ヶ月〜1年ほどの時間をかける一般的なコンサルティングファームとは、一線を画したスピード感だ。各プロジェクトは3〜5名のチームで担当し、1人あたり年間15〜20件のプロジェクトを担当することで、事業立ち上げ経験を十二分に積める。

特にプレセールスと呼ばれるような、「実際にサービス・プロダクトを開発する前の仮説検証プロセス」は、田所雅之氏による名著『起業の科学 スタートアップサイエンス』においても重要視されているように、大手製造業の新規事業開発のみならず、あらゆるビジネスの立ち上げ期に勝敗を分ける工程だ。このプロセスの経験を豊富に積める点は、起業家を目指すキャリアを歩んでいくうえで、大きなアドバンテージだといえる。

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飲食店向けロボットから、あらゆるウイルスを検出する画期的ガーゼまで

メインのクライアントは、大手製造業の研究開発部門や新規事業担当部署。取引先には、ファンケル、村田製作所、日立システムズといった、錚々たる企業が名を連ねる。

保木一例を挙げると、とある総合電機メーカーさんに「サービス業の単純作業を代替するロボットを作りたい」と相談を受けました。

飲食業界について考えるとすると、まずは飲食店で行われている業務プロセスを洗い出し、「コップの水汲みであればロボットで代替できるのではないか?」と仮説を立てます。そこではじめて飲食店の運営会社を訪れ、「このロボット、こうしたプロセスに使えると思うのですが、いかがでしょう?」と相談しに行く。仮説をブラッシュアップしたら、実店舗を使った検証や、事業計画書の作成も行いました。

「このロボットをどこかに使えませんか?」と受け身のスタイルで相談するのは愚策です。何かしらの仮説やイメージ図を持っていくことで初めて、「だったらちょっと試してみようか」と興味を持ってもらえるんです。

総合化学メーカーの新規事業立案に強いのも、ステラアソシエの強みだ。微生物の検出技術を持つメーカーをコンサルティングした、ユニークな事例も語ってくれた。

保木まずは世の中にある微生物を洗い出し、発見すべき対象を検討しました。「お子さんのいる家庭向けの、インフルエンザウイルスやノロウイルスを検知するサービスが良いのではないか?」と仮説が立ったので、実際にターゲット層と近い家庭に訪問してヒアリング。

リアルな困りごとを聞き出して仮説を磨き込み、置いておくだけでウイルスを検知してくれる、「インフルエンザ早期発見用ガーゼ」を作りました。

こうした事業企画を行なっていくためには、MECEなロジカルシンキングと、デザイン思考の両方が求められる。先述の化学メーカーの例で言うと、一次産業から三次産業までのあらゆる産業領域をロジカルかつMECEに俯瞰し、「各業界で微生物をいかに活用しうるか」を検討する。

一方、「一般的には予防に使われることが多い微生物の検出技術を、害虫などを“殺す”方向にも使えないか?」と、普段考えもしないような視点からも活用方法を検討する。こうした多面的な視点を組み合わせてこそ、イノベーティブなアイデアが生まれていくのだ。

既に存在している優れた眠れる技術を、ビジネスに落とし込む──これを聞き、ユーグレナ株式会社のことが思い浮かんだ。CTO鈴木健吾氏の持っていたミドリムシ技術をビジネスに落とし込んで飛躍させた、CEO出雲充氏のような役割を、ステラアソシエは果たしているといえるだろう。

保木大手企業で新規事業に携わる方は、新卒で理系ならビジネスから切り離された研究、文系ならルート営業をしてきた人がほとんどです。ですから、次の事業を生む「研究」とパッケージ化された「商品営業」の間にある、事業開発のプロが育つ環境にない。

一方でステラアソシエには、化学素材のような難解な技術を理解でき、かつ「0→1」経験が豊富なメンバーが多いので、技術を事業に繋ぐ橋渡しを行えるんです。

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インターンも経営会議に参加。自社の経営にも携わり「事業のプロ」になれる

ここまで話を聞いてもなお、「いくら『0→1』プロセスの経験を豊富に積めるとはいえ、あくまでもコンサル。自身で手を動かして会社を経営していくスキルは身につかないのではないか?」という疑問が残る。思い切って保木氏に尋ねてみると、鮮やかに反論してくれた。

保木手を動かして経営に関わる経験も、十二分に積めます。なぜなら、ステラアソシエ自体の経営に携わってもらっているからです。自社の人事や営業もコンサルタントが担っていますし、インターン生まで含めて全メンバーに経営会議に出席してもらい、売上やコストを全て開示しています。

「会社として何をすべきなのか?」を全員で議論しているので、経営者としての目線を持たざるを得ず、日々の仕事と経営のリンク度合いも高まります。

徹底してメンバーとの関係をフラットに保つ経営スタイルは、Netflixの人事施策も参考にしている。経営メンバーだけでなく、現場経験をあまり持たないエンジニアにまで経営会議に出てもらい、フラットに議論を交わしていくスタイルだ。

保木適切な情報さえ与えれば、たとえ学生やエンジニアの方々であっても、有意義な意見が出せるはずですし、多様性があってこそ、多角的視点で物事を捉えられるようになる。社員と経営陣の関係がフラットになって初めて、健全な経営が実現できると思うんです。

保木起業を志しているのであれば、自社のグロースにも関われる組織に所属することをおすすめします。もちろんコンサルティングを通じて身につくスキルも大事ですが、コンサルティングのプロになっても起業には役立たない。起業家になるためには、「事業づくりのプロ」にならなければいけないんです。

社員の起業を支援する組織制度も、豊富に取り入れている。冒頭で触れた「起業ロードマップ」に加え、「社内スタートアップ」制度もあり、コンサルティングプロジェクトとは別に週に1回、新規事業を立案できる。

経営陣と事業仮説を検証する場を持ち、筋の良いアイデアは、出資比率を柔軟に調整してグループ会社を立ち上げ、事業化することも見据えているという。1on1もきめ細やかに行われており、社員・インターン問わず2週に1回は保木氏自ら面談し、成長をサポートしている。

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起業家になるための近道は、会社のケイパビリティに頼れない環境に身を置くこと

起業家の輩出に尽力する保木氏に「起業志望者が積むべきキャリア」を訊くと、自身の遍歴も交え、丁寧に語ってくれた。

保木氏が初めてビジネスに関わったのは、大学3年生の時に参加した、ヤフーグループのインターン。「ビジネス感度が特別に高かったわけではない」と自認するが、「会社に依存しないビジネスパーソンになりたい」という想いは抱いていたため、ベンチャー企業以外に就職する選択肢は視野に入っていなかった。

半年ほど新規事業の営業を経験したのち、新卒で入社することになるRPAホールディングス株式会社(旧・オープンアソシエイツ株式会社)のインターンを開始。卒業まで、ステラアソシエが手がけているような、大企業の新規事業担当部署向けのコンサルティング業務に従事した。事業企画から仮説検証まで、あらゆる経験を積んだという。

保木いま振り返ると、起業を志すのであれば、まずはインターンとして仕事をしてみるのがベストだったと思います。もちろんビジネスコンテストや学生団体のイベントのような仮想的な環境で磨かれる企画力・周囲を巻き込む経験も役に立たなくはないですが、最も重要である「ビジネスシーンで起こる問題への対処能力」は、実戦を通してしか身につきません。

入社後は、研修段階から、新規事業の企画、さらに営業まで一人で担うことになった。大企業の部長クラスに自ら電話してアポイントを取り、商談を行なっていたというから驚きだ。その後も引き続き、新規事業コンサルティングに従事する傍ら、2年目以降は人事やマネジメントも任されるようになった。

その後2018年5月にはステラアソシエを起業した保木氏は、起業を志す者が入社すべき会社について、こう語る。

保木会社自体のケイパビリティ(ブランドやノウハウなど会社が持つ資産)に頼らない働き方ができる環境に身を置くのが一番。企業や商材のブランド力ではなく、自らの力量によってのみビジネスを進めていかざるを得ない50名以下のベンチャー企業がおすすめです。会社としての余白が大きく、任せてもらえる業務の幅も広いですから。

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現代日本には、起業家によるイノベーション創出が不可欠

最後に、「そもそもなぜ、『起業家輩出』にこだわるのか?」と尋ねると、保木氏が抱いている2つの課題意識を教えてくれた。

1つは、現在の延長にある改善ではなく、イノベーションを多く興していかないと日本人の生活が成り立たなくなる点。2つ目は、大企業が内部の人材だけでイノベーションを起こすことは困難な点。これらの問題を解決するうえでは、「起業家によるイノベーション創出が不可欠だ」と保木氏は語る。

保木少子高齢化によって労働人口も減っていく状況を踏まえると、既存の仕組みを少しずつ改善していくだけでは日本社会は縮小する一方でしょう。起業家が事業を通じて革新的な仕組みを構築していくことしか、日本の産業を活性化し、アップデートする方法はないと思うんです。

昨今、デザイン思考が注目されていて、大手企業が社内に専門組織を作る動きがあります。生活が豊かになりモノが溢れる時代に、目に見える課題解決だけをしていては顧客ニーズを捉えきれないことに気づき始めたからでしょう。

また大手企業は潤沢なリソースを保有していますが、顧客よりも社内調整に意識を向けなければならない構造的問題や、挑戦が評価されにくく失敗したら子会社に左遷されるといった人事面の問題を抱えています。

そういった問題を乗り越えて、大きなイノベーションを創出するためにも、ステラアソシエが大手企業と連携することで、製造業を中心に歴史ある業界における新規事業創出を加速させていきたいと思っています。

2019年中には、現在のコンサルティング事業に加えて、「新たな自社プロダクトを最低1つはローンチする」と決意を語った保木氏。だからこそ採用にも力を入れているというが、その選考プロセスもユニークだ。

保木面接や履歴書だけでは判断できない素養を判断するため、インターン生や新卒・中途候補者にも、数日間だけ実業務に従事してもらっています。やはり私自身、実際に働いてみることが、お互いのミスマッチを防ぐ最善の方法だと思っているためですね。

平日夜や土日を活用していただき、実際に進行中のプロジェクトの新規事業案を出してもらっています。社員と同じ業務を体験してもらうため、採用候補者が提案してくれたアイデアをもとに、大手企業の事業が創り出されているケースもあるんです。

※提案が採択された候補者は現在入社し、大活躍中とのことだ。

また選考まではいかなくとも、ステラアソシエが取り組んでいる「0→1」の立ち上げスキルは、あらゆる領域における事業創造、イノベーション創出を志すビジネスパーソンが身につけるべきものだ。

こうしたノウハウをできるだけ多くの人びとに獲得してもらうため、同社の新規事業の立案プロセスを実体験できるワークショップも開催する。事業創出の最重要プロセスである「仮説検証」のエッセンスを保木氏に学びたい読者は、ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。

こちらの記事は2019年01月25日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

小池 真幸

編集者・ライター(モメンタム・ホース所属)。『CAIXA』副編集長、『FastGrow』編集パートナー、グロービス・キャピタル・パートナーズ編集パートナーなど。 関心領域:イノベーション論、メディア論、情報社会論、アカデミズム論、政治思想、社会思想などを行き来。

写真

藤田 慎一郎

デスクチェック

長谷川 賢人

1986年生まれ、東京都武蔵野市出身。日本大学芸術学部文芸学科卒。 「ライフハッカー[日本版]」副編集長、「北欧、暮らしの道具店」を経て、2016年よりフリーランスに転向。 ライター/エディターとして、執筆、編集、企画、メディア運営、モデレーター、音声配信など活動中。

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