「顧客の発言を鵜呑みにしない」「HowではなくWhyから」──マッキンゼー・三菱商事から10Xに転職して学んだ4つのこと

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インタビュイー
赤木 努

三菱商事株式会社 自動車事業本部にて、海外向け自動車輸出や事業投資先への出向(コロンビア・ペルー)などを経験。 帰国後はモビリティ分野に於ける新規事業開発、海外M&Aを担当。

田村 治顕

マッキンゼーアンドカンパニーにて、マネージャーとして主に製造業・農業等のtoB領域におけるオペレーション改善・組織変革・戦略策定支援等に従事。料理とテニスが趣味。

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前編に引き続き、10XのBizDevである赤木努氏・田村治顕氏のインタビューをお届けする。それぞれ三菱商事、マッキンゼー・アンド・カンパニーという大手の有名企業出身の2人が、スタートアップの雄・10Xにおいて、いかにして苦労ややりがいを味わっているのか。

語られたのは、大企業からのスタートアップ転職で苦労した、アンラーニングやコミュニケーションの観点。どのような具体的な学びが、この10Xという環境で得られたのか、それを生々しく紹介する。大手企業からの転職に二の足を踏んでいる若者には、必読の体験談だ。

  • TEXT BY TOSHIYA ISOBE
  • EDIT BY TAKUYA OHAMA
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商社からスタートアップで、How思考からWhy思考へと変化

前編では、赤木氏と田村氏の2人に前職のスキルや経験がどのように現職に活きたかを語ってもらった。後編では、前職までの考え方を改めるアンラーニングが必要だったことや、新たに学習・成長したことが何だったのかを聞いていきたい。

赤木入社後はCEOの矢本と密に働いていましたが、矢本から強くフィードバックを受けた点は大きく2点あります。1つめは「フォーカスすること」です。

商社の仕事は良くも悪くも総花的で、見えていることはすべてやる、リスクは全て潰して進む前提で話が進みます。その働き方が染み付いていたのか、矢本からは、「赤木さんはやらないことを決めたほうがいい」というフィードバックを何度も受けました。やらなければいけないように見えることがたくさんある中で、最も重要なイシューにフォーカスして取り組むことが、なかなかできるようにならず、苦労しましたね。

赤木その姿勢は、矢本本人の背中から学ぶ部分が大きかったです。CEOとしてフォーカスすべき部分はどこなのかを先回りして考え、自分にしかできないことを絞り、他の部分は移譲する。このことを常に徹底して行動していました。

具体的に受けたフィードバックの一つに「日報(日々やることをメンバーに共有することを10Xでは日報と呼ぶ)にTodoを書きすぎ、今日やるべき最も重要なこと1つに絞ろう」というものがあったそうだ。あくまでもイシューの解決に結びつくことにのみ最大限の時間を投じる。これはリソースが限られているスタートアップにこそ重要な働き方なのだ。

赤木2つめは、Why思考を持つことです。前職では仕事は与えられることがほとんどで、どうやるか、というHowを起点に考えることが常でした。しかし10Xに入ってからはこれがまるっきり逆で。つまり、「なぜやるのか」「どんなイシューを解決するものなのか」というWhyを考えることを強く求められるようになりました。

いまだに少し悩むこともありますが、「やるべきこと」により強くフォーカスできるようになっています。ここはHow思考に染まっていた前職からは大きな変化でした。

赤木氏は入社当時、資料の作成からミーティングの進め方など、矢本氏から細かいところまでフィードバックを受けながら仕事を進めていたそうで、プレッシャーを感じる部分もあったという。と同時に、それは赤木氏がスタートアップに求めていた経験であり、当時を振り返って「これだけの経験をしているのだから、後から入ってくる人は絶対に自分にはかなわないだろうと思っていました(笑)」と冗談交じりにこぼしている。

今では会社の規模も3~4倍に増え、矢本氏からは権限委譲が進むと同時に、個人のみでなく組織として学習・成長するための仕組みづくりも進んでいる。創業代表である矢本氏から一番近い位置でフィードバックを受けてきた赤木氏は「当時の矢本さんの役割を担えるよう、今後はこれからのBizDevの成長促進にも取り組んでいきたい」と意気込む。

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コンサルからスタートアップで、リソースの有限性を痛感

続けて田村氏にも、入社してから特に学習が必要だったことやアンラーニングの必要性を痛感したことを聞くと、2つのポイントについての回答があった。

田村1つは、ITプロダクトについての技術的な理解です。10XのBizDevは、プロダクトの提供を通じてパートナー企業の新しい事業をサクセス・グロースさせていくのが仕事。なので、技術的な面も含めてパートナー企業へ適切に伝えられなければ、仕事になりません。提供するものとお客さんが求めるものがズレて、経営上のリスクになってしまいます。

田村氏がたどり着いたのは、プロジェクトを推進する立場であるBizDevが、プロダクトがどのように動いているか理解する必要があるという点だ。

矢本氏も「BizDevとPdMは、かなり近しいスキルやマインドセットが求められる」と話していた。またこの記事の前編でも「『Stailer』というプラットフォームをより良いものにしていく検討も、BizDevの仕事だ」という話があった。開発のために直接コードを書くことこそないが、プロダクトの非連続的な進化の責任まで負っているのである。

田村2つめは、「リソースは有限である」とセンシティブに考えることです。とても極端な話ですが、コンサルタントの場合は提案資料の作成のため、自身が最大限の時間を投じて頑張ることによってリソースを増やすという考え方も場合によってはできてしまいます。

しかし、スタートアップの事業では、自社が有する少ないリソースの配分について考え抜くことが極めて重要。短期的・長期的いずれの視点も考慮したうえで、インパクトが最も大きな施策に投下し続けなければなりません。

ネットスーパーという事業領域は、Amazonや楽天も参入しており、まさにこれからレッドオーシャンとなることが予想される。その中で、事業展開のスピードを鈍らせてしまうような意思決定を続けてしまっては、10Xの目指すところになどとてもじゃないが到達できない。そんな強い意志を田村氏の言葉に感じる。

2人がBizDevとして痛感したということを統合すると、「提供するサービスを支える技術を理解」し、「リソースの制約」を前提に「インパクトの高い重要なものに集中」するということ。言葉にすると当たり前のことのように思えるが、パートナー企業の要望や時間的制約など、複雑な変数を捉え、その都度重要なものにフォーカスし続けられるのは並大抵のことではないだろう。

そうした動きを継続するために重要なマインドセットはどういったものなのか。聞いてみると、赤木氏・田村氏ともに、求心力やリーダーシップの必要性を強調した。両氏は、パートナー企業とエンドユーザー、そして社内のメンバーというステークホルダーが周りにいて、その円の中心にBizDevが立っているというイメージを持っている。

田村BizDevにはリーダーシップが強く求められます。パートナー企業からすればできるだけ早くプロダクトの開発を進めてほしいし、社内メンバーからすればインパクトの大きいものに絞り込んでリソースをマネジメントしたいという要望がある。この状況の中で何をすべきかについて社内外から合意を取り、説明責任を果たしながらプロジェクトを推進していく。

BizDevとしての求心力やリーダーシップの発揮のしどころだと感じています。

ある意味「顧客がこう言っているからこの案件はこう開発しましょう」という御用聞きのような役割の方が、フロントに立つ役割の人からすれば楽なのかもしれない。しかし、Stailerがパートナー・お客さまにとって価値を最大化するために何が最も求められているかを客観的に、自分の頭を使って考えるマインドが全メンバーの間に揃っている。このことこそ、10Xというスタートアップが持つ最も大きな強みかもしれない。

あくまでもパートナー企業の成功にコミットすべく伴走するというスタイルを取っているため、BizDevに求められるリーダーシップの比重は高い。それだけ、事業を創る、動かしているという実感が得やすいという側面も大きいのだ。

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矢本氏により払拭される
「大企業→スタートアップ」キャリアへの懸念

ここまでBizDevがどのような思想で仕事を行っているかを聞いてきたが、ここからはBizDevの両氏から見た人や組織について聞いていきたい。冒頭で、赤木氏は矢本氏から無数のフィードバックを受けて成長してきたという話を聞いたが、田村氏から見た矢本氏への印象やエピソードについても語ってもらった。

田村矢本さんの性格面を一言でいうと実直。能力面では、あるべき未来の青写真を描いた上で、やるべきことを整理する能力が非常に高い方だなと思っています。

いち消費者の目線で、未来の世の中に何が必要になるのかを見通す力を持ち、その未来のために必要なプロダクトは何なのかという仮説を数年先まで明確に持っている。こういった整理ができる部分は矢本さんの強みだなと理解しています。

経営者は、長期的な成功のために会社の誰よりも長い時間軸で社会の変化を見つめていると言われているが、田村氏が得た矢本氏に対する印象は、まさに経営者のあるべき姿を表現している。この矢本氏の一面は田村氏が入社を決めたきっかけの一つとのことだが、一方で同氏は、入社前の時点では「実は馬が合わないのでは?」と不安視していたとも吐露している。

田村10Xが情報発信として取り組んでいるPodcastがあるのですが、矢本が以前「大企業からスタートアップに移るとアンラーニングが大変」と話していました。このことがすごく気になっていて、「自分は10Xに求められている人材ではない」と懸念していたところが正直ありました。

また、実は10Xでトライアルをする前に、別のスタートアップでも同じようにトライアルをしていたんです。その会社での仕事や雰囲気が魅力的で、そのトライアルが終わったときには正直「10Xより自分に合いそうだ」と思っていたんです。

田村しかし、実際に10Xでのトライアルを通じて矢本と良いコミュニケーションができ、入社前の捉え方が一変しました。僕は徹底したアンラーニングが必要だという点について納得できましたし、そのために必要なやり取りがきちんとできる環境だと感じたんです。

僕が思っていた不安も伝えた上で、「田村さんのようなアウトプットを出せる方は、10Xでも新しい価値を出せる人だと思います」という明確なフィードバックをもらえました。このことにより、戦略コンサルティングで培ってきた経験が活かせるという確信が得られました。

それと同時に、矢本個人に対する信頼も醸成されました。トライアル期間中にパートナー企業様の店内作業・配送のオペレーションを見学し、Stailerとしてどのような業務フロー・機能を実現する必要があるかの取りまとめを任されたんです。そこで僕が短期間でオペレーションに関して網羅的に整理したことで、10X側の業務理解度の引き上げに貢献できた事を評価してもらえました。

矢本個人のバックグラウンドや、特性とは異なる人間と接しても、一人ひとりの良さを客観的に判断し、それが10Xにとってどのようにいい効果をもたらすのかを冷静に評価できる人なんだとということが、トライアル期間中の矢本とのコミュニケーションを経てよく理解する事ができましたね。これにより、馬が合わないということはなく、魅力的な人なんだなという考えに変わりました。

僕が持っている先入観やものの考え方を、新しい事実を元に更新し続けられる。トライアルにおけるそんな経験を通じて、一緒に働きたいと強く思ったんです。

田村氏は「取り越し苦労だった」という風に振り返るが、矢本氏らがその不安を丁寧に払拭した様子も見て取れる。

また、赤木氏には「大企業からの転職あるある」とも言える悩みがあったという。

赤木実はスタートアップ転職について、親族内で大きな反対を受けました(笑)。先ほども言いましたが、商社に勤め続ければ遠くない将来に高年収が期待できます。家庭生活を考えれば、それを優先する人の方が多いかもしれません。でも僕は、そうした考えから自分のチャレンジを制限したくなかった。この決意は固かったです。

赤木反発して強行することもできましたが、そうはせず、敢えて時間をかけて説得する道を選びました。自分の決意は固いこと、成功するまで絶対にやり抜くこと、親族に迷惑をかけないということ。こうしたことを整理して伝えました。

今でこそ笑って振り返ることができますが、大変でしたよ。今後はスタートアップへの転職を考えるみなさんがこうした苦労をしないよう、10Xが事業を成功させ続けなければならないと強く感じています。

大企業からのスタートアップ転職が増えてきたとはいえ、採用ニーズを考えるとまだまだ少ないと言えるのが実情だ。この点における課題認識や懸念の払拭については、同社CFOの山田聡氏もSNSで見解を述べている

これらの事例は、大手商社やコンサルティングファームから転職を検討している若者たちに、勇気を持たせるものともいえるだろう。

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トライアルで双方のニーズを明確に言語化

入社前の印象的なエピソードを改めて聞けたところで、BizDevの2人から見た組織はどう映っているのかに話が及んだ。

赤木情熱的な人が多いと、働く中で実感しています。『Stailer』のエンドユーザーである、「何かしらの理由でスーパーへの買い物に行けない・行きたくない人たち」に少しでも便利な生活を送ってもらいたい。我々はそのためにプロダクトを提供しているんだというピュアな気持ちに突き動かされているメンバーで10Xは構成されています。

組織としての目線が合っているので、プロジェクトの推進力が凄まじいんです。

特に同氏が驚いたのは、ソフトウェアエンジニアとコミュニケーションを重ねる中で、彼ら・彼女らも同様にユーザーを強く意識して開発をしている点だったという。スペシャリストほど、「持っている知見や技術をどう発揮するか」に重心が置かれるイメージがあるが、10Xでは職種関係なく皆に情熱的な側面があるそうだ。

スタートアップという限られた人数だからこそ、そういったカルチャーや一体感を生み出せているという節はあるだろうが、一体なぜそんなことが実現できているのだろうか?

その理由の一つとして、採用プロセスの厚さが挙げられる。赤木氏や田村氏も体験したように、10Xではお互いのミスマッチを防ぐべく、面接だけでなく入社前に一緒に仕事をしてみるトライアル期間を設けている。なぜなら、候補者と10Xのやりたいことが一致しているか、そしてその人にとって本当に10Xを良い機会として活かせそうかという観点こそ、採用上もっとも重視しているポイントだからだ。この採用プロセスで候補者と10X、双方が何をやりたいかを言語化、共有しているからこそ、入社以降も熱量高く活躍し続けることができるのだ。

田村BizDevとしてトライアルを受けてくださる方は、BizDevメンバーほぼ全員とやり取りしていただいています。そうすると候補者の方からしても働くイメージが湧きますし、我々としても実際に入社して活躍いただけそうかがわかってくるんです。

転職活動のなかで、面接のみでなく時間をとって働いてみるというプロセスは大変すぎると感じるかもしれない。しかし転職は、入社がゴールではなく、あくまで「その新たな環境でさらなる活躍ができるか」が肝。そのため、自分が中の人たちとうまくやっていけそうか、そして成果を出せる環境なのかを見極められる期間があることは、長い目でみるとむしろ大きなリスクヘッジといえるだろう。実際、トライアルを経験した田村氏は、入社した後でギャップを感じることは一切なかったと話している。

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経歴ではない。
10xからの逆算、自律、背中を合わせられるかが鍵

両氏がそう語るように、情熱的な人が多い10Xは、外からどのように見られることが多いのか。

赤木ハイキャリアだったり経験豊富な人しか入れないの?と聞かれることもありますが、決してそういったわけではありません。スキルや経験を求めているわけではなく、ミッションに共感いただくこと、10Xとして掲げている3つのバリュー、「10xから逆算する」「自律する」「背中を合わせる」、これらをどれだけ発揮できる人なのかどうかが本質です。

確かに、10Xのチームメンバーを見ると、有名企業に勤めてきたメンバーが並んでいるため、そうでない人は不安感を持つかもしれない。ただしそれは、成果を出す特性を持っている人が、結果的に10Xで掲げているバリューを持ち合わせていたというのが正しい理解だろう。そのため、自分が属している会社の認知度や培ってきた経験に対して気にしすぎるのは杞憂かもしれない。

そんなバリュー重視で集まったメンバーたちによってなされる社内コミュニケーションにも、“10Xらしさ”が垣間見える。

田村とにかく、“意味のあるコミュニケーション”が徹底されています。定例があまり多くない代わりに、口頭で相談したいことがあればオンラインで数分だけ話すということもよくあります。

組織の生産性を語る上で、「無駄なミーティング」はよく引き合いに出される。効率性を重視した10Xでは、そういったミーティングは存在していないようだ。とはいっても効率性を高めることはコミュニケーションの機会を減らすこととトレードオフになってしまわないのだろうか。意思疎通の取りにくい組織になってしまうのではないか。

田村コミュニケーションにおいては、情報共有のためのドキュメントをしっかりと書くという文化が浸透していますね。それがメンバーの認識の前提となり、組織を一枚岩にして効率的に働くことに貢献していると実感しています。

田村氏いわく、ほとんどのドキュメントには「なぜこれをすべきか」が明確に記されているとのこと。メンバー全員が、目的とセットで言語化されたドキュメントを閲覧でき、メンバー同士の認識のズレや齟齬を生まない仕組みとして機能しているのが10Xの特徴である。

効率性に関連して、労働時間についても話が及んだ。特に立ち上げ間もないスタートアップでは休みなく働くのではといった懸念を持つ人もいるだろう。これについて田村氏は「プロジェクトによって濃淡があり、労働時間が増えるときもある」と前置きしつつも、いたずらに長く働くことを推奨しない風土があると強調する。

そもそも、社員の半数ほどが小さい子どものいる子育て世代なので、子どもの急病やトラブルがあれば一時的に業務を抜けるといったことは頻繁にあり、お互い様。ごく自然なやり取りとして行われている。この点については10X、取締役CCO(Chief Communications Officer)の中澤氏も「会社として意志をもち表明することが大事」と社としてのスタンスを表明している。

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2〜30年かけて、小売という産業自体を変革する

ここまで10Xという環境のユニークさを二人から聞いてきたが、最近はBizDevを大々的に募集する競合スタートアップも多い。その中で、特に10Xには個人のキャリア観点でどういった面白さがあるのか。最後に2人に聞いてみた。

田村短期と長期の視点があります。短期的には、『Stailer』を、高い収益性とお客様の良い体験を両立したプラットフォームとして完成させること。そのために、現在のパートナー企業へのサービス提供を磨き込んでいくことにまずは注力していきます。そしてそこにはいくつかのハードルがあり、プラットフォーム自体の機能を充実させていくことが不可欠です。

グロースさせていく際には紋切型のWebマーケティングを実行するだけでは足りず、いかにしてそうした機能も組み込むことができるか、難しいと感じています。

ただ、こうした多くのチャレンジをし続けられるのが、この環境でBizDevとして働く中での一番の魅力なんじゃないでしょうか。プラットフォームをもっと成長させるために、さまざまな研究をして、会社としての武器を蓄えていきたいと思っています。

また、長期的には、小売という産業に対して新しい価値を提供するという点も面白味の一つですね。それは、現時点で見えている『Stailer』の姿を大きく超える価値を発揮できるようにならないと、到達し得ないと捉えています。

例えば、現状では各小売企業が既に用意している商品マスタを正としてシステムを組んでいますが、その「商品マスタ」自体を最適化できないかとか。そういうような、自分たちがこの領域で存在感を持って、もっと深く踏み込めるところを見つけ、サービスとして展開していくという観点は、長期的な価値の出し方になると考えています。

赤木氏も別角度から、10Xと『Stailer』の今後について語ってくれた。

赤木この事業は、少なくとも20~30年は続けなければ、「日本社会に価値を発揮できた」とは言えないものだと思っています。『Stailer』が生まれてからまだ1年、道は始まったばかりです。もしかしたら外部から見ると、会社として一定出来上がっていると思われるかもしれませんが、決してそんなことはなく、まだまだやるべきことが山のようにある。

親世代で生協が当たり前になっていたように、買い物はネットや店舗を自由に使い分けるのが当たり前の世の中になっていく。その中心に10Xないしは『Stailer』がいて、その世界を作っていく使命と、具体的なイメージも揃っています。そんな未来を感じながら仕事ができるのは、10XのBizDevならではだと思います。

両氏とも、『Stailer』の未来と、BizDevがそこにどのように関与できるかという話を熱っぽく披瀝してくれた。経営者だけでなく、BizDev一人ひとりがこれだけ事業の成功を信じ、自分ごととして語るその姿から、10Xが社会にインパクトを与えている未来を想像するのは難くない。

BizDevという職種の魅力は、企業によって大きく異なる。その中でも10Xは、「何をしてでも事業を伸ばす」という経験を積むのに最適な環境のように思える。今回の2人のメッセージを通じ、何か胸に響いたものがあればチャレンジを検討してみるのがよいだろう。

こちらの記事は2021年11月26日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

磯部 俊哉

編集

大浜 拓也

株式会社スモールクリエイター代表。2010年立教大学在学中にWeb制作、メディア事業にて起業し、キャリア・エンタメ系クライアントを中心に業務支援を行う。2017年からは併行して人材紹介会社の創業メンバーとしてIT企業の採用支援に従事。現在はIT・人材・エンタメをキーワードにクライアントWebメディアのプロデュースや制作運営を担っている。ロック好きでギター歴20年。

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