【最新版】投資先の上場率20%超
メルカリ保有VCが持つ未上場株リスト(後編)
日本のベンチャー投資において圧倒的な存在感を放つ、日本初のハンズオンベンチャーキャピタルをご存知だろうか。
今回は、多くの投資先をIPOに導くグロービス・キャピタル・パートナーズの投資歴を紹介する。
- TEXT BY FastGrow Editorial
ベンチャー投資のこれまでとこれから
グロービス経営大学院を運営することで広く知られるグロービス。
同グループのVCであるグロービス・キャピタル・パートナーズは、日本で最も影響力のあるといわれるベンチャー投資家を擁し、投資先の上場率が20%を超えるなど、その動向に注目が集まる存在だ。
1996年の第1号ファンドの設立以来、「ヒト(人材)」「カネ(資金)」「チエ(経営ノウハウ)」 で数多くの企業を総合的にサポートし、産業の創造と高い投資リターンを実現し続ける同社。
その投資歴を知ることで、今後のスタートアップシーンを垣間見ることができるかもしれない。
前編ではこれまでにIPOやM&Aが行われた投資先を、後編では未だ上場は行われていないものの、注目すべき企業を紹介する。
※リサーチに必要な情報は同VCのトラックレコード及び各社プレスリリース、関連メディアから収集した。
未上場の投資先企業13選
これまでに投資をし、現時点で未だ上場していない有望企業から、FastGrow編集部が独自に選出した13社を紹介する。
※50音順に表記
1. akippa
日本最大の駐車場シェアリングサービス「akippa」を運営する。ユーザーは全国1万を超える駐車場をオンラインで検索・予約・決済することができる。また、空き駐車スペースを貸し出すことも可能。2009年9月にギャラクシーエージェンシーとして設立した後、2015年2月にakippaへ社名変更。2016年1月にグロービス・キャピタル・パートナーズを含む4社を引受先として総額約6億円を調達を実施。2017年5月にも複数ファンドから約5000万円を調達している。
2. TABI LABO
海外のトレンドやライフスタイルを発信するウェブメディア「TABI LABO」の運営と広告制作事業などを手がける。2014年5月創業。2017年7月にインターネット広告事業を手がけるデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC)とディスカバリーチャンネルを提供するDiscovery Networks Asia-Pacific(DNAP)との資本業務提携を締結。加えて、グロービスを含む複数ファンド、投資家などから総額5億6000万円を調達した。
3. Viibar
動画制作クラウドソーシングプラットフォーム「Viibar」 の開発・運営を行う。3000人を超えるクリエイターのネットワークを有し、600を超える企業に利用されている。2013年4月創業。2014年2月にグロービスを含む2ファンドから総額3億円の第三者割当増資を実施した。続いて2015年2月には7億円の調達を実施。2017年1月には日本経済新聞社と資本業務提携を結ぶと同時に、4億円を調達している。3回合計14億円の資本調達の全てでグロービスは投資している。
4. イタンジ
ITを用いて不動産業界に革新を起こすRETech。賃貸物件を格安で探せる「nomad」、不動産業務支援サービス「ぶっかくん」賃貸情報ポータルサイト「HEYAZINE」などを開発・運営する。2013年11月、グロービスを含むベンチャーキャピタル3社から総額3億円の第三者割当増資を実施した。2017年3月にはKDDI及びいちごとの資本業務提携を実施し、同2社を割当先とした非公開額の第三者割当増資を行なった。
5. エブリー
複数の動画メディアを運営。料理動画メディア「DELISH KITCHEN」、ライフスタイル動画メディア「KALOS」、ママ向け動画メディア「MAMA DAYS」、ニュース動画メディア「Timeline」の4メディアを各SNS及びアプリ上で運営。月間リーチ数は延べ4000万人に達する。2015年9月に創業。2016年6月にグロービス含む複数社を引受先として、総額6億6000万円の第三者割当増資を実施した。
6. お金のデザイン
FinTech業界のリーディングカンパニー。金融工学とテクノロジーを駆使し、個人最適化されたポートフォリオをロボアドバイザーが自動運用するサービス「THEO」を開発・提供する。2013年8月設立。2015年12月にグロービスを含む複数社から総額15億円の資金調達を実施。その後、2016年9月からのシリーズCでは総額15億円、さらに2017年7月には新生銀行から5億円を調達した。累計調達額は38億円を超える。
7. スマートニュース
スマートフォン向けニュースアプリ「SmartNews」の開発、運営を行う。2012年6月に株式会社ゴクロとして創業し、2013年10月に現在の社名に変更した。2012年12月にリリースしたアプリは2000万を超えるダウンロード数を誇る。2013年8月にグロービスから4億2000万円を調達。その後、2014年8月、2015年3月、2016年7月の調達と合わせて、累計調達総額は91億円となった。
8. ビズリーチ
ハイクラス人材特化の会員制転職サイト「ビズリーチ」、20〜30代向けの転職サイト「キャリアトレック」、戦略人事クラウドサービス「HRMOS」の開発・運営を行う。2016年10月より、「ビズリーチ・キャンパス」のサービス開始により、キャリア教育支援領域に事業を拡大した。2007年8月設立。2016年10月にグロービスを含む5社から総額11億5000万円の調達を実施した。2010年2月と2016年3月に実施した資金調達と合計すると累計調達額は50億8000円に達する。
9. みんれび
市場規模約4兆円といわれる葬儀・供養領域で、ITプラットフォームサービスを展開。仲介サービス「葬儀レビ」、「シンプルなお葬式」、僧侶手配サービスの「お坊さん便」などを運営する。提携葬儀社数は全国500社以上、提携僧侶は全国700名以上。2009年3月に設立。2015年8月に2億8500万円を調達。2017年4月には、グロービスを含む複数社から合計10億円の資金調達を実施した。2016 年の年間受注件数は前年比 150%と成長を続けている。
10. メドレー
医療ヘルスケア領域の課題をITで解決するHealthTech企業。医師たちによるオンラインの医療情報提供サービス「MEDLEY」や日本最大の医療介護求人サイト「ジョブメドレー」、スマホ通院サービス「CLINICS」などを運営する。2009年6月創業。公開しているものだけでも、2015年に2度、計5億3000万円の資金調達を実施している。また、2015年12月には「日経メディカルOnline」を運営する日経BP社と資本・業務提携を結んでいる。
11. メルカリ
日米合計7500万ダウンロードを誇るC2Cフリーマーケットアプリ「メルカリ」の企画・開発・運営。2013年2月創業。グロービスの初期投資は2014年3月に行われた。2015年には黒字化を達成。2016年3月に84億円の資金調達を実施。累計調達額は126億円に上り、日本で初めて評価額が10億ドルを超すユニコーン企業となった。日経新聞の報道によると、既に上場申請を済ませており、年内の上場が予想されている。
12. ヤプリ
プログラミング不要で高品質なスマホアプリを開発・運営できる法人向けプラットフォーム「Yappli」を提供。同サービスには楽天、ヤフー、ソフトバンクなども含め7000社以上が登録している。2013年2月にファストメディア株式会社として創業し、2017年4月に現在の社名に変更。2015年9月に総額3.3億円の第三者割当増資を実施した。
13. ランサーズ
日本最大級のクラウドソーシングプラットフォーム「ランサーズ」の企画・運営を行う。他にもデジタルマーケティングの「QUANT」、2017年6月からはスキルシェアサービスの「pook」を提供する。24万社以上のクライアントを持ち、依頼件数は150万件以上、依頼総額は1700億円を超える。2008年4月創業。2014年12月に10億円の資金調達を実施した。グロービスはそれ以前にも2013年5月に総額3億円の第三者割当増資の一部を引き受けている。
未上場の投資先企業たち
現時点で情報が確認できる未上場投資先39社のリストを公開する。
※最終投資時期とは、確認できる範囲でグロービスが最後に投資をした時期を指す。
ベンチャーシーンの行方
紹介した未上場の投資先の中には、間近の上場が噂される企業や、上場した競合よりも高い評価を受ける企業など、これからも目が離せないベンチャーが多くあった。
今後のベンチャーシーンを占う上で、グロービス・キャピタル・パートナーズの動向に注目していきたい。
上場達成あるいはM&Aされた投資先を紹介した前編と合わせて、今回の記事が、皆さんがベンチャーシーンのこれからを考える際の一助となれば幸いである。
こちらの記事は2017年07月30日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
執筆
FastGrow編集部
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