INTERVIEW
富永 峰郎
18-09-14-Fri
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日本初100年ファームへ。
「ものづくり」を支えるプロ集団、
日系コンサル大手JMACとは何者か?

TEXT BY NAOKI MORIKAWA
PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA

1942年創業の日本能率協会コンサルティング(以下、JMAC)は、
日系コンサルティング会社としては異例の長寿ファームだ。
規模の大小を問わず、無数の企業の経営変革や構造改革を担い、
とりわけ日本が誇るものづくり産業の領域においては、
外資系大手を含む競合他ファームを圧倒する実績を築き上げてきた。
そのJMACが大きな節目となる「100年企業」となる2042年を視野に入れた中長期計画を推進し、
そのプレゼンスを改めて発信し始めている。

欧米系大手ファームで活躍し、著名大企業に転職することが、あたかも世界標準であり、
ハイパフォーマーの証しであるかのような印象がはびこるコンサルティング業界だが、
経営企画室長の富永氏は「それはどうかな」と余裕の笑みで語り始めた。

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日本のものづくりを支えてきた、80年近く年の歴史あるコンサルティングファーム

富永試しに『ものづくり コンサルティング』で検索をしてみてください。

取材冒頭から富永氏にこう促され実行をしてみると、JMACが検索結果のトップに表示された。論より証拠。いかに同社がモノ作り領域のコンサルティングで成果を上げ、期待されているのかを計るモノサシと言えるだろう。

だが、ここまでならば驚くほどのこともない。コンサルティング業界を多少でも知る者ならば、JMACが製造業を中心に成果を上げてきたことは既知の事実。だが富永氏はさらに「IoT コンサルティング」でも検索してみてほしいと言う。すると、ここでもJMACの名は上から数えて3番目に表示された。

富永意外だと思ったのではないでしょうか?(笑)。気にせず本音を言ってください。『国内系ファームの老舗とは言っても、グローバルな戦略系やIT系ファームと違って、トガった案件はあまりやっていない』という風に捉えられがちなのは我々もわかっていますから。今後は、ブランディングにも力を入れ、もっと存在感や強みを発信していかなければいけないとも思っています。

わたしたちは「温故創新」(おんこそうしん)という価値観をもっており、伝統に裏打ちされたノウハウを発展させるとともに、新たなコンサルティングソリューションの開発投資も進めています。検索結果は単なる目安ですが、IoTをはじめ先進的なテクノロジーでも成果を上げていることを、知ってほしいと思ったんです。

富永氏の指摘通り、「意外だ」と感じた人は少なくないはず。SEO対策の巧拙によって差が発生するとはいえ、検索結果のランキングはある種の客観評価とも言える。メディアへの露出頻度では外資系・IT系ファームの方に譲ることは確かだが、ものづくりを中心にした確かな実績と先進ソリューション開発が、企業からのJMACの確かな評価となっているようだ。では、具体的にどんなアプローチをしているのか?

富永IoTにせよ、AIをはじめとする他の先進テクノロジーにせよ、昨今のメディアだけを見ると『企業はどんどんこれらを採り入れて、大胆な変革をはかっている』かのようなイメージがあります。もちろん、そうした先端企業もありますが、実は『そうしたいけども、何から手をつければいいのかわからない』という企業が大多数なんです。

企業の多くの現場は、新しいテクノロジーの出現に躊躇しています。ですから、JMACでは『現場IoT 7つ道具』という現場から始める入門型ソリューションツールを作成して、多くの企業に発信をしています。

JMACでは、SONYがリリースしたIoTブロック「MESH」を用いて、IoTを体感できるプログラムを日本本社と欧州拠点(イタリア・ミラノ)の共同で開発をし、その体験型セミナーを開催して、IoTをビジネスに活用していくためのノウハウや知恵を伝えている。事実、この活動が花開き、大手商社や通信キャリアと共に、IoTに関する共同開発・実証実験も進展している。

富永先進的な企業が変革実行を達成するのを後押しをするのも我々の務めですが、そればかりでは産業全体の底上げに貢献することにはなりません。

先端技術の有用性にまだ気づいていないような企業に向けても、我々が半歩先の姿を示し、現場に入り込んでともに変化を創りあげていくのも重要な務め。地道なプロジェクトの積み重ねですが、そういうアプローチも厭わずにやってきたからこそ、JMAC自体も産業構造の変革や移り変わりも乗り越え、80年近い歴史を築けたのだと自負しています。

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役職の優劣なく、全員が「生涯現役」「現場主義」

富永氏によれば、こうしたJMACの強みは2つの大きなポイントによって形作られているのだという。その1つは案件獲得における外資との手法の違い。もう1つはクライアントとの関係性における違いだ。

富永多くの欧米ファームでは、パートナークラスの人物がクライアント企業の経営層とパイプを持ち、大きな絵を描いて見せることで案件を獲得しています。そして、そうして得た案件は現場のコンサルタントに下ろされ、彼らが実行していくわけです。

もちろん、そこで成果を上げていけば、ファーム内でもクライアントからも評価されるのでしょう。しかし基本的には、『決められたプランや戦略に沿って働く実行部隊』を20代、30代の若い時期に、何年も続けていくことになります。

一方、JMACでは1人ひとりのコンサルタントがクライアントのミドルマネージメント層と直接パイプを築いて、長期に渡るおつきあいをするスタイルが基本。お客様の現場で発生している実状を知る個々のコンサルタントが、即座に実効性のある問題解決のビジョンを提供する。それがクライアントの変革につながっていくようなケースが多いのです。

ともすれば、20代で苦労してコンサルティングファームに入社したのに、数ヵ月単位のプロジェクトに都度アサインをされ、そのプロジェクトが終わると、また別のクライアントにアサインされ……という、入社前の想像とは異なった「実行部隊」としての活動の繰り返しを強いられる。それが外資系では常識のように思われてもいる。

だが、日系コンサルティングファームの場合、現場に出るコンサルタント主導で案件を獲得し、ボトムアップで変化を作り上げていくような傾向がある。1人ひとりのコンサルタントが主役となり、クライアントのミドル層と継続的なリレーションを築くことで「かゆいところに手が届く」問題解決がJMACでは可能になっているのだと富永氏。そして、その実績を顧客とともに築いてきた歴史が、信頼を増幅し、「コンサルタントに名指しで仕事がくる長期的な付き合い」へと発展しているというのだ。

実際、「JMACメンバーが新卒で担当していたクライアントの担当者が、今ではその企業の取締役や社長になっている」なんてことも頻繁に起こっている。「クライアント担当者と一緒に成長し、そのクライアント企業自体へのインパクトが歳を重ねるごとに大きくなっていくのは、感慨深いことですよ」と富永氏は話す。

ここで、「新卒でクライアントを担当する」と聞くと不安に思う読者も多いかもしれないが、ことJMACではその不安は不要だろう。「アカデミー」と呼ぶ社内の新人育成の組織があったり、ものづくりのノウハウを先輩コンサルタントやトヨタ自動車OBのような方々から学ぶ機会が多数あったりと、若手のうちからクライアントと現場で対等に対峙できるような育成の仕組みが整っている。

では、もう1つのJMACの特徴は何かといえば、「生涯現役」の気風が浸透していること。

富永そもそも、提案と案件獲得はパートナークラスの上層部が担い、戦略の実行は現場のコンサルタントが担う、という役職による縦型の役割分担に我々はとらわれていません。あるのはコンサルタントの格付けですが、プロジェクトにおいては案件に応じた柔軟な編成と役割分担がされ、たとえば若手がプロジェクトマネジャーとなり、上位格付けのベテランが専門家としてメンバーに編成されるようなケースもあります。

また、もちろん、会社組織として役員・本部長などの役職はありますが、多くのメンバーが基本的には生涯現役でコンサルティングに取り組み続けます。私自身もいまだに一コンサルタントとして最前線に出て行く機会が多いんです。

富永氏によれば、JMACの社員コンサルタントの平均勤続年数は14年とのこと。一般の事業会社と異なり、コンサルティング業界では2〜3年程度で転職していく者も珍しくない。つまり、JMACの14年という平均値は、同業界において驚異的な数字ということなのだ。

富永どちらが良いか悪いか、という話ではなく、JMACには私も含め、コンサルティングという仕事、役割を愛している人間が多いということなんです。だから、自ら進んで生涯現役を貫いている。純粋にコンサルタントとして成長し、そのプロフェッショナルとなってお客様を支援していくことに喜びを感じる人にとって、理想的な環境とカルチャーが備わっているということなんです。

もちろん、キャリア形成の目標は人それぞれ。短期間の内に凝縮した経験を積み、コンサルタントとして一定の成長を得た後は、例えば事業会社に転じて経営者への道を目指そうとする者も多いだろう。コンサルタント時代に得た知見や人脈などをバネにして起業への道を歩む者もいる。

だが、コンサルタントという職務とじっくり向き合い、プロの技に磨きをかけたい者もいるはずである。「全員がそうだとは言わないし、そうである必要もないですが」と前置きをしつつ、富永氏はそうした人材が集い、長期に渡って実績と、クライアントとの信頼関係とを築き上げてきた結果が、JMAC自体の成長拡大に深く関わっているのだという。

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「日本流マネジメント手法」を軸にしたグローバル展開

地道な取り組みも厭わず、顧客企業と長期にわたってつながり続ける一方で、尖った先進的チャレンジにも積極的だというJMACには、もう1つの強みがある。それはグローバル展開。すでに世界に5つの拠点を持ち、約60ヵ国で案件を動かしているのだ。もちろん、巨大なグローバルファームの中には、スケール面ではるかに大規模な活動をしてもいるところもあるが、JMACには「日本発グローバル」ならではの強みがあり、それが成果につながっているのだという。

富永もともと、製造業との取り組みが多かったJMACでは、日本のものづくりのグローバリゼーションに長い間寄り添ってきましたし、近年は製造業に限らず、あらゆる企業が海外での成長を至上命題にしています。ですから今では、我々としても全体の15%ほどが海外やクロスボーダー案件になっているんです。

そう語る富永氏自身、以前からアジアを主とするグローバル案件に関与し、昨年まで上海に駐在し、現在でも中国拠点の代表も務めてもいる。はたして激変するアジアおよび中国の市場とJMACはどう向き合っているのだろうか?

富永かつて多くの製造業が生産拠点としてアジア中国に注目をしました。いまでは世界の工場であると同時に世界の市場としての期待値も加わり、製造や販売の課題解決に加え、現在で次第にヒトに重点を置いたテーマはへとシフトしています。

JMACが今、中国で扱っている案件の内、42%が「人材マネジメント」をテーマにしているという。これに「現場力の強化」「マネジメントの現地化」等も加えると、ヒトがらみのテーマだけで70%以上にもなるのだと富永氏。そして、この潮流の中でものづくりとヒトづくりに取り組み続けている「日本発グローバル」であるJMACの強みが発揮されているのである。

富永中国のものづくりの世界において、特に高い評価を得ているのがドイツと日本なんです。ドイツはエンジニアリングの技術水準の高さで、中国の人々にリスペクトされています。一方の日本はというと、チームワークや人材マネジメントを基盤とするものづくりで依然リスペクトされているんです。

日本企業の現地化は、「安価な労働力としての現地人材」ではなく、「優秀な人材を現地で登用し、育成し、戦力になってほしい」という方向にシフトしている。アジアや中国が日本の人材マネジメントから学ぼうとしている傾向が強いのであれば、双方に拠点と知見を持つJMACは、その橋渡しを担うことで成果を上げていくことが可能となる。

富永JMACの海外拠点では現地企業のコンサルティングも行っています。もちろんそれ自体もビジネスとして成長させていきたいわけですが、そればかりでなく、現地企業にコミットする活動によって各国の市場の実状やカルチャーを深く知ることができる。そして、現地企業の実態や、現地のビジネス人材の素顔を知っていればこそ、日本企業の人材現地化にも貢献できるし、現地企業と日本企業の提携を促進させるなど、JMACが担う橋渡し的な役割を強化することにもつながるんです。

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日系ファームの方が、海外の「現場」でグローバルを学びやすい

ここで富永氏は、日系コンサルティングファームとグローバルファームとの大きな違いも指摘する。

富永外資系ファームの日本法人に所属するコンサルタントも、もちろんグローバルな案件に関わるケースもあるでしょう。しかし、国別の縦割りが強く、国を超えた自由な動きは限られており、海外プロジェクトへの参加機会も実は多くないようです。

例えばアジアや中国で何かしようとすれば、それぞれの国の拠点メンバーが主体となって動くことになります。現地に拠点を構える彼らと連携していけば、スケールの大きい仕事に関与することもできるでしょうが、現地に根付いた活動を経ずして、自分自身の中にどれほどグローバルな知見が根付いていくかというと疑問もわきます。日本人にそれを求めているかもわかりません。

実際には、どんなにワールドワイドなスケールを持つファームでも、各拠点のコンサルタント同士が確実に連携できているかというと、30年近く以上に渡る業界経験上、「それもまた疑問符がつく」らしい。日系ファームの一員として、クロスボーダー案件に参加したり、海外拠点に在籍したりすることで、現地の企業や人々と直接つながっていくJMACのコンサルタントは、確かな国際的な知見を仕事に活かしながら成長していける可能性が高いというのだ。

富永もちろん、国内で完結する案件とは違い、グローバルなプロジェクトでは想定外のトラブルも多発します。アジアはいずれも急成長中の国ですから、日本とは比べものにならないほどのスピードで、市場も人々の生活や考え方も変化していきます。決して楽な仕事ではありませんが、先ほども言いましたように、JMACメンバーの多くは、腰を据え、コンサルタントとしての成長を志しています。自身の成長のための糧だと捉えれば、チャンスに恵まれていると言えるんです。

例えば、日本発の海外プロジェクト様々な体験をしながら成長し、海外で案件を成功させるための知見を得たならば、今度はそれをASEAN諸国に駐在しそれをで活かしていく、ということもJMACなら可能だ。ITや金融のフィールドでは、アジア諸国においてもやはり欧米企業が幅を利かせていると富永氏は言うが、先述の通り、JMACが得意とするものづくり分野においては、日本へのリスペクトと信頼は依然大きい。「ニッポンのコンサルティングファームのメンバーだけが手に入れることのできるチャンス」が、アジアを中心とした世界には豊富にあるというわけだ。

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「日本を盛り上げる」という志を1つにした「個性派集団」こそがJMAC

最後に、「では、どんな人がJMACで活躍をしているのか」と尋ねてみた。すると、ここでも同社のユニークさを物語る答えが返ってくる。

富永JMACは枠にはまったプログラムやシステムに拘束されてもいませんし、それぞれのコンサルタントが自立しながらクライアントとの信頼関係を長期に渡って築いていますので、おそらくグローバルファームの方々より、ずっと個性的な人間が集まっていると思います。コンサルタントの昇格には、経験とそれから生みだされるコンサルティング技術が判断基準となりますが、画一的な判断というより、その人ならではの個性や独自性が強く求められます。

ですから、クライアントに伍するものづくり専門性を極めている職人肌のコンサルタントもいれば、大型プロジェクトを束ねることに長けているプロマネタイプもいますし、かゆいところに手の届くユーティリティプレイヤータイプも、経営者に直言し改革を引っ張るようなカリスマ気質のコンサルタントもいます。

しかし、個性派集団とはいえ、共通点も数多く持ち合わせているのがJMACの「らしさ」でもある。

富永日本能率協会というバックボーンもあって、『日本を盛り上げよう』『日本のものづくりを世界へ』という気風は非常に強いですね。実際のところ日本は問題だらけの国ですが、日本を何とか良くしたいという気持ちが根底にあります。

日頃のコンサルティングのスタイルが現場重視であることも手伝って、例えば東北の震災復興や、農業ビジネスにものづくりのノウハウを導入しようというような社会的取り組みにも積極的です。しかも、実効性重視でじっくりと取り組む姿勢を共有していますから、シンクタンク的にキレイなプランを報告して終わり、というようなやり方でなく現場に入り込んだ実行支援をおこなっています。

また、UP or OUTのように、短期目線でキャリアや昇格昇進を捉えることなく、自らを長期的に鍛え上げ、お客様の成長と変革を支援するコンサルタントとしての成長を促すカルチャーがそれを支えています。そんなカルチャーを持つ組織のメンバーと共に、日本を盛り上げていきたい。そんな志を持つメンバーが、JMACには揃っています。

[文]森川 直樹
[撮影]藤田 慎一郎

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