なぜいま、テスラの時価総額は100兆円を超えるのか?──大学生でも知っておきたい、世界の一流投資家のトレンドを初心者向けに解説

「将来は世界を股にかける経営者になりたい」「自らの手でユニコーン企業を生み出したい」「起業や経営には特別興味はないが、同世代の中では圧倒的に優秀でありたい」

そんな野望をもった大学生であれば、今きっと、スタートアップでインターンしたり、外資系投資銀行や戦略ファームのインターンに参加したりすることに躍起になっているのではないだろうか?

そんな君たちにFastGrowが教えたいこと──それは、「それだけでは世界の同世代リーダーから遅れを取るぞ!」ということである。

君たちに問う。何のために偉大な経営者になりたいのか?君が生み出すユニコーン企業は、社会の何を解決するのか?

それも語れないのに、世界を変える経営者になろうなど、少し気構えが甘いと言わざるを得ない。

「次代のユニコーンを目指すなら時価総額第一主義は、捨てろ」

そこまでは言わないが、そのような風潮に社会、いや世界全体が既に動き始めていることはご存知だろうか?

500 StartupsのCEO、クリスティン・ツァイの言葉を借りると、「ESGポリシーを持つスタートアップは、人材や消費者を惹きつけ、規制コンプライアンスを強化し、市場へのアクセスを拡大する機会を得る」のだ。

ここで、ESG?なんのこと?と思った読者は「世界」のスタートアップ潮流から十歩も百歩も出遅れていることを認めるべきだ。SDGsは流石に聞いたことがあると思うが、その定義は?ESGとの違いは?──このように、沈黙である。

結論から言おう、「もっと世界の情報をキャッチアップせよ!」。

世界のベンチャー/スタートアップについて語れば、GAFAMは前提として、せいぜいイーロン・マスクの名が挙がるくらいでは「ダメ」なのだ。ここで「ダメ」と言ったのは、それ以外の企業や経営者を知らないことではない。ここに記したような企業や経営者が今、「何を」重視した企業経営・事業運営をしているのかまで意識を巡らせていないことを指摘した。

口では「3年後に起業するからまずは戦コンへ行く」「A社がX億円調達?意外と評価小さかったね」「メタバースなんて来ないでしょ」などと“通”ぶっておきながら、こうした必修科目にアンテナを張っていないキミに明日の若きリーダーや経営者の座は任せられない。

とはいえ、FastGrowも鬼ではない。ここでしれっと遅れを取り戻すべく、この機会に学んでいこう。世界だけでなく国内においても、VCや投資家、資本家からの企業価値評価を高めるため、世界の一流企業や急成長スタートアップがこぞって取り入れる数々の”指針”が、そこにはある。

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世界の一流投資家や起業家も意識する新たな潮流とは

唐突だが、まずは下記の表を見てほしい。

トップ層の学生なら馴染み深い戦略コンサルティング会社、マッキンゼー&カンパニーによる調査資料だ。詳細は省くが、冒頭に挙げた『ESG』経営を取り入れている企業とそうでない企業では、事業成長に大きな差が生まれてくるといったメッセージを打ち出している。

McKinsey&Company「ESG経営から育む価値創造の5つの方向性」より抜粋

続いてその具体例として今回ピックアップするのが、これまた読者もご存じの世界的起業家イーロン・マスク率いる『テスラ』だ。2020年、同社が時価総額でトヨタ自動車を上回ったことは記憶に新しい。しかしその要因として、テスラ自身の事業成長だけではなく、このESG投資、SDGs投資による恩恵を授かっていたことは意外と知られていない。

といったところで、そろそろ読者も痺れを切らしてきた頃だろう。「SDGsだのESGだのゴチャゴチャと。。勿体ぶらずにさっさと説明してくれ」と。

ではその要望に応えて簡単に用語の意味を押さえていこう。

SDGsとは、「Sustainable Development Goals」の略称。和訳では「持続可能な開発目標」と表される。2015年9月の国連サミットで採択されたSDGsは、2016年から2030年までの15年で達成すべき17のゴールと169のターゲットで構成されている世界基準の目標だ。

大きく分類すると『経済』『環境』『社会』の課題に分けられ、具体的には貧困や飢餓から環境問題、経済成長やジェンダーといった幅広い課題を解決していこうといった取り組みを指す。要は、世界全体での『目標』と捉えておけば良いだろう。

次にESGとは、「Environment=環境」「Society=社会」「Governance=ガバナンス」の頭文字からなる概念だ。これらは『企業』にとって持続可能な世界の実現のために重要な観点とされており、『ESG投資』といったワードで主に企業への投資活動の文脈で使用される。こちらは主に企業経営上の『手段』とみておけばここではスムーズだ。

ここまでの話をまとめると、こうしたSDGsの意図を汲む企業経営を行い、ESGに沿った事業活動を行うと、市場からは未来社会の創造を担う一翼と見なされるということだ。それはつまり、企業の信頼獲得、ひいては世界一流の投資家たちから資金を調達するための大きな手助けとなる。そしてこの流れを適切に事業に取り入れ、市場からの評価を得た好例が『テスラ』ということだ。

一方で、反対の事例も存在する。かのFacebook(現在は『Meta』に社名変更)は過去にユーザーの同意なしに個人情報を使用し、事業上のリスク対処に追われたことがある。これにより、ESG投資を行う投資家からも、同社を投資対象に組み入れることへの懸念が示されたのだ。

また、読者もその利便性を享受しているであろうUber。こちらも運転スタッフを非正規かつ低賃金で働かせる仕組みに対し、労働搾取との声も上がっている。

このように、どれだけ革新的かつ収益性の高い事業モデルを創り出し、1兆円以上の時価総額に到達したとしても、SDGsやESGにそぐわない姿勢を取る企業は投資家に見放され、いずれ成長が鈍化していく可能性が高い世の中なのだ。

ひるがえって、世界の一流投資家は今こうした『公益』の観点での事業投資に前向きな姿勢を示している。つまり、今後はこの『公益』性を担保しつつ革新的なプロダクトを生み出せる起業家、事業家が次世代のリーダーとなっていくことは疑いの余地がないということだ。

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ラクスルやメルカリ、いわゆる「イケてるベンチャー」も
SDGs、ESGに同意

さて、世界の常識とその実例を掴んだ読者はこう思うだろう。

「それって世界での話だろう?日本では大して取り沙汰されていない。つまり、俺たちには関係ない」と。

いやいや、そう事を急かしてはいけない。もちろん日本でもその流れはとうに来ており、君たちが知らぬ間に普及・浸透しているのだ。

論より証拠。もはや説明不要、FastGrowでも常連のラクスル・メルカリを例に取ろう。両社もこれらSDGs、ESGの概念を自社の経営に取り入れ、社会との関わり方を表明している。

ラクスル株式会社:サステナビリティ・ESG経営

“仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる”──。

私たちはこのビジョンに「社会をより良くしたい」という願いを込めて、企業活動を行ってきました。日本社会、そして地球全体一構成員として、サスティナブルな社会を実現するため、ラクスルはESGの取り組みを推進していきます。

株式会社メルカリ:メルカリがESGを始動。グローバルの尺度で企業価値を伝える意義

取締役社長兼COO ESGのプロジェクトオーナーである小泉文明氏 “ESGは経営そのもの。事業を通じて、社会に価値を提供する意義”

メルカリは創業して6年が経ち、メンバーはグループ連結で1,800人を超えました。今や、約40の国や地域から仲間が集まっています。今後、よりグローバルなサービスへと成長するためにも、改めてメルカリの社会に対するスタンスやメッセージを明確に伝えたいと思ったんです。ESGは、それにもっとも相応しい機会でした。

このように読者に馴染み深い「イケてるベンチャー」も、コーポレートサイトで積極的に広報しているのだ。世界の機関投資家を巻き込み、社会貢献と共に企業価値を上げていく経営は、もはや国内ベンチャー/スタートアップにおいてもスタンダードだということが分かる。

「その点は認めるが、上場企業だからでは?結局株主へのパフォーマンスだろう」──。

なかなか君も食い下がってくるものだ(笑)。こうした営みは何も上場企業に限った話でない。ここに事例付きで示しておこう。スタートアップ投資においてもSDGs、ESG目線での投資選定があることを示すいいモデルケースだ。

ウェルビーイングな活動の習慣化を支援する「Nesto」が、シードラウンドとして総額1億円の資金調達を実施

君たちはこれらのファクトを押さえずに就活するのだろうか。これらの潮流を無視して働こうとしているのだろうか。MBAスクールとして著名なGLOBISも「2030年以降の経営を担う若手人材にはSDGsに関する積極的な進言を期待」と謳っており、正にこれからのビジネスリーダーのあるべき姿を示しているといえよう。

そして、ここまで知ってしまった君は今後ふたつの選択を余儀なくされる。

1つは、知った上で既読スルーを決め込む本当の未熟者になるか。

2つめは、素直に受け入れ、学び、明日のリーダーを目指すか。

答えはコンマ数秒で出るはずだ。

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120分で掴む、「これから伸びる会社と未来予測」

ここまで読み進めていただいた感想は、いかがだろう?

身近なSNSやカジュアルなビジネスメディアだけでは掴みきれない情報だったのではないだろうか。それもそのはず、コアで重要な情報ほどそうそう表には出ないもの。

結局、日本のなかだけで「優秀」という箔を得てもそれは世界から見れば『井の中の蛙』に過ぎない。本記事を通じて、個としての成長や、今後狙っていく or 働く先の企業や業界だけを見て「成長できるか?」「経済的なリターンを最大化できそうか?」と自身のメリットばかり見ていてはつまらない。

ここで、「御託はいいから早く案を示せ」とイラついたせっかちな君は、筋がいい。

最後にFastGrowとして「”世界の潮流”と”明日からすべきこと”を効率的にインプットできる場」を案内しよう。

その名も「HOPEs」。先に挙げた『SDGs』『ESG』『Well-being』といった概念の提唱や具現化を推進している、国内リーダーたちによる『学生向けの』イベント。たった2時間で上記を網羅的に掴むことができる場だ。

次の章では当日の登壇者と、どんな話がきけるのかを具体的に紹介していく。

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「ビル・ゲイツが最も恐れた日本人」も登壇。
VC、起業家、研究者からキャリアコンサルタントまで

おっと、「誰?1人も知らないんだけど…」と咬みつくことは分かっている。もう分かっているんだ。君たちにとっての『著名なリーダー』とは、『ベンチャー/スタートアップで結果を出している経営者』だけなのだろう?

安心してほしい。そうした懸念も想定した紹介の仕方をさせてもらう。

今回のイベントは3つのPARTにわかれたプログラムだが、PART1には「ビル・ゲイツが最も恐れた日本人」と称されるベンチャーキャピタリスト・原 丈人氏と、FastGrowでもお馴染みの株式会社LIFULL 代表取締役の井上 高志氏による、『未来の社会をより良くする“公益資本主義”とは』をテーマに登壇いただく。SDGsやESGにまつわる世界の潮流と、「それらを日本版に解釈するとこうなる!」といった話が聞けるだろう。

PART2では、NewsPicksForbesでも注目を集める予防医学研究者・石川 善樹氏による『ポストSDGsとしての「Well-being」』セッション。東京大学医学部卒業後、ニートを経て、ハーバード大学公衆衛生大学院修了という異色のキャリアを持つ。イベントでは、『Well-being』の対義語に位置する『Well-doing』=『何をすべきか』の目的思考から脱し、『Well-being』=『こうありたい』とありのままを認めていく生き方、働き方を教えてくれる。すでに国家ビジョンや各企業の経営方針の中枢に据えられ始めているこの概念を、ライバルに先んじてインストールしておこう。

そしてPART3では、元リクルートキャリア・現在CxOのキャリア支援では日本屈指のコンサルタント・森本 千賀子氏による『トップキャリアコンサルタントに聞くイノベーター人材の共通点』をお届けする。同氏はNHK番組「プロフェッショナル~仕事の流儀~」にも出演経験があり、「日本中の経営人材と知り合いなのでは…」と思うほどの信頼と実績を持つ。CxOクラスの転職・採用支援において森本氏の右に出るものはいない、そんな人物から、学生だけに向けたキャリアメッセージを聞ける機会はまたとないだろう。

これだけの布陣による学びをたった2時間、自宅で得られるのだ。悪いことは言わない。将来起業家や経営者、リーダーを目指す学生であれば、騙されたと思って参加してみてはどうだろうか?

もはや画面も音声もミュートでいい。つまならければ即座に退出ボタンを押せばいいのだ。おそらく、現実は真逆で、瞬く間に時間は過ぎると思うが──。

こちらの記事は2021年11月26日に公開しており、
記載されている情報が異なる場合がございます。

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