連載株式会社フライウィール
「プロダクト」×「プロフェッショナルサービス」の両輪なくして勝機なし──Google・Facebook元幹部が説く、エンプラ市場で証明されたデータ活用の新方程式
Sponsored「AIを導入したのに成果が出ない」。
そんな声が、企業の現場から多く聞こえるようになった。
AIが台頭し、あらゆる業界で「AI活用」が叫ばれているが、その導入が本当に事業成果に結びついている例は決して多くない。
フライウィールとの共創で綴った本連載1記事目『「データはあるのに使えない」日本企業の盲点──97%の企業が取り残されるAI革命の真実』で明らかにしたとおり、その根本原因は“AIの性能”ではなく、それを活かすための「使えるデータ」が整っていないことにある。
そして今、その“整っていない”状態が、企業の明暗を大きく分ける時代が到来している。AIの進化は、あらゆる業務領域に変化をもたらしつつあり、とりわけエンタープライズ市場では、事業の在り方そのものが問われ始めている。
そんな状況下において、スタートアップが担うべき役割は何だろうか。
自らが“金を掘る”のではなく、ゴールドラッシュ期に“金を掘る人を支えるジーンズ”を届けたリーバイスのように、フライウィールはAI活用の壁に挑む企業の伴走者となる道を選んだ。
本記事では、Google、Facebookでの原体験からこの構想に至った代表・横山 直人氏の言葉を通じて、変革の真っ只中で立ち上がるスタートアップの思想と実行に迫る。
- TEXT BY HARUKA YAMANE
- PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
- EDIT BY TAKUYA OHAMA
“スマホシフト”以来の変化が、いまエンタープライズに起きている
横山AIの進化によって、かつてモバイルの常識が“ガラケーからスマートフォンへ”移行したような大変革が再び起ころうとしています。
読者もご存知の通り、かつてスマートフォンがもたらしたのは、個人の生活スタイルそのものの激変だった。検索、購買、移動、連絡。あらゆる接点がスマホに置き換わる中で、BtoC産業の勢力図は大きく塗り替えられてきた。
そう。横山氏は、いま同じことがBtoB、特にエンタープライズの業務領域で起きようとしていると説く。

横山既に今、AIをうまく使ってサービスを進化させた企業が、その変化の波についていけなかった既存サービスの優位性が急速に揺らぎつつある状況が起きています。しかもそれが、向こう数年単位ではなく、目先1年以内に加速していく可能性もある。
こうした変化の波に、いま日本企業はどう向き合っているのだろうか。
横山日本企業は真面目に取り組んでいるし、技術も人材もある。けれど、AIを活かすために必要な“使えるデータ”が、社内で整理・整備されていない。だからこそ、同じAIツールや業務アプリを導入しても、成果が出る企業と出ない企業に分かれてしまうんです。
例えば、エンタープライズのデータは、部門ごとに分断され、業務や目的に応じて複雑化している。営業はSFA(営業支援システム)、マーケティングはCDP(顧客データプラットフォーム)、製造はIoTや在庫管理と、それぞれ異なるシステムに情報が閉じ込められている。
さらに、管理者や設計思想もバラバラなまま放置されがちだ。その結果、「何がどこにあるのか」が可視化されず、現場では“存在こそしているが、使えない”データが増え続ける。
横山たとえば営業担当が、顧客に何をどう提案したのか、過去にどんなやり取りがあったのか──そうした情報が、部門やツールをまたいで管理されていると、必要なときに取り出せなくなってしまいます。
結果として、現場での判断や次の打ち手に影響が出てしまう。「情報はあるのに使えない」という構造が、日々の業務に悪影響を及ぼすようになっていくんです。
こうした「データを活かしきれない状況」が、現場の判断やAIの学習精度に影響を与えてしまう。先の1記事目では、この“使えないデータ”の構造的原因について、業務やデータベースの分断という観点から分析した。

取材内容等を基にFastGrowにて作成
では、なぜ横山氏は、この“使えなさ”にいち早く違和感を持ち、そこにこそ本質的な課題があると確信したのだろうか──。
米国大手テック企業で感じた日本企業への危機感。
「日本が取り残される……」
フライウィールを創業する前、横山氏はGoogle(Androidビジネス開発責任者)とFacebook(執行役員)で、「AIとデータが企業の成長をどう変えるのか」を間近で見てきた。特にデータドリブンな戦略意思決定の速さと正確さは、驚異的だったという。
横山Facebookでは、AIとデータを活用してプロダクトをどんどん進化させ、急激に成長していく様を目の当たりにしてきました。
その一方で、同じように力を持ちながらも前に進めない企業も見てきた。
横山あるとき、自社プロダクトの開発において、ある国内製造メーカーがその候補になっていました。上場しているような大企業ではなく、規模は小さいけれど、すごく良い技術を持っていたんです。
その企業の経営者と話すと、「データはあるんだけど、AIを使ったり、うまく活用するための技術や人材がいない」と。結果として、海外、特に中国やアメリカの企業との競争激化の中で、市場でのプレゼンス維持に苦心されている状況を目の当たりにしました。そういう企業に対して、当時の自分はなにもできなかった。それが本当に悔しかったんです……。

世界に通用する技術があっても、それを活かすための体制や仕組みがなければ、ビジネスでは勝ちきれない。現場のデータが整理されておらず、活用できる人材もいない──その結果、せっかくの機会も手放してしまう。
この現実に直面した横山氏は、「多くの日本企業では、能力はあるものの、“活かすための仕組み”にまだ課題が残されている」と考えるようになった。単なる組織や人の問題ではなく、データの整備、現場との接続、外部との連携まで含めた“仕組みそのもの”の差。そこにこそ、本質的な壁があると感じたのだ。
横山例えばですが、高級な食材がそろっていても、それを扱えるシェフやレシピがなければ、舌を唸らせる料理はできません。日本企業はいい素材を持っている。でも、情報として整備されていなければ、AIにも活かせないし、パートナー企業も助けようがないんです。
横山氏が痛感した「構造の違い」は、前々職のGoogle時代の体験ともつながっていた。Googleでは、SaaSビジネスやAndroidビジネスの立ち上げにも携わった。インフラとサービス、データが三位一体で連動する仕組みによって、社内では改善も分析も高速で回り、手応えのある事業成長が実現していた。
一方で、その支援先となる日本企業の現場に対しては、ここでも“手が届いていない”感覚があった。
横山プラットフォーム側からは、機能(APIなど)を提供することはできても、“その先”にどんな成果が生まれたのか、実感を得るのは難しかったです。日本企業のために動いているつもりでも、現場には届いていない。
そしてやはり、提供側と受け手側の連携における難しさがあり、日本企業においては、データを効果的に活用するための社内体制やスキルセットの構築が途上である場合も多く、『使える状態』にするためのハードルを感じることがありました。
支援したくても、受け手の中に“データを活かす仕組み”がない。自分たちも価値を届けきれない。どちらにも課題があるけれど、結局は、“つながらない構造”になっていたんです。
「このままだと日本は置いていかれる」──そんな危機感が、横山氏を突き動かすことになる。
「誰かがやらねば」、その想いが起業の原動力に。
米国Microsoftで検索技術を追求した盟友との邂逅
AI活用が進まず、データも整わない。外資で見てきた構造的なもどかしさを前に、横山氏は「では、誰がこの課題に向き合うのか?」という問いを抱くようになっていた。
しかし、当初は自身で起業を考えていたわけではなかった。
横山これまで長く外資系企業で働いてきましたが、正直、経済的な面やキャリアにおいては安定していた状況でした。ですが、このままキャリアが進み、外資の経営陣として過ごしていくだけでいいのかな……と悩むようになっていたんです。
また、当時GoogleやFacebookで働くなかで、メルカリやスマートニュースのようなスタートアップ経営者たちもパートナーでしたので、近くで見ていた分「起業って面白そうだな」と感じていたのも事実です。
そして何より、30年後の日本がより良い社会であるために、今の自分に何ができるのか──そんな思いが徐々に強くなっていきました。
そんな中で出会ったのが、Googleで検索・AI領域を担っていた波村 大悟氏(現・フライウィールCTO)だった。
横山波村とは、彼がGoogle時代に活躍していた頃に初めて出会いました。彼も当時から「日本のデータ活用には根本的な課題がある」と話していて、技術と思想の両面で僕と強く共鳴するものがありました。
その後も数年にわたって情報交換を続けるなかで、徐々に「これは自分たちでやるしかないんじゃないか」という機運が高まっていきました。

ここで読者の中には、「それなら敢えて起業してリスクは取らず、前職にいながらトライするという道もあったのでは?」と思うかもしれないが、その点について横山氏はこう考える。
横山もちろん、最初はFacebookの中で何かできないかと考えていました。でも、当時は、APIや機能を広く公開する“オープンソースモデル”も考えていましたが、実際にはそれを使える企業が少なく、展開は難しかったです。現代であれば、OpenAIのChatGPTのようにAPI提供という形もあり得たかもしれませんが、当時はそういう土壌ではなかった。
そして先ほど述べたように、多くのプラットフォーマーが提供する汎用的なプロダクトやサービスは非常に強力ですが、それを個々の企業の複雑な業務に深く組み込み、具体的な成果に結びつけるまでには、導入企業側にも多大な努力や専門的な知見が求められるのが実情です。特にデータ活用にこれから本格的に取り組む企業にとっては、その最後の部分を自社だけで担うのは難しく、十分なサポートがなければなかなか前に進めないという課題意識がありました。
結果、大志を抱いて起業というより、「みんなが困っているなら、自分たちでやろうか」という流れでフライウィールを始めるに至りました。これは波村との出会いがあったからこそ、一歩踏み出せたのだと思います。
2018年のフライウィール創業後、横山氏の精力的な採用活動はもちろんのこと、波村氏の存在があったことで、彼の過去のチームメンバーや、GoogleやLINE、ヤフーなど、各社で活躍していたプロダクト・エンジニアリング人材が、フライウィールに新たな活躍の場を見出し、参画している。
波村氏はMicrosoftの米国本社を経て、Microsoft Development Ltd.にて検索および人工知能事業の執行役員を歴任。 さらにGoogle Japanでは、Google Playの検索・クーポンシステムや決済領域の開発マネジメントも手がけてきた逸材だ。
その存在は解剖記事でも触れたが、ぜひ、連載3記事目の登場を楽しみにしておいてほしい。
“プロダクトを売る”ではなく“解決策を共に創る”。
両輪モデルの戦略と思想
フライウィール創業後の最初の壁は、「Googleでできたことが、日本の現場でも通用するのか?」という問いだった。
横山Googleのように数億〜数十億人のユーザーデータがあるわけではない。むしろ情報が少ない中でも価値を出せるかを試す必要がありました。ただ漠然と始めるのではなく、「少ないデータでも成果が出せるのか」という明確な検証課題を設定して進めていきました。
幸いだったのは、波村が一緒に事業に挑んでくれたこと、そして僕らが提唱していた「使えるデータが整っていないとAIは機能しない」という課題感に、多くの企業が共感してくれたことです。創業当初から、応援してくださる企業の皆様が「まずは一緒にやってみよう」と声をかけてくださったのは、本当にありがたかったですね。

取材内容等を基にFastGrowにて作成
とはいえ、創業当時は、お客様のIT環境やデータ活用のフェーズも様々で、それぞれのお客様に寄り添ったサポートが必要でした。整備されていない業務プロセス、明文化されていない判断基準、属人化したワークフロー。こうした状況下で、小さなPoC(仮説検証)を積み重ねることで、「この機能がどう使われるか」「業務の中で何が詰まってしまうのか」が少しずつ見えてきた。
そんな地道なヒアリングと検証を繰り返すうちに、フライウィールは「プロダクト×プロフェッショナルサービス」という両輪モデルにたどり着く。
横山お客様の業務課題やデータ課題を本質的に解決するには、プロダクトの力を最大限に活かしつつ、現場の状況に即したプロフェッショナルサービスを組み合わせることが不可欠だと考えています。
エンタープライズ企業では部門や要件が一社ごとに大きく異なるため、単に「このツールを導入してください」とお渡しするだけでは成果につながりません。プロダクトと伴走支援を一体で提供することで、初めて現場に根付くソリューションになります。
プロダクト単体では支援の手が届かない領域に、プロフェッショナルサービスの支援が現場に寄り添う形で加わる。そこで得た実装の知見や要件の共通性を汎用化して、再びプロダクトに還元する。このサイクルを回すことで、現場での実用性と拡張性の両立を図っているのだ。

取材内容等を基にFastGrowにて作成
このハイブリッドモデルは、従来のSIer型やSaaS型とは異なる“第三の選択肢”である。SIer的に業務システムを一から作り直すこともなければ、SaaS企業のように既製プロダクトの導入を求めるわけでもない。
既存のデータベースやシステムの構造を壊さず、必要な情報を“引き出しやすい状態”につなぎ直す。だからこそ、コストや開発時間を抑えながら、業務の現場で成果を出すことができる。
導入企業にとっても「無理をしない」けれど「効果は出る」──その絶妙なバランスが、現場で支持されている理由だ。
横山たとえば、小売の現場では、卸側の在庫が枯渇してしまうことを不安に感じて、実際には在庫が足りているにも関わらず、余計に発注してしまうことがあります。あるいは、発注担当が変わっただけで、引き継ぎがうまくいかずに適正在庫が保てなくなってしまうこともあります。
こうした“業務のリアル”は、想像以上に複雑で、人に依存しているんです。
だからこそ、我々のソリューションがどれだけ顧客の細かい現場判断にフィットできるか、“業務の解像度”に合わせて動けるかが、真価を問われる部分なんです。
この両輪モデルで、フライウィールはCCCの書籍自動発注システムやアスクルの「LOHACO」のレコメンドエンジン最適化など、多くの実績を積み上げてきた。

提供:株式会社フライウィール
汎用化と個別最適、その間にある絶妙なライン。現場に深く入り込んで課題を理解しながら、それを仕組みに還元していく──その「課題解決への強い意識」と「構造化志向」のバランスこそが、フライウィールらしさとも言えるのではないだろうか。
“優秀だから集まった”のではない。
共感と誠実さでつながるチーム・フライウィール
汎用化と個別最適、その間にある絶妙なラインを両輪で支えるフライウィール。この独自のアプローチを実現するには、特別なチームが必要だった。単なるテクニカルスキルだけでなく、現場に入り込み、顧客と二人三脚で歩める人材が求められたのだ。
前回の解剖記事でも記したように、ファクトとして同社には多様なバックグラウンドの中には、GAFAM出身者も多数集まっている。だが、横山氏によれば、実際にチームの中核を成しているのは、経歴よりも価値観でつながった面々だという。
横山GoogleやMicrosoft、LINEヤフーなど国内外のビッグテック出身の仲間もいますが、共通しているのは“スキルが高いから”だけではなく、フライウィールの“考え方に共感したから”ということです。
いま社員数は100名を超え、コンサルティング出身やSIer出身、大手金融出身など本当に幅広いバックグラウンドの人材が集まっています。
「プロダクト×プロフェッショナルサービス」の両輪モデルを成功させるには、多様な視点と専門性が必要だ。技術チームだけでなく、顧客企業の業務を深く理解し、要件を翻訳できるビジネスサイドの人材も不可欠である。

提供:株式会社フライウィール
横山「データを人々のエネルギーに変える」というミッションに惹かれて、今のチームは集まっています。ありがたいことに、「フライウィールは誠実な人が多いですね」と言われることが多い。先日の飲み会でも偶然「誠実さ」という話題が出ましたが、本当にそういう人が多い。事業や顧客に真剣で、他責にせず向き合えるメンバーが自然と集まっていくんです。

フライウィールの両輪モデルでは、顧客ごとの複雑な業務課題に対応しながらも、そこに共通する構造を抽出し、再現性ある解決策に昇華していくことが求められる。そこには、技術的な専門性だけでなく、「誠実さ」や「素直さ」といった人間性が重要となるのだろう。
このフライウィールのカルチャーは、2025年2月に刷新*された6つのバリューにも反映されている。中でも「Disagree and Commit(異議を唱えても、決まったらやりきる)」は、フラットな議論と責任ある行動を両立させる組織カルチャーの象徴だ。
*生成AIやAIエージェントの急速な進化に伴う顧客ニーズの多様化や、IPOを見据えた組織の進化フェーズに対応するために行われた

提供:株式会社フライウィール
横山バリューは、時代やフェーズに応じてアップデートしていくべきだと思っています。技術も事業も、外の変化にさらされ続ける。その中で、組織として迷わないための羅針盤が必要です。
異なる立場や意見を尊重しながら建設的な議論を重ね、最終決定が下された際には全員が一丸となって行動する──このカルチャーが、複雑な課題に挑む私たちの強さの源泉となっています。
実際に、フライウィールでは新卒入社で事業開発を担うメンバーや、30代前半で営業の責任者を務めるメンバーもいる。年齢や肩書きにとらわれず、顧客との共創に本気で向き合う人材が、裁量を持って活躍している。
組織の強さは、スキルセットだけでは測れない。誠実さや共感といった目に見えにくい要素こそが、フライウィールの難しい両輪モデルを支え、事業成長の礎となっているのだ。
30年後の子どもたちのために──リアル産業に広がるデータ活用の未来図
誠実さや共感──。
この人間力を基盤として、横山氏は次なるステージを見据えている。
フライウィールが目指すのは、「AIを活かす仕組み」の社会実装にとどまらない。その視線の先には、日本のリアル産業全体のアップデートがある。
横山これまでWebやアプリの世界で進んできたデータ活用を、製造や物流、店舗のようなリアルな現場にまで広げていきたいと思っています。日本が強みを持つ製造業や物流などの領域こそ、データとAIの力で進化させるべきだと考えているためです。
「プロダクト×プロフェッショナルサービス」の両輪モデルで培った現場理解と技術力を武器に、フライウィールは実際にサプライチェーンマネジメント(SCM)領域への展開も視野に入れている。たとえば、在庫や流通の情報を横断的に整理・可視化することで、物流現場の最適化や業務改善につなげる取り組みも始まっている。
横山人口が減り、労働力も限られる中で、日本が持っている資源をどう最大限に活かすか。それには、データを起点とした現場の最適化が不可欠だと思っています。私たちが築いてきたチームの強みと、「プロダクト×プロフェッショナルサービス」の両輪モデルによるアプローチは、まさにこのリアル産業の変革に適していると確信しています。
この視点の背景にあるのが、「次の世代に何を残すか」という問いだ。
横山氏にとって事業とは、単なる成功や利益の話ではなく、日本社会の未来そのものに関わる挑戦だからだ。

横山30年後の子どもたちが社会に出たとき、「あのとき何も変わらなかったよね」と言われるのは、すごく悔しいじゃないですか。30年後の日本でも、ワクワクしてチャレンジできる社会であってほしい。その思いが、私たちのすべての原点になっています。
日本企業を“守る”のではなく、“構造から進化させていく”。その覚悟が、フライウィールという事業と組織ににじみ出ている。技術者としての正確さと、起業家としての情熱が、ここで見事に交わっている。
横山ビジネスのデータを誰よりも理解して、そこから示唆を生み出せる企業になれたら、それってめちゃくちゃかっこいいと思うんです。Googleが検索を通じて「ユーザーの次の一手」を先読みしたように、私たちも「業務データを通じて、企業の意思決定を先回りする存在」になりたいですね。
フライウィールはその理想を実現するために、「プロダクト×プロフェッショナルサービス」の両輪モデルと、その中核を担う人間力を武器に、日本のリアル産業の変革に挑んでいく──。この挑戦は、まだ始まったばかりだ。
構想ではなく、現場と社会に届く仕組みへ。次回は、そうした思想を実装するもう一人の創業者、CTO波村 大悟氏の視点から、“仕組みを動かす技術”に迫っていく。
こちらの記事は2025年05月16日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
執筆
山根 榛夏
写真
藤田 慎一郎
編集
大浜 拓也
株式会社スモールクリエイター代表。2010年立教大学在学中にWeb制作、メディア事業にて起業し、キャリア・エンタメ系クライアントを中心に業務支援を行う。2017年からは併行して人材紹介会社の創業メンバーとしてIT企業の採用支援に従事。現在はIT・人材・エンタメをキーワードにクライアントWebメディアのプロデュースや制作運営を担っている。ロック好きでギター歴20年。
連載株式会社フライウィール
2記事 | 最終更新 2025.05.16おすすめの関連記事
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