連載睡眠と仕事力

ランチ後のコーヒーは最適?
4つの正しい仮眠テクニック

小林 孝徳

自身の睡眠障害の経験をきっかけに、この社会問題を解決すべく2013年にニューロスペースを設立。企業向け睡眠改善プログラムで健康経営や働き方改革を推進し、のべ1万人以上のビジネスパーソンの睡眠改善をサポートしている。人々が最高の笑顔で毎日の睡眠を楽しみ仕事とプライベートを120%充実できる社会の創出を目指す。

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「ビジネスマンは仮眠を取れ」とは良く言われるが、「正しい仮眠」の取り方を知っている社会人はどれだけいるだろうか。

4つのテクニックを知って、仮眠効率を劇的にアップさせましょう。

  • TEXT BY FastGrow Editorial
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4つの正しい仮眠テクニック

前回の記事では、睡眠の質を左右する3つの要素についてお伝えしました。連載第3回目となる今回は、正しい仮眠テクニックをご紹介します。

「取ったほうが良い」といわれて久しい仮眠も、とり方を間違えると逆効果になります。 正しい知識をもとに、午後の生産性をアップさせていきましょう。

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1. 仮眠を取るタイミング

仮眠に最適な時間は、起きてから6時間後。私たちの身体は起きてからおおよそ7~8時間後に眠気のピークが来ます。

お昼を食べた後によく眠くなる人がいますが、それは人間の身体の性質上、当たり前のことなのです。逆、にその時間の眠気を無視したり我慢したりして仕事をし続けると、午後の仕事の生産性が下がってしまうことにもつながります。これが、仮眠は戦略的に正しく取るべきだ、といわれる由縁です。

起きてから7時間後の眠気のピークを迎えた後、身体のリズムとしては、「起きていよう」という方向に向かっていきます。その時に仮眠をとってしまうと、身体のリズムとは逆の事をしてしまうことになり、ベストな眠りの質にはなりません。そのため、眠気のピークが来る少し前である寝起きから6時間後のタイミングで仮眠を取ることで、質の良い、ベストと呼べる仮眠を取ることができます。

また、前回もお伝えしたとおり、私たちの睡眠はバネの原理に似ており、寝ていない時間が多ければ多いほど、眠る力がたまります。これを睡眠圧といいます。

深い眠りを実現するためには、本睡眠の前に、この睡眠圧をしっかりと蓄積しておく必要があります。

例えば皆さんも、本睡眠の前の21時~22時などの時間に、帰りの電車の中でうたた寝をしてしまったり、帰宅後一旦ソファーなどで寝てしまったりすることは無いでしょうか?このような行為は、その後の本睡眠の深さを失なわせることになります。出来る限り本睡眠前は眠らず、睡眠圧をしっかりと貯めた後で、本睡眠を取ってあげることが必要になります。

まとめると、自分が起きた時間、仕事をする時間、眠くなる時間、本睡眠を取る時間をしっかり逆算して、「いつなら仮眠をとってよいか?」「いつ仮眠を取るべきなのか?」を考えて睡眠をコントロールしていくことが、とても重要なんです。

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2. 寝る長さ

次は、どれくらいの時間寝ればよいか、です。

仮眠時に寝る長さも、1時間寝てしまうとその後の仕事が捗りづらくなります。「眠気の解消」、「作業能率の向上」、「夜の本睡眠に影響しない」という3つのポイントで見た時に、仮眠のベストな長さは「15分~30分程度」になります。それ以上長く寝てしまうと、そのまま寝続けてしまう力が働き、人によっては、起きた時に頭痛や目眩(めまい)を感じることもあります。

逆に、例え寝る時間が5分しかなかった場合でも、目をつぶることを意識しましょう。視覚からの情報を遮断しただけで、も私たちの脳は休息することが出来るからです。

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3. 姿勢

仮眠に適切な姿勢には2つのポイントがあります。

1つは、ソファーなど寄りかかれる椅子に座ること。2つ目は、首をしっかりと固定することです。飛行機などで使う首枕は、2つ目のポイントに有効で、かつ首を寝違えたりしないため良い工夫です。

また、本睡眠のときのように、完全に横になってしまわないように注意しましょう。本睡眠時と同じ姿勢は、深く眠る姿勢だと身体が認識してしまうため、その後仕事をする際には適切ではありません。

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4. 寝る前のカフェイン

眠気を覚ますために、コーヒーやお茶など、カフェインが含まれている飲み物をとることは有効です。

一方、カフェインも摂取してから直ぐに効果があるわけではありません。もちろん個人差はありますが、平均的にはカフェインを摂取してからおよそ30分後に効果が出てきます。

そのため仮眠を取る前に敢えてコーヒーや紅茶を飲んでおくことで、起きた直後から目覚めが良く、ハイパフォーマンスが期待できるのです!

こちらの記事は2017年11月10日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

FastGrow編集部

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