水産業は「日本が勝てる産業」だ。
シリーズBの調達資金20億円超のスタートアップ「リージョナルフィッシュ」の挑戦

インタビュイー
梅川 忠典
  • リージョナルフィッシュ株式会社 代表取締役社長 

日本経済の発展への貢献を志し、デロイトトーマツコンサルティングにて経営コンサルに従事後、産業革新機構にてPE投資・経営支援に従事。京大院卒。

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今、フードテック業界が熱い。

2022年2月植物肉スタートアップのDAIZがシリーズCで総額30億円の資金調達を達成し、累計調達額が60億円を突破した。

名だたる大企業が次々と活発な投資を行っているフードテック業界。その背景にあるのが、2050年、人口増加に対して食肉の生産が追いつかなくなりタンパク質が不足する「タンパク質クライシス」と呼ばれるものだ。不足が予想される食肉の代替案として大豆ミートやコオロギパウダーなどが今さかんに研究されており、大企業もその流れを後押しする形になっている。

そして、その流れに一石を投じるのが、リージョナルフィッシュの代表・梅川忠典氏だ。彼の語るところによると、近未来に起こるのは「タンパク質クライシス」ではなく、「おいしいものクライシス」だ。

その考えに共感したさまざまな投資家・大企業・研究機関が、このリージョナルフィッシュとタッグを組むに至っている。昨年9月のシリーズBでの資金調達は、なんと20億円超。当時創業わずか3年、社員規模30名ほどの小さなスタートアップにもかかわらず、だ。

フードテック業界を震撼させた京都大学発のスタートアップ「リージョナルフィッシュ」のビジョンと将来性に迫った。

  • TEXT BY MARI FUJIMOTO
  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
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「タンパク質クライシス」の正体は「おいしいものクライシス」

起業や新規事業への取り組みは、無から有を生み出すようなアイデアである必要はない。そもそも、全くの新奇性のあるアイデアは存在しないと言っていいだろう。

必要なのは、アナロジーだ。言われれば納得するのに普通は気づかない、いわば「見過ごされていた領域」。梅川氏が事業の萌芽を見つけたのも、そんな領域だった。

梅川我々は農産物も畜産物もほぼすべて品種改良されたものを食べているのに、なぜか水産物だけ天然物がおいしいと言われているんです。不思議ですよね。

人類は栄養源を効率的に生産することに加え、「おいしいもの」を食べるためにも作物や家畜の品種改良、すなわち品種改良を続けてきた。その結果、獰猛で肉も固いオーロックス(牛の原種)は柔らかい霜降り肉の黒毛和牛になり、キジのようだったヤケイ(鶏の原種)は成長性が6.5倍となったブロイラーになり、イネ科の雑草のようなテオシント(トウモロコシの原種)は大粒で栄養価の高いスイートコーンになった。

あらゆる作物や家畜が品種改良されてきた中で、太古から人々に食べられてきたにも関わらず、ほぼ手付かずの領域がある━。そう、水産物だ。世の常識を疑い、アナロジーを駆使して事業のヒントを得た梅川氏の凄みがここにある。

梅川「タンパク質クライシス」が起きる要因は、人口増加と、所得向上に伴う「一人当たりタンパク質摂取量の増加」です。つまり、人は経済的に豊かになるとタンパク質を食べたくなるということを前提にしていますが、本当にそうでしょうか。人が食べたがるのは、「おいしいもの」で、それが肉や魚というタンパク質だったという話ではないかと思うのです。タンパク質クライシスの正体は、「おいしいものクライシス」ではないかと考えています。

「みなさんは給与が上がったら、タンパク質を食べたいと思いますか?」と梅川氏は言う。人が求めるものは、「おいしいもの」だ。そして魚は間違いなくおいしいもの、さらに品種改良により、さらにおいしく、生産性を高めることができる可能性を秘めており、より効率的にタンパク質を生産できる資源になり得る存在だという。

梅川魚の品種改良ができれば、日本の水産業は世界と戦える産業になります。タンパク質クライシスへの対策や、水産業衰退により過疎化が進む地域創生にも繋がります。あらゆる社会問題を解決できる有効な技術のひとつが、ゲノム編集による水産物の品種改良の高速化とスマート養殖技術だと考えています。

日本は「世界で一番魚が美味しい国」と言っていいだろう。寿司や刺身は日本が世界に誇る食文化であり、魚の流通体制や調理技術も成熟している。にもかかわらず、日本の水産業は衰退の一途をたどってきた。1984年の漁獲量は1282万トンだったものが、2020年には423万トンにまで大幅に減少している(出典:農林水産省「令和3年度 水産白書」)。

日本の魚に再びスポットを当てるにはどうすればいいか。その有効な解決策のひとつが水産物の品種改良なのだ。

一方「通常の品種改良では時間がかかりすぎる」と梅川氏は課題提起をする。「品種改良」とは、優良な特性を持つ個体を選別し、継代させることで、その形質が単なる個体差でなく子孫に確実に受け継がれるようにすること。そこまで進んで始めて「新品種」になるため、果樹や動物の品種改良には通常30年以上を要する。そんな中「ゲノム編集」の技術を用いれば、その期間がわずか2〜3年にまで短縮可能になるというのだから驚きだ。

梅川ゲノム編集などのバイオテクノロジーには、一般的に一定の抵抗感があり、大企業にとってハイリスクな分野、挑戦が難しい分野です。ベンチャーだからこそ挑戦できるのです。

ゲノム編集は新しい技術だ。米国食品医薬品庁(FDA)は2022年3月にようやく、ゲノム編集された肉用牛由来の製品の市販について、低リスク決定を下したことを公表した。水産物はもちろん作物や畜産の領域でも様々な企業が社会実装に向け動き始めている。

さらに遺伝子組換え技術と混同されやすいことから、品質や安全性に対して疑念を抱く消費者も存在する。

ゲノム編集は大企業にとって、手を出しにくい領域。だから、スタートアップが取り組むべき領域であると言える。そこに京大発のスタートアップとして挑戦するのが、梅川氏率いるリージョナルフィッシュなのだ。

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水産業は「日本が勝てる産業」だ

梅川氏が水産業を選んだ理由はシンプルだ。ズバリ、「日本が勝てる産業だから」だと言う。

かつて水産業は日本が世界1位の漁獲量を誇った。しかし、現在では中国・インドネシア・ノルウェー・インド・アメリカ・ロシア・ペルーなどに追い抜かされ、2021年には11位になっている。

一方で、日本の水産業はポテンシャルが未だに高い。日本は国土の四方を海に囲まれ、領海および排他的経済水域を合わせた面積は世界第6位。また、親潮と黒潮に育まれた豊かな漁場を持つ。また、元々漁獲量が多かった歴史があり、魚の生食文化もあったために、船上での処理や流通、調理技術が非常に発展しているのだ。

その上、世界的に見ても大学による水産研究も非常にレベルが高い。2002年、世界初となるクロマグロの完全養殖を成し遂げた近畿大学は、養殖魚の権威として世界的にも大きな注目を浴びている。

ただし、「日本の漁業をもう一度、かつて日本の水産業が最盛期を迎えた昭和後期と同じ方法で伸ばせるか」と問われると、梅川氏は「難しい」と断言する。

梅川かつての繊維産業もそうでしたが、技術で追いつかれた産業は土地代や人件費が安い国に負けてしまいます。水産業は新興国の方が競争優位性が高くなってしまっているのではないでしょうか。だからこそ、そこにゲノム編集やスマート養殖というテクノロジーを取り込むことで、日本がもう一度勝てる産業に変えていきたいんです。

魚をおいしく食べるための日本の技術はすごいですよ。血の抜き方や締め方、熟成、調理といった点は、世界的に見ても唯一無二です。なので、もっと川上の部分で効率的かつサステナブルに強い生産体制ができて、かつ品種も変えられれば、水産業は間違いなく日本が外貨を稼いで世界で戦えるような産業になると思っています。

そこで梅川氏は魚のゲノム編集の権威である京都大学と手を組み、「大学発のスタートアップ」リージョナルフィッシュを立ち上げた。さらに完全養殖技術の権威・近畿大学と手を組むことにより、すでに世界最高水準の技術で魚の品種改良ができるようになっている。

梅川リージョナルフィッシュは通常の養殖マダイと比較して可食部約1.2倍で餌量約2割減の「22世紀鯛」や、通常の養殖トラフグと比較して成長性約1.9倍で餌量約4割減の「22世紀ふぐ」を作り出すのに成功しています。その他20品種を同時に開発しており、生産性だけでなく美味しさUP、栄養成分UP、アレルゲンフリーなどの付加価値の高い魚の品種開発を行っています。

同社の取り組みは国内外で非常に高い評価を受けており、JST/NEDO「大学発ベンチャー表彰」大臣賞で最高位の「経済産業大臣賞」受賞(2021年)、「Forbes Asia『100 To Watch』」選出(2021年)、ほか地域経済への貢献やオープンイノベーションなどでも評価され、多数のコンテストで輝かしい成績をおさめている。

さらに資金調達面でも事業の新規性が評価され、昨年は世界的な不況によりスタートアップの資金調達が難しい局面であったにもかかわらず、オーバーサブスクリプション(募集枠を超える応募があること)の懸念が出るほどの人気を博した。

事実、シリーズBで20.4億円を調達し、Beyond Next Ventures、荏原製作所、NTTファイナンス、三菱UFJキャピタル、京信ソーシャルキャピタル、中信ベンチャーキャピタル、奥村組、岩谷産業、ウシオ電機、FOOD & LIFE COMPANIES、SBプレイヤーズ、丸井グループ、CBC、KANSOテクノス、MOL PLUS、SMBCベンチャーキャピタル、京大創業者応援ファンドといった名だたる事業会社・VC/CVCら17社が今回のラウンドに参加している。

調達した資金により、国内最大級の養殖プラント新設による水産物の量産体制整備のほか、海外進出、品種改良やスマート養殖の研究開発に充て、水産物の生産体制強化とさらなる研究開発の加速を目指す予定だという。

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創業3年目で大手企業はじめ70団体超とアライアンス。
Win-Winなスキーム作りの秘訣とは

時代の最先端を行き、各界から熱い視線を浴びるリージョナルフィッシュ。その強みをあらためて整理してみよう。

梅川氏によると、リージョナルフィッシュの強みは、「ゲノム編集技術」「完全養殖技術」「ビジネスを推進してアライアンスを組む力」の3つだという。

梅川まずは「ゲノム編集技術」に関して。リージョナルフィッシュでは社員40名のうち19名が博士号を持っており、水産物の遺伝子やゲノム編集についての専門的な知見と技術を持っています。

さらに、そのゲノム編集技術を支えているのが、二つ目の「完全養殖の技術」です。ゲノム編集では、卵に酵素を入れたのち、卵が無事に孵化して成魚まで育って成魚が卵を産むことで、はじめて大量生産が可能になります。その稚魚を高確率で作っていけるような養殖技術をリージョナルフィッシュは持っています。

というのも、今まで魚類の養殖は、外洋で捕獲してきた魚から産卵させて稚魚にして、近海の養殖場で成魚まで育てる一代限りであることが一般的でした。ここでいう「完全養殖」とは、成魚から受精卵を採卵し、人工孵化させ、成魚まで育て、また採卵して次世代を作る養殖技術を指します。

有名な事例として、完全養殖技術から生まれたマグロ「近大マグロ」が登場したのは2002年。魚類を完全養殖する技術ができたのは、ここ20年程度のことなんです。

「完全養殖」ができるようになったことで、初めて良い形質を持った親を選別して卵を産ませる、すなわち品種改良ができるようになりました。家畜や農作物では何万年も前から行われてきた品種改良、新しい品種を作る試みが、水産物でやっと可能になったんです。

リージョナルフィッシュは食のブルーオーシャンとも言える領域「水産物の品種改良」にいち早く目をつけ、先駆者となった。そしてゲノム編集の技術と完全養殖の技術が合わさることで、動物や果樹では30年かかると言われる品種改良を、たった2〜3年で可能にした。これらがリージョナルフィッシュを急激に育てた大きな強みであると言える。

そして、これからのリージョナルフィッシュにとって最も重要になってくる要素が3つ目、「アライアンスを通してビジネスを立ち上げていく力」だ。

梅川縮小傾向にあるとはいえ、水産業は生産額が1兆5579億円(平成30年)と非常に規模が大きい業界です。1社の力だけでどうこうするのは難しいです。資金面でもそうですし、技術面でもそうです。

そこで、リージョナルフィッシュは大企業や大学とも積極的に提携して、一緒に市場を構築していくビジネスディベロップメント能力を強みにしているんです。そのパートナー数は3年間で73団体にまで及びます。

梅川氏のいう“提携企業”とは、いったいどんな取り組みを行っているのだろうか。「発表している範囲では、NTTと合弁会社を作ってサスティナブルな養殖場を作るプロジェクトをしています」と梅川氏は言う。

梅川普通の養殖は稚魚を買ってきて、成魚に育て、販売して利益を得ます。ところが、我々リージョナルフィッシュが得意とするのは品種を作って事業化すること。バリューチェーンを考えると、開発した品種を育てたり活用したりして事業化できる企業をパートナーとして見つける必要があるんです。

まだ知らない方もいるかもしれませんが、実はNTTは「藻類に効率的にCO2を固定させる」という高い技術を持っているんです。その藻類を魚に餌として与えると、環境に貢献できる事業になりますよね。

NTT側には「持続可能に、CO2の排出量を下げながら、日本の食糧安全保障を支えるものを生産したい」というモチベーションがある。

一方僕たちリージョナルフィッシュは、品種改良された水産物をどんどん広げていきたい。このようにお互い一緒にやり続けられる理由、スキームをいかに作り上げるか、という戦略を立てて事業の組み立てを行っています。

この他にも奥村組・NTTドコモ・岩⾕産業の3社と提携してバナメイエビのスマート養殖試験を行うなど、水産業に縁のなかった大企業が、食糧安全保障や環境負荷低減などのモチベーションから、リージョナルフィッシュを介して次々と参入しているのだ。

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世間の風当たりが強い=社会的インパクト大。
大事なのは経営のバランス感覚

数々の大企業を巻き込みながら事業を行うリージョナルフィッシュだが、「スタートアップにはスタートアップの、大企業には大企業の役割がある」と梅川氏は強調する。

梅川我々スタートアップは急成長が期待されている会社です。既に大企業となった企業と同じようなローリスク・ローリターンの事業展開では成長できません。必然的に、ハイリスク・ハイリターン型によると思っています。

そう考えたときに、ゲノム編集は非常にハイリスク・ハイリターンな事業だと思っています。やはり「ゲノム編集」という言葉への抵抗感は一般的に大きいと思います。「バイオテクノロジーや遺伝子組換えは怖い」「品種改良と言っても扱っていいものなんだろうか」という考えから、大企業はなかなか手を出しにくい事業領域です。

我々ベンチャーがそこのハイリスク・ハイリターンを追って市場を切り開いていくというのが、すごく相性の良い分野なんですよ。

大企業側としても、先ほどNTTで挙げたような「CO2削減のためのスマート養殖」のような文脈であれば参入しやすい。CO2を固定する藻類のような形で、技術提供も可能になる。

梅川ゲノム編集での品種改良は我々リージョナルフィッシュが取り組みながら、品種改良する過程で得られたデータを使って大企業と連携し、一緒にスマート養殖の機器などを開発していく。そうした積み上げをしていくのがいいと思っています。

これは大企業、これはベンチャーという形で棲み分けをしながら共存して、一緒にやっていきたいと思っています。水産業の研究ポストがある大企業って、元々ほとんどないですしね。

水産業の世界を変えるための最短ルートをたどるためには、リージョナルフィッシュ1社だけでは難しい。多くの企業を巻き込む必要があるのだ。

一方、大企業も尻込みする「ゲノム編集」のリスクが無くなるわけではないだろう。リージョナルフィッシュはどのようにこの“世論”や“リスク”という課題に立ち向かっているのだろうか。

梅川やはり消費者団体等で、反対される方はいます。「ゲノム編集」という言葉自体の怖さもあり、例えば重要な遺伝子が誤って壊されて、とんでもない生物ができるんじゃないかと誤解している方もいます。

やはり「ゲノム編集」は、「遺伝子組換え」と混同されやすいのですが、これらは全く異なる技術なんです。

「遺伝子組換え」は“別種の生き物の遺伝子を組み込む”技術を指します。例えばサントリーがオーストラリアのベンチャー企業フロリジン社と共同で開発した「青いバラ」がその例でしょう。バラは遺伝的に青い色素を持たないため、長年「青いバラを作るのは不可能」とされてきましたが、青い色素を持つ花ペチュニアの遺伝子を組み込むことで「青いバラ」の開発に成功しました。

一方「ゲノム編集」とは、“その動物が持つ元々の遺伝子を一部欠損させる”技術を指します。動物が子孫を残す時、自然に起こりうるDNAのコピーミスなどにより、遺伝子の一部が欠損する自然現象を、意図的に起こす技術と言えます。

例えば長い品種改良の歴史によって誕生した牛の品種「ベルジアンブルー」は、ミオスタチンと呼ばれる筋肉量を調整する物質を作る遺伝子の欠損により誕生したもので、通常の牛よりはるかに多くの筋肉がつきます。また、キャベツの原種であるヤセイカンランを品種改良した結果、キャベツ、芽キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、ケールが生まれています。

簡単に言えば、遺伝子組換えは「自然界に存在しない生き物を生み出す」、ゲノム編集は「自然の進化を先取りする」技術と言える。科学的に安全性の高い技術とされているのだ。

それでも、あらゆる食品にはリスクがあり、ゼロリスクということはあり得ない。だが、そうであるからこそ、梅川氏は「0か100か」という議論ではなく、「バランス感覚が重要」と語る。

梅川リージョナルフィッシュでは行政の通知に基づき、食品・飼料・環境影響の届出を行っています。

また食品衛生法や飼料安全法で規制されている「組換えDNA技術応用食品」に該当しないことを確認した上で、厚生労働省や農林水産省からも「従来の食品・飼料と同程度のリスク」であり、生物多様性への影響もないとして受理されています。

しかし、このように「科学的には安全」とされていても、反対運動自体はどうしても簡単に止められるものではありません。反対する人もいれば賛成する人もいるので、バランス感覚を保ちながら経営していく必要のある会社だとは思っています。

もちろん世論を変えるのは、一朝一夕で成し遂げられることはできないだろう。そうであるからこそ、梅川氏も反対運動を排斥するのではなく、常に説明責任を果たすべく、マーケットの啓蒙活動にも積極的に取り組んでいるのだ。

歴史を思い返しても、世の中を大きく変える起業家はこれまでの常識や世論といったものを覆してきた。既存のホテル業界からの抵抗に負けず宿泊業界に変革を起こしてきたAirbnbの創業者ブライアン・チェスキーや、地域や国ごとに違う法規制一つ一つと向き合って拡大してきたUberのトラビス・カラニックがその例だろう。梅川氏が放つエネルギーと、確固たる信念は偉大な起業家たちと通ずるものがあると感じてやまない。

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17社の投資先に1人で対応。
IPOに向け、人材募集を加速

現在、リージョナルフィッシュはシリーズBで20億円超もの資金調達を受け、IPOに向けて動いている。その中で組織力強化のため、多くの人材を求めている。

梅川先ほども申し上げた通り、リージョナルフィッシュでは多くの大企業とアライアンスを組み事業を推進しています。例えば、そのプロジェクトで「とある魚を作ろう」となった際、きちんとプロジェクトマネジメントしていけるようなBizDev(事業開発)人材が必要です。

「なんの魚にするのか、どこにどんなプラントを立てるか、どの企業・行政との連携が必要となるか」といったことを考え、未知のルートが多い中で推し進める必要があるので、新しい領域をキャッチアップしながら周囲を巻き込んで事業を強くしてくださる方の力をどんどんお借りしたい……!そういった人は転職市場に多いわけではないのでなかなか出会えません。とにかくちょっとでも気になったらお声をいただけるとうれしいですね。

また、リージョナルフィッシュの要になる人材として、当社のファイナンスを任せられる方を探しています。私たちのことをあまり知らない投資家に、「この会社はこれだけ面白くて世界を変える可能性があるんだ」というのを投資家にとって分かりやすい言葉で伝え続けていくのが必要で、そのプロセスを一緒に考えてくれるような方を見つけたいと考えています。

というのも、シリーズBの20億円超の調達は僕が3ヶ月間1人でやることになりました。シリーズBの引受先になった17社の投資家に私1人で対応するという……流石にこれはキツかったです(笑)。

ぜひファイナンスの知見のある方に参画いただき、当社の更なる飛躍を支えていただきたいと考えています。

もちろん、これらポジション以外でも「日本の水産業を強くしたい」「地域経済を盛り上げたい」というような想いを持って、リージョナルフィッシュのビジョンにワクワクして共感してくださるような方であれば、ぜひ一度お話をさせてください!

シリーズBで20億円超の調達、70団体超との提携など、目を見張るほどの規模で事業を展開するリージョナルフィッシュ。しかし、忘れてはいけないのは同社がまだ今年創業4年、社員規模40名ほどの小さなスタートアップであるということだ。各界から熱視線を浴びながら、日本の水産業を盛り上げるべく邁進する同社に今後も目が離せない。

こちらの記事は2023年04月28日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

藤本 摩理

写真

藤田 慎一郎

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