新規事業はいくらでも創れる、“人”さえいれば。
使命は「若者たちへの事業機会の提供」、テック事業創造集団の姿とは

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インタビュイー
高橋 知道
  • RPAホールディングス株式会社 代表取締役 

一橋大学経済学部を卒業後、1993年にアンダーセンコンサルティング(現 アクセンチュア)に入社 。その後、ソフトバンク(現ソフトバンクグループ)、スカイパーフェクTV!を経て、2000年4月に新規事業プロデュースを手掛けるオープンアソシエイツ株式会社を設立。2016年、オープンアソシエイツを持株会社へ移行、「RPA/AIを活⽤した新規事業創造」を明確に打ち出し、RPAホールディングス株式会社(旧:オープンテクノロジーズ株式会社)に商号を変更した。

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社名から「ああ○○をやっている会社か」とすぐに想像できる企業は少なくない。その企業の特徴をもっとも端的に表す言葉を社名に冠するというのは、ブランディングやマーケティング上のメリットが多くあるはず。

今回取り上げるこの企業も、そういう社名を持つ。しかし、創業者であり辣腕事業家でもある社長の高橋知道氏に話を聞き、“見てくれ”だけで企業の内実を判断することがどれだけ危険なのか、思い知った。ビジネスにおいても、キャリア構築においても、予断は許されない、そんな教訓をこの記事では伝えたい。

つまるところ、RPAホールディングスという企業は、いま流行りのいわゆる“RPAツール”の会社ではないのだ。創業以来一貫して、テクノロジーを活用した「事業創造集団」なのである。創業からの変遷をたどり、RPAというデジタル情報革命の時流を捉えて一部上場まで達成した高橋氏が、次に見据える山と、いま若者たちに伝えたいことを、つぶさに記録した。

  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
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RPAへの誤解と、RPAホールディングスへの誤解

RPAだけの会社ではない──。

そんなことを言われても「じゃあなぜこんな社名に?」と感じる読者が少なくないことは当然のことだろう。そこは「デジタル情報革命の時流を捉えたコンセプトである、RPAを駆使した事業創造集団」といった説明になる。一般的にRPAといえばただの自動化ツールと思われているかもしれないが、ツールではなくコンセプトなのだ。そもそもの「RPAに対しての誤解」を解くところから、高橋氏のインタビューは始まった。

高橋一般的に捉えられているRPAツールは十数年前から存在しており、新しい技術では全くありません。むしろ枯れた技術であり、システムテストのツールにルーツを持つものが多い。我々が注目したのはRobotic Process Automationを略したRPAという概念で、今から5年前(2015年頃)、英国の大学教授が提唱し始めた概念です。

これまでロボットといえば、物理的なロボットしか存在していませんでした。それらは予め設定されたことを単純にこなすだけでした。しかし、デジタル情報革命によって圧倒的な進化を遂げたコンピューティング処理能力が可能にしたAI、すなわち精緻な予測機能がそこに搭載されることで話は大きく変わります。単純なロボットが、スマートロボット化するという革命的進化の可能性、それが謳われ始めた時期が、この2015年頃なのです。

例えば、モビリティ産業で取り組んでいる、IoTやAIによってあらゆる交通手段による移動を1つのサービスとしてシームレスに繋ぐMaaSや、ドローンやAIによって農業の変革を目指すアグリテックなどがそれに当たります。

高橋ホワイトカラーの世界でも同様に、大きな変化が起きようとしています。主にシステム間を跨ぐような単純処理を、物理的なロボットと同じように予め設定されたとおり実行する単純ロボット(一般的に認知されているRPA)がこれまで存在していました。そこに、先ほどと同じようにAIが加わる事で、「スマートロボット(デジタルレイバー)」が従前のホワイトカラーがやっていた仕事を代行し、生産性変革を起こそうという発想。これが、特に大きなインパクトを与えうるRPAの概念説明になります。

我々は既に2008年から、いわゆるRPAツールである「BizRobo!」に事業として取り組んでおり、2015年時点では既にRPAに関する圧倒的No.1の実績を作り、圧倒的な導入効果を証明していました。それに加えて、AIというデジタル情報革命の果実によって、「パソコン」や「スマホ」「インターネット」と同じように、“RPA”も誰もが使える大衆化されたテクノロジーとして広く浸透する時代になる。そうなれば従来の仕事のやり方が根本的に変わり、その結果全ての産業がアップデートされる。そこにRPAのリーディングカンパニーとして大きな事業機会があると捉えたため、「RPAホールディングス」という社名に変更したのです。

「バックオフィスなどの領域で行われる事務作業の工程を認識・記憶し、自動的に業務効率の改善や生産性の向上を図っていくツールがRPAだ」というような、日本における一般的な解釈は、狭義のRPAでしかないということだという指摘だ。

もちろん高橋氏率いるRPAホールディングス(以下、RPA HD)は、そうしたサービスも提供している。デスクワークの効率アップに用いるRPAソリューションを運営しているし、グループ企業の1つであるRPAテクノロジーズが提供している『BizRobo!』シリーズは既に業界リーディングカンパニーなど大企業を含む1560社以上が導入している。

高橋なぜ今、ツールとしてのRPAが注目・期待されているのか。それは、既存のITツールを用いたデスクワークが複雑さを極めているからです。1人のホワイトカラーが1日のルーティンワークで使いこなすアプリケーションソフトの数を例に挙げても、1つや2つでは済みませんよね?しかもインターネット経由でSaaSを用いたり、クラウド上のデータを呼び出したりもしている。

このような複雑なデスクワークの負荷を下げるため、複数のアプリケーションをシステムによって連携している企業が今は多いです。この場合、連携しているアプリがアップデートされる度に、システムエンジニアにシステムを修正対応してもらう必要が生じる。要はメンテナビリティが下がり、環境変化に弱くなるのです。

ここで「RPAという概念」が活きるんです。システムの代わりにロボットを活用し、現場のマニュアルに沿ってロボットの設定を現場の方が変更することで対応できるとしたら、業務変化にも強く、生産的なオペレーション体制を確立できます。

これが「RPA=デジタルレイバー」の強みであり、自動化のメリットを活用できる主戦場として、反復作業の多いバックオフィスへの導入が進んでいる要因でもあるのだと高橋氏は言う。だが、デジタルレイバーが持つ力や可能性は、そんな限定的なものではないようだ。

高橋管理部門などで行われている複雑な反復作業を、スマートロボットというデジタルレイバー(仮想知的労働)が担えば、スピードも正確さも飛躍的に向上します。

属人的だった仕事をデジタルレイバーが肩代わりしてくれることで、コスト削減を達成できる。それはそれで素晴らしいことだけれども、企業の業績に最大のインパクトを与えるのはバックオフィス業務ではなく、中核業務であるフロントオフィス領域の仕事です。事業会社であれば営業部門やマーケティング部門、金融機関であればトレーダーやファンドマネージャーが担う仕事。

そこにもデジタルレイバーの活用は確実に可能であると私たちは考えています。それによって、圧倒的生産性の向上と、デジタルレイバーならではの顧客への新たな価値提供を可能にするのです。そして実際に、フロントオフィス領域での活用事例は増え始めています。

例えば、中古自動車販売の企業では、営業マンが海外顧客からのオーダーに応じてインターネットで情報を集め、マッチングを図るという作業を行っていたが、この一連のフローをRPAに記憶させ実行させたことにより、売り上げを2ヵ月で3倍にまで伸ばしたという。

また金融界でも、AIを用いたロボット投資が投資信託などの領域でジワジワと実績を上げている。高橋氏によれば、グループ会社の広告代理店事業はデジタルレイバーをフルに活用して、代理店業務の8割を自動化している。人が介在しないのでミスがなくリアルタイムでのレスポンス。更にデジタルレイバーならではの付加価値サービスを、競合のレガシーサービスよりも安価に提供することによって、業界で急成長を遂げている。

高橋振り返ってみれば、パソコンもインターネットも登場した当初はビジネスに与えるインパクトはごく限られたものでした。コスト削減や既存の媒体の置き換えなど、限定的な利用しかされていませんでした。

しかし、そのテクノロジーの持つ潜在的な能力を前提にした業務プロセス、組織、顧客体験を再定義したサービスや企業が現れることで、社会を大きく変えました。

(広義の)デジタルレイバーも同様の爆発的可能性を秘めていることを、多くの人に知ってほしいのですよ。この武器の本質的可能性を理解し活用すれば、提供者側の生産性を圧倒的に改善し、新たな顧客価値の提供を行うことが可能です。

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“事業家”に求められるのは「行動力」

ここから高橋氏が熱く語ったのは、「愛する日本の未来」に対する強い思いだった。

高橋パソコンもスマホもRPAも、大きな枠組みで捉えるならば、“デジタル技術による革新の30年間”に生まれた概念であり、大きなビジネスチャンスでした。そしてまさにその30年間、日本は後れを取り続けていました。

この30年よりも前のビフォーデジタル時代はどうだったのか?ソニーもホンダもパナソニックも、創業者が大胆なチャレンジを指揮して、日本は非常に革新的でした。天才的経営者が何人もいて、イノベーションを成し遂げ、グローバル市場を席巻したのです。

では、なぜアフターデジタル時代に日本が停滞していると思うようになったのか。高橋氏は2つの理由があると前置きし、淡々と語った。

高橋1つはOwnership。戦後の創業経営者たちが第一線を退いたあとの次代の経営者が、それまでのようにOwnershipを持って挑戦し続けるのではなく、過去の成功やレガシーに囚われてしまった。

もう1つはデジタル。アナログ領域では年間で生産性向上が2〜3%程度しかない一方で、デジタル領域では年間で生産性が40%も向上する。こんなとてつもないインパクトがあるデジタルという最大の武器を、日本の経営者は活用することができなかった。

しかし、圧倒的な遅れをとった日本が、今後もこれまでの30年間と同じ道を歩むとは思っていません。むしろ再び革新的になる機会があると思っています。決定的に遅れをとったというのは、リープフロッグできる、つまり一気に世界の先頭に出る土壌が整ったという見方もできます。

高橋例えばお隣の中国。私はその躍進を間近に見てきました。

文化大革命によって最貧国となり、世界で最もテクノロジーの活用が遅れていたのが30年前までの中国です。しかし1990年に入り、経済発展が始まるやいなや、その当時の最新テクノロジー=情報技術をフルに活用した新たな国づくり、産業育成に大きく舵を切りました。その結果、Ownershipを持った若手の創業経営者と最先端のデジタル経済を生み出すことになった。

はっきり言って今の日本は、コロナ対応で広く認識された通り、デジタルという文脈において、決定的な遅れをとっています。

家を創造してみてください。少し古くなった家を建て替えるのはためらいますが、ボロボロでどうしようもなくなった家なら建て替えようというインセンティブが働きませんか。それと同じで、日本はデジタルという文脈においては、リープフロッグを起こせる可能性があるとも言えます。

デジタル情報革命は始まってたったの30年、やっと時代の主役に抜擢されたという段階です。「パソコン」「スマホ」「インターネット」に続いて、これからの5~10年の時流は「スマートロボット革命」で、その後もデジタル情報革命の進化がもたらす、最新のテクノロジーを活用した社会の変革は加速し続けます。

テクノロジーの深化がアップデートが起こすのは歴史の常であり、皆様の目の前には莫大な事業機会が存在します。この状況下で「この問題を解決するんだ」という熱い想いを持って行動し続けることで、日本はより輝けると思っています。

世界に後れを取る日本で、スマートロボットのような最新テクノロジーが持っている未知の可能性を強く確信する高橋氏は、一体何を目指しているのか。

高橋事業家に求められることは、テクノロジーの可能性を信じて直感に従って行動し続けること。その結果が、社会をより良い方向に進化させることにつながる。もちろん経済合理性の検証は最低限必要になってきますが、特に若い人にとって、直観に従い行動に移す事は何よりも大切な事だと思います。少なくとも私はこれまでの経験の中でそう学んだからこそ、RPA HDという会社の舵を大きく切っているんです。

「過去の成功体験に囚われているから日本はダメなんだ」という話は、私以外にもいろいろな方々が口にしていますが、一向に変わる気配がない。このことも問題ですが、むしろ私は若い世代に強く言いたい。こういう論調に乗っかって「そうだ、だからダメなんだ」と評論家のようなことを言っているヒマがあったら、自分で足を前に踏み出せよ、と。

若いのに「to be(こうあるべき)」を語って、評論家ぶるのは違う。事業家であるならば「can be(実現するんだ!)」を行動に移してほしいですね。

伝えたいのは「過去にしがみつく人々への批判」ではなく「ドグマに囚われず、若い人にどんどん挑戦してほしいという強い想い」。

高橋私自身、若い頃はデジタル情報革命がもたらすテクノロジーの可能性を信じて、直感に従い行動し続けてきました。その行動の結果が今に繋がっているだけの話です。だから、20代の人たちには「今すぐ賢くスマートに突破せよ」などとは言いません。ましてや説教なんてしたくもない(笑)。

新規事業とはその名の如し、誰もやったことがないから新規事業なのです。したがって、皆様のような知力も体力もある若い人が同じスタートラインで挑戦するには最高の舞台。それに対して、既に勝者が存在し経験者から仕事を学ぶような既存事業では、若い人に勝つチャンスは少ないのではないでしょうか。特にデジタルの世界は変化が非常に早い世界なので、これも意欲を持った若い人にこそ、大きなアドバンテージがあると思います。だからこそ若者には自ら率先して行動してもらいたいのです。

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「目指すのはテクノロジーを駆使して1000人の熱狂的共感を創造すること」

高橋ありがたいことに私のキャリアは運がよかったと思います。業務内容も理解しないまま何となく面白そうだと思って入った会社が、アクセンチュアという今を代表とするデジタルカンパニーでした。当時はアクセンチュアの新入社員ですらほとんどパソコンを触ったことがなかった時代です。要は偶然事業内容も良く分からず入った会社が今に至るデジタル情報革命をリードする会社だったのです(笑)。

その後、パソコンソフトの流通とパソコン雑誌の2事業しか存在していなかったソフトバンク(現ソフトバンクグループ)にジョインし、当時のブロードバンド革命であるスカパーの立ち上げに関わったり、インターネットが様々な産業をアップデートする動きのど真ん中で、新規事業に携わることができました。

これらの体験を踏まえて、デジタル情報革命がもたらすインターネットという武器を上手く活用できたならば、自分達で革命的にインパクトを与えられるようなサービスを作ることができると確信して、オープンアソシエイツ(後のRPA HD)を設立しました。運悪く、設立したタイミングがITバブル崩壊直後だったため、事業に必要な資金が調達できず、インターネットを活用した新規事業のコンサルティングを手がける事業にシフトしたのですが。

インターネットを使った自分達でのサービスは叶わなかったが、新規事業のコンサルティングを手掛ける事業において大手クライアント企業のIT変革や新規事業創造に携わることで、ノウハウを貪欲に吸収していった高橋氏。

高橋コンサルは儲かりますよ、いろいろな意味で。ただ、儲かりすぎてコンサル事業に特化してしまい、初心を忘れてしまったのです(笑)。

そんなときにリーマンショックが起こり、コンサル事業は半分以上止まって会社の危機となったんですよ。そこで、改めて初心に戻り、自分たちでテクノロジーを活用して事業をやろうと、ピボットを決めました。

そうして2008年、「テクノロジーを活用した新規事業創造集団」として再起動して今に至る。

現在のRPA HDは複数の事業会社の集合体。先に紹介した『BizRobo!』を軸に、ツールとしてのRPA導入やコンサルティングを手がけるRPAテクノロジーズは、「ロボットアウトソーシング事業」と位置づけられている。スマートロボットを使った業界の再定義を行っている「ロボットトランスフォーメーション事業」を担っているのがセグメント社であり、オープンアソシエイツ社は「RaaS(Robot as a Service)事業」を推進。2020年には「CVC・投資事業」の位置づけでオープンベンチャーズ社もスタートした。

すべては冒頭で聞いた「スマートロボット革命」という時流を捉えた新規事業創造のための企業集団というわけである。

高橋なぜテクノロジーと新規事業に拘ったチャレンジをやり続けられることができたのか、その理由は「楽しいから」です。こういうことが好きでしょうがないからです(笑)。

同社はミッションとして「知恵とテクノロジーで新しい事業を創造し、個性が輝く楽しい時代に進化する」を掲げている。この一文の中でも特に大きな意味を持つキーワードが2つあり、その1つが「楽しい」であり、もう1つが「個性輝く」なのだと高橋氏は満面の笑みで言う。

高橋そもそも「楽しい」という感情って何でしょうか。それは、夢中になれることや、誰に何と言われようとやり続けられること。社会人なら自分が得意なことで社会に貢献できること、企業も同じでその企業にしかない強みで社会に貢献することです。

我々はデジタル情報革命がもたらす「大衆化されたテクノロジー」を活用した事業を創出することによって、従来の労働、組織、制度、商習慣、性別差、年齢差、地域差、人種差等のあらゆる制約条件から個人を解放し、個人が持って生まれた得意分野を社会に対して存分に発揮し、その個性が光り輝く楽しい時代に進化させることが、我々のミッションです

高橋いわゆるGAFAに代表されるテクノロジーサービスベンダーは、グローバルに平準化されたテクノロジーサービスのレイヤーでイノベーションを起こし成功していますよね?デジタル後進国になってしまった日本の企業の多くも、必死でこのグローバル(ヨコ方向)への広がりを追求している実態があります。

でも、今という時代はグローバルにはグローバルの課題がある一方で、ローカルにはローカルのより複雑でシリアスな課題があると認識しています。例えば、愛媛県の価値をもっと上げて、豊かな地域にしていきたい、というローカルの課題に、「ただでさえ美味しい愛媛のミカンを、さらにめちゃめちゃ美味しいミカンに進化させる」という解決策を選択する。スマートロボットを手段として導入して、地元農家のフロント業務にイノベーションをもたらしたり、その情報発信においてデジタルを駆使していく……といった事業機会が存在するわけです。

限られた勝者が大きな果実を手にする特徴のある、テクノロジーサービスのレイヤーだけではない。テクノロジーを活用した個別課題(タテ方向)の解決にこそ、若い人に大きな機会があるというわけだ。そこでは、より多数の勝者が生まれる可能性がある。

高橋私たちは地方創成に関わる様々な事業に、積極的に携わっています。「そこでしか輝かない何か」を本当に輝かせるお手伝いをするのは実に楽しいです。

ただし、地方創成はあくまでも一例。例えば「日本の広告産業のビジネスモデルをアップデートする」というのも1つのタテ方向ですし、「非中核業務のロボットを活用したBPO」もタテ向きの深掘りと言えるわけです。「世界中」というほどにその市場がヨコに広がっていなくても、タテに深く掘っていければ大きな面積を形成します。

すなわち、GAFA的なテクノロジーイノベーションレイヤーの技術(ヨコ方向)を駆使し、今お話をしてきたような個別的でシリアスな現実課題(タテ方向)を解決する新規事業を創造していくのです。

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高橋氏のミッションは「若者の個性が輝くチャンスを創ること」

改めて、RPA HDが、高橋氏が、どのような世界を描き、何をしようとしているのかを尋ねてみた。

高橋スマートロボットを始めとしたテクノロジーが今提示してくれている大きなチャンス、それに対して挑戦し続けることに私自身が「楽しさ」を感じているからこそ、ここまで徹底した取り組みをしているのだというお話をしました。

その中で、事業家であり経営者である私の役割は何なのかと問われれば、端的に言えばオポチュニティーメーキング、すなわち可能性を持った若者にテクノロジーという武器と事業機会を提供し、思う存分に個性が輝かせる挑戦ができる場を提供することだと答えます。

自身もさまざまな事業創造を手掛け、いまは経営陣として活躍する事業家たちを育てあげてきた。そうして行き着いたのは「いかにチャンスを作り、与え、それによって成長させられるか」だった。テクノロジーを最先端で捉え、事業に活かしてきたからこそ、そうすべきであるという背景がはっきりと見えるようになってきたわけだ。

高橋これまで説明してきたように、日本の地方をはじめ世の中には膨大な事業機会が存在するんですよ。多くの人が、そのことにあまり気が付けていないようなのですが。でもそういうシリアスな課題に対して「それらの課題を本気で解決していきたい」という強い想いを持ち、楽しみながら行動できる若者たちが少しずつ生まれて来ています。そういう人たちと共に、事業を創造していきたいですね。

RPA HDはこのような思いを抱く若者の採用に、非常に積極的になっているという。2020年春のコロナショックでは確かに一部、事業運営上はダメージがあった。しかしいち早く柔軟に変化に対応したことで、より組織構造をさらに進化させることができた。だからこそ採用を含め、社としてまだまだチャンスをつかむため前進する。足りないのは常に「人」だ。そのための制度や仕組みをさらに整えていると、笑顔で語る。

果たして具体的に、いったい何をしたのだろうか?社内外で事業共創を生み出し続けていくための切り札としての仕掛けを、次の記事では存分に紹介したい。

こちらの記事は2020年11月04日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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藤田 慎一郎

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